ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

政治的空白

2012-11-21 11:35:00 | 社会・政治・一般

猿は木から落ちても猿のまま。

でも、国会議員は落選したら、只の人。今まで享受してきた特権的地位を失い、高額な報酬を失い、なによりも栄誉を失う。

だからであろう。野田首相が年内解散の可能性を口に出した途端、与党民主党内部から解散反対の声が噴出した。曰く「年末の重要な時期に、政治的空白を作るべきではない!」

笑ってしまう。民主党政権の存在こそ、民意を反映しない政治的空白そのものではないか。

だからこそ、次なる選挙では勝てない。つまるところ、自業自得であろう。

数ある民主党議員の年内解散反対の意見のうち、失笑を禁じ得なかったのが興石幹事長だ。「首相の独断による解散は民主主義に反する」

あなた、少し前に解散権は首相の専権事項だと言って、解散時期を尋ねる記者たちの質問をかわしていたはずだよ。まァ、現実問題、小泉・元首相の「郵政解体解散」に代表されるように、解散の決断は首相一人の決断で決められる。それはなによりも法律(憲法)に明示されているではないか。

民主主義云々を口にするなら、国民の大多数の意見を反映していない民主党政権の居座りこそ問題とすべきだ。日本の政治を変えて欲しいとの願いを込めた有権者の投票が、4年前の歴史的政権交代を産んだのは確かだ。

だが、国民の多数の願いは無視され、長年の民主党(あるいは旧社会党)の支持者たちの依怙地な少数意見の実現に傾唐オたからこそ、現在支持率は大幅に低下して、次の選挙では勝てないと自ら判じざるを得ないのではないか。

しかし、残念なことに党内の基盤がか細い野田首相は、解散を宣することは出来ないと思う。このまま、ずるずると任期一杯まで民主党政権が続く可能性は高い。朝日新聞をはじめマスコミ各社は、さかんに橋本・大阪市長や石原・前都知事のマイナス材料を漁るのに忙しいらしい。



・・・と、ここまで書いた(14日)ら、なんと野田総理の解散発言が飛び出し、年内選挙が確定してしまった。いやいや、驚いた。しかも、国会論戦中での発言であり、安倍・自民党総裁があわてふためくほどの衝撃発言でもあった。

いったい、どうしちゃったの野田総理。

一応、言っておくとボンクラ揃いの民主党政治家のなかでは、野田総理はわりと仕事の出来るほうだ。前任者たちに比べれば月とすっぽんと評してもいいぐらい。ただ、鳩ポッポほどの資金力(正確にはママさんだろうが)はないし、怒鳴る菅ほど狡猾でもないため、党内では立場が弱い。

推測だけど、解散されるくらいなら野田を総理の座から引きづり降ろせと考えてた民主党幹部たちに、逆ギレしての解散発言に思えてならない。多分、次の政権を担うであろう自公よりも、橋下、石原といった新興勢力が力を付ける前に潰しにかかったのかもしれない。こちらのほうが脅威だしね。

そんな訳で政治の世界は、一寸先は闇との至言は今も活きていることが良く分かる、野田総理の突発性解散発言でした。

来年度予算が決まらないまま選挙に突入しての政治的空白が生じるのは確かですが、民意を反映しない政治的空白が続くよりはマシ。

ただね、民主党の壊滅的敗北は確定していますが、次なる政権が今より良い保証はない。民主党よりマシに思える自民党ですが、私はかなり冷たく見ています。参議院選と同様に、単独過半数は無理でしょう。そうなると連立。

自公民の三党連立なんて、間抜けなことをしないことを祈るばかりです。

コメント
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