ヌマンタの書斎

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久々の欧州遠征

2012-11-06 12:30:00 | スポーツ

やっぱり強化試合は、海外でやるに限る。

ザック・ジャパン久々の海外遠征であり、フランスとは1-0で勝利、ブラジルには0-5で敗北の結果となった。

メ[ランドで行われた試合とはいえ、日本がヨーロッパのチームに現地で勝ったのは久しぶりであり、殊勲であることは間違いない。でも、試合を観ていた人は分かると思うが、前半は押されっぱなし。後半になりフランスが少し息切れしたあたりでの選手交代が当たり、試合終了間際でのカウンターでの得点。

これって、弱いチームが強いチームに勝つための伝統的手法であり、選手個々人の実力はフランスが圧倒していた。チームの過半が海外でプレーするとはいえ、これが今の日本の実力なんだと分かる試合であった。

だが同時に、即席で集まったチーム(代表チームなんて、どこもそんなもんだ)であるにも関わらず、組織的な守備がしっかり出来ていたことは、ザッケローニ監督が守備を重視していることが良く分かる試合でもあった。

だが、ブラジルはこの組織的守備さえ容易に破壊してしまった。それも個の力で。二戦目のブラジル戦は、呆れてしまうほどの実力差のある試合となった。なかでもネイマールの実力には仰天した。ゆったりとしたボール回しから加速して相手ゴールに迫るのは、ブラジル伝統の攻撃手法だが、あのスピードで、あれほどの正確なプレーをされると、日本の組織的守備では対応しきれない。

ザッケローニの信頼厚い今野はもちろん、プレミア・リーグでセンターバックを務めるほどの吉田でさえ、一対一では通用しない。試合中、吉田の顔色が変わるのが見て取れるほどの衝撃であった。さすがにベテランの今野は途中からやり方を変えて、読みで防ぐよう努めていたが、それでも失点は防げなかった。

敗戦後の選手たちのコメントからも、衝撃を受けていたことが読み取れる内容であった。強気でなる本田の強がりが、心細く思えるほどの敗戦。ここ数年、これほどまでに実力差を見せつけられた試合はなかったと思う。

TVで観戦していた私は、当初日本がブラジルをどう攻めるかに関心を置いていたが、途中からブラジルがどう日本を攻め立てるのかに関心が移ってしまった。感服するしかないブラジルの実力であった。

もっとも、アジア屈指の強豪となった今、このような世界のトップレベルとの差を知ることは、実に有意義だと思う。最終予選でトップをひた走る日本代表にとって、その鼻っ柱をへし折るいい教訓になったはずだ。

ただ、面白いことに、この欧州遠征以降、日本サッカー協会には世界の強豪国からの試合の申し込みが殺到しているらしい。その攻撃的なスタイルだけでなく、相手選手に怪我をさせないフェアなプレーぶりが高く評価されたらしい。

親善試合であっても、ラフプレーを連発して軽蔑される近所の国々とは異なるプレースタイルが高く評価されるとは、いささか悩ましい評価でもある。たしかに日本選手は、汚いプレーをあまりしないし、レフリーを買収するようなこともしない。それは良いことだと思うが、勝負に対する執念が薄いと感じることもある。

勝つためには、何をしてもいいと考えることは論外だが、あまりに綺麗すぎるプレーも如何なものかと思う。せめてブラジルでいうところのマリーシア(ずる賢さ)ぐらいは身に着けて欲しい。

まァ、昔の弱さを思えば贅沢な悩みなのも確かですがね。

コメント (4)
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