厚生労働省の発表したデーターによると、平成18年の死亡者数は 108万4450人です。また、国税庁の発表したデーターによると、平成18年の相続税の申告件数は 4万5322人であり、申告割合は 4,2%となります。
つまり相続税の申告が必要な相続は、100人に4人程度なのです。これは地域差があって東京、大阪など土地の時価が高い地域だと、だいたい7%前後ですが、土地が安い地方だと2%程度で平均すると4%になるようです。
国土の7割が山岳地帯であり、人口が都市部に集中しがちなので、致し方ない傾向だと思います。ただ、相続財産の大半が土地ですと、その土地に居住している場合に不都合が生じます。相続税の納税のため、自分の住む土地を売るわけにはいきません。
そこで相続人等が引き続き住む土地については、その評価を2割程度(ただし面積制限あり)にして、相続税の負担軽減をしています。それ以外に基礎控除が5千万円プラス法定相続人一人につき1千万円あり、相続の大半が相続税とは無縁でいられるわけです。
日本は世界でも飛びぬけて相続税が高いことで知られていますが、それは資産家に対してだけで、一般庶民についてならば、むしろ相続税は安いといっていいでしょう。
そこに財務省は目をつけています。だいぶ前から国家の歳入の仕方を従来の直接税(法人税や所得税)から間接税(消費税)へのシフトを始めています。これに加えて、相続税を薄く広く課税することを目指しています。
要するに非課税の枠を減らす一方で、税率を引き下げて相続税の納税者を増やして税収を確保する意向をもっているようです。目標は相続のうち2割程度は、税が生じるようにすることらしいです。
もう一つの変更は、相続税の課税方式を個別にすることです。
現行の相続税法は、相続財産全体に対して課税して、各相続人の実際取得分に対して納付税額を按分します。この方法は納税を連帯納付としていますが、これが社会の実情に合わなくなってきたことが問題でした。
相続争いは勿論、海外にいる相続人、核家族化により顔も知らぬ他人の親族など、従来の家族単位での相続が難しくなっているのです。そこで個別に取得した相続財産について課税する方法に変えようと財務省は考えているようです。
実際、原案は既に作られ昨年末に国会に出される予定でした。ところが諸事情によりこの原案は国会に出されず、次の提出の機会を伺っているようです。
さらに長年政権を担ってきた自民党が下野して、万年野党だった民主党が政権を取ったため、税制審議も白紙からのスタートを余儀なくされており、当面大幅な改正は先送りとなりそうです。
とはいえ、相続については社会が変化している以上、民法、税法ともに改正が必要なのは事実です。あまり宣伝されていませんが、民法上の遺留分については既に一部改正がされています。税法もいずれ改正されるはず。
7回に分けて相続について書いてきましたが、まだまだ書き足りないことは数多あります。でも、守秘義務から書けないこともあり、忸怩たるものもあります。いずれにせよ、長文にお付き合い頂きありがとうございました。
つまり相続税の申告が必要な相続は、100人に4人程度なのです。これは地域差があって東京、大阪など土地の時価が高い地域だと、だいたい7%前後ですが、土地が安い地方だと2%程度で平均すると4%になるようです。
国土の7割が山岳地帯であり、人口が都市部に集中しがちなので、致し方ない傾向だと思います。ただ、相続財産の大半が土地ですと、その土地に居住している場合に不都合が生じます。相続税の納税のため、自分の住む土地を売るわけにはいきません。
そこで相続人等が引き続き住む土地については、その評価を2割程度(ただし面積制限あり)にして、相続税の負担軽減をしています。それ以外に基礎控除が5千万円プラス法定相続人一人につき1千万円あり、相続の大半が相続税とは無縁でいられるわけです。
日本は世界でも飛びぬけて相続税が高いことで知られていますが、それは資産家に対してだけで、一般庶民についてならば、むしろ相続税は安いといっていいでしょう。
そこに財務省は目をつけています。だいぶ前から国家の歳入の仕方を従来の直接税(法人税や所得税)から間接税(消費税)へのシフトを始めています。これに加えて、相続税を薄く広く課税することを目指しています。
要するに非課税の枠を減らす一方で、税率を引き下げて相続税の納税者を増やして税収を確保する意向をもっているようです。目標は相続のうち2割程度は、税が生じるようにすることらしいです。
もう一つの変更は、相続税の課税方式を個別にすることです。
現行の相続税法は、相続財産全体に対して課税して、各相続人の実際取得分に対して納付税額を按分します。この方法は納税を連帯納付としていますが、これが社会の実情に合わなくなってきたことが問題でした。
相続争いは勿論、海外にいる相続人、核家族化により顔も知らぬ他人の親族など、従来の家族単位での相続が難しくなっているのです。そこで個別に取得した相続財産について課税する方法に変えようと財務省は考えているようです。
実際、原案は既に作られ昨年末に国会に出される予定でした。ところが諸事情によりこの原案は国会に出されず、次の提出の機会を伺っているようです。
さらに長年政権を担ってきた自民党が下野して、万年野党だった民主党が政権を取ったため、税制審議も白紙からのスタートを余儀なくされており、当面大幅な改正は先送りとなりそうです。
とはいえ、相続については社会が変化している以上、民法、税法ともに改正が必要なのは事実です。あまり宣伝されていませんが、民法上の遺留分については既に一部改正がされています。税法もいずれ改正されるはず。
7回に分けて相続について書いてきましたが、まだまだ書き足りないことは数多あります。でも、守秘義務から書けないこともあり、忸怩たるものもあります。いずれにせよ、長文にお付き合い頂きありがとうございました。