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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

連休中のある一日

2020-05-06 16:10:00 | 日記

ステイホームの意義は分かっているつもりだが、連休中ほとんど出勤していた。

一応、言い訳しておくと、電車はガラガラ、事務所では私一人でお仕事なので家にいるのと大差ない。

実を言えば、ネコの手をひったくりたいほどに忙しい。新型肺炎の影響を受けて、顧問先から補助金の申請書類の記入やら相談やらが増えているからだ。もちろん相対することなく、電話とFAX、メールで対応しているが、売上の大幅減少により深刻に悩む零細企業の頼みだけに断わることは出来ない。

そんな最中、一通の訃報を知らせるFAXが入ってきた。

同業者であり旧知のA先生の訃報であった。最近はほとんどお会いすることはなかったが、私が税理士会に入会した頃は随分と目をかけていただいた方である。

あの頃、うちの事務所によく出入りしていた方でもある。ある税務調査の件で揉めているようで、税務調査の名人といわれた私の師匠に相談に来ていた。

師匠のS先生は、いささか変わり者で、税務調査への対応も他の先生、特に同じ税務署OBのなかでも一味違っていた。同じ支部には、税務署長経験者や、国税局出身の大物先生もいたが、S先生はそのなかでも腕利きとの評があったらしい。

私は当時、その理由が分からなかった。国税や所轄に強いコネをもっていた訳でもなく、弁舌が立つタイプでもない。それなのに、同業の先生から相談を受けることが少なくなかった。

今ならその理由の一端が分る。守秘義務があるので具体的なことは書けないが、一言で云えばヒネクレた知恵者であった。とにかく若い税務職員を煙に巻くのが上手かった。争点をずらして、わざとこじらせたりと税務署の職員が嫌がることが得意だった。

ただ偶にやり過ぎたこともあったようで、仕返し的な税務調査を受けたこともある。そんな時は、最初落ち込むが、いつのまにやらファイトを掻き立てて妙な解決法を編み出していた。

長年それを間近に見ていたせいで、それが普通かと思っていたが、他の先生方の話を聞くとかなりイレギュラーな遣り口だったようだ。まァそのおかげで、私としては随分と役に立ったことは確かだ。

ところで亡くなられたA先生に話を戻すと、お亡くなりになったのは4月で既に告別式等は済ませているようだ。最近はこのような葬儀をする方が増えている。私もここ10年ちかく、ほとんどお会いしてなかったので、死因等はさっぱり分からない。

けっこうなご高齢だったので、寿命かもしれないし、もしかしたら新型肺炎の影響もあったのかもしれない。

ただ、うちの支部ではかなり活躍された方なので、今頃支部の対応は大変かもしれないと他人事のように思っている。現在、私は支部業務からは一切手を引いているので、他人事なのだが、私が経理部長の立場であったら忙しかったろうと思う。

それにしても、一人で静かに仕事をしている最中、いきなり訃報を知ると正直、心乱される。もし今、自分が急に亡くなったらと、ついつい想像してしまう。いろいろと溜まった仕事、仕樺?フ仕事など多種多様な仕事があるので、後が大変だと容易に分る。

私の仕事は他人から見られる事を前提にしている。私の仕事を引き継いだ方に恥ずかしくない仕事をしたいものだ。いずれは後継者も見出さないといけない時が迫っているのだとも思う。

まァ後10年は頑張るつもりですけどね。

コメント (2)
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