ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

ザック・ジャパン始動

2010-10-28 12:03:00 | スポーツ
ホームでアルゼンチンに1-Oで勝利し、アウェイで韓国に0-0で終わったザック・ジャパン。

どちらも親善試合ではあるが、勝ったことがないアルゼンチンに対する勝利は日本のレベル向上を証するものであることは間違いない。ただし、あのアルゼンチンを本気だと思ってもらっては困る。

本気のアルゼンチンはもっと汚い。上手くて強くて汚いのがアルゼンチン・サッカーだ。アルゼンチン国内での試合であったら、まったく逆の結果が出ていたはずだと思う。でも、まあ、今回はちょっと嬉しかったね。

で、次のアウェイでの韓国戦だ。近年まるで勝てない苦手な相手にもかかわらず、良くぞ引き分けたと思う。サッカーに関する限り、韓国はワンランク上の相手だと思うので、親善試合とはいえ引き分けたことは評価していい。

二試合を観ただけで判じるべきではないが、それでも感じたのは、攻めの速さだった。日本は中盤に好選手を揃えている。そのためか、中盤でやたらとボールを回したがり、それが遅攻になりやすく、相手の守備固めの時間を与える結果となることが多かった。

オシムがその改善に着手していたが、志半ばで退任。後任の岡田監督になると俊輔、遠藤がゲームを仕切るためか、どうしても中盤でボールを回しがたる悪癖が出てきてしまった。弱い相手なら、むしろ上手いゲーム運びが出来る戦法なのだが、強豪相手では通じない。

そのため南ア大会前の強化試合は不様な負け試合が続く惨状であった。ところが大会直前に開き直った岡田監督は、不調の俊輔をはずし、徹底して守備を固めてのカウンターに戦術転換したことが吉と出た。

弱いチームがとるべき最上の戦術が、徹底しての守備固めとカウンター攻撃なのだ。中盤で攻めの形をつくることを伝統的に好む日本は、最後の最後で現実に目覚め、結果として予選トーナメントを突破してのベスト16だった。

この記憶が選手たちの間に鮮明に残っているようで、そのことが今のゲームに結びついているようだ。そこに現れたのがイタリアで過去の名監督であったはずのザッケローニ氏だ。

二試合を見る限り、やはり守備の意識の高い戦術だと思えた。攻撃サッカーを好むとの前評判のザッケローニ監督だが、やはりイタリア人。基本の守備から指導に入っているらしく、またその指導は非常に細かいらしい。

トォーリオと中沢という二大CBが怪我で不在にも関らず、今野と栗原という急造CBコンビは二試合を通じて、ほとんど破綻することのない守備を見せたことは驚きでもあった。

来年からはアジア杯の予選が始まるが、日本相手に守備を固める国ばかり。ここからがザック・ジャパンの真価が問われるはずだ。まだまだ不安だが、相当に期待が持てる新生・日本代表チームであることは嬉しい限りです。
コメント
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