入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「冬」(14)

2021年11月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 好天が続いている。有難い。すでにここは冬の到来を宣言してしまったが、少し気が早かったかと思うくらい幾日もいい天気が続く。山にも人の姿が絶えた。富士見のゴンドラの運行が、点検修理のため休止になった影響が大きいのだろう。初冬の山の枯れた姿、趣、侘しさを一人だけのものとしている。
 
 さきほどつい「有難い」などと呟いたが、友人と電話で話していて「これも温暖化のせいだろう」と言われて、自分の単純さに気付いた。夏の「猛暑」とか冬の「雪不足」なら、そういうことも考えないわけでないが、この時季にもそんな影響が及んでいたのか。確かに、11月も半ばとなれば灰色の空に連日木枯らしが吹いて、刈り取られた稲田の風景が一段と冬の寒さを誘うころだというのに、そういう殺伐さはここであってもどこにもない。





 第1牧区の一抱えもあるモミの大木が倒れた。風のせいだろう。こういう倒木の処理は、思いもしない場所に力がたまっていることがあるから危険をともなう。それに、歯こそ新品だが、古いチェーンソーで太刀打ちできるかと心配しながらも昨日、取り敢えず枝を全て切り払い、巨木を草の上に寝かせるまでにした。この後は、大木や多数の枝を片付けなければならないが、耳もとで、「来春にしたら」という声も聞こえてきた。思案中。

 夕空の眺め、深い静寂、去りがたくなって丸太になったモミの大木に腰かけ、しばらくの時を過ごした。無窮の天と広大な大地、膨大な時間の中の一瞬、それらをしみじみと味わいながら、もっと先の終局を気配として感じていた。
 本日はこの辺で。
コメント
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