先日、映画「秒速5センチメートル」がNHKBSプレミアムで放送されていました。
・・・何度見てもいい映画なんですけども、何度見ても切なくなる作品でもあります。作品そのものは絵も綺麗だし、主題歌も絶妙なタイミングで入ってくるしで、素晴らしいとは思います。ただ、やはりあの展開には度肝を抜かれましたし、辛くもなりました・・・まぁ、最後は過去を振り返らずに新たな一歩を踏み出す、という描写があったので救いが全く無いわけではないですが、第3話の明里の幸せな笑顔は、貴樹に向けられるものであって欲しかった、という思いが強いです。
初見時、私は第1話を見た時に「ああ、この映画は恋愛映画なんだ」という印象を抱いたのだと思います。そこで「2人がこんなに幸せそうなんだから、この恋愛映画もハッピーエンドで終わるだろう」と思ったからこそ、結末に無茶苦茶驚いたんだろうなぁ・・・と。「耳をすませば」でハッピーエンドを見ていたから、という影響もあるかもしれません。
「何故2人は結ばれなかったのか」「何故手紙のやり取りが途絶えてしまったのか」など、あれこれ考えさせられる作品でもあります。「離れていても心が通じ合っていれば大丈夫」という理想ではなく、物理的な距離も、精神的な距離も離れていくという現実を突きつけられるが故に、どうしても見るのを遠ざけてしまうのかもしれません。
ただそれは「作品の出来が悪い」というわけではありません。むしろ、ここまで心に響いてくる作品だからこそ、暇つぶしで見られるような作品ではありませんし、見るなら見ると、しっかり気持ちを固めて見なければと感じる作品です。
結ばれてハッピーエンドではないけれども、誰かの幸せを願い、大切な思いを胸に抱きつつ、前へと進んでいく。それがたとえ秒速5センチメートルであったとしても、前へと進んでいることに変わりは無い。桜の花びらは散って地面に落ちてしまったら動くのは容易ではありませんが、人間は立ち止まってもまた歩き出せる。そんなことを感じさせてくれる、大好きで、それでいて切なくて、それでもやっぱり大好きな作品です。
ちなみに、2010年、2011年に漫画第1巻、第2巻が発売されています。基本は映画に沿っていますが、第3話で貴樹に別れを告げた女性・水野理紗と貴樹が岩舟を訪れるなど、2人が別れるまでの過程がより細かく描かれており、本編後には第2話に出てきた澄田が上京してくる話も描かれています。あそこで終わるのが上手いというか、やきもきするというか・・・
ともあれ、久々に映画、漫画で「秒速5センチメートル」を見直す機会に出会えて良かったです。
・・・何度見てもいい映画なんですけども、何度見ても切なくなる作品でもあります。作品そのものは絵も綺麗だし、主題歌も絶妙なタイミングで入ってくるしで、素晴らしいとは思います。ただ、やはりあの展開には度肝を抜かれましたし、辛くもなりました・・・まぁ、最後は過去を振り返らずに新たな一歩を踏み出す、という描写があったので救いが全く無いわけではないですが、第3話の明里の幸せな笑顔は、貴樹に向けられるものであって欲しかった、という思いが強いです。
初見時、私は第1話を見た時に「ああ、この映画は恋愛映画なんだ」という印象を抱いたのだと思います。そこで「2人がこんなに幸せそうなんだから、この恋愛映画もハッピーエンドで終わるだろう」と思ったからこそ、結末に無茶苦茶驚いたんだろうなぁ・・・と。「耳をすませば」でハッピーエンドを見ていたから、という影響もあるかもしれません。
「何故2人は結ばれなかったのか」「何故手紙のやり取りが途絶えてしまったのか」など、あれこれ考えさせられる作品でもあります。「離れていても心が通じ合っていれば大丈夫」という理想ではなく、物理的な距離も、精神的な距離も離れていくという現実を突きつけられるが故に、どうしても見るのを遠ざけてしまうのかもしれません。
ただそれは「作品の出来が悪い」というわけではありません。むしろ、ここまで心に響いてくる作品だからこそ、暇つぶしで見られるような作品ではありませんし、見るなら見ると、しっかり気持ちを固めて見なければと感じる作品です。
結ばれてハッピーエンドではないけれども、誰かの幸せを願い、大切な思いを胸に抱きつつ、前へと進んでいく。それがたとえ秒速5センチメートルであったとしても、前へと進んでいることに変わりは無い。桜の花びらは散って地面に落ちてしまったら動くのは容易ではありませんが、人間は立ち止まってもまた歩き出せる。そんなことを感じさせてくれる、大好きで、それでいて切なくて、それでもやっぱり大好きな作品です。
ちなみに、2010年、2011年に漫画第1巻、第2巻が発売されています。基本は映画に沿っていますが、第3話で貴樹に別れを告げた女性・水野理紗と貴樹が岩舟を訪れるなど、2人が別れるまでの過程がより細かく描かれており、本編後には第2話に出てきた澄田が上京してくる話も描かれています。あそこで終わるのが上手いというか、やきもきするというか・・・
ともあれ、久々に映画、漫画で「秒速5センチメートル」を見直す機会に出会えて良かったです。