何かの縁があってのことだろうが、よくよく考えてみると夫婦と言うのは不思議な組み合わせの賜物でもある
だが永年一緒に連れ添ってもお互いに全てを理解した訳ではない (? 私たちだけも知れないが ?)
しかし、お互いに知らなくても多くは日常生活に支障が無い事なので表面には出てこないまま時が過ぎてしまうのだろう
こんなことを何故書くか?
それは妻が病気してからの行動を見ていると、意外と同じことを繰り返していることに気づいたからだ
そんなことは誰だって同じだろうが、私にはいささか記憶も体力も失ってしまった妻の行動としては目新しい姿に写ったのだ
そんな行動を私は敢えて 「妻の拘り」 と呼ぶことにしたが、その拘りは幾つもあるが二つほど紹介しよう
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写真説明: 我が家のマスコット ”親子蛙” ●★ 写真の上でクリックすると拡大写真になります ★● |
● 妻の拘り・その一 ●
妻は家に帰ると玄関入口のエアコン室外機の上にあるこの置物の親子蛙
時には雨が降っていても、風が冷たく吹いていても、そして雪が舞っていてもこの行為を怠ったことは無く、それは私と一緒に帰った時も、ディサービスから帰った時も同じだ
この親子蛙を見ていると、遠い昔を想いだす
買ったのは何時
私と妻が子を授かった喜びをこの背中に子蛙を背負う姿に置き換えて買ったのだろう
ここに転居する時、たくさんの物品を廃棄したが、この親子蛙の置物もそのリストに入っていた
だが妻がこの置物を大事にしていることを想い出して捨てずに済んだ
転居後、妻は上述したような行動でこの親子蛙と親しんでいる
他人が見たら他愛の無いことのようだが、私から見ると、妻が奥深くに持って絶えることのない 「情の細やかさ」 を見ているようで感無量になることもある妻の拘りである
それにしても永い永い親子蛙との付き合いである
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写真説明: 「日本盲導犬協会」 のパンフレット ●★ 写真の上でクリックすると拡大写真になります ★● |
● 妻の拘り・その二 ●
私たちは週五回、近くのスーパーで買い物をする
買い物が終わりレジ通過すると妻の同じ行動が始まる
まずバッグから小銭入り用の財布を開けて10円玉を取り出す
そして小さな盲導犬の置物の下にある貯金箱にその10円を募金し、その盲導犬の額をなぜる
もうそんな行動が何年も続いているが、私が勧めた訳でもない
それならば家にもその盲導犬の貯金箱を置いたらと考え、「日本盲導犬協会」 に電話して 「あの貯金箱を譲ってください」 と頼んだが、そのような仕組みは無いとのことだった
募金額は少額だが妻の退院後から続いているので 「小銭も積もれば山となる」 で少しは積もったことだろう
妻は買い物にはあまり興味を示さないが、この募金だけは何があっても譲れないと、強い拘りを持っているようだ
10円玉を入れる時、妻は顔が活き活きとしている、その時に満ち足りた気持ちになっているのだろう
この二つの妻の拘り、その真意は判らないが
私からすれば妻の明るい姿を見ているようで ”ホッ” とするひと時でもある