ヌマンタの書斎

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自衛隊が世界一弱い38の理由 中村秀樹

2009-11-05 12:37:00 | 
切れたら怖いぞ、日本人は。ただし、良くも悪くも、だが。

表題の本の著者は、退役自衛官であり、田母神氏のようなエリートではなく、現場育ちの軍人だ。冷戦時において、潜水艦の艦長として第一線で勤務していただけに、その発言には実感がこもっている。

私は以前から、自衛隊はカタログ軍隊であり、実戦では使い物にならないと思っていたが、私の考えは甘かった。まさか、これほどまでに駄目な軍隊だとは思わなかった。

詳しい内容は、この本を読んでもらうに限るが、一言で言えば平時のシステムである官僚組織のルールを、非常時に役立つ組織である軍隊に強要した結果、使えない軍隊に育ったとの指摘は相当に説得力がある。

悪法であっても法は法。法治の原則に従い会議に会議を重ね、刻々と変化する現実に対応できない自衛隊。

もし、仮に対馬に韓国軍が攻め込んだらどうなるか。あるいは、沖縄の与那国島に共産シナ軍が攻め込んだらどうなるか。

在日米軍が動かない場合、日本は単独で対処せざる得ない。だが現行法では攻め込まれても最低一週間は動けない。有事法制が未整備である上に、平時のルールを強要する官僚組織が、即時対応を阻む。

アメリカ軍を恐れずとも、韓国軍からは逃げ回ったベトナムの人々が実証したように、残虐さで知られる韓国兵に蹂躙される対馬の人々を見殺しにするのか。

チベットやウィルグの人々を弾圧しておいて、恥じることなく驕り高ぶる共産シナ兵たちが沖縄の人々を平和的に統治すると朝日新聞は報じるかもしれない。その平和的統治の中味は、抗議する沖縄の男性を強制労働キャンプに放り込み、過労死に追い込むことであることは、報じる気はないだろう。

日本人女性に不妊手術を強要し、大量の漢人を移住させて支配を強化するのを横目で、あくまで話し合いによる解決を主張するであろう平和真理教の善良なる方々は、つまるところ自らの平和のために沖縄を差し出すことに他ならない。

果たして自衛隊は、それを傍観するのか。おそらく幹部たちはそうするだろう。あれは軍人ではなく、事なかれ主義がこびり付いた官僚に過ぎない。しかし、現場の兵士たちは黙ってみていられようか。

黙ってなんていられるか!

そのような惨状を見過ごすほど、日本人は大人しくない。我慢に我慢を重ねた上で、暴発すると私は思う。切れると怖いぞ、日本人は。

もし現場の兵士たちが、上層部の命令を無視して戦いの火蓋をあけたとしたら、世論はどちらを支持するだろうか。私の予想では、世論は圧倒的に兵士を支持すると思う。なにもせずに傍観する話し合い至上主義者を支持したりはしないと思う。

その結果、シビリアンコントロールを脱した兵士たちが止め処もなく暴走し、戦線は限りなく拡大し、周辺の国々を巻き込んでの地域紛争に発展する可能性は高い。

有事法制を整備することを怠り、危機に対応できない法治体制で誤魔化してきたツケは、自国の軍隊をコントロールできない政府を再現する。

これは再現、これはいつか見た姿だ。半世紀前大陸にて暴走する軍部を抑えることが出来なかった当時の日本政府と同じ過ちを繰り返す。いつの時代でも、戦争は始めるより、終わらせるほうが難しい。兵士から信頼を失した政府に戦争を終わらせる力はない。待ち受けているのは、避けられたはずの敗戦である可能性は高い。

戦争の反省を謝罪とテルテル坊主(憲法9条)崇拝で誤魔化してきた結果は、再び日本を戦争の泥沼に引き摺り落とす。戦争を否定し、話し合いを絶対視してきた平和愛好市民こそが、日本を戦争に引きずり込む土壌を育む。

人生は皮肉で残酷なものかもしれない。私としては、そんな哀れな日本をみたくない。そんな日がこないことを、テルテル坊主様にお祈りしますかね。祈って済むのなら・・・ですが。
コメント (2)
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