ヌマンタの書斎

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なぜ中国人は互いに憎しみあうのか 陳恵運

2009-11-27 12:37:00 | 
如何に中国人と付き合っていくか。

少子高齢化を迎える21世紀の日本では、流入するであろう外国人と如何に付き合っていくかが問題だと思う。外国人の流入に危惧を抱く人は多いと思う。風習も違うし、近隣トラブルが増加するのは分りきっているからだ。

実のところ、私は中国人の流入に関して寛容な気持ちだった。私が知る中国人たちは、昔の日本人のように勤勉で、学習意欲が高く、仕事熱心な人が多かったからだ。

だが、表題の本を読んで、少し認識を変える必要があると思った。著者が語るように、昔と今では別人の如く意識が違うようだ。実際、外国人犯罪の多くが中国人である現実がその見解を裏付けている。

イデオロギーが崩壊した国では、民族意識が高揚し、宗教が支持され、そしてなにより金銭への執着心が増大するという。ロシアを始めとして東欧諸国が既にそうだ。

そして、毛沢東が掲げた理想の政治が、鄧小平の「金儲け優先」の現実に突き崩されたシナにおいても、凄まじいまでの金銭欲が人々を狂わしている。

もちろん、その欲望が経済発展として国を豊かにしているのは事実だ。経済が停滞する日欧米にとっては、成長路線のシナ経済は希望の星でもある。バブル崩壊後の日本経済の復興は、中国との貿易が大きな役割を果たしたのは隠せない事実だ。

シナはたしかに大きく経済発展を遂げた。されど、その富の果実は国民の一部の層(官僚と富豪)だけが享受して、大半の国民は今も貧困に喘ぐ。

かつてのシナ人は貧しいことを恥はしなかった。貧しくとも充実した社会保障が幸せな人生を保証してくれたからだ。だが、人民公社は崩壊し、国有企業は赤字に悩み倒産していく。社会保障はいつのまにやら霧散させられた。

国民の共有財産であったはずの農地や企業設備は、狡猾な官僚と強欲な経営者たちに払い下げられ、新たな私営企業として暴利を貪る。社会保障を奪われ、職場を失い、生活の安定を奪われた貧しき庶民は、昔よりも貧しい生活を強要された。

金は欲しい、でもいくら真面目に働いても雀の涙ほどの報酬しか得られない。この不満が三つの問題を引き起こした。一つは政府への不信と不満だ。既に年間1万件をこえる騒動が起きている。この不満は反アメリカ、反日本感情の仮面を被っていることが多い。インターネット上の掲示板において加熱する対外感情は、中華思想(自分たちが一番偉い)の高揚とあいまって暴走気味だ。シナの政府は、この裏側にある反政府感情に気づいており警戒を隠せない。

二つ目は富裕階級への憎悪だ。裕福な者たちへの嫉妬は憎悪を育み、それは犯罪を誘発する。強盗、恐喝、誘拐などの反社会的犯罪の増大は、貧富の差の拡大と見事に比例する。官僚や企業経営者たちは不正な手段を使って富みを蓄えているのだから、我々だって不正な手段で富を収奪してなにが悪い!かくして犯罪は飛躍的に増加した。

三つ目が、不信と差別だ。シナの大地は広い。南と北ではかなり民族感情が異なることは外国人の私でも分る。だが、これほどの地域差による差別感情が深いことは、この本を読むまで知らなかった。貧富の差の拡大は、差別感情を増大させて、相互に不信感を募らせる。

かくしてシナの大陸においては、憎悪と不満と不信が渦巻き、暴発する怖れがことさら北京政府を強硬化させる。内政の失敗は外交(侵略)で補うのはよくある手だ。核兵器もミサイルもある。後は戦う口実だけだ。とはいえ、覇権国であるアメリカと正面対決は避けたい。(少なくとも今しばらくは・・・)

なれば、国内の不満分子は外国に出してしまえ。そんな訳で出国する金のあるシナ人は世界に飛び出す。不思議なことに、嫌いな国の不動の上位であるアメリカと日本が大人気。受け入れる側こそ良い迷惑だ。

さりとて、少子高齢化の日本では人手不足(3K職場)は今後増える一方だ。人手不足で社会システムが機能不全に陥る危険が迫ってきている。

なるべく良質な人材の流入こそが理想だが、如何にしてそれを実現するか。少なくとも従来の政策では選別は出来ない。不法入国を抑制することは或る程度可能だが、家族ビザで来日する外国人を拒むのは難しい。既に日本人の国際結婚の第一位はシナ人だ。

どうする、日本?難しい問題だと思うぞ。
コメント (4)
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