
Photo by Ume氏
里も、ここ2,3日の間にすっかり冬の様相を濃くしてきた。灰色の雲は連日空の大半を覆い、わずかに見えている青空はかつての暖かさを失せ、むしろ冷たく光る。柿の木には連日のように椋鳥が来ているが、それでもかなりの数の柿の実が風に揺れ、寒空をさらにもの寂しく見せている。荒れ放題の庭にはモミジの葉が散乱し、風がなければ落ち葉焚きができそうだ。

何もしたくないので本ばかり読み、気分転換に風呂に入り、そうやって長い一日を過ごしている。上にいた時は読書欲などあまりなかったが、今は牧を見回ったり、牧柵の修理などする必要もなく、ここで炬燵に囚われ本を読むことは、列車に乗って移り変わる景色を眺める旅人のようなものだ。
今さら知識を増やそうとか、錆び付いた頭の回転に少し油を注そうとか、そういう気持ちはない。ただ、一瞬いっしゅんの景色が面白ければいいわけで、実際、昨日読んだ本の題名を思い出せず、さすがに呆れた。
それと、手許にある本はすでに一度読んだ本ばかりだ。もう、乏しい暮らしの中で新しく本を買い、増やす気になれないから、それで再読するわけだが、これが意外と面白い。若いころに登った山、例えばこの時季の上越の山などをまた訪ねるような、そんな気になってくる。
悪い癖で、本によく書き込みをするのだが、今改めて読んでみてそれらの著者に対する意見が見当違いだったり、誤解だったりすることもあり、消しゴムで消したり、黒く塗りつぶしたりして、過ぎし日のオツムの状態や理解、考えの不足を思い知らされている。と言って、必ずしもそう評価する今が正しいという根拠も、ないと言えばない。
Ume氏が訪ねてくれた。今冬是非、泊りがけで法華道から牧へ行こうという話になった。まだ、法華道は未体験だという。他にも同行者がいそうで、面白い山行きになるだろう。雪に埋もれた森閑とした古道もだが、小屋で暖かく燃える火を囲んで酒を飲み、美味い物を食べるのも楽しみだ。
山奥氏がきょうもわざわざオオダオ(芝平峠)の崩落の状況を見にいったらしく、また連絡をくれた。崩落はさらに進み、アスファルトの道路にまで及んでいるという。そういう連絡は有難くも、氏は相変わらずだった。
本日はこの辺で。