嫌いだけど無視できないのが朝日新聞だ。
朝日のトップ記事に前・日本税理士連合会会長と、ある会社が関った保険不正事件を報じている。1月中旬に第一報が出てその後も続報が出ている。私は新聞が伝える以上の情報を持ってないし、この事件の全体像も掴んでいない。
この事件が果たして不正な行為の結果なのかどうかさえ分らないが、報じられたくなかった事件であることは確かだと思う。もし不正でないのなら、森先生は是非とも積極的に、自らの正しさを主張しなければならない。そうしなければ、税理士全体が疑いをもたれる可能性さえある。しかし、森先生は「自分は関係ない」と黙り込んだままだ。これでは疑われても仕方ない。
更に言うなら、税理士会は自ら動く必要があると思う。このままでは、税理士会自体の信用に関ると思う。しかし、動けまい。残念ながら動けまい。
税理士会と弁護士会には大きな違いがある。弁護士と税理士の仕事の違いは当然だが、もう一つ独立性の問題がある。自治性といってもいい。
政府からある程度独立した中立性を持つ弁護士と異なり、税理士は行政から離れてはありえない。最終的な権限は、税理士会ではなく、財務省にある。
税理士会の下で、会員資格の停止などの処罰が下されることもあるが、決定的な処罰は財務大臣名で下される。ここが弁護士会との大きな違いとなる。
税理士法は納税者と国との間での中立を高らかに謳うが、今の法制度では空論と言われても仕方がない。国の本音としては、税理士を行政補佐の存在に留めておきたい意向があるようだ。また、大半の税理士は、国との中立の立場に憧れつつも、その厳しさに耐えうるだけの覚悟がない。
恥を忍んで書くならば、税理士は甘い制度だと思う。現在厳しい立場におかれる事の多い公認会計士は、研修を義務化して、制度の刷新に励んでいる。しかし、未だ税理士は研修を努力義務で済ませている。
近年増加の一方をたどる税務訴訟だが、多くの税理士はこの任に堪えうるだけの努力をしていない。訴訟法はもちろん、憲法からして勉強しなおさねば、実際の訴訟など出来るはずもない。
多くの税理士は、積極的とはいえないし、多忙な若手は勉強する暇がない。私とて研修で大雑把な概要を学んだだけで、実務に足りうるものでないことは自覚している。
それでいて独占資格の座に安住できるのは、背後に政府の後ろ盾があるからに他ならぬと批難されれば、甘んじて受けるしかあるまい。もちろん、一部の先生方は税理士法の改正を目指し地位向上に努力している。高齢な先生が真摯に研鑽を重ねる姿には、本当に頭が下がる。
しかし、日本税理士連合会のトップの座にあった方に対する疑惑に対し、自ら動けないようでは税理士の中立性、独立性なんて主張すること自体おこがましい。
いささか、みっともない身内の恥的である報道だが、この事件を積極的に報じているのは朝日だけだ。嫌いな新聞ではあるが、やっぱり朝日は無視できない。権勢を盾にした灰色の不正を告発するこそ、マスコミの存在価値だと思う。
朝日のトップ記事に前・日本税理士連合会会長と、ある会社が関った保険不正事件を報じている。1月中旬に第一報が出てその後も続報が出ている。私は新聞が伝える以上の情報を持ってないし、この事件の全体像も掴んでいない。
この事件が果たして不正な行為の結果なのかどうかさえ分らないが、報じられたくなかった事件であることは確かだと思う。もし不正でないのなら、森先生は是非とも積極的に、自らの正しさを主張しなければならない。そうしなければ、税理士全体が疑いをもたれる可能性さえある。しかし、森先生は「自分は関係ない」と黙り込んだままだ。これでは疑われても仕方ない。
更に言うなら、税理士会は自ら動く必要があると思う。このままでは、税理士会自体の信用に関ると思う。しかし、動けまい。残念ながら動けまい。
税理士会と弁護士会には大きな違いがある。弁護士と税理士の仕事の違いは当然だが、もう一つ独立性の問題がある。自治性といってもいい。
政府からある程度独立した中立性を持つ弁護士と異なり、税理士は行政から離れてはありえない。最終的な権限は、税理士会ではなく、財務省にある。
税理士会の下で、会員資格の停止などの処罰が下されることもあるが、決定的な処罰は財務大臣名で下される。ここが弁護士会との大きな違いとなる。
税理士法は納税者と国との間での中立を高らかに謳うが、今の法制度では空論と言われても仕方がない。国の本音としては、税理士を行政補佐の存在に留めておきたい意向があるようだ。また、大半の税理士は、国との中立の立場に憧れつつも、その厳しさに耐えうるだけの覚悟がない。
恥を忍んで書くならば、税理士は甘い制度だと思う。現在厳しい立場におかれる事の多い公認会計士は、研修を義務化して、制度の刷新に励んでいる。しかし、未だ税理士は研修を努力義務で済ませている。
近年増加の一方をたどる税務訴訟だが、多くの税理士はこの任に堪えうるだけの努力をしていない。訴訟法はもちろん、憲法からして勉強しなおさねば、実際の訴訟など出来るはずもない。
多くの税理士は、積極的とはいえないし、多忙な若手は勉強する暇がない。私とて研修で大雑把な概要を学んだだけで、実務に足りうるものでないことは自覚している。
それでいて独占資格の座に安住できるのは、背後に政府の後ろ盾があるからに他ならぬと批難されれば、甘んじて受けるしかあるまい。もちろん、一部の先生方は税理士法の改正を目指し地位向上に努力している。高齢な先生が真摯に研鑽を重ねる姿には、本当に頭が下がる。
しかし、日本税理士連合会のトップの座にあった方に対する疑惑に対し、自ら動けないようでは税理士の中立性、独立性なんて主張すること自体おこがましい。
いささか、みっともない身内の恥的である報道だが、この事件を積極的に報じているのは朝日だけだ。嫌いな新聞ではあるが、やっぱり朝日は無視できない。権勢を盾にした灰色の不正を告発するこそ、マスコミの存在価値だと思う。