“世界文学全集 2-08 に付いていた「月報」の題は、「新大陸の南の方 池澤夏樹 」。
二つ折りリーフレット4ページに 所収2タイトル分の要旨というのか 所収作品への誘いというのか
すっきりと心に残る文章が心地よくおさまっている。”
その終りの方に 次のような文があった。
「…
『老いぼれグリンゴ』は…そして何よりも
アメリカ合衆国批判の本でもある。
アメリカ合衆国こそ孤独なのに、彼らはそれに気づいて
いない。愛されないことの苦悩を知らない。だからリオ・
グランデ/リー・ブラボーという二重の名を持つ国境の川
を渡ることの意味は大きい。
最近 * でいえば映画がこの主題を追いかけている。…」
紹介されていたのは 二つのタイトル。
「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 」
「バベル」
で 「メルキアデス…」見ました。
メルキアデスは死んだ。
そして埋葬されたのです。3度。
死んで3度埋葬されて それは、
2度暴かれたということです。
メルキアデスは川を超えてやってきた。その川の向こうに
死んでしまったメルキアデスは戻れるのだろうか。
と 勢いつんのめり、「バベル」も見た。
瀬戸際。
三つから四つに(その中に日本もあるのだが) 場所は現れ増えていき
それぞれに 瀬戸際である。
「そういうふうに感じて考えて行動してしまうのかもしれない。」
そんな瀬戸際に立ったことのない者として 幾つかは話に着いていき
幾つかは 「そうはならないのではないか、飛躍なのでは」と 違和感を感じる。
と ここにいる私はそう思っているこの事を 「あなた」は
どう感じるのだろうか。考えるのだろうか。行動するのだろうか。
*
世界文学全集 2-08 は、2009年発行。フエンテスは 存命であった。