諸行無常なる日々。或いは鬼渡神と神々の源流。

呪われた家系を生きる私の人生観や日常。それに立ち向かう為の神道的な考え。そして因縁の鬼渡神、神々の源流について考えます。

鬼渡神を大まかに説明すると。その3

2016年07月08日 19時28分47秒 | 神道

続きます。

お次は一番の難関である「庭渡」です。これは万葉集の防人の歌で説明が付きます。

「庭中の阿須波の神に小柴刺し、吾は斎はむ、帰り来までに」。

この歌から代表的な鬼渡神である阿須波神は、庭に祀られている神である事が判ります。庭はある意味、最小の境界線と言える。阿須波神は人に一番身近な境界の神である。

更に大歳神と天知加流美豆姫との子である阿須波神の10人??の兄弟には「庭」と付く「庭津日神、庭高津日神」が存在する。そして阿須波神は「足場の神」。つまり屋敷神であり庭神。そして「旅立ちの神」でもあります。

その点から考えて「庭から出る、家を出て旅立つ」との意味合いから「庭渡」と名付けられたのではないかと考えます。

ここで連想ゲームのクライマックス。ニワトリです。鬼渡神社はニワトリの神。通称・ニワトリ神社とも呼ばれている。「庭渡、二渡、鬼渡」の語呂から「鶏、ニワトリ」に繋がったと考えられます。普通はそうなるでしょうね。

 鬼渡神は水神として祀られている。庭神は井戸の神も含まれます。坐摩五神として阿須波神・波比岐神と共に御井神である生井神・福井神・綱長井神で坐摩五座神です。庭の神であるなら井戸の神である水神も含まれる。その点からも水神の要素があると考えます。

その水神とニワトリがどう関係するのか。ニワトリは「庭鳥」だからと言われればそれまでですが、鬼渡系の神社にはニワトリの絵馬を逆さに吊るし、それに水をかける神事があります。何故、ニワトリに水をかけるのか。鬼渡神がニワトリなら逆さに吊るして水をかけて喜ぶものなのでしょうか。それがキーポイントとなると思えます。

ここでニワトリに関わる神を登場させます。恵比寿様です。恵寿様はニワトリが嫌いです。

恵比寿様は妻??の三島溝咋姫の島に毎夜ボートで通い、ニワトリの鳴き声と共に帰っていた。或る日、ニワトリが何時もより早く鳴いた。焦った恵比寿様は急いでボートに飛び乗る。そしたらオールを流してしまった。恵比寿様は仕方なく足で水をかいた。そしたら鰐が出て来て恵比寿様の脚に噛み付いたと言う伝承があります。

更に恵比寿神社の総本社である西宮神社では、100年以上前にニワトリを境内に放し飼いにしていた。それは恵比寿様を封印する為です。恵比寿様はニワトリに弱いのです。

そしてもう一人ニワトリに弱い者がいる。それは鬼です。昔話の「桃太郎」では桃太郎が雉・猿・犬を連れて鬼退治に出かけてます。雉とニワトリは違うけど桃太郎が連れていた動物を干支で考えれは戌、申、酉となる。酉は鬼より強い。

陰陽五行で考えれば酉は五行最強の金で、鬼は五行最弱の水。つまり鬼は水神。だから鬼渡神は水神なのではないか。そして恵比寿様の系列ではないかと思えます。

「水神=ニワトリ」の訳はない。水神の生贄はニワトリ等の白い鳥と言われていますが、水神がニワトリが大好物と言う訳ではない。

水神はニワトリが嫌いだから、ニワトリの絵馬を逆さに吊るし水をかけることで水神を喜ばせているのではないか。それが一番辻褄が合う。だから「鬼渡神=ニワトリ」である訳がないと私は思っているのですが、どんなもんでしょうか。

以上、大まかに語ってみました。まだまだ言いたい事がありますけど、それはまた考えが練り上がってから語りたいと思います。

 

ではでは。

 

 

コメント (1)
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