そろそろ頃合いと言う訳ではないですが、悪玉姫の伝説に付いて語りたいと思います。恐々にです。
何故怖いのか。悪玉姫の伝説は宮城県の阿久玉、福島の阿口陀媛、岩手の飽玉、秋田の阿久多摩等々色々あります。ストーリーも大変似ています。
今回語る悪玉姫の舞台は宮城県の利府にあった九門長者屋敷の悪玉姫。そしてその九門長者屋敷跡は伊豆佐比売神社が隣接して鎮座している。だから怖いのです。
伊豆佐比売神社には悪玉姫が1000年以上前に植えたとされる欅の木が伐採されて保管されています。自然発火した欅の木を伐採しようとしたが、鋸がいくつも使用不可能になった。伐採作業した二名に不幸があった。それでも木目が美しく地元の木材店が888888円で買い取ったが、その木材店でも祟りと思われる出来事が有り戻された。
その他にも怖い話が伝わっています。私も実際に怖い目に遭いました。私はこれが本来の神社だと考えます。神社は霊場。人間がパワースポット的に気軽に立ち入れる場所ではない。石ころ一つ持ち帰るのも厳禁。本当に甘く見てはダメです。
私の故郷・いわき市三和町に鎮座する御塚神社も厳しい禁則がありますが、それが本来の神社だと思います。
御塚神社は湯津佐姫を祀ります。私は伊豆佐比売と湯津佐姫は同じ温泉の女神なので同神と考えています。そして同じ佐姫。幸神信仰です。日本本来の地主神です。だからこそ敬い大切に祀らなければ難らない。それ故に語るのが怖い。
それでも語るのは「悪玉姫伝説」には今まで私が語って来た神道の考えが網羅されている。つまり鬼渡神である瀬織津姫が悪玉姫のモデルである。それを伝えるべきだと思うのです。神道の真髄を迫害を恐れつつ伝説として残してくれた人の為に。
それでは語らせてもらいます。
時は1000年以上も昔、紀伊の国の公家・斎大納言に信仰心の厚い大変美しい娘がいた。娘は伊勢参拝の帰りに盗賊の一団に出くわす。娘はとっさに観世音菩薩に願をかけます。『凡人には大変醜い姿に見え、貴人には本来の姿に見えるようにしてください』と。
そして娘は盗賊に捕まる。盗賊には娘が醜女しか見えない。盗賊は飯炊き女として陸奥まで娘を連れ、宮城県利府の九門長者に娘を売る。娘は余りにも醜いことから悪玉と呼ばれ、長者の屋敷で下女として働くようになる。
そこに蝦夷討伐で坂上田村麻呂が九門長者の屋敷を訪れる。田村麻呂には悪玉が本来の美しい娘として映る。そして九門長者達には物好きと思われるも一夜を共にする。そした産まれたのが千熊丸。二代目坂上田村麻呂である。
続く。