まさか、まさかですが、続きます。
凶相男が「部屋の壁をすり抜けて襲って来る・・・・・・」と言った瞬間、襖を開けてあの男が現れた。私の親父だ。涙目になって怒っている。そして「このバカヤロウ!!」と叫びながらテコテコと凶相男に近寄り、パコッと凶相男の頭をグーで殴っちゃった。うわぁーん・・・・・・(泣き)。
私は退去の交渉が決裂した場合、凶相男を態と怒らせ、殴られるつもりでいました。
殴られれば刑事事件になる。ここまでしなければ凶相男を退室させるのは無理だと思っていたのです。
それなのにこっちが最初に殴っちゃ、計画が全てパーです。何時も何時も私の親父は全てをぶち壊すんです。これまでも何度もありました。金額に直せば数千万円の損害を出してます。この貧乏神がいる限り、私に幸せはやってこないと子供の頃から思っていましたが、またやっちゃいました。いやいやいやいや・・・・・・・・(大泣き)。
私の母親は親父を体を呈して押さえ付けました。私も「話をしている時に何で出てくるんだ」と言ったら、「この馬鹿、こいつが、こいつが、こいつが全部悪いんだぁー」と泣きながら怒ってます。これは厄介な事になった。こっちが刑事事件になる。訴えられると思いました(ヒィー)。
「そうだ、凶相男はどうなった」と思い、そぉーと様子を見たらポカァーンとした表情です。怒りパターンになっていない。一先ず安心です。グーではあってもパコッと軽く殴ったので、何とかドーベルマンに成らずに済んだ様です。はぁーーーーーー(ヘロヘロ)。
私と母親は泣き怒り状態の親父を外に出し、凶相男に親父の件を謝りました。そして「私の親父が貴方に部屋を貸した為に、二人の住人が出て行ってしまった。それが悔しくてあんなことしてしまった。それだけこっちは困っている。このままでは203号室の浪人生の父親から裁判を起こされるし、私達も出て行った二部屋分の家賃も合わせて貴方に請求する」と言いました。
凶相男は「自分の顔が怖いから出て行ったのか。本当に包丁を持ってあっちが襲ってきたのだ」と言います。
私は「貴方が脳神経内科に通院している事を、貴方が勤めていたタクシー会社の人から聞いている。貴方は幻覚を見るから病院に通っているのでしょ。だったら貴方が見たのは幻覚だと思わないの」と。
凶相男はシンミリと黙っています。
私は「今出て行くのであれば、203号室の父親にも訴えないように私から謝っておく。出て行かなかったら来月から三部屋分の家賃を請求する」と繰り返し言いました。
凶相男は暫く考え、退室する事に同意しました。
続く。