ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ちいさな恋のものがたり みつはしちかこ

2009-03-18 15:59:00 | 
これは母が買ってきた漫画だと思う。

私の知る限り、母が漫画に手を出したのはこれだけだ。もちろん、妹たちは「りぼん」や「マーガレット」といった少女漫画雑誌を読んでいたが、母が漫画雑誌を読んでいるのを見た記憶は無い。

母の勧めもあって、妹たちは夢中になって読んでいたと思う。勧められることはなかったが、当時から既に活字中毒に陥っていた私も、暇な時に読んでいた。

正直言って、それほど面白いとは思わなかった。むしろ不思議に思っていた。サリーって魅力的な男性なのか?

まだ小学生であり、思春期に入る前だったせいもあるが、私にはさっぱり分らなかった。スポーツ万能なわけでもなく、喧嘩が強いわけでもない。侠気にあふれるわけでもなく、智謀に優れたわけでもない。いったい、チッチはどこを好きになったのだ?

しかし、妹たちはそうは思っていなかったようだ。どうも、男と女では評価の基準が大分違うらしい。

さすがに、この年になるとポイントは「優しさ」だと分るが、それでも男の考える優しさと、女が考える優しさには、いささかのズレがあることも分る。

それにしても、シンプルな絵柄だと思う。素朴といってもいいが、そっけないほどの単純な絵柄だ。複雑なデッサンなどまったくない。それでいて、描かれるストーリーは、心の揺れ動きや、感情の乱れを表現している。だからこそ、当時の女の子たちは夢中になれたのだと気がついた。

私はそれほど少女漫画に詳しいわけではないが、類似の絵柄の漫画をみたことがない。その意味でも凄い漫画だったのだと、あらためて気がついた。

別に確たる根拠があるわけでもないが、この漫画を読んだことの無い大人の女性って、ほとんどいない気がする。それとは逆に男性で読んだことのない人は、とても多いと思う。

私にとっては懐かしくも、不思議な漫画でした。
コメント (7)
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