ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ビデオワールド (雑誌)

2009-03-30 17:18:00 | 
この雑誌は所謂裏ビデオ、現在では裏DVDの紹介をメインに据えたものなので、私のようなスケベ者以外はまず読まないと思います。

もっとも、私自身は裏DVD自体にはそれほど関心はありません。裏であろうと表であろうと、作品として優れているならば、それで善しとする性分なので、表裏にはあまり拘っていません。はっきり言えば、わいせつな部分を隠していない(違法だが)ことを売りにしている裏メディアは、安直な作品が多く大半は観るに値しない駄作が多いのが実情でしょう。

それにもかかわらず、私がこの雑誌を読むようにしているのは、編集後記やこの業界の人たち(監督や男優、女優)たちの書いた記事に、生の本音が書かれているからです。

現在の雑誌作りには広告収入が欠かせません。したがってメジャーな雑誌ですと、大口のスポンサーの意向に反するような記事は、世論の後押しがないかぎり載せられないのは新聞、TVと同じです。

しかし、この雑誌は内容が内容なので、大手の企業がスポンサーになることはまずない。なにせ大手のAVメーカーですら広告を控える下卑た雑誌ですから(苦笑)。

そのおかげで、一般的なメディアではまず読めない記事にお目にかかれる醍醐味があります。なかでも私が最近注目しているのが、DVDプレイヤーという家電機器に対する論評です。

裏DVD評論を仕事とする方々は、膨大な量の映像をDVDに録画する。その努力の成果であるDVDが読み込めないトラブルの頻発に頭を悩ます。なかでも国内有名メーカーであるP社の機器及びサービス体制の悪さを酷評する。

他社で機器で録画したDVDを読めないどころか、修理に出せば別な箇所が故障して戻ってくるありさま。DVDが普及して以来、散々トラブルに悩まされていることを記事に書いたところ、読者からも同様の便りが相次ぐ。

わりとマニアな読者の説明では、現在のDVD機器は海外からの部品の寄せ集めで、しかもコストダウンの強行の結果信じがたいほど製品の質が落ちている現実。国産の部品の比率に応じてトラブルが減るが、コストがアップするため海外からの輸入パーツを多用せざるえない。

また小泉改革の結果、製造現場での派遣労働者の多用が、結果的に製造技術の低下につながっているとの指摘も実に興味深い。ずいぶんと安くなったDVDだが、海外生産しているM社のディスクはトラブルが多く、やはり国産のT社が安心できるなど、大手の新聞、雑誌には決して書かれない情報が書かれている。

DVDどころか、TV自体あまり観ない私にすら目から鱗が落ちるが如き、本音の情報には驚かざる得ない。このような情報こそ、多くの消費者の目にとまるべきだと思うが、実際は広告に支えられた一般メディアには記載されることはない。これが報道の自由を掲げる国の現実だというから、情けないというより空恐ろしい。

違法商品である裏DVDを扱う雑誌だけに、相当にスケベで猥雑なため、さすがにお薦めは出来ないが、このような事実があることは知っておいて欲しいと思います。
コメント (2)
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