ヌマンタの書斎

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何故に繰り返す

2015-11-13 12:10:00 | 経済・金融・税制

誰か忠告してやれよ。

またも、安倍政権が同じ過ちを繰り返そうとしている。いっこうに好景気を実感できない日本経済への起爆剤として、再び法人税減税を提案している。大企業の法人税負担を軽減して、設備投資と人件費増加を実現しようとしているようだ。

バカだね。何度、同じことを繰り返しているのだ。

これは、民主党政権の頃からだが、法人税の税率は年々低下している。日本企業の国際競争力を高めることと、設備投資と雇用の増大を目指しての政策的減税であった。

今回も同じことを繰り返すようだ。この十年で何度、法人税を下げた?それで外資企業の誘致に成功したのか。日本企業の国際競争力が伸びたのか。設備投資は増えたのか。そして失業率は低下し、個人の実質所得は増加したのか。

如何なる努力も、結果が伴わなければ意味がない。

実現したと云えるのは、失業率の低下ぐらいだが、これとても非正規労働者の増加と、実質所得の減少を加味すれば、あまり高い評価は出来ない。

何度か書いているが、いくら大企業を優遇しても、景気回復は限定的となっている現実を直視して欲しい。日本経済の大半、おおよそ7割ぐらいは、大企業によって占められるとされている。それは間違いではない。

しかし、その大企業を支えているのは、下請け、孫請けの中小、零細企業である。数の上では大企業を逆転し、6割以上が中小企業であり、零細な個人事業者であることも、日本経済の実態の一面である。

いくら法人税を減税しても、この日本経済の底を支えている中小、零細企業には恩恵はない。これは、法人税を納付しているのが、圧倒的に大企業であるからでもある。

民主党政権下の悪夢は終わったが、相変わらず大企業中心にしか物事をみない霞が関のお役所の作る景気対策では、日本の経済が本当の意味で景気回復することはない。それが証明された十年でもある。

今の日本を覆う不景気の一因は、間違いなく個人消費の低迷である。当然だと思う。所得税、住民税、社会保険は上がりっぱなしで、このような公租公課の家庭負担は増える一方なのだから、財布の紐を締めるのは必然でしかない。所得税、住民税、社会保険の減税こそが、個人の家計を助ける。

もっとも税制だけで景気回復できるとは、私とて思ってはいない。個人消費を増やし、景気を回復させたいのなら、いつのまにやらデフレ状態を黙認している黒田・日銀の中途半端なデフレ対策を、徹底させなくてはダメだ。

財務省の言いなりだった民主党政権と同じ過ちを繰り返してどうする。はっきり言えば、大規模な公共事業投資を増やす、それだけで景気は動き出す。公共事業の無駄遣いを気にする人は少なくない。

しかし、働かない不労働者に金をばら撒くよりも、働く人にこそお金は回るべきだ。福祉を切り捨てろと言っているのではない。生活保護費を増大させるよりも、公共事業に従事させて働かせたほうが、社会としては遥かに健全だ。

公共事業の無駄を省きたいのならば、役所のOBと政治家の中間搾取を無くすだけで十分だ。いい加減、過去の失策を認め、新たな対策を打ち出して欲しい。今のままアベノミクスでは、もはや限界だと私は考えています。

コメント
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