市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

イエスマンの市役所OBを再雇用して脇を固める岡田市長の人事手法

2008-11-30 21:56:00 | 困ったちゃん岡田義弘・元市政
■今年の3月27日に、市民の方から当会事務局に電話で次の情報がありました。
「議会事務局の局長だった人物が、今度は顧問になったという。事実関係を確認してほしい」

そこで当会では、3月28日に岡田市長と土屋議長あてに、次の趣旨で情報開示請求をしました。
「安中市議会事務局に新しくできたとされる『顧問』という名称のポストについて、もしそれが事実であれば、いつ、どのような理由と経緯で、誰がなんのためにそのようなポストを新たに作ったのか、それらのことを示す一切の情報。」

請求は3月30日に受理され、4月11日付で土屋議長から安議発第1305号で「『顧問』という名称のポストはございません。よって、該当する文書もございませんので、行政文書不存在となります」という行政文書不存在通知書が届きました。

■そのため、提供のあった情報が間違いかもしれなかったと思い、半年が過ぎました。ところが先日、10月21日(火)午前9時45分ごろ、当会の事務局長が住民監査請求の陳述のため、市役所の廊下を監査委員室に向けて歩いていたとき、ばったりと某職員OBに会いました。「たしか退職されたはずでは?」と挨拶したところ、「いや、いま議会事務局で嘱託をさせてもらっています。週35時間までということで午後4時までの勤務で毎日登庁しています」という趣旨の返事がありました。

ピンと来たので、もしかしたら、この職員OBが提供された情報の御仁かもしれないと考えて、11月4日に、土屋議長宛に、次の2件の情報公開請求を行いました。

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「安中市議会事務局に新しくできたとされる『顧問』あるいは『嘱託』あるいはそれに類似した立場のポストについて、もしそれが事実であれば、いつ、どのような理由と経緯で、誰がなんのためにそのようなポストを新たに作ったのか、それらのことを示す一切の情報」
「退職した安中市職員の再雇用に関する一切の情報(再雇用制度に関する規定等とその内容、現在再雇用されている職員OBの人数、雇用形態ごと・退職時の職位ごと・配置部署ごと・再雇用期間ごとの職員OBの人数に関する情報を含む)」
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■あわせて、次の公開質問状を土屋議長宛にFAXで提出し、11月11日必着で回答を求めました。

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1. 3月28日付の公開質問状に対して、「顧問」という名称のポストがないとして、不存在通知を出したが、その際は「嘱託」という名称のポストは存在していたのか。
2. 「嘱託」というポストが存在していたのであれば、なぜ、そのことを請求人に伝えようとしなかったのか、その理由を教示されたい。
3. 「嘱託」職の待遇や報酬について、教示願いたい。
4. この職員OBは元議会事務局長を歴任したことがあるが、こうした人物を再雇用することについて、現役職員らの業務に影響力を行使するなど、懸念はないのか。
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この公開質問状に対する回答は、現在までありません。議会事務局に無視され続けています。

■一方、情報公開請求の結果、11月19日付で情報開示がありました。それによると、情報提供のあった議会事務局配属の行政事務嘱託員は、今年3月24日に土屋議長の決裁で配置が決まったことが判明しました。

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【起案文書】
年 度   平成19年度
文書種類  内部
文書番号  第24121号
保存年限  永年
受付年月日 平成20年3月24日
起案年月日 平成20年3月24日
決裁年月日 平成20年3月24日
分類番号  大9 中0 小0 簿冊番号6 分冊番号1
完・未完別 完結
簿冊名称  職員任免書類
完結年月日 平成20年5月31日
分冊名称  職員任免書類
施行区分  重要
公 開  1 非公開 時限秘( 年) 部分秘 全部秘 2 公開
起案者   議会事務局庶務係 職名 課長補佐 氏名 嶋田一弘 内線(1354)
決裁区分  議長
決裁    議長・土屋 副議長・新井 局長・小嶋 次長・木内 係長・嶋田 係・― 公印-
関係部署合議
課内供覧
件名 平成20年度行政事務嘱託員の配属について
 上記のことについて、次のように実施してよろしいかイ司います(別紙 枚)
 4月1日付人事異動に伴う内示が3月24日にあり、議会事務局職員が1名減になることになりましたので、円滑な議会運営を行うために、議会運営に対する経験が非常に豊かな行政事務嘱託員1名の配属を安中市長(総務部職員課)に要請してよろしいか伺います。
   記
1.行政事務嘱託員の配属場所 安中市議会事務局
2.行政事務嘱託員の配属人数  1名
3.配属を要請する行政事務嘱託員 安中市大竹196-8 堀越久男
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■また、退職した市職員の再雇用について、開示情報によると、現在次の17名が再雇用されていることが判明しました。配置先としては、保健福祉部7名で、そのうち4名が恵みの湯です。そのほか市民部3名、教育部・議会事務局・財務部がそれぞれ2名。建設部が1名となっています。

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 最初の雇用/退職時の職位/報酬/区分/部/課/係等
①H18.4.1/参事/月額146,000円/国保税等徴収嘱託員/財務部/収納課/収納整理係
②H18.4.1/課長補佐/月額146,000円/国保税等徴収嘱託員/財務部/収納課/収納整理係
③H19.4.1/参事/月額146,000円/行政嘱託/市民部/市民課/すみれケ丘聖苑
④H20.4.1/部長/月額146,000円/行政嘱託/市民部/安全安心課/消費生活センター
⑤H18.6.1/主査/月額146,000円/行政嘱託/市民部/クリーンセンター/業務1係
⑥H19.4.1/参事/月額170,000円/行政嘱託/保健福祉部/福祉課/障害福祉係
⑦H20.9.1/参事/月額146,000円/行政嘱託/保健福祉部/福祉課/ゆうあい館
⑧H17.4.1/主幹/月額146,000円/行政嘱託/保健福祉部/恵みの湯/施設管理係
⑨H19.4.1/参事/月額146,000円/行政嘱託/保健福祉部/恵みの湯/施設管理係
⑩H18.4.1/参事/月額146,000円/行政嘱託/保健福祉部/恵みの湯/施設管理係
⑪H20.4.1/主幹/月額146,000円/行政嘱託/保健福祉部/恵みの湯/施設管理係
⑫H13.4.1/主任/月額146,000円/行政嘱託/建設部/建築住宅課/住宅管理係
⑬H19.4.1/主幹/月額170,000円/行政嘱託/松井田支所/保健福祉課/福祉子ども係
⑭H14.4.1/主査/月額146,000円/行政嘱託/議会事務局/議会事務局/庶務係
⑮H20.4.1/部長/月額170,000円/行政嘱託/議会事務局/議会事務局/議事係
⑯H20.4.1/課長/月額170,000円/行政嘱託/教育部/生涯学習課/生涯学習係
⑰H20.10.15/主幹/月額170,000円/行政嘱託/教育部/文化センター/原市公民館
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■再雇用の理由として、条例には「行政事務について知識又は経験を有する者その他任命権者が必要と認めるもののうちから選考の上、任命する」とありますが、知識又は経験が非常に豊かだとは思えない堀越久雄氏がなぜ選任されたのか、理由がさっぱり分かりません。むしろ、岡田市長のイエスマンとしての評価が高いと判断されたのかもしれません。

もう一つの理由として上記の起案文書に「4月1日付人事異動に伴う内示が3月24日にあり、議会事務局職員が1名減になることになりましたので、円滑な議会運営を行うために必要」だとされていますが、若手を1名充当すればよいわけで、責任の伴わないポストに無能な古株をだらだらと配置させると、事務局の若手職員がのびのびと働ける環境を疎外する心配があります。週35時間までということで午後4時までの勤務をさせているようですが、月額17万円はベラボーです。また、定時まで勤務している正職員の士気にも悪影響が及びかねません。

■団塊の世代への退職金の負担が重いうえ、高額の退職金を払った上に、さらに再雇用で優遇するのは、よほど慎重に行なわないと市民納税者の理解を得ることは難しいでしょう。
若手のやる気を引き出す人事は、イエスマンで回りを固める岡田市長には都合が悪いのかもしれません。

なお、当会では、安中市制に関する市民の皆さんからの情報提供をお待ちしております。情報源の秘密は厳守しますので、どしどし内部情報や裏情報をお寄せ下さい。もちろん内部告発も大歓迎です。

【ひらく会情報部】

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12月17・19日のタゴ事件報告会における岡田市長の説明責任

2008-11-30 08:48:00 | 土地開発公社51億円横領事件
■11月29日土曜日に各戸に配られてきた広報あんなか平成20年12月第33号の6ページ目の右上に次のお知らせが掲載されていました。

**********
土地開発公社不祥事件 和解10年後の対応についての報告会
 市は市土地開発公社不祥事件に関する民事訴訟で㈱群馬銀行と平成10年に和解し、その和解条項に従い平成10年から10年間、市土地開発公社が債務の支払いを行ってきました。
 その後の残金支払方法についてはその後10年ごとに話し合いをして定めることとなっています。今年でその期限を迎えるため、市と市土地開発公社は㈱群馬銀行と話し合いを行ってきましたので、その内容についての報告会を次の日程で行います。
日時・場所▼
○12月17日(水)午後7時~ 安中市文化センター
○12月19日(金)午後7時~ 松井田文化会館
問合せ▼本庁都市整備課計画開発係・企画課企画調整係(電話382-1111)
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安中市は、タゴ51億円事件のことを発覚後13年も経過しているのに、あいかわらず「土地開発公社不祥事件」と表現しています。事件の本質をあらわすために、「土地開発公社巨額詐欺横領事件」と呼ぶべきでしょう。

■安中市は、11月4日の市議会全員協議会で「群馬銀行に対して、再び今後10年間、毎年最低2000万円を支払うとする提案をしている」と明らかにしていました。そこで、当会は次の内容で、岡田市長宛に、条例に基づく行政文書開示請求書を11月9日に送付し、11月11日付けで受理されました。

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平成20年11月9日
行政文書開示請求書
〒379-0192 安中市安中1-23-13安中市長 岡田義弘 様
   郵便番号379-0114 住所 安中市野殿980番地 氏名 小川 賢
安中市情報公開条例第6条第1項の規定により、次のとおり行政文書の開示を請求します。
<開示を請求する行政文書の内容又は件名>
 平成20年11月5日付上毛新聞朝刊に次の記事が掲載されました。
安中市の元職員による土地開発公社をめぐる巨額詐欺事件で、同市は4日、群馬銀行に対して「再び今後10年間、毎年最低2千万円を支払う」とする提案をしていることを、市議会全員協議会で明らかにした。(中略略)市は同行と今後の支払いについて協議しており、市議会に経過を報告した。(中略)市の説明によると、10年目となる今年、市と同行は4月から協議を重ねてきた。市側は「市民世論は10年で(支払いは)終わると思っている」「3億円支払うので本事案は終わりにしてほしい」などと提案したが、同行側は「市、公社は健全経営を行っており、債務免除はできない。むしろ(支払金額を)増額してもらいたい」などと主張したという。市側は、これまでと同様に毎年2千万円以上を支払うことについて、「最大限努力をした提案。受け入れてほしい」として、先月20日、公社理事長(岡田義弘市長)名で同行に文書で送付した。一方、同行は「役員会を開いてから回答する」としているという。市側は今回の経緯について、市議会12月定例会終了後に市民に対し説明会を開く予定。
 この経緯に関する一切の資料(群銀との協議録、市と群銀との間で交わされた全部の書類や記録類、市民世論は10年で支払は終わるとした提案の根拠、3億円支払うとする財源の根拠、群銀への10月20日付文書と群銀からの回答、12月例会後の市民説明会実施案等に関する情報を含む)
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■開示請求に対する回答が11月25日付で送られてきました。

**********
第17569号
平成20年11月25日
行政文書不開示決定通知書
安中市野殿980番地 小川賢様
  安中市長 岡田義弘 印
 平成20年11月11日付けで請求のありました行政文書の開示について、次のとおり開示しないことを決定しましたので、安中市情報公開条例第11条第2項の規定により、通知します。
<開示請求に係る行政文書の内容又は件名>
 別紙行政文書開示請求書のとおり
<開示しない理由>
 安中市情報公開条例第7条第3号に該当
<開示しない理由がなくなる期日>
 本件については現在群馬銀行と協議の最中であり、開示については協議が整った段階で検討いたします。
<事務担当課>
 総務部企画課 電話番同 027-382-1111 内線1021
**********

このように、安中市は、当会が請求した「この経緯に関する一切の資料(群銀との協議録、市と群銀との間で交わされた全部の書類や記録類、市民世論は10年で支払は終わるとした提案の根拠、3億円支払うとする財源の根拠、群銀への10月20日付文書と群銀からの回答、12月例会後の市民説明会実施案等に関する情報を含む)」を、期限も定めずに隠すつもりであることが判明しました。

ちなみに安中市が開示しない理由として掲げた条例第7条第3項とは次の内容です。

**********
○安中市情報公開条例(平成18年3月18日安中市条例第18号)
第7条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に次に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。
(1)(略)
(2)(略)
(3) 法人その他の団体(国、独立行政法人等及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、次に掲げるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。
ア 公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの
イ 実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供されたものであって、法人等又は個人における通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの
**********

つまり、安中市は、103年ローンの担保にしている市民よりも、かつてタゴのために盆暮れの付け届けや、ゴルフ会員権のローンを組んだ群馬銀行のほうが大事だと言うのです。道理で、群馬銀行への土下座組織と言われる所以です。

■そして、11月29日に前記のように、広報あんなか12月号で「和解10年後の対応についての報告会」開催の知らせがありました。ということは、群銀との協議が完了したわけで、情報不開示の理由がなくなったことになります。

同時に、10月20日に、岡田義弘・公社理事長名で群銀に文書で「これまでと同様に毎年2千万円以上を支払うことについて、最大限努力をしたので受け入れてほしい」という趣旨の提案をしたのに対して、11月28日までに、群馬銀行側から何らかの回答があったことを意味しています。

12月17日(水)と19日(金)の午後7時から、安中と松井田で開かれる「タゴ事件の和解10年後の対応についての報告会」は、広報あんなか12月号によると、「群馬銀行との話し合いの内容」についての報告が目的のようですが、実際は、タゴ事件の尻拭いのカネを公金から支出するための言い訳が本来の目的かもしれません。

■安中市民は、タゴ事件の真相と、責任の所在、そして再発防止について、まだ安中市から一度も報告を受けていません。とくに、タゴと一緒に公社の事業に関与し、公社の理事や監事を歴任した岡田市長からは、この13年間、タゴ事件について、何も説明がありません。103年ローンの担保とされている安中市民にとって、最大の関心事であるタゴ事件の真相を、広報あんなかの冒頭の「談話」で、10ページくらいを割いて、ぜひ岡田市長にタゴとの関係を含め、詳しく報告してもらいたいものです。

■もともと、103年ローンはタゴ一族やタゴ事件関係者が返済すべきものであり、無関係の安中市民にその負担について釈明する必要は、本来ないはずです。しかし、広報あんなかの報告会開催予告を読む限り、安中市は、タゴ事件の真相を封印したまま、103年ローンの第2期支払い決定の事後承認のみを安中市民に報告するだけの魂胆と見られます。

報告会で、つまらぬ時間を費やさないように、当会では、事前に、群銀との話し合いの様子を情報開示で入手しておきたいと考えています。そして、来月の報告会では、タゴ事件の真相究明と責任の所在の明確化について、事件をもっともよく知る岡田市長が、日ごろから口にする「説明責任」のコーヤクを果たすのかどうか注目しましょう。

【ひらく会事務局】

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