気が付いたら自分は幽霊だった。
でも、どうして自分が幽霊になったのか思い出せない。そもそも自分って誰?名前は何?
でも目の前で騒いているのが大嫌いな姉と妹たちであることは分かる。分かるけど、だとしたら自分はその中の一人であったはず。今、ここに居ないのは次女かしら?
え!次女は友人宅にお泊りしている。だったら私って誰なの?
主人公が幽霊だという小説も珍しいと思うが、誰の幽霊だか分からないというのだから、主人公に負けず劣らず読者も戸惑う。
だからこの本は、半分ちかく訳が分からない状態で話が進む。後半になって、ようやく状況が分かってくる。でも、真相はまだ霧の中。そして最後の最後にどんでん返しが待っている。
ちなみにこの本は、どう読んでもホラー小説ではない。強いて言えばファンタジー小説なのだと思う。だから浮ュはないが、4人姉妹って、こんなに喧しいものなのか?私にはこの姉妹の騒々しさが一番衝撃的でした。
決して出来の悪い本ではないのですが、確定申告の繁忙期で疲れた私には、前半の訳が分からない状態が辛かった。まァ、電車で眠気を誘う睡眠導入剤的役割で読んでいた私もなんですがね。
でも後半の加速度的に真相が見えてくる様は十分楽しめたと思います。怖くないホラー小説というか、魔法も怪物も出てこないファンタジー小説というか微妙なところですが、読み物としては面白かったです。