市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

群馬銀行頭取あてに、多胡事件について公開質問状を提出

2008-11-29 19:54:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■当会のブログ記事のうち、タゴ事件をめぐる群馬銀行の戦略について記載した件で、11月11日午前2時42分に、匿名の方から、「群銀が安中市収入役と認識していたことはないと思います。コード付与の関係で地公体職員はすべて収入役と印字されます。」というコメントを頂きました。
匿名とはいえ、重大なポイントについて指摘があったため、放っておくわけには行かないため、当会では、11月26日に公開質問状を群馬銀行に提出しました。

**********
公開質問状
2008年11月26日
〒371-8611 群馬県前橋市元総社町194番地
群馬銀行 取締役頭取 四方 浩  殿
〒379-0114群馬県安中市野殿980番地 小川 賢(市政をひらく安中市民の会事務局長)
貴殿におかれましては、安中市の指定金融機関として、安中市の発展に不断の努力をいただきありがとうございます。
さて、市政をひらく安中市民の会では、1995年6月、安中市土地開発公社を舞台にした巨額詐欺横領事件の発覚を契機に、事件の真相解明、責任の所在の明確化、再発防止を目的に、活動を続けております。
 この事件で、安中市元職員・多胡邦夫により騙し取られた巨額の貸付金の返済をめぐり、貴行が安中市及び安中市土地開発公社を相手取り提訴した貸金・保証債務履行請求訴訟の結果、貴行と安中市等との間で締結された和解条項に基づき、103年ローンという形での事件の処理が続いていることは、ご承知の通りです。
 ところで、この事件の刑事記録を調べたところ、貴行の資料のなかで、多胡邦夫に関する「個人取引推進カード」に次のように記載があります。
・多胡邦夫
・取引先コード 0013652
・業種 151000
・勤務先 安中市収入役
・生年月日 昭和27年3月30日
 この事実を、11月10日に当会のブログに掲載したところ、11月11日に匿名の投稿者から次のようなコメントが寄せられました。 
「群銀が安中市収入役と認識していたことはないと思います。コード付与の関係で地公体職員はすべて収入役を印字されます。」
 この匿名コメントの内容が事実かどうか確認するため、次の質問にお答え下さい。
 ①貴行は、多胡邦夫のことを、どのように認識していましたか。例えば「安中市の収入役」「市長の名代」など
 ②多胡邦夫の「取引先コード0013652」と「業種151000」というコード付与について、貴行は、どのような基準と判断に基づいて、行なったのですか。
 ③貴行は、地公体(地方公共団体)職員に対して、どのようなコードを付与していますか。
 ④貴行は、地公体(地方公共団体)職員に対して、すべて「収入役」と印字しているのですか。
 ⑤勤務先「安中市収入役」と記載されていますが、「取引先コード番号」と「業種番号」との関係で、「安中市」「収入役」と記載したのでしょうか。
 ⑥平成7年以前、個人取引推進カードは、コンピュータ処理をしていましたか。それとも台帳に手書き記入していましたか。
公開質問状(別紙参照)への回答は、12月3日(水)17時までに、当会宛FAX若しくはEメールにて必着でお願いします。お答えいただいた内容は、すべて公表させていただきます。また、お答えを頂けなかった項目についても、その旨を公表いたします。
**********

■11月26日午後4時15分ごろ、群馬銀行本店を訪れて、受付で頭取宛公開質問状を差し出したところ、秘書室に連絡し、最上階の12階から藤井秘書室長ら2名が応対のため、1階ロビーに降りてきたので、10分間ほどあらましを説明しました。驚いたことに秘書室長は、「多胡邦夫」の名前はおろか、当会が13年以上に渡って取り組んでいるタゴ事件についても、ピンと来ていませんでした。タゴ事件に関与した関係者は、その後左遷人事を受けたようですが、秘書室長がタゴ事件のことを聞いて首を傾げるほど、群銀としては、本件にもはや関心がないのかもしれません。安中市民を担保にとっているため、100年ローンの取りはぐれもないし、安中市の命運は群馬銀行が握っているとして、何の心配もしていないのでしょう。

10分ほど、タゴ事件の経緯と今回の質問の趣旨を丁寧に説明し、「さらに詳しい経緯は当会のブログを見てほしい」とお願いしたところ、「秘書室では内容が分からないため、関係部署に諮った上で、対応したい」といいつつも、秘書室長は当会の公開質問状を受理しました。

12月3日までの回答は確約いただけませんでしたが、遅くとも12月定例市議会のあと、岡田市長による住民説明会までには回答を知りたいところです。役所と異なり、これまで期限の約束はきちんと守ってきた群銀ですので、群馬県を代表する金融機関としてのモラルに期待したいところです。なお、群銀には、「回答がない場合でも、その旨公表します」と伝えてあります。

回答があり次第、ご報告いたします。

【ひらく会事務局】

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不要な配水管工事への公金支出の住民監査請求を市監査委員が棄却

2008-11-29 13:15:00 | 安中市の行政問題
■今年初め、地元安中市で話題となった前代未聞の入札済み配水管工事の着工直前の中止問題で、当会は、昨年の入札執行日から1年経過を目前に控えた平成20年9月26日に、岡田義弘市長に関する措置請求(住民監査請求)を安中市監査委員に提出しました。地方自治法により、監査委員は60日以内に監査をして結果を通知しなければなりません。
当会の住民監査請求の監査結果は、11月18日に配達記録付郵便で当会宛に通知されました。

**********
 監発第17233号
 平成20年11月18日
請求人 小 川  賢 様
   安中市監査委員 猿 谷 祐 康(公印)
   安中市監査委員 田 中 伸 一(公印)
安中市職員措置請求書に関する監査結果について(通知)
 平成20年9月26日付けをもって提出された、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1頂の規定による請求について、同条第4頂の規定により監査を行ったので、その結果を次のとおり通知します。
   記
第1 請求の受理
 本件請求は、所用の要件を具備しているものと認め、平成20年9月26日付けで受理した。
第2 請求の要旨(原文のとおり)
 この事業に関して、執行後から5ヶ月以上経過した平成20年2月5日の上毛新聞朝刊で、
次のように報じられた。
 安中市が発注し入札を終えた公共工事が着工直前に市の意向で取りやめになったことが2月4日分かった。発注者側の都合で公共工事を取りやめるのは「前例のない異例の措置」 (県)。市は「財政事清々住民負担の軽減など総合的に勘案した」と説明している。野殿地区で行われる予定だった配水管布設工事で、現在実施している市道改良工事に合わせて、地中の水道管を移設する計画だった。昨年9月に指名競争入札が行われ、市内業者が約7百万円で落札、1月7日に着工予定だった。だが、市は厳しい財政事情や交通規制に対する住民の苦情を考慮し、12月下句、工事の必要性を確認するための現地調査を実施。「敷設工事をしなくても支障は出ない」と結論付け、1月4日に取りやめを急遽決めた。この結果、路面整備の工期が約1ケ月短縮され、片側交互通行の交通規制が3月下旬で終わる見通しという。
 この事業の中止により、安中市長は業者に約300万円を支払ったが、同事業に公金を支出した事は、次の理由で、無駄な事業に対する公金支出(地方自治法2条14項違反)にあたり、違法・不当である。
1) 水道課は、配水管布設替工事を計画するに当たり、平成19年6月ごろに図面を描いたが、その際に、東京ガスの高圧ガスの布設ルートにそって、敷設する計画をたて、平成19年9月27日に入札した。
2) ところが、先行する東京ガスの高圧ガス管布設作業が済んだ後に、なんらかの理由で、既設配管をそのまま使用することで問題ないと理屈を付けて、平成20年1月4日に工事の中止を決めた。
3) 東京ガスの図面は平成19年7月23日に描かれたが、そこには配水管布設替工事のルートでなく、既設ルートが明記されていた。なお、この図面は安中市に提出されており、当然安中市長はその内容を知っていた。にもかかわらず、入札を執行した。
4) 東京ガスは、高圧ガス管の布設に伴い、配水管など他の布設物の付替え等を必要とする場合には、東京ガスの負担で事業を実施する旨、安中市長に確約していると明言している。したがって、どのような理由があったとしても、東京ガスの高圧ガス管布設に件う配水管の布設替え事業はすべて東京ガスが負担すべきものであり、本件事業の入札そのものの必要性はそもそも成立し得ない。
5) ところが安中市長は、当初から東京ガスヘの負担についてまったく考慮することなく、挙句の果てに事業の必要性そのものがなかった、などとして、無駄な支出、を正当化するため、「財政事情や住民負担の軽減など総合的に勘案した」などと、本当の理由を隠した。
6) 本件事業中止決定により、落札業者に対して、安中市長は、仕掛かり費用弁済と称して、管材の買上げとして約300万円を支払った。この事業そのものが不必要であるため、無駄な事業に対する公金支出にあたる.
7) 安中市長は、買い上げた管材は、あとで別の配水管工事に充当するから、これは無駄な支出ではないと主張しているが、事業そのものが不必要であり、この言い訳は失当である。
 以上のように、安中市長は事業の必要性についてろくに検討もせず、無駄な工事を執行したため、このような無駄な公金の出費に至ったものである_その背景には、事業による地元住民への通行等に与える迷惑などを軽視する姿勢が垣間見られる。不必要な入札を行ない、大切な公金が無駄に使われたので、再発防止のためにも、監査委員はきちんと監査しなければならない。
第3 回復不可能な損害発生
 すでに同事業に閲する公金支出が計上されており、無駄な支出が確定している,
第4 監査委員に求める措置
 安中市監査委員は、安中市長に対し、違法に支出した約300万円の全額返還を命じること。
第5 監査の実施
1 本件請求について法第242条第4頂の規定により、次のとおり監査を実施した。
 請求書に記載されている事項、請求人が証拠として提出した事実証明書、請求人の陳述を勘案して、法第242条第1項に規定する財務会計上の行為に該当するか監査をした。
2 事情を聴取した職員
 上下水道部長ほか2名
3 請求人の証拠の提出及び陳述
 法第242条第6項の規定により平成20年10月21目請求人に対し証拠の提出及び陳述の機会を設け陳述を受けた。
第6 監査の結果
 本件請求については、合議により次のとおり決定した。
 本件請求は、これを棄却する。
 以下、雅実関係の確認、関係職員の説明及び棄却の理由について述べる。
1 事実関係の確認、
 監査の結果、請求書に記載されている事項、請求人が提出した事実証明書、請求人の陳述に関して次の事項を確認した。
(1)平成19年9月27日執行の野殿(ビヤ)地区配水管φ150布設替工事について
(2)違法・不当の理由について
(3)回復不可能な損害発生について
2 請求人の主張と上下水道部の説明
(1)野殿(ヒヤ)地区配水管φ150布設替工事の執行及び中止について

 上下水道部の説明は、この配水管布設替工事は建設部土木課の発注する市道幹131号線道路改良工事に伴う配水管布設替依頼を受けて双方で慎重に協議を行い、歩道のできる道路については、管理上歩道に配水管を埋設するのが最良であるということで、平成19年9月27日に入札執行をした。
 しかし、本工事場所に置いては、道路改良工事、水道工事、ガス工事と三種の工事が重なることとなり、工事施工中の長期にわたる交通制限により地域住民の皆様へ多大な迷惑と負担をおかけしている状況から、道路の早期完成を要望する地域からの声が多く聞かれ、道路管理者(建設部土木課)との度重なる協議と検討を行い、地域住民皆様の負担軽減を勘案し、水道施設としては支障がありますが、その解消を図る工事実施の重要度と、交通制限による住民の皆様の負担を比較し工事を中止した。
 なお、既設水道管の埋設位置が道路改良工事により道路のセンター付近となるが通常の維持管理には問題がないことを確認したと説明している.
(2)違法・不当の理由について
 請求人は、違法・不当の理由を無駄な事業に対する公金支出(地方自治法2条14頂違反)であると次の理由で述べている_
 1) 上下水道課は、配水管布設特工事を計画するに当たり、平成19年6月ごろに図面を描いたが、その際に、東京ガスの高圧ガスの布設ルートにそって、敷設する計画をたて、平成19年9月27日に入札した。
 2) ところが、先行する東京ガスの高圧ガス管布設作業が済んだ後に、なんらかの理由で、既設配管をそのまま使用することで問題ないと理屈を付けて、平成20年1月4日に工事の中止を決めた。
 3)東京ガスの図面は、平成19年7月23日に描かれたが、そこには配水管布設替工事のルートでなく、既設ルートが明記されていた。なお、この図面は安中市に提出されており、当然安中市長はその内容を知っていた。にもかかわらず入札を執行した。
 4)東京ガスは、高圧ガス管の布設に件い、配水管など他の布設物の付替え等を必要とする場合には、東京ガスの負担で事業を実施する旨、安中市長に破約していると明言している。したがって、どのような理由があったとしても、東京ガスの高圧ガス管布設に伴う配水管の布設替え事業はすべて東京ガスが負担すべきものであり、本件事業の入札そのものの必要性はそもそも成立し得ない.
 5)ところが安中市長は、当初から東京ガスヘの負担についてまったく考慮することなく、挙句の果てに事業の必要性そのものがなかった、などとして、無駄な支出を正当化するため、「財政事情や住民負担の軽減など総介的に勘案した」などと本当の理由を隠した。
 上下水道部の説明は、本配水管布設替工事は建設部土木課の道路改良工事の配水管布設替依頼によるもので管理上最良な歩道に布設計画を立て入札を執行した。
 既設配水管をそのまま使用する管理上の支障と、交通制限による住民皆様の加重とも感じられる負担の部分との比較検討して工事を中止した。
 なお、既設配水管は、ガス管布設工事の支障に伴う布設替を必要としないので、東京ガスの負担ということにはならない。
 また、配水管布設替工事とガス管布設工事の進行は施工上同時にはできない。
 本工事の予定価格は、入札前に公表されており、入札談合に関する情報はないと説明している。
 6)本事業中止決定により、落社業者に対して、安中市長は、仕掛かり費用弁済と称して、管財の買上げとして約300万円を支払った。この事業そのものが不必要であるため、無駄な事業に対する公金支出にあたる。
 7)安中市長は、買い上げた管財は、あとで別の配水管工事に充当するから、これは無駄な支出ではないと主張しているが、事業そのものが不必要であり、この言い訳は失当である。
 上下水道部は、平成19年9月27日に入札した公示を平成20年1月に協議により中止したことに伴い、この間の工事施工分としての管材等買い上げの約300万円を支出した。買い上げた管材は別の工事に充当すると説明している。
(3)回復不可能な損害発生について
 すでに同事業に関する公金支出が計上されており、無駄な支出が確定している。
 上下水道部は、同工事の前払い金を平成19年10月11日に2,800,000円、平成20年1月30日に工事中止に伴う精算金276,500円、合計3,076,500円支出したと説明している。
3 監査委員の判断
 以上、事実関係の確認、上下水道部の説明を総合して、以下判断について述べる。
 請求人は、安中市監査委員は、安中市長に対し、違法に支出した約300万円の全額返還を命じることと主張しているので、これについて判断する.
 配水管布設替工事とガス管布設工事はそれぞれ別の工事であり、東京ガスに布設替工事の費用を負担させるものではないと判断する。
 工事中止の判断は、長期にわたる交通制限に伴う地域住民の負担解消を最優先に考えた結果、やむをえないものと判断をする。
 落札業者に支払われた3,076,500円は、契約締結の日から平成20年1月8日の契約解除合意日までの工事施工分(管材等購入費用)として支払われたもので、違法・不当な公金支出に当たらないと判断する。
 なお、骨材等は、上下水道部が他の工事に充当している。
 以上のことから、本件請求について住民監査請求の対象となる安中市の財務会計上の行為に該当するものと認められず、損害賠償の措置勧告をすることは妥当でないと判断する。
**********

■このように、当会が証拠として提出した、東京ガスの高圧ガス敷設工事図と、ほぼ東京ガスが作成したのと同時期に安中市の上下水道部が描いた水道管布設工事図では、あきらかにパイプのルートが干渉しています。当然、東京ガスの工事と一緒に、東京ガスと協議して東京ガスにも費用負担を求めた上で実施すべきでした。一緒に工事を実施しない場合には、東京ガスの工事後に、再び道路を掘り返すことが事前に分かりきっていたはずでした。にもかかわらず、安中市は無用な入札を行い、不要な資材を業者に買わせたうえに、それを全部、安中市の公費から支出したのです。

しかし、監査委員は、「建設部土木課の発注する市道幹131号線道路改良工事に伴う配水管布設替依頼を受けて上下水道部と協議し、歩道のできる道路については、管理上歩道に配水管を埋設するのが最良であるということで、平成19年9月27日に入札執行をした。 しかし、本工事場所においては、道路改良工事、水道工事、ガス工事と三種の工事が重なることとなり、工事施工中の長期にわたる交通制限により地域住民の皆様へ多大な迷惑と負担をおかけしている状況から、道路の早期完成を要望する地域からの声が多く聞かれ、道路管理者(建設部土木課)との度重なる協議と検討を行い、地域住民皆様の負担軽減を勘案し、水道施設としては支障がありますが、その解消を図る工事実施の重要度と、交通制限による住民の皆様の負担を比較し工事を中止した」という上水道課の説明を100%受け入れました。ヒヤ坂の三種の同時期の工事で、地元住民に多大な迷惑が及ぶことを承知で、しかし、東京ガスとは協議の必要はなかったとして、問題点を真剣に分析し、調査しないまま、当会の住民監査請求を蹴飛ばしたのです。

こうなると、安中市役所の関係部署と事前に充分に協議をして、高圧ガス導管埋設工事を計画し、実施したと地元住民に説明していた東京ガスの言い分にも疑問符が付きます。

■現在の監査委員である猿谷祐康氏は特別養護老人ホーム「うすいの里」理事長なので職員OBと思われ、もうひとりの監査委員である田中伸一氏は市議です。2名とも、平成18年4月の合併選挙後に選任されており、これまでに行なった住民監査は今回が2回目だそうです。

前回も、告発情報に基づき、当会が提起した松井田町における市道工事の公金無駄遣いに関する住民監査請求でしたが、あっさり棄却されました。

監査委員は行政が選任した人物と議会から選出された人物の2名で構成されており、住民からの監査請求はほぼ100%門前払いとなります。行政ベッタリの人物しか選任されないため、こういう結果しか出せないのですが、これでは何のための監査委員なのか分かりません。実効ある監査委員制度にするには、欧米のオンブズマン制度のように、第三者の公平な立場で判断できる監査委員を任命する必要がありますが、現状では不可能です。

市民オンブズマンの役割を果たすべく、当会では情報公開制度を駆使して、市役所の問題点を洗い出しておりますが、それにも限度があります。したがって、市民の皆様からの告発情報が非常に大切になります。

今回の監査委員の監査結果を不服として、住民訴訟に持ち込むかどうかは、まだ期限までに時間の余裕があるため、じっくり検討してゆきたいと思います。なお、当会では、現在もう1件の住民監査請求を行っており、こちらの件も年末には結果通知があるはずです。

【ひらく会事務局】

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酒気帯び運転の安中市職員、休職扱いが突如免職に

2008-11-29 12:05:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■10月4日の報道で、安中市職員が同日未明、長野県警軽井沢署に、酒気帯び運転容疑で現行犯逮捕されたことがニュースとなりました。
51億円事件でも誰も責任を取らず、元職員が横領したカネの穴埋めを平気で市民に押し付けている超無責任体質の安中市役所が、こうした飲酒運転事故を起こした職員にどのような対応をするのか調査すべく、当会は10月5日と11月6日の2度にわたり、安中市に情報開示請求を行いました。その結果、10月17日と11月19日に情報開示を受けました。

開示された内容によると、当会の11月25日のブログで報告済みのとおり、11月1日付で安中市は、当該職員を教育委員会から総務部職員課に異動させ、市民の目から遠ざける配慮をしました。そして、これらの処分について、11月18日(火)午前10時から、安中市職員懲戒等審査委員会を開催しました。結果の内容は開示情報に含まれていませんが、おそらく市役所の処分をそのまま追認したものと思われます。

■「刑事裁判が終了するまでは、無給ではない休職扱い」という安中市の処分が、他の自治体に比べて、極めて寛大な処分であることを当会がブログで11月25日に報告した矢先、11月27日付の朝刊各紙で次のニュースが報じられました。

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酒気帯び、ひき逃げで起訴 安中市 市教委職員を懲戒免職
 安中市は11月26日までに酒帯び運転の現行犯で長野県警に逮捕され、さらにひき逃げ事故を起こしたとして、自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯運転、ひき逃げ)の罪で長野地裁佐久支部に起訴された市教委課長補佐の男性職員(55)を懲戒免職処分にした。
 市によると、男性職員は10月4日午前零時45五分ごろ、長野県軽井沢町の町道で酒気を帯びた状態で軽乗用車を運転し軽井沢署に現行犯逮捕された。さらに同署の調べで、逮捕前の10月3日午後11時50分ごろ、同町内で信号待ちの乗用車に追突し、乗っていた男女二人に軽傷を負わせそのまま逃げたことが分かった。
 市は「全体の奉仕者にふさわしくない非行であり、免職処分とした」と説明。上司である教育長、教育部長、文化センター所長を文書による訓告とした。(上毛新聞)
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安中市:酒気帯び運転とひき逃げで55歳市職員を懲戒免職 /群馬
 安中市は11月26日、酒気帯び運転などの疑いで逮捕・起訴された同市原市公民館長補佐、白石功一被告(55)を懲戒免職処分(25日付)にしたと発表した。
 同市によると、白石被告は10月4日午前0時5分ごろ、長野県軽井沢町追分の町道で車体がへこんだ軽乗用車を運転中、通報で駆けつけた軽井沢署員の調べで呼気1リットル中0.2ミリグラムのアルコールが検出されたことから、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕された。
 その後の調べで、同3日午後11時50分ごろ、同町内の交差点で信号待ちしていた乗用車に追突、2人に2週間のけがを負わせて逃げた疑いもあることが分かり、同24日、長野地裁佐久支部に自動車運転過失傷害と道交法違反(酒気帯び、ひき逃げ)の罪で起訴された。
 同市は白石被告の上司の教育長ら3人も文書による厳重注意にした。【増田勝彦】(毎日新聞)
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酒気帯び ひき逃げの職員 安中市が懲戒免職
 安中市は10月26日、酒気帯び運転でひき逃げ事故を起こしたとして、道交法違反などの罪で起訴された同市教育委員会原市公民館長補佐の白石功一被告(55)を、11月25日付で懲戒免職処分にしたと発表した。
 市によると、白石被告は長野県の飲食店でビールを飲んだ後に軽乗用車を運転、乗用車に追突して二人に軽傷を負わせ、逃走した。
 市は上司の教育長、教育部長、文化センター所長を文書による厳重注意とした。【菅原洋】(東京新聞)
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■少なくとも11月18日の安中市職員懲戒等審査委員会には、市役所から当該職員の処分について「休職扱い」で提案がされており、11月1日付けで本人にもその旨、文書で通知していたはずですが、なぜ25日に突然懲戒免職(民間で言えば懲戒解雇)の処分発表が行なわれたのでしょうか。とくに、25日の当会のブログが、この処分の変更に影響したのかどうか、当会としては非常に関心があります。

ところで、同じ日、神戸地裁が、酒気帯び運転が理由の懲戒免職をめぐる訴訟で、「過酷な処分だ」として、神戸市消防局元消防士長の訴えを認めて、市の処分を取り消す判決を出したというニュースが報じられました。

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飲酒運転、懲戒免職取り消し 元神戸市消防士長 地裁判決 
 酒気帯び運転で懲戒免職になった神戸市消防局の元消防士長(51)が、同市に処分の取り消しを求めた訴訟の判決が11月26日、神戸地裁であり、橋詰均裁判長は「処分は著しく妥当性を欠き過酷」として、処分を取り消した。
 判決によると、元消防士長は2007年3月29日夜、海外旅行先から帰りの航空機内で飲酒。帰国後の30日朝、出勤途中の軽乗用車で追突事故を起こした。その際、呼気1リットル中0.2ミリリットルのアルコールが検出され、酒気帯び運転を理由に懲戒免職になった。
橋詰裁判長は判決理由で、前日飲んだ酒が残っていたもので動機、原因は非難に値しない▽物損事故そのものは懲戒対象とはいえない-などを挙げた上で、「(元消防士長の)飲酒運転に対する規範意識や法令順守の精神は鈍麻していない」と指摘。「30年間もまじめに勤務実績を積み上げてきており、処分は半生を棒に振らせるに等しい」と述べた。
 同市は、福岡市職員の飲酒運転などによる死亡事故の続発を受け、2006年9月から、飲酒運転を原則「懲戒免職」にするよう処分指針を改正。裁判では「消防職員が酒気帯び運転で出勤するのは、市民の信頼を失墜させる行為で処分は妥当」と主張していた。
 判決を受け、神戸市消防局の小野田敏行消防長は「飲酒運転根絶は社会の流れで、厳罰をもって臨む市の主張が認められず残念。判決文を精査し控訴したい」と述べた。
 飲酒運転による公務員の懲戒免職をめぐっては、元加西市職員が処分取り消しを求めた訴訟でも今年10月、神戸地裁が「裁量権の乱用」とし処分を取り消している。(神戸新聞)
**********

■民間では、酒気帯び運転は厳罰として、懲戒解雇が当たり前となっており、忘年会シーズンを迎えたこの時期、高崎駅には代行業者の車が列を成しています。しかし、この神戸地裁の判決が確定すれば、前例となるため、「物損事故だけ」ならば、警察に捕まっても、勤務先から懲戒解雇される心配が大幅に軽減されることになり、酒気帯び運転に自信(?)のあるお歴々は、代行業者の世話になる必要がなくなります。

11月1日付けの温情処分により、一旦、刑事告訴の結果が出るまで、有給休職扱いだった安中市の当該職員でしたが、急転直下、11月25日に懲戒解雇となったわけですから、処分を不服として、異議申立をするかもしれません。また、神戸地裁の度重なる処分取消判決の行方を見定めて、処分不当の訴訟を提起するかもしれません。それは本人の権利ですから、口を挟んでも仕方がありませんが、安中市の当該職員の場合は、物損事故だけではないため、神戸地裁の判例がそのまま適用されることにはならないかもしれません。

ただ、言える事は、連日報じられている酒気帯び運転事故の撲滅のため、官民挙げてキャンペーンに取り組んでいる最中に出された神戸地裁の判決は、今後、懲戒解雇或いは免職になった関係者からの訴訟提起を増やすことは間違いないと思われます。

■酒気帯び運転とひき逃げ事故を起こした職員に対する、今回の安中市の朝令暮改の対応について、いまひとつ腑に落ちません。伏魔殿として市民の間で知られている安中市役所です。ほんとうに懲戒免職処分を出したのかどうか、を含めてきちんと確認しておく必要があります。

ところが、この朝令暮改の処分が、どのような経緯でなされたのか、安中市はマスコミに公表していません。当会では、さっそく、情報公開請求で確認することにしたいと考えております。

【ひらく会事務局】

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