夜の山道を帰るときには、決まって鹿と遭遇する。車を見ただけで夢中で逃げ出す鹿がいれば、鷹揚に義理ででもあるかのように茂みに消えていく鹿もいる。迫ってくる車の中に人影を確認するまで動こうとしない鹿もいるくらいで、反応はまちまち、同じではない。
そういうときに、ああやって藪の中に飛び込んでいったり、渓流を飛び越え逃げていけば、ときにはあの大きな目を枝で突いたり、石で足を挫くこともあるだろうにと思う。猿も木から落ちると言われるのだから自然の中でのこと、当然鹿にだって事故や死はあるだろう。加えて、今や天敵となった人間が、有害動物駆除の名の下にあの手この手で襲ってくる。
では、鹿の数は減ったのかと聞かれれば、とてもそうだとは言えない。この頃では、鹿たちも実は仲間の増え過ぎに困惑しているのではないかとさえ疑うほどだ。放牧地に夜な夜な50頭もの鹿の群れが幾箇所にも出没し、牧草を文字通り根こそぎにしてしまうのだ。冬を前に、やがては食べつくされてしまう。牧場以外の近くの森や林で、ここまでのことはしない。良質な餌場に多数の鹿が集中するようになってきている。
それと関係するか否か分からないがこのごろ、雄鹿が集団で行動する現場をよく目にする。1ヶ月ばかり前、囲い罠で捕獲した9頭の鹿のうち、雄は6頭と書いたが、実は7頭だった。7頭の雌鹿に2頭の雄鹿だったら驚かないが、これも鹿の世界に起こっている何らかの変化だろうか。
鹿が増えてしまった原因に、猟師の高齢化ということが盛んに言われる。しかし、若い人がではなぜ猟をしないのかをちゃんと説明しようとする人はいない。ドローンを飛ばして、鹿を追い散らそうとする試みも話題になった。鹿は見慣れぬ、おかしな音を立てて飛来し、接近してくる物体だからとりあえず逃げる。しかしあれを、人間が作った飛行物体と認識して逃げるのだろうか。とてもそうは思えない。ということは、今に逃げなくなるかも知れない、牛のように。
これまでに、いろいろな試みが行われ、そっれなりに話題を取ることはできた。しかし、その結果はどうだったのだろう。(つづく)
1年ぶりに年末年始の営業をすることにしました。また、12月最初の週末、14日のふたご座流星群の観測に合わせて上にいます。お出掛けください。
「冬季営業の案内(’17年度」は、前年のものを流用している部分もあって、段落や改行がおかしく、見苦しいかも知れませんが何卒ご容赦を。少人数の場合は一応ご相談ください。また他の団体と計画が合えば、少人数でも管理棟の予備の部屋10畳ふた間を利用することができます。