入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’24年「春」(25)

2024年03月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

        まだ少し気が早かったか
 
 昨日の独り言、「甲斐駒ヶ岳の呼称を止めて」としたのは間違いで、山頂標識に「東駒ケ岳」の山名を追加し、併記すると言うのが正しいと分かった。人伝えに聞いた話で正確ではなく、今度改めて地元紙「長野日報」の3月15日の記事を読んで知った。
 なんでも、甲斐駒ヶ岳開山200周年、その他南アルプスの国定公園指定60周年、ユネスコエコパーク登録10周年の節目でもあり、それらの記念事業の一環としてするのだそうだ。
 
 以上を訂正し、少々追加説明した上で、しかし、二つの山名の併記が仮に山頂の標識だけであったとしても、昨日に呟やいた考えを変える気持ちにはならない。そのことが訪れた登山者にとってどれほど役に立ち、意義があるのか分からないし、むしろ混乱する怖れもあるからだ。
 
 エベレストを「サルガマータ」とか「チョモランマ」と呼んで崇めたネパールやチベットの地元に暮らす人々や、大きな山を意味する「デナリ」と名付けた北米の先住民らにとって、後から来た征服者らに「マッキンリー」などと、どこの馬の骨か知らないような男の名前(アメリカ元大統領)を勝手に付けられたら、さぞかし迷惑だっただろう。
 
 しかし、それと甲斐駒ヶ岳を東駒ヶ岳と新たに併記することとは違う気がする。戸倉山を「伊那富士」の名で呼んで地元の人々が親しむように、後者はそうした愛称程度でも充分ではないのか、と思う。
 
 この独り言にも大阿原を「ヒルデエラ」、芝平峠を「オオダオ」と括弧付で併記し、こういう名前が地元には残っていると紹介している。あくまでも口碑や、古い人々の暮らしに関心のある人の参考になればと思うだけで、しかし、今さら括弧付でも入笠山に「雨乞い岳」などと言う名前を併記する気はない。
 登山の黎明期か、奥穂高岳と前穂高岳が混乱していた例もあるように、文献を残した神足勝記に、地元案内人が間違えて教えた可能性もあるからだ。それに入笠山は入笠山でもう充分だろう。
 
 御所平峠の名前が長年、入笠山の登山口に付けられていて、これは駐車場閉鎖に伴い標識が撤去された。しかし今度は、仏平峠という古くからあった峠の名は、いつの間にか「首切り登山口」にされてしまった。
 こういうことが平気で起きる。任にある人たちがもっとより関心と注意を払って欲しいと思う。
 本日はこの辺で。
 
 
 

 
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     ’24年「春」(24)

2024年03月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 先週の土曜日は気温が上昇し、4月中旬とか地方によっては5月並みの所もあったと聞く。そのお蔭でか、庭の梅の花がほぼ満開になった。これから白い花を咲かせるボケ、まだ土の中に眠っているカタクリ、イカリソウ、ミヤコワスレなどなどと、ろくに手をいれてやらないわが家の草花も咲き出すだろう。
 そしてあと1ヶ月もしないうちに、上の仕事が始まる。

 
   こういうことにならねばいいが
 
 この呟きでも「木曾駒」と呼ばず、しばしば「西駒」と独り言ちることがある。あの山は、地元の人にとっては中央アルプスを代表する山で、個人的にも小さいころから慣れ親しみ、登山回数も30回を超える。
 しかしこの呼称は謂わば方言のようなもの。全国には駒ケ岳という山は幾つもあり、残念ながら「西駒」では通用しない。「木曾駒」と呼んで初めてそれがどこの駒ケ岳かが分かる。

 実は、われわれにはもう一つ身近な駒ケ岳がある。南アルプスの「甲斐駒ヶ岳」である。この山は西駒と区別するため、伊那の人たちはよく「東駒」と呼ぶ。
 最近地元の伊那市では、なんと標識、案内板にも甲斐駒の呼称を止めて、「東駒が岳」で統一しようとする動きがあるやに聞いた。
 こういうのを「贔屓の引き倒し」と言っていいのではないか。地元以外の多くの人たちにはどこの駒ケ岳か分からないし、当然、反感を持たれる。

「入笠山」という山の名前は、諏訪の人々が名付親でほぼ間違いなく、伊那の一部の人たちが「雨乞い岳」と呼んでいたと古い文献にはあるが、伊那からはよく見えない山である。
 仙丈岳はどこよりか伊那から見るのが相応しい、これはそう言っても許されよう。しかし、甲斐駒は伊那からは前衛の山に隠れてしまっていて、入笠山と同じくそれほど目に馴染んできた山とは言いにくい。
 それと比べたら、あの堂々たる甲斐駒の山容を間近にするのは長野県の一部と、多くは山梨、甲斐の人たちである。「おらが山」と思っても仕方あるまい。

 山名ばかりか、伊那谷のことを「伊那バレー」と呼びたがる人もいるらしいが、いい加減にしろと言いたい。valleyではなく、スポーツのバレーと間違えられる。フェスタ、コラボ、伊那を「イーナ」と言ったりするのと同様、親しみも品もない。誰がこういうことを言い出すのか。
 
 本日はこの辺で。
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