
先日の台風18号のことだが、さすがにあれだけの強風が里でさえも吹けば、標高2千メートルに近い牧場は被害無しでは済まなかった。昨日は秋日和の中、一部で通電しない電気牧柵の問題箇所の原因を探って歩きにあるき、一日の大半を過ごしてしまった。通常であれば、およそ8千ボルト以上の電圧が流れるはずだが、まだ見付けられない不良箇所があるのだろう、いまだ6千ボルトくらいしか出ない区間もある。
そのことはさておき、倒木である。太い落葉松が2本、通常の牧柵と電牧の上に倒れているのを発見した。きょうはそれらをチェーンソーで切り分け、管理棟まで運んできた。これらが、露天風呂の優れモノの燃料になるからだ。
ここの露天風呂の燃料は薪と石油の併用が可能だが、薪を使って立てた風呂の湯の快適さは、石油とは全く比較にならない。湯が肌にことのほか柔らかで、温もりが体中にゆっくり、しっかりと伝わってくる。
もう幾年も前のことだが、朝早くから藪山を一心不乱に整備している老人がいて、その熱心さを連日目にしているうちについ声を掛けたことがあった。すると、薪で沸かした風呂に入るのが楽しみでやっているのだと話してくれたことを覚えている。「今の人たちは知らんだろうけどな」と言って、目を細め笑った。
あの老人は今も健在だろうか。あの時間に、すでに山に入り作業をしていたということは、一体いつ家を出てきたのだろうかとその勤勉さが偲ばれ、感心したものだった。
あの人ばかりでなく年を取った人ほど野良に出るのが早い。相変わらず、手と足と、昔からの農具を使い狭い田畑を耕し、わずかばかりの野菜を作っている。そう言えば、山室川でよく見掛けた老婆はどうしたのだろう、このごろ姿を見ない。いつも手塩に掛けて手入れしていた畑は、今年は春から何も植えられずに放ったらかされたままだ。
焚火が恋しい季節、当キャンプ場は一応「直火可」。ただし所定の場所に限られ、どこでもそれができるわけではないので念のため。
これからの季節は時代遅れの山小屋がオススメ。キャンプ場及び山小屋の営業内容につきましては、「H29年度の営業案内」と「続H29年度の営業案内」を参考にしてください。