当たり前のことだが、年齢を重ねれば外見も変わる。
私自身、十代の頃に比べ体重は3割ましで、髪は半減、体力激減と大きく変貌したと思う。思うが、十代の頃の友人にほぼ20年ぶりで再会すると、その変貌ぶりに驚かれながらも、一発で分るらしい。
あまり外見が変わらない奴もいるが、良く観ると白髪が混じっていたり、皺が深く刻まれていることに気がつく。やはり歳月の重みは誰にでも降り積もるものなのだろう。
中学を卒業したらすぐに働くつもりだった私は、父の帰国と支援により、人並みに大学まで出させてもらい、浮き沈みあれどそれなりの社会的地位も得ることが出来た。まだまだ未熟だと思うが、ようやく人生の先行きを予想できる程度には安定してきた。
過去を悔いるのは好きではないが、それでも幼馴染みたちと疎遠になったことだけは、いまでも少し悔いている。進学の決意が、裏切りと思われるなんて、想像すらしていなかっただけに、あの悪ガキ仲間と離別してしまったことは、致し方ない事と諦念している。
ただ、その過程でいささか人間不信に陥り、普通のクラスメイトたちとも疎遠になったことは自らの過失だと自覚している。必要以上に臆病になったのだと、今なら分るが当時はそんな余裕もなく、自分のことしか見えなかった。
何故、話さなかったのだろう。何故、尋ねなかったのだろう。知らぬまま、分らぬままになり、時間と距離がますます断絶を深めた。その断絶に薄暗い安堵感を得ていた卑怯さが、今更ながら自己嫌悪を深める。
特にあの娘には訊きたかった。何故、髪を切ったのか、それはあれが原因なのか、を。尋ねる機会はあった。それなのに、たわいない世間話をして誤魔化した自分の怯惰さが、今も許せない。
さすがに30年以上もたつと、尋ねても答えてはくれないことぐらいは、なんとなく分る。だから、もし街で再会しても、訊く事はあるまい。いや、再会すら避けられるかもしれない。
先週半ば、NHKで放送されていた番組SONGSは、竹内まりやの特集だった。初回が彼女だったそうだが、視聴者からのリクエストNo1が「駅」だそうだ。
いい歌だと思う。私も好きな歌だ。好きな歌だが、聴くたびに心をかき乱される。もし、駅で見かけたら、私はどうするだろう。隣の車両に乗り、遠くから見つめるだけに留めるか。多分、それが一番賢いのだと思う。そうすると思う。
でも、突然目の前に現われたらどうしよう。あの時もそうだったしな。
どうも、春はいけない。不思議なくらい情緒不安定になる。熱いジャスミンティーでも飲みながら、好きな本でも再読しますかね。
私自身、十代の頃に比べ体重は3割ましで、髪は半減、体力激減と大きく変貌したと思う。思うが、十代の頃の友人にほぼ20年ぶりで再会すると、その変貌ぶりに驚かれながらも、一発で分るらしい。
あまり外見が変わらない奴もいるが、良く観ると白髪が混じっていたり、皺が深く刻まれていることに気がつく。やはり歳月の重みは誰にでも降り積もるものなのだろう。
中学を卒業したらすぐに働くつもりだった私は、父の帰国と支援により、人並みに大学まで出させてもらい、浮き沈みあれどそれなりの社会的地位も得ることが出来た。まだまだ未熟だと思うが、ようやく人生の先行きを予想できる程度には安定してきた。
過去を悔いるのは好きではないが、それでも幼馴染みたちと疎遠になったことだけは、いまでも少し悔いている。進学の決意が、裏切りと思われるなんて、想像すらしていなかっただけに、あの悪ガキ仲間と離別してしまったことは、致し方ない事と諦念している。
ただ、その過程でいささか人間不信に陥り、普通のクラスメイトたちとも疎遠になったことは自らの過失だと自覚している。必要以上に臆病になったのだと、今なら分るが当時はそんな余裕もなく、自分のことしか見えなかった。
何故、話さなかったのだろう。何故、尋ねなかったのだろう。知らぬまま、分らぬままになり、時間と距離がますます断絶を深めた。その断絶に薄暗い安堵感を得ていた卑怯さが、今更ながら自己嫌悪を深める。
特にあの娘には訊きたかった。何故、髪を切ったのか、それはあれが原因なのか、を。尋ねる機会はあった。それなのに、たわいない世間話をして誤魔化した自分の怯惰さが、今も許せない。
さすがに30年以上もたつと、尋ねても答えてはくれないことぐらいは、なんとなく分る。だから、もし街で再会しても、訊く事はあるまい。いや、再会すら避けられるかもしれない。
先週半ば、NHKで放送されていた番組SONGSは、竹内まりやの特集だった。初回が彼女だったそうだが、視聴者からのリクエストNo1が「駅」だそうだ。
いい歌だと思う。私も好きな歌だ。好きな歌だが、聴くたびに心をかき乱される。もし、駅で見かけたら、私はどうするだろう。隣の車両に乗り、遠くから見つめるだけに留めるか。多分、それが一番賢いのだと思う。そうすると思う。
でも、突然目の前に現われたらどうしよう。あの時もそうだったしな。
どうも、春はいけない。不思議なくらい情緒不安定になる。熱いジャスミンティーでも飲みながら、好きな本でも再読しますかね。