ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

AV女優心中(?)事件の判決

2007-01-29 09:29:59 | 社会・政治・一般
平成14年のことだが、長野県塩尻市の河川敷で、男女の遺体が発見された。当初は心中(自殺)とされたが、遺体の状況、生前の交友状況からしてオカシイと言われ、警察も止む無く他殺の可能性を臭わす不可解な事件だった。

先日、長野地裁において自殺として保険金の支払いを止めた保険会社と、支払いを求める男性遺族との間の民事訴訟に判決が下ろされた。他殺として、保険金の支払いを求める判決であった。刑事とは異なる結論が下されたわけで、関係者に微妙な影響を与えかねない内容だと思う。

新聞記事は微妙なニュアンスで誤魔化していたが、警察は内部的には心中で解決済みの事件と考えているようだった。官僚組織というものは、どうしても自己正当癖が抜けないのだろう。

この事件が私の記憶に深く残っているのは、実は死んだ女性が現役のAV女優だったからだ。そのせいか、警察は当初から積極的ではなく、男女の痴話絡みの情死として処理したがった印象が強い。少なくともAV業界の人間は、そう感じたようで、AVを扱うH雑誌の編集後記などの雑文で、警察の再捜査を望む記事をいくつか読んだ記憶がある。アングラ系のメディアには、更に過激な憶測記事が出ていたし、ネット上ではずいぶん話題になっていたらしい。

私は全てのメディアに目を通したわけではないが、少し気になったのは、大手の新聞等は殺された女性については、今回は簡単に事実関係を書くだけで、AV女優であることは書かれていない。これは故人に対する気遣いなのだろうか?多分、ワイドショーあたりは、そんな気遣いはしないと思うが、この事件は女性の職業の特殊性を抜きにしては、決して真相は分からないと思う。

とはいえ、殺された女性の遺族の感情を慮ると、AV女優であったことを伏せる新聞記事も分からないではない。ちなみに事件発生当初は、しっかり書かれていたから、多分気遣いなのだろうと思う。
報道はそれでも良いが、警察は是非とも再捜査して欲しいものだ。これじゃあ、殺された2人が浮ばれないと思う。
コメント
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