お前の名前が何なのか、僕はまだ知らない。お前を何らかの方法で呼ぶと、僕をお前
から引き離し、僕の名前を構成する音節の本質とお前との違いを認めることになりそう
なほど、お前は僕の中にいる気がする。ところが、彼女の名前なら知りすぎるほどよ
く知っているし、その名前が気づかないほど薄く、弾力性に富み、通り抜けることなど
不可能な壁のように立ちはだかって、どれほど僕たちの間を隔てているかも知っている。
そんな言い方は混乱していると、お前は思うに違いない。だからむしろ、どんなふう
にお前と知り合ったか、いかにしてお前の存在に気づいたか、なぜおまえと彼女が同じで
あって同じでないと思うのか、それを説明しよう。
…
オクタビオ・パス 野谷文昭 訳 「正体不明の二人への手紙」(一部)
文庫4ページの詩。
巻末、解説の冒頭には
「短編集と言うのは未知の作家を知るにはてっとり早い。」とあるくらい 私も同じ気になって
所収されていたオクタビオ・パスの詩を 少しここに写して、現したことにしよう。。。
そんなふうに どこか軽く写し始めて 写し止まらない><。
どこで写しやめればいいのか 苦しくなった。
「ラテンアメリカ五人集」。
フエンテスも入っている。
はじめにこの本の方に気がついたら たぶん、
グリンゴは読まなかっただろう。
そしたら 池澤夏樹を力強いと思ったり 「バベル」を借りてきたり、
そんなことは 無いこと、だったのだろうか。