ひびレビ

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「ベイマックス(吹替え版)」を見て

2016-05-04 08:41:28 | テレビ・映画・ドラマ
2014年の映画「ベイマックス(吹替え版)」を見ました。

 予告からはなかなか想像できない展開を見せる「ベイマックス」。ヒロがベイマックスにアーマーを取り付けようとしていたことからある程度想像はできたとは思いますが、実際に見てみると予想を上回るヒーローっぷりでした。

 マスクの男と戦うべく、ヒロはケアの元となるヘルスケアチップ以外に手製の赤いチップを差込み、空手のデータをインストール。それによりベイマックスは戦うケア・ロボットとなり、更なるバージョンアップでは空飛ぶケア・ロボットへと進化。思わず抱きつきたくなるデザインから一変、頼もしいロボットへと見た目を変えました。終盤で空を自在に飛び、空手の技でマイクロボットの群れを次々に迎撃していく様は、凄まじくカッコいいです。

 一方でケア・ロボットとしての本質も忘れておらず、ヒロの気持ちに寄り添い、彼を支え、励ますことも欠かしませんでした。後にマスクの男の正体を知ったヒロは、彼の命を奪おうとするものの仲間がそれを阻止。一度はヘルスケアチップを抜かれたベイマックスも、二度目はそれを拒絶し「命を奪えば、気持ちが落ち着きますか?」となかなかに痛烈な一言を放ちます。

 そして「タダシはここにいます」とヒロに告げるベイマックスの胸には、タダシの実験記録が映し出されることに。そこには何度失敗しても諦めずに、ベイマックスの起動実験を繰り返すタダシの姿がありました。
 確かにタダシは死亡し、いくら誰かの心の中に生きていると言われても、そう簡単に受け入れられることではないのかもしれません。それでも、目の前にいるベイマックスには、紛れも無くタダシの思いが込められていました。タダシの思いは、ベイマックスとなって今もこうしてヒロの前に立っている。タダシの多くの人を助けたいという思いを知ったヒロは考えを改め、マスクの男の命を奪うのではなく、捕まえることを選ぶことに。一度は暴走しかけたヒロを優しく受け止めるゴー・ゴーたちも、ヒロのケアに一役買ってくれていました。


 タダシの思いは他にも「俺は信じてるからな」「見方を変えてみる」という言葉として、ヒロたちに受け継がれていくことに。ヒロのみならず、ゴー・ゴーたちの活躍も光っていました。
 同時に、変幻自在の攻撃を繰り出してくるマスクの男もなかなかに面白かったですね。


 ラスト、とある事情によりヒロとベイマックスの間に別れが訪れることに。アーマーも殆ど損壊し、唯一使えそうなのは右手のロケットパンチだけ・・・というところで、ある程度の展開は読めていましたが、なかなかにグッと来るものがありました。必死に別れまいとするヒロに対し、優しく「私はいつも一緒にいます」と告げるベイマックス。以前は受け入れられなかったその言葉も、タダシの映像を見たヒロにとっては、理解できる言葉だったようです。
 ロケットパンチ後の行動は攻撃モーションが記録された赤いチップを元に動いていたことになります。それでもなお優しくヒロに問いかけ、彼を抱きしめていたベイマックス。心を改めたヒロの思いがベイマックスの赤いチップにも伝わっていたか、はたまたチップではなく体に心が宿っていたとか・・・色々考えられますね。

 ハートフルストーリーかと思いきや、心が温かくなるばかりではなく熱くもなれる楽しい物語でした。自分を信じてくれている人のため、誰かの思いを受け継ぎ、悲しみを乗り越えて前へ進んでいく。体と精神を健康にしてくれる強く優しいロボット・ベイマックスの物語でした。


 ・・・ところで、異空間を漂い続けているもう1体のベイマックスを助け出しに行くお話しはまだでしょうか(笑。
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