ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

三遊亭円楽の訃報

2022-10-05 13:08:27 | 社会・政治・一般

私は口が悪いほうだと思うが、毒舌家を名乗るにはいささか稚拙だ。

悪口をいうのは楽しいが、その悪口を聞かされた周囲の人がそれを楽しんでいるかどうかは別問題。嫌な奴の悪口は、皆が互いに言い合って共感による楽しさがある。しかし、一方的な悪口は、聞かされる立場になるとあまり愉快なものではないことが少なくない。

ましてや、その悪口の対象である当の本人を前に、堂々面と向かって悪口を言うことは、いろいろと難しい。それを見事にやってのけるのが落語家だ。

私はせいぜいTVでしか視ていないので偉そうなことは言えないが、落語家の毒舌には舌を巻く。昔は三遊亭圓楽と桂歌丸の毒舌の言い合いに爆笑していたが、圓楽の弟子である楽太郎も毒舌芸には長けている。なにせ師匠である圓楽にも平然と毒を吐いていたほどだ。

その圓楽亡き後、六代目圓楽を継承。人気番組である笑点では、歌丸師匠との毒舌の言い合いというか罵倒し合いが名物になっていた。ただし円楽本人は歌丸師匠を尊敬しており、協会のもめ事や和解の席の設置など、裏方では常に敬意を払っていたことで知られている。

その歌丸師匠が亡くなった後の追悼番となった笑点での終盤、円楽の涙をこらえながらの「早過ぎるんだよ、バカ野郎」には思わず目頭が熱くなった。その歌丸師匠が亡くなってから4年とたたずしての本人の訃報である。

きっと今頃、5代目圓楽と歌丸に「早過ぎるんだよ」と言い返されているに違いないと思っています。

本当に残念な方を失くしました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

コメント (4)
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