続きです。
それにしても彼は何故、私が勤めていた✖✖✖証券を選んだのか。当時は証券会社は数多くあった。✖✖✖証券よりも大きい準大手証券会社も東北学院大から多くの学生を採用していた。
思い当たる事がある。実は私、彼に悪魔の囁きをしていたのだ。
その悪魔の囁きは自社株。当時、✖✖✖証券は総合証券会社となったばかり。既に東証一部上場の規模にある。遅くても10年以内に株式上場するのは確実。その話を彼にしていた。
それよりもチョット前、サンリオが上場した。とんでもない上場価格が付いた。そのおかげて20歳の女の子を含めたサンリオの全社員??が億万長者と成った。
✖✖✖証券は○○証券投資信託販売専門会社だった。歴史は長い。古い社員は額面の50円から給料の10%分だけ自社株を買える資格を有していた。私が入社していた時点で140円で買えた。それが上場したら一財産になる。これはサラリーマンとして得難い醍醐味。これこそがベンチャー会社の最大の魅力だ。
事実、当時の東北地区長は噂によると10万株の自社株があった。そして✖✖✖証券が上場。地区長は15億円の大金を手にして辞めていったそうだ。
大手企業に勤めても15億円の生涯年収はまず無理。だが、ベンチャー企業ならこんな話ザラにある。私は✖✖✖証券の上場話を彼にしていたのだ。
✖✖✖証券は株式上場して3000円台の値が付いた。私も会社を続けていれば千万単位の資産を築いていたかも知れない。高値で売り抜けるのは至難の業だが。
その話で彼は✖✖✖証券にターゲットを絞ったのではないか。多分、そんなところだと思う。私の人柄と言っているが、私と一緒に働ける訳では無いし。
そうは言っても証券マンは並みの心臓では続けられない。良心回路が悲鳴を上げ故障する。それでも生きて行ける鉄の心臓でなければ続けられない。現に私の同期や先輩たちも疲弊していた。
一人、一年先輩のEさんは仕事に喜びを感じていた。営業成績も仙台支店なのに同期で7位。とんでもなく仕事が出来た。
しかし彼はその後、✖✖✖証券を懲戒解雇となった。何と元本保証を約束して投資信託を売っていたのだ。
馬鹿だ。彼は株の知識は殆どなかった。当時、地合いは良かったが、投資信託の元本割れは少なからず有った。
そして満期。元本割れ。客は賠償を彼に求めた。当然、払い切れる額ではない。損害は✖✖✖証券が被る事となった。そしてエリート証券マンはクビとなった。
私は彼の客の為に休日、引っ越しまで手伝った事がある。情が無い人だから人としては尊敬はしなかったが、その営業のセンス、テクニックには憧れた。しかし、自分には無理だと悟った。
私✖✖✖証券を辞めた一因は彼にある。彼に対して劣等感を感じた。それも原因だった。それが客に元本を保証しての営業成績だったとは。もう人なんて信じられない。
元本保証なら誰だって優秀な成績を上げられるよ。何て安易に考えていたのだろう。楽天家にも程がある。
E先輩はその後、地元の総合銀行に就職するも、その総合銀行は破綻。またリサーチ会社に入ったと聞いたが、株の知識に疎かったのでクビになったと聞いている。私並みに哀れな末路を辿ったそうだ。
話を私がリクルーターで勧誘した学生に戻します。
彼には大変な事をしたかも知れない。どうするべきか。
私は2年上のK先輩に相談した。後年、東京で再会し、私に○○証券の空売りを勧めた前出の先輩がK先輩である。
続く。
それにしても彼は何故、私が勤めていた✖✖✖証券を選んだのか。当時は証券会社は数多くあった。✖✖✖証券よりも大きい準大手証券会社も東北学院大から多くの学生を採用していた。
思い当たる事がある。実は私、彼に悪魔の囁きをしていたのだ。
その悪魔の囁きは自社株。当時、✖✖✖証券は総合証券会社となったばかり。既に東証一部上場の規模にある。遅くても10年以内に株式上場するのは確実。その話を彼にしていた。
それよりもチョット前、サンリオが上場した。とんでもない上場価格が付いた。そのおかげて20歳の女の子を含めたサンリオの全社員??が億万長者と成った。
✖✖✖証券は○○証券投資信託販売専門会社だった。歴史は長い。古い社員は額面の50円から給料の10%分だけ自社株を買える資格を有していた。私が入社していた時点で140円で買えた。それが上場したら一財産になる。これはサラリーマンとして得難い醍醐味。これこそがベンチャー会社の最大の魅力だ。
事実、当時の東北地区長は噂によると10万株の自社株があった。そして✖✖✖証券が上場。地区長は15億円の大金を手にして辞めていったそうだ。
大手企業に勤めても15億円の生涯年収はまず無理。だが、ベンチャー企業ならこんな話ザラにある。私は✖✖✖証券の上場話を彼にしていたのだ。
✖✖✖証券は株式上場して3000円台の値が付いた。私も会社を続けていれば千万単位の資産を築いていたかも知れない。高値で売り抜けるのは至難の業だが。
その話で彼は✖✖✖証券にターゲットを絞ったのではないか。多分、そんなところだと思う。私の人柄と言っているが、私と一緒に働ける訳では無いし。
そうは言っても証券マンは並みの心臓では続けられない。良心回路が悲鳴を上げ故障する。それでも生きて行ける鉄の心臓でなければ続けられない。現に私の同期や先輩たちも疲弊していた。
一人、一年先輩のEさんは仕事に喜びを感じていた。営業成績も仙台支店なのに同期で7位。とんでもなく仕事が出来た。
しかし彼はその後、✖✖✖証券を懲戒解雇となった。何と元本保証を約束して投資信託を売っていたのだ。
馬鹿だ。彼は株の知識は殆どなかった。当時、地合いは良かったが、投資信託の元本割れは少なからず有った。
そして満期。元本割れ。客は賠償を彼に求めた。当然、払い切れる額ではない。損害は✖✖✖証券が被る事となった。そしてエリート証券マンはクビとなった。
私は彼の客の為に休日、引っ越しまで手伝った事がある。情が無い人だから人としては尊敬はしなかったが、その営業のセンス、テクニックには憧れた。しかし、自分には無理だと悟った。
私✖✖✖証券を辞めた一因は彼にある。彼に対して劣等感を感じた。それも原因だった。それが客に元本を保証しての営業成績だったとは。もう人なんて信じられない。
元本保証なら誰だって優秀な成績を上げられるよ。何て安易に考えていたのだろう。楽天家にも程がある。
E先輩はその後、地元の総合銀行に就職するも、その総合銀行は破綻。またリサーチ会社に入ったと聞いたが、株の知識に疎かったのでクビになったと聞いている。私並みに哀れな末路を辿ったそうだ。
話を私がリクルーターで勧誘した学生に戻します。
彼には大変な事をしたかも知れない。どうするべきか。
私は2年上のK先輩に相談した。後年、東京で再会し、私に○○証券の空売りを勧めた前出の先輩がK先輩である。
続く。