齋藤先生、ワタクシのために作って下さりありがとうございます!
と言いたくなるくらいめちゃくちゃ良かった!
粗筋を最初に読んだ時は、
コレ、齋藤先生の作品なん?誰かの脚本じゃないの??
と正直疑ってましたが
m(__)m
蓋を開けてみれば、
やっぱり齋藤先生の脚本演出作品でした!
ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、
原作がある「CITY HUNTER」より、断然こっちの方が良い!
これぞ宝塚のオリジナル脚本の妙というか、まさに当て書きの妙なる作品だった。
レイコちゃんのクールで真面目、海ちゃんの姉御気質、チナツ様の完全なるヒール役、そしてコメディーリリーフのオダチン、ピッタリハマりすぎ!
なにより、月組の芝居力が作品を昇華させてる!
全員は書きませんが、
何と言っても、一番は、さち花さん。
今作もさち花さんの演技力がめちゃくちゃ光ってる!
いやいやいやいやいや、
紫門ゆりやさんもそうでしたが、さち花さんの、その演技力、なぜ隠してたの?
演出家さん、なんでもっと早くに引き出してくれなかったの!?
って言いたくなるくらい、同じお母さん役でも、今作は今までと違ったアプローチをされていて、その演技力と引き出しの多さに私のハート鷲掴み状態でした。ラスト、マジ泣かされた!
そして、私にしたら、おかえりなさい!と言いたい、ミトさんこと梨花ますみさんの月組復帰。
最近宝塚を好きになられた方にとっては専科さんであったり雪組組長のイメージが強いかもしれませんが、私にとってミトさんは月組の生徒さんのイメージしかない。むしろ雪組の組長さんだったことが違和感しかない。
ぶっちゃけ書いて申し訳ないですが、月組時代はチョイ役が多かったんです。ですが、めちゃくちゃ演技力が高かった。
正直、同期の舞希彩さんの方が良い役をもらっていて、ユリちゃんのバトラーの時にメラニー役で早くに退団されてしまいましたが、ミトさんも早くに退団されるのかと思ったらm(__)m
花組に異動されてから、今のさち花さんのようにあれよあれよのうちに、その高い演技力で頭角を現され、専科や組長になられ、正直ビックリしてました。
映像化されていないのが残念でなりませんが、同期の涼風真世さんのサヨナラ公演「グランド・ホテル」のマダムピーピー役は、チョイ役なのにめちゃくちゃ存在感がある歌声で、今でも忘れられない。実況CDでは聴けますが、特徴的な声と歌唱力は今も健在!
そして、今回の役どころは、それはそれはもーカッコいい!としか言い得ない男勝りな表現力に、齋藤先生グッジョブ!と言いたくなった。これぞ当て書きの妙!
こんなこと書いたら本当に申し訳ないですが、全体を通して齋藤先生の月組愛を感じる作品だった。
もちろん、ワタクシのドイツをこんなにキレイに美しく、そして賑やかに描いてくれて、ドイツ=ナチスだけじゃない世界観を描いてくれていて、マジ感激!ラストは本当に泣ける!
これは巷の評判通りではありましたが、
皆さんの仰る通り、50%「国境のない地図」だった!
私は、決してパクリだとは思わなった。むしろ、植田御大へのリスペクトかつオマージュ的作品に感じた。
なんてったって、洋物なのに宝塚ネタをぶち込んでくるとこなんて御大と同じで笑けた!藁
御大の「国境の〜」は最初から最後までシリアスで重たい内容でしたが、「フリューゲル」はコメディー要素が強く、暗いだけでない明るい要素もたくさんあり、宝塚初心者にもオススメできる!
しかも、齋藤先生にしては珍しく、まるで花組「アンドレア・シェニエ」の景子先生のごとく、翼をモチーフにしたロマンティックな美術がめちゃくちゃ作品の中で生きてる!この翼にはこの作品のメッセージが込められていて、美しい世界観が描かれている。
「国境の〜」と同じ、東西ドイツの分断、東西を隔てるベルリンの壁があったシリアスな時代背景の中で、ドイツ統一という自由を訴え、ベルリンの壁の崩壊、旧東ドイツの社会主義国家の崩壊までを描きつつ、
社会主義国家存続を望む者達とドイツ統一を夢見る者達との確執だけでなく、
親子の確執?と解消、旧東ドイツに住む学生達の夢、西ドイツの歌姫によるドイツ統一の夢を音楽の力で果たそうとする勇気、
そして、その西ドイツの歌姫とボディーガード役に遣わさた東ドイツの国家人民軍との道ならぬ恋?というか友情に近い愛が描かれていて、
これ、本当にたった95分の物語なん?と疑いたくなるくらい、エピソードがたくさん盛り込まれているのに決して詰め込み感がなく自然な展開だったことに驚いた。
それはもう無駄がない舞台転換と、なにより月組生徒達の確かな芝居力によって作品を昇華させてた証拠だと思う。
「国境の〜」は再会で終わりだけど、こちらは同じ曲を使い同じ展開でありながらも、まだ続きもあるし、なんてったって泣ける展開になってる!
齋藤先生、本当に素晴らしかったよ!
たくさんドイツ単語も使ってくれて、なんてったって無駄な意味説明がないのがいい。
レイコちゃんの台詞:(独)aufwiedersehen アウフヴィーダーゼン=(英)see you again
海ちゃんの返事:(独)Bis bald ビス・バルト=(英)See you soon
このレイコちゃんと海ちゃんの会話のチョイス好き!
まだ初日が開いたばかりなのに、完成度が高い!もう完成形に仕上がってた。
あとは、オダチンと海ちゃんがどれだけ観客の手拍子を引き出させるかやね。
まだ観る予定なので次回が楽しみ!
ショーは、
栗田先生の大劇場デビュー作品。
栗田先生と指田先生を勘違いしてました。すみません。
栗田先生は、そらくんの「夢千鳥」でした。「龍の宮物語」は指田先生でした。
てっきり栗田先生の大劇場デビューは、お芝居だと思ってました。
ショーは、作風も物語性があって大正ロマン風かつ怪談風要素があり、独特の世界観が随所に散りばめられていて良かった。
まさか今作で卒業することになった蓮つかさ君に華をもたせる演出や階段降りがあって栗田先生の愛情を感じた。
蓮君、早すぎるよ!
残念で仕方ない。
ぶっちゃけ、ショーは個人的には苦手なので、爆音でも寝てしまう人なので詳しく感想が書けないのですが、本当に衣裳と鬘とかファッションが特に良かった。
そうそう、やはり、今の月組で「恋人たちの肖像」が観たくなった。もう太田先生の演出は不可能なのかな…。まには退廃的な作品を観させてほしい。
次は、栗田先生のお芝居が観たいですね!楽しみにしてます。