きょうもまた鹿の話になってしまう。昨日、第1牧区の一番西の奥にある「舞台」とか「どん底」と呼んでいる放牧地を見回りに下りていったら、車の音を聞き付けて100頭近くもの鹿の群れが逃げていくところだった。写真を撮る間もなく、ただ呆れて見送るしかなかった。
第1牧区には牛を出していないから、放牧地はまさに野生鹿の独壇場である。しかも、憂鬱なことにあの数がまた来年になればもっと増える。
罠の中の鹿のことについても思いがけないことがあった。一応、追い出しを試みたのだが、ゲートの際まで行っても、まるであの鹿には頑丈な扉によって出口が封じられているようにでも見えるのか、どうしてもそこから出ていこうとしない。
その後、罠全体を見下ろせる第2牧区の高台の斜面から見ていても、どちらの鹿もゲートの近くまでいくのだが、また踵を返してしまうという不思議な行動を繰り返す。
下と連絡を取り合い、罠を仕掛けずしばらく様子を見ることにしたのは、この後のことだ。
ところが、夕方、もう辺りは薄暗くなっていたが、1頭の鹿が扉の前に近付いたのが小屋の近くのキャンプ場から見えた。200㍍くらいの距離はあったろうか、試しに両手を強く打つと、その音に促されるようにしてその鹿は呆気ないほど素直にゲートをくぐり外へ出ていった。
なぜ、追い立てられても頑ななまでに罠から出ようとしなかった鹿が、まるで別の鹿のような行動を見せたのか、分からない。残りのもう1頭も中にいるのか、すでに脱出したのかはこれまた分からなかった。
罠の中に入るのを怖れる鹿たちはいる。しかしあの2頭の鹿たちはまるで逆の行動をとって、外へ出ることを怖れた。
群の中で他の鹿に迫害されて逃げ出してきて、偶々快適な環境の罠の中に迷い込み、それを罠とも知らずに自分たちの縄張りにでもしようとしたということだろうか。鹿の生態については分からないことばかりだ。
鉄砲よりか罠の方が捕獲効率が高いことは段々と知られるようになったが、増え続ける鹿に対してそれだけではどうにもならない現状を、どう考えているのか専門家や行政に問いたい。
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本日はこの辺で。