入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’17年「初冬」 (17)

2017年11月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝ここに着いたときの気温は0度。星の狩人たちによれば、昨夜はマイナス10度まで下がったとか。星空についての感想を聞けば「期待してたよりもさらに良かった」と、寒さに震えながらも満足そうな顔を浮かべ、笑って言った。



 さあ、きょうで牧場を閉じる。7か月は長くもあり、短くもあった。牧場に関してはもう、やり残したことはないはずだ。懸案だった第1牧区にある電気牧柵の冬対策は、つい先ほどようやくにして終わった。単純な作業の繰り返しの中で考えたこと、思ったことあれこれ、寒風が身に沁みた。
 時代遅れの山小屋に関してはこれで終わり、とするわけにはいかない。こちらは、やり残したこと多々あり、本格的な冬のシーズンが始まることでもあり、不定期ながらまた上ってくるつもりでいる。
 なお、この独り言についても、どうせ炬燵の虜囚になって小人の妄想を膨らませているだけだろうから、できるだけ続けたいと思っている。

 思いがけない客人あり、入笠のこと語る。これも牧を閉じる日にふさわしかっただろう。雪がちらつき出し、鉛色の空が入笠に本格的な冬の到来を告げている。現在(16時)の気温マイナス2度。

 今冬、時代遅れの山小屋の利用を予定されている各位には、燃料、部屋割り(小屋48畳、管理棟10畳ふた間)その他の準備をしなければならないので、できるだけ早い予約をお願いします。
 牧場は19日で閉めますが、その後も例年と同じように、折角いただいた予約にはできるだけた応じたいと思っています。 なお、冬季営業につきましては、カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じです。 
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      ’17年「初冬」 (16)

2017年11月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 疲労か、風邪か、はたまた気の緩みか、目が覚めたら8時を過ぎていた。牧場管理人としての7か月の契約は、明日で終わるというのにだ(それからは来年の春まで、時代遅れの山小屋の不定期な自主管理人となる)。
 
 明け方に降ったらしい雨は家を出るときには止んでいた。天候は曇り空のままで、来る途中の雨に濡れた稲田の風景や、葉を落とした木々が大分目立つようになった森は霧が立ち込め、しっとりとして、見る者の気持ちを落ち着かせてくれた。
 富士見町の建設課から、「積雪が確認されたので」きょうから入笠に上る富士見側の林道は閉鎖した旨の連絡を受けたときはまだ小雨だったが、焼合わせを過ぎた辺りから上に来るに従い雪に変わった。こんな天気でも来る人がいるようで、薄く積もった道路にはタイヤの跡が幾本か残っていた。恐らく、解禁を心待ちにしていた猟師たちだろう。
 キャンプの予約が入っていたのに加え、冬季用に150リッターの灯油が入ったドラム缶を荷揚げするという仕事があったために悪天を押して来たわけだが、予定していた場所にどうやって下ろしたらよいかその方法を忘れてしまい、大苦労した。灯油の荷揚げはこれで2回目だが、前回はポリタンクだったから問題なかった。今回欲張って、もし満タンの200リッターだったらと考えた途端に、幾年か前の春、ガソリン200リッターで経験した格闘、苦労を思い出し、その分まで余計に疲れた。

 保温のため、カーテンの代用として毛布を吊っているため外の様子が分からない。管理棟を出ようとして驚いた、雪がまだ降り続いていた。この天気では、第1牧区の電気牧柵を落とすのは諦めた方がよさそうだ。
 心配していたキャンパーは予定通り来た。彼ら二人も、星の狩人たちだった。

 今冬、時代遅れの山小屋の利用を予定されている各位には、燃料、部屋割り(小屋48畳、管理棟10畳ふた間)その他の準備をしなければならないので、できるだけ早い予約をお願いします。
 牧場は19日で閉めますが、その後も例年と同じように、折角いただいた予約にはできるだけた応じたいと思っています。 なお、冬季営業につきましては、カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。


 
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     ’17年「初冬」 (15)

2017年11月17日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

 
 昨夜は上に泊まった。夜半過ぎ外に出たら星空が凄かった。きょうの月齢が28.3、今夜も天体観測には好条件だが、予報によれば天気は下り坂のよう。もっとも、崩れ出すのは夕方からで、日中はきょうも好天が続く。北アの長大な山並みには少し雲がからむも中アには全く雲はなく、その間にある御嶽と乗鞍は、大分白い衣の裾を下げた。

 以前にも書いたが、時代遅れの山小屋やキャンプ場のトイレについて、もう少し近代化を進めるべく昨日、その費用の見積もりをしてもらうことにした。まだあくまで見積もりの段階で、実現に向けては紆余曲折があるだろう。
 懸念されるそのひとつが冬季の営業である。水の問題が絡むから簡単ではない。何年か前の話だが、あの上高地の小梨平でさえ冬季は、水洗でない古い方式のトイレが1箇所使用できただけだった。多少の不便は山の、それも冬のこと、甘受してもらうしかないが、「清潔快適なトイレは観光資源」とも言うそうだ。
 冬季の営業をしなければ、という意見もあろうが、広い雪の森や林の中を移動するスノーシューイングや、スキーイングにこれだけ適した山域もあまりない。



 上の写真は、山岳写真家の三宅岳氏が来たので、彼の友人のマナスル山荘本館の山口氏やSさん、S君も呼んで小宴を張ったときのもの。
 入笠の将来、来訪者、課題などなどそれぞれが一家言持つ人たちだけに、空疎でない具体的な話題を語り、大いに盛り上がった。今後の運営や、この独り言にも反映していきたい。

 今冬、時代遅れの山小屋の利用を予定されている各位には、燃料、部屋割り(小屋48畳、管理棟10畳ふた間)その他の準備をしなければならないので、できるだけ早い予約をお願いします。
  牧場は19日で閉めますが、その後も例年と同じように、折角いただいた予約にはできるだけた応じたいと思っています。 なお、冬季営業につきましては、カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。



 
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     ’17年「初冬」 (14)

2017年11月16日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 郡猟の会長(県猟友会副会長)から電話を受けたとき、友人のKと新宿の雑踏の中を歩いていた。きょうから猟期が始まり、それで牧場を訪ねてくれたのだという。その電話で、一気に気持ちが入笠に戻った。たった1日前、新宿駅に着いたときは、FMZ君に「こうやって東京の街を歩いていれば、昨日もこの地にいたような気がする」なんて言ったはずだったのに。

 今回、東京へ出掛けたのは古い友人のSがアメリカから日本に帰ってきていて、10数年ぶりに会うためだった。彼のことや、FMZ君も含む3人が東京の一隅で一時を過ごした〝青春貧乏物語‟をここで詳らかにすることはしないが、初めて行ったアラスカからは、当時ロスアンゼルスに在住していた彼をはるばる呼びつけてみたり、その後アメリカ女性と所帯を持ったミネソタの地へは2回ほど行って世話になった。彼が家族を連れて東京へ来たこともあったし、こうして20代のころからのSとの途切れとぎれの交友を幾度繰り返したかと思うだに、時の流れの速さというか、慌ただしさというべきか、そんなことを身に沁みて感じてる。

 管理人室から

 また、山の牧場に"主たる生活の場″が戻った。牧区の見回りをして戻ってくる途中、上の大曲を下ってきたら雪が舞っていた。伊那側では今冬初めて見る雪だ。
 今、外の気温を見ようと、窓のカーテンの代わりにしている毛布をまくり上げたら、いつの間にかここでも雪が舞い始めていた。昼の気温は1度。例年の初雪が15日前後だから、平年並みということだろう。

 隣室の10畳ふた間

 今冬、時代遅れの山小屋の利用を予定されている各位には、燃料、部屋割り(小屋48畳、管理棟10畳ふた間)その他の準備をしなければならないので、できるだけ早い予約をお願いします。
  牧場は19日で閉めますが、その後も例年と同じように、折角いただいた予約にはできるだけた応じたいと思っています。 なお、冬季営業につきましては、カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。

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      ’17年「初冬」(13)

2017年11月14日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 きょうは上に行かず、下でこれを書いている。昨夜のSD君との大酌のせいではなく、これから急ぎの予定で東京へ行かなければならない。1泊するだけで、明日にはまた戻る。「戻る」と書いただけで安堵する。30数年暮らしたはずの〝花の都"だが、彼の地に何の引きずる気持ちはない。会いたい人はたくさんいるが、会わずに帰る。そうやって少しづつ東京が、記憶から薄れていく。さんざん世話になった土地であり、人のはずのに。

 KNIさん、12月の予約、了解しました。また、2月にもスノーシューイングを予定されていると知り、嬉しい限りです。老骨に鞭打って、HALを連れて雪の法華道を登るのが今から楽しみです。12月は前回と同じく、ガランとした山小屋でなく、管理棟の10畳ふた間を用意しようと考えています。
 多くの山人で賑わう入笠でなくて、静謐な雪の森の中を過ぎていく何人かの人影を見てみたい。アラスカの、あのトウヒの森がそうだったように。

  牧場は19日で閉めますが、その後も例年と同じように、折角いただいた予約にはできるだけ応じたいと思っています。 なお、11月からは冬季営業となりました。カテゴリー別の「28年冬季営業の案内」を参考にしてください。料金を含め、営業内容は昨年と同じにしたいと思います。
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