変わり身が早過ぎるのも問題だ。
先月途中まで、国会を騒がしていたのは間違いなく「桜の会」問題であったはずだ。マスコミに煽られて、野党議員様たちが意気揚々とこの問題に不正ありだと騒いでいたはずだ。
ところが、新型肺炎の問題が世界規模となるに従い、桜の会の問題を追求する声は急激に勢いを失した。代わって野党は、安倍政権の新型肺炎への対応を問題に取り上げるようになったのは先刻ご承知のとおりである。
私は反・安倍ではないが、批判すべきことは批判するべきだと考えている。「安倍首相と桜を見る会」の経理処理に問題がないとは考えていない。ただ、国政の場を大きく割くほどの問題でもないとも思っている。
打倒・安倍政権を掲げる新聞・TVは、この桜の会問題で、安倍政権の評判を地に落そうと画策し、野党政治家がそれに便乗する形となっていた。私は当初から、この問題で安倍首相を政権の座から落とすことは無理だと思っていた。
せいぜい嫌がらせ程度の問題に過ぎないことは、当初から明白だった。むしろ他にやるべきことがあると思っていたので、マスコミの見当違いの活躍ぶりに辟易していた。
ただ、今後のことを考えれば、首相主催の会への一般人の参加イベントの経理ぐらい、しっかりと管理するべきだと今でも考えている。金額が小さいので、大きな失点にならないだけで、安倍首相との写真撮影などが悪用されているのも事実なのだ。
その意味で、適正な追求は必要であったと思う。ただ、あまりに幼稚な野党の追及が、本来議論すべきことを曖昧にしていたことが残念だ。そう、野党の追及はいつも残念なものばかり。
はっきり言えば、マスコミに便乗し過ぎである。マスコミは基本、騒ぎが大きくなれば良いだけで、本気で政権を倒そうとする気概なんざない。高所高段から、政治家を偉そうに指弾することに意義を見出しているだけの偉ぶり屋に過ぎない。
情けないことに、唯一戦う野党であった日本共産党まで、マスコミに便乗する安易さが目立つ。私は共産党に投票したことはないが、彼らの政権与党への不正追及の実力はけっこう認めていた。
共産党は独自の調査力で、政府の不正を暴きだせる力を持っていた。だからこそ、公安を始めとして自民党からも危険視されていた。でも、もはや過去形でしか語れないようだ。以前は本当に、官庁などに潜む共産党のシンパが、不正情報を持ち出して、それを武器に国会で論戦を繰り広げていた時代もあった。
でも、その共産党でさえ本気で政権の不正を追及する実力を失くしている。いや、本来、国会の場で議論すべきことの本質を見失っている。
政権の座を奪うため、政権与党の不正を追及するのは、手段の一つに過ぎない。根底にあるのは、自らが政権の座に就いて何をするかであろう。今の野党にはそれが欠如している。
新型肺炎の問題は、国民の生活と生命に重大な影響を与える問題であることは明白である。政治家ならば、国民を守るために安倍政権の対応の拙さを批判するべきである。
ところが今の野党ときたら、安倍政権を誹謗するための手段としての批判しか出来ない。国民の為という視座が欠落している。これでは、いくら合併しようと、国会の場で多数派になることなんざ出来る訳がない。
厭だなァ、まだまだ当分、自民公明の連立政権は続きそうですよ。野党がこれじゃあねぇ・・・