ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

新年のあいさつ

2011-01-01 09:00:00 | 日記
新年あけましておめでとうございます。

今年の干支は兎です。飛躍の年だなんて暢気なことを言う人もいますが、兎が飛び跳ねるのは緊急時だけ。兎って奴は、案外と地味にコツコツと生きています。

なにせ敵が多い。野山にあっては兎は多くの肉食獣の餌です。だからこそ、耳を伸ばして敵の存在を早めにキャッチして、素早く巣穴に逃げる。強靭な後ろ足で跳躍して逃げるには、本当に危ない時だけです。

余談ですが、オシム元日本代表監督は「ウサギは肉離れをおこさない」と言って、怪我の多い選手たちを諌めていました。さすが考えて走るサッカーの提唱者です。

もっとも、ウサギは決してひ弱なだけの生き物ではありません。天敵である鷹やキツネがいない状態では、兎は恐るべき環境破壊獣と化します。なにしろ食欲が半端ではなく、一日の大半を食事に費やす。おまけにネズミ顔負けの多産家。あっという間に、兎は増殖して、草原を食い潰す。

肉食獣がいないと、野山の草木を貪るばかりでなく、人間の牧場や畑に侵入して、野菜を食べまくる。可愛らしい姿に見とれていると、草食獣の強欲さを見落としてしまいます。

その兎を大量に食べる肉食獣の存在あってこそ、自然のバランスは保たれるのです。残酷ではありますが、これが現実なのでしょう。

私は若い頃、野山を歩き回っていましたが、実のところウサギを見かけることは滅多にありませんでした。しかし、ウサギは絶滅したわけではありません。恐ろしく警戒心が強いが故に、鈍感な人間様なんぞには見つけられないだけなのです。

でも、獣道をよくみると、足跡や糞は必ずありました。山麓に農地を持つ農家の方は、ウサギの被害を嘆いていましたから、間違いなくウサギは今も野山で生きているのでしょう。

ひっそりと、目立つことなく生きていくウサギたちは、人間による環境破壊から生息域を狭められながらも、しぶとく繁殖しているようです。

昨年はバブル崩壊以降、一番景気の悪い年であったと思います。そんな厳しい状況下であっても、地道にコツコツとやるべき仕事をこなしていれば、ハデに稼ぐことはなくても無事に生き延びられるのでしょう。

残念ながら、今年も大きく好転する見込みは薄いと思います。こんな時ほど、ウサギを見習って、地味にコツコツやりましょうか。でも、耳を長く伸ばして情報収集に努め、いざとなったらジャンプして駆ける準備も怠らずにしましょう。

ウサギって、可愛いだけじゃありませんぞ。
コメント (16)
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