入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     24年「冬」(22)

2024年01月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 冬の日が西の山に消え、空の色も薄れて白色に変わりつつある。どこへ行くのか、空の高い所を黒い点のような鳥が数羽飛んでいった。風はない。
 
 ちょうど今のような、音の消えた空白の時間、あの人はその寂寞感に気が滅入ると言った。それに対して、この時間が一日の中で最も気持ちが鎮まり落ち着くと応えたら、黙ってしまった。
 しばらくして、「わたしたちはやはり気が合わなかったのよね」と言って、こちらの同意を求めてきた。夕暮れに対する二人の感覚の相違が、それほど重要だったのだろうかと思いつつ、肯いた。

 というようなことがあったとして、さて、何を呟こうとしたのだろう。いや、思い出さないでおく。天人五衰、生きていたらあの人も、きっと、その最終段階にいただろう。

 幾日か前に大きなリンゴをモミジの木の根っこに置いてみたら、それが大分齧られていた。スズメか椋鳥だろう。昨日は米粒をその削られた部分に置いてみたら、全部食べてあった。せめて餌の乏しい冬の間だけでも、餌付けを続けてみようかと考えている。

 今朝は3時から6時くらいの間、またしても夢だか現だか分からぬ状態の中を彷徨っていた。惰眠を貪ってばかりいた罰だろうか、寝付けないと思いながらそれでも何度か同じような夢らしきを見た。
 それはアジの干物を使った料理とも言えない簡単な副食を作ろうとして、(干物を焼かず油を引いて炒め、その上に白髪ネギとパクチを散らし、さらに熱いごま油を垂らし、豆板醤を付けて食べる)白髪ねぎを刻もうとしてもなぜか薄い皮が剥けるだけで、朦朧とした3時間もの間に同じことを何度も繰り返し、とうとうできずに終わった。

 寒さに震えながら8時ごろに起き出し、そして、きょうが金曜日だと思っていたら、もう土曜日だと知り愕然とした。
 1週間は短く、1ヶ月は長い。8日に山から戻り、それからあれらの日々は遠くなるばかりだが、まだ1月は終わっていないのだ。それでも恐らく、この1年もまた、呆気なく過ぎるだろう。
 昨日、入笠の雪の状態を問う電話を受けた。
 本日はこの辺で、明日は沈黙します。
 
 
 
  
コメント
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