下から7番目の丸太橋
HALは川上犬だと幾度か書いた。オオカミや山犬に近い犬種だとも。今日は里は暑かろうということで、上に連れてきた。いつもの仕事を早々に済ませ、テイ沢の丸太橋の保守にHALも連れていった。
面白いもので、HALはかなりきわどい岩などは平気のくせに、丸太橋は怖がって渡らない。それでも浅瀬を選んでは、付いてくる。水を怖がるということもないが、泳いだところは見たことがない。強制的に川にでも放り込めば、犬かきぐらいは本能的にするだろうが、気がやさしい犬なのでそこまではしないでいる。
同じ川上犬でも以前に飼っていた雄の小太郎は、11月でも平気で天竜川を泳いで渡り、飼い主を心配させた。夜、散歩に連れていくと、対岸にお目当てでもいるのか天竜川を苦も無く泳ぎ渡り、それっきりその夜は帰ってこなかった。喧嘩も向かうところ敵なし、かどうかは分からなかったが、キツネなどを河原で見付けると、矢の勢いで追いかけた。こういう時も、決まって朝帰りとなった。
本来、川上犬は気性が荒いと聞いていたが、HALは気が小さく、ただし賢い。それでも、ああした自然の中に行けば、眠っていた遠い昔の野生が甦りでもするのか、普段は繋がれて暑さに参っている犬とは思えない俊敏な動きを見せる。
もう、HALも10歳になる。生後1,2カ月もしない子犬で来たときは、羽毛服の中で眠っていた。言うこともよく分かり、従順でもあるが、残された年月が気になるようになってきた。同じく川上犬のキクを一昨年の冬になくしてしまったから、跡継ぎがいない。
HALの尻尾が分かるかな
東京を引き上げると決めたとき、まず一番に犬を飼うことを考えた。特別可愛がってるわけではないが、犬のいない生活は、女房のいない生活以上に耐えれないかも・・・、などと書いたら、娘にまた絶交されるかも知れない。
山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H28年度の営業案内」をご覧ください。