ひびレビ

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「パラサイト」を見て

2020-05-12 08:28:02 | テレビ・映画・ドラマ
 1998年の映画「パラサイト」の吹き替え版を視聴しました。

 舞台はオハイオ州のとある高校。1人の教員の異変をきっかけに、次々と教員や生徒たちの様子がおかしくなっていく。それは密かに地球に忍び込んだ寄生型エイリアン・パラサイトによる侵略だった。
 教員や身近な人間はおろか、調査に来た警察すら手駒へと変えられていく中、残されたケイシーら数人の生徒たちは互いを信じ、人々を、地球を救うことは出来るのか・・・

 という感じのホラー映画なのですが、ホラー映画が苦手な私でもこれは不思議と見れたんですよね・・・一部グロテスクなシーンやら、「え、これ年齢制限無いの?」って思ってしまうようなシーンや言動もあるのですが、何でか見れました。
 実を言うと昔実家で視聴した記憶がありまして。当時もホラー映画は苦手だったのですが、多分エイリアンであるパラサイトが出てくることで幾分ホラーが緩和されていたのだと思います。まぁ気持ち悪いシーンはそこら中にあるので、「うぇえ・・・」と思いつつの視聴でしたが。

 ともあれ、久々の視聴となった今回。やはり昔一度見たぐらいなのに印象に残っていただけあって面白く、そして怖いです(汗。
 明らかに様子のおかしい人物もいれば、一見すると普通なのに実は・・・という人物もそこら中にいるため、誰が敵で誰が味方なのか分からないのが本当に怖い。しかも久々で展開を忘れている部分もあるため、「え!?お前も寄生されてたの!?」な展開もあってなお怖い。

 パラサイトの弱点は見つかったものの、使える道具の数が限られているうえに、パラサイトはイベントを利用して支配の手を街中へと広げていくことに。そんな過酷な状況下での打倒パラサイトの頼みの綱が「親玉を倒せば他も死滅する」という、過去に見たSF作品の設定というのが面白いですね。このパラサイトがそうであるとは限らないけれども、今はそれにすがるしかないという、頼もしいようでいて非常に危ない綱渡り。
 残された生徒たちは戦いの中で絆を深めていく・・・こともあるのですが、周りが敵だらけの状況下では、終盤においても互いに互いを疑わざるを得ない状況に陥っているというのが、更に緊迫感を高めていると思います。

 ですが、そうした困難を乗り越えたからこそ互いに信頼の置ける間柄になっていくことも出来るのでしょう。最初は孤独だったケイシーたちですが、今回の一件を通じて互いにぶつかり、疑いつつも共に困難を乗り越え、パラサイトの言う「仲間」とは違う意味での「仲間」、「友人」や「恋人」といった存在になれたのだと思います。
 それに、パラサイトがいくら「仲間」を増やしても、親玉から分かたれた存在である以上、友人や恋人といった特別な間柄にはなれず、どこまでいっても「仲間」、あるいは「親玉と部下」という上下関係のある存在にしかなり得ないでしょう。
 寄生されれば簡単に変わることが出来る。しかし寄生されなくても人は自分の意志で変わることが出来る。例えその道中に困難があったとしても、その困難を乗り越えたという糧がまた人を成長させる。そんなことを感じた映画でした。
 

 EDではこの一件を通して活躍した生徒たちのその後が描かれるのですが、中でもジークのその後は色んな意味で意外でした。ジークは比較的友人も多いような印象を受けていたので「孤独」とは違うのかなーと思っていたのですが、振り返ってみるとあくまでも彼の周りにいたのは「商売相手」だったのかなと。彼が持っている商品に魅力があるのであって、彼自身に興味を抱いていた人物は少なかったのかなって。
 そんな状況において、自分のことを見てくれる存在のありがたみを痛感したのか、はたまたとある場面でトドメを刺しきれなかった時に大事な相手だと感じ取ったのか・・・良い意味で予想を裏切る展開は見ていて微笑ましかったですね。


 そんな感じの「パラサイト」でした。しかしこれ、あんまりテレビ放送されている記憶なかったんですけど、改めて見ると「そりゃ今の時代、テレビ放送されんわなぁ・・・」の要素が散らばっていて納得してしまいました(汗。グロいだけならまだしも、パラサイトへの有効打が色々と言われそうな気がしてならない。
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