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梅の花が咲いていた。指標木にしていた木ではなく、思いがけずも別の木で、それも一輪「をば云うふにはあらず」、もっと咲いていた。
それに気を良くして、午後は散歩に出た。道々あれこれ思ったり、感じたことを忘れずに覚えていて、それをここに呟くことができればと思うが、帰ってその後座ったら、爽快な満足感の外は何もかも忘れてしまった。
ただ、天竜川の河原に根付いてしまったアカシアの枝が、大分黄色の薄衣をまとってきたように見え、そのことは印象に残っている。雪が降ったりしても、そんな季節の抗いなど取るに足らぬと、冷たさの和らいだ川音も教えてくれていた。
夕暮れ、いつものようにビールと本命の日本酒を代わるがわる飲む。「夜明け前」が残り少なく徳利を満たさなかったので、ならばと迷わず「八海山」をそれに足した。このごろは、こういうことを平気でする。「酒の味の分からない」と言われている者には、それで何の不足もない。
不足ないどころか、却って味が良くなったような気がし、読みかけのある作家の随筆を肴に杯を重ねれば、五臓六腑に沁みる酒に褒める言葉をなくす。名ばかりの春の宵とはいえ、それとなく艶めかしさも潜んでいるらしく、それも心地の良い酒の酔いを深めてくれるようであった。(3月7日記)
関東では雪が降っているようだ。早朝から各地の様子が伝えられているが、積雪が2センチ3センチで大騒ぎして報道する人に、雪国の人は呆れ、怒っているかも知れない。気温零度が一体どうだというのだろうか、それが日常である人がいくらでもいる。
昨日の散歩でも、日の当たらぬ山道には雪が残っていて歩きにくかったが、恐らくきょう行けば消えているだろう。また言うが、老人の元気と春の雪などそんなものだ、自戒を込めて。
問題は、まだ冬と春の狭間に揺れている入笠の雪で、今月の26日27日には上に行かねばならない。こっちは何とかするにしても、やって来る人たちが本当に来られるのかどうか、案じている。
筋萎縮性側索硬化症の患者の求めに応じ、安楽死させたという医師に懲役18年の判決が出て驚いている。それについては、少々愚見を明日。
本日はこの辺で。