ヌマンタの書斎

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認識すべき危機

2020-03-11 12:08:00 | 社会・政治・一般

日本は今、たいへんな危機的な状況の前夜にあたる。

高齢化社会の到来以上に恐るべきは、少子化による人手不足である。コンピューターの進歩やら、ロボットの活用などを、その解決策として挙げる人は少なくない。

だが、現実に採用されているのは外国人労働力の導入策である。これは大企業から零細企業に至るまで、様々な業種で既に進行している現実である。

ところが、日本の法制度はこの変化に十分対応できているとは言い難い。

マスコミがほとんど報道、いや取材すら満足にしていないと思うので敢えて書くが、自衛隊もその例外ではない。元々人員不足が顕著な組織ではあるが、少子化は必然的に自衛隊にも多大な影響を及ぼす。

一応、予備役を含めての対応を考えているようだが、その予備役さえ高齢化で満足に活用できない。そう遠くない将来、自衛隊も外国籍の兵員を活用するようになる日は近いとしか言いようがない。

おそらく永住権などが与えられる形になると思うが、情報漏えいなど考えなければならない課題は多い。そこでもう一つの対応策がある。それが民間軍事会社、いわゆるPMCの活用である。

実はこれは既に現在進行形である。自衛隊がPKO活動などをする際、その兵站を担っているのが海外のPMCである。現実問題、日本の自衛隊は海外での活用を想定していなかった関係で、遠方への兵站能力は極めて低く、到底実用の用に給する能力はない。

実際のところ日本以外の国も、国連のPKO活動などではPMCを活用しているので、そのこと自体は問題ではない。むしろ怖いのは、PMCが自国の軍事体制に組み込まれることだ。

これも既に起きている事態である。例えばアメリカ軍だが、高度なコンピューター処理を必要とする業務は、既に現役の兵員では対応できない。そのためPMCを活用しているのは周知の事実である。

そしてアメリカは戦争に関しては極めて真面目な国なので、PMCの活用に当たっても防諜面、司法面、統括面での対応を既に決めてある。有事法制に関しては他国の一歩も二歩も先を行く国なのだ。

その一方、同盟国である日本は、この有事法制が極めて脆弱な国だ。情報漏えいの危険性は高く、海外でのPMC絡みの事故の際の補償問題、最終的な責任の所在など、未だに確立していない。

もちろん防衛省では検討しているが、当然ながら国会での議論、決議が必要となるのが有事法制である。そして、もちろんというか当然というか、現時点ではまったく議論されていない。

今回の新型肺炎の患者を乗せた旅客船に対する対応さえ、法的対応は未整備であったのは既に既報のとおりである。海外での紛争に巻き込まれた日本人救出のため、海外のPMCに依頼した場合の対応も、当然に未整備である。

少子化により人員不足となることは既に分かっている。分かっていながら、未だに対応できないのが日本である。日本の官庁は前例がないと、まともに対応できない、する気がない組織である。だからこそ政治が主導しての対応が必要となる。

そして政治が主導する以上、マスコミによる適切な報道が必要となる。そうしないと政府の一方的な都合と、現場への理解の無い「使えない制度」になってしまうからだ。

政治の素人である私だって、この程度のことは分かる。私よりも頭の良い方が沢山いる霞が関、永田町、そしてマスコミ様はいったい何をやっているのでしょうかね。

コメント
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