
牧を閉じる日も近いことから昨日、ずっと気になっていたテイ沢へ行ってきた。行きには70代と思しき男性1名と女性2名の3人連れと、帰りにはやはり年配の夫婦らしき男女2名が下りてきたのに出会った。
今年は初夏のころに下流から9番目の橋を架け替え、ついでに8番目を補修し、その後は草刈りぐらいか、いつもの年に比べ行く機会が少なかった。橋がかなり古くなって、危険な個所もあることは分かっていたし、人伝にも聞いていただけに、小黒川の林道を下っていく人も、上がって来る人もテイ沢利用の人ばかりだから、その度に沢の様子、就中丸太橋のことが気になっていた。
丸太橋の架け替えは、重い丸太を1本いっぽん肩に担いで運ぶしかなかったから、どこを歩いても当時のことが懐かしく思い出された。また、手伝ってくれた人たちの顔を思い出し、深く感謝した。
折角架けた橋が脆くも大水で流されたことが3、4回はあったし、倒木に手を焼かされたことも何度かあった。そういう跡が随所に残っていて、この沢との繋がりを昨日は改めて強く感じた。
「もう一度やってみようか」、取り敢えず補修しておいた下から8番目の橋を見に行く手前で、突然にそんな気持ちに襲われた。約40本の丸太が手に入るのなら(当てはある)、まだできそうに思えたのだが、ウーン。
写真は下から5番目の橋で、2年前にはこの橋の前後に何本もの太いモミの木が倒れて通行不能になり、TDS君に手伝ってもらい通れるようにした。例によってチェーンソーの調子が悪かったことを覚えている。
ここは沢の幅が広く5㍍の丸太が必要な場所で、重量を考えてあまり太い丸太は避けた。そのために丸太の耐久性が悪く、補強目的で今年だったか、この沢に使用した丸太の中でも最も太い木を持ち込んだ。沢の中は肩で担ぐことができず、ロープで引き摺ってみたり、梃子の要領で押したり引いたりを繰り返した記憶がある。
頼り過ぎたら却って危険なため、丸太橋には手摺りを付けないことを原則にしたが、ここは水面から高いため、安全のために手摺りを付けた。中間に支えが必要で、このやり方はOZ氏から教えて貰った。
沢の中のたくさんの流木も気になっている。森林管理署の森林官に立ち会ってもらい、沢の中の安全な場所で燃やすことができないだろうか。
この渓は、古くからの信仰の場所である。古道「石堂越え」が通っていたという口碑もある。橋は架けたが、いつまでも静かな渓であってほしいと思う。丸太橋などなくても構わないと思うほど、自然の姿のままにしておきたいという、矛盾した思いが今でも一方に強くある。
長くは続かないと思うが、雪が本降りになってきた。本日はこの辺で。