市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

サンパイ銀座化阻止のため安中市岩野谷地区住民らが設置した看板に早速イチャモンを付けた安中市と群馬県

2012-11-18 15:04:00 | 全国のサンパイ業者が注目!
■安中市、高崎市、富岡市の3市が隣接する観音山丘陵から岩野谷丘陵にかけての地域には、8つの廃棄物処理施設があり、先日9月24日には、とうとう9つ目の処理施設として、高崎市吉井町上奥平地区において27年前に設置申請されていた二光産業処理㈲の安定型サンパイ最終処分場の許可がとうとう出されてしまいました。また、10月29日には富岡市桑原地区に戸田建設と西松建設がJVで設置を計画しているアスベスト中間処理施設の設置申請が環境省に出されており、最も過度に廃棄物処理施設が集中する場所として、全国のサンパイ業者の注目をますます集める始末です。

県道安中吉井線の脇にある灌漑用溜池。

 こうした流れを我々の世代で食い止めようと、安中市岩野谷地区の住民は、高崎市や富岡市の住民らと一緒に廃棄物処理施設の設置計画反対の運動を展開しています。

 とくに、安中市岩野谷地区では、現在、サイボウ環境㈱の一般廃棄物管理型最終処分場が稼働中で、東邦亜鉛安中製錬所の産業廃棄物安定型最終処分場が既に造成を終えて群馬県の認可待ちで、環境資源㈱の関東でも指折りの大規模一般・産業廃棄物管理型最終処分場が事前協議をまさに終えようとしている段階で、さらにアーバン環境サービス㈱の大規模一般・産業廃棄物管理型最終処分場の設置申請を県が今夏受け付けている状況にあります。

 まさにサンパイ銀座の観を呈している状況ですが、この夏8月26日(日)に、安中市岩野谷地区に住む住民らが力を合わせて、同地区の大谷にある岩井川の水源でもある灌漑用ため池の土手付近と県道脇に立て看板を立てました。その模様は翌日の地元の新聞にも報じられました。

**********2012年8月27日上毛新聞社会面
廃棄物処分場反対で立て看板 安中・岩野谷地区
 安中市大谷で二つの民間事業者が一般・産業廃棄物の管理型最終処分場を計画していることを受け、岩野谷各種団体連絡協議会(代表・依田豊一代表区長)など住民3団体は26日、2ヵ所の計画地付近に「廃棄物処分場建設反対]と書かれた立て看板を設置した=写真。
 同所では6年前から廃棄物処理施設の計画があり、2010年6月には建設反対を求め、1915人分の署名が大沢正明知事に提出されている。
 これとは別に、この計画地の近くにことし6月、別の事業者によって廃棄物処理施設の計画が示された。2施設ともに設置申請に当たり、県との事前協議が行なわれている。
 看板は縦1メートル、横2.7メートル。依田代表は「子どもたちのためにも、最後まで反対運動を続けていきたい」と話している。
 安中、高崎、富岡の3市が隣接する地域には、八つの廃棄物処理施設があり、渦度な集中が問題となっている。

平成24年8月27日の上毛新聞記事。
**********

■ところが、地元住民が設置したはずの場所に立て看板がありません。事情を調べたところ、設置後4日目に安中市から設置作業を行った関係者らにイチャモンの連絡があったというのです。

上毛新聞の掲載写真。

ほぼ同じ場所を撮影した現在の写真。

 立て看板は大谷の一番奥にある長坂の灌漑用溜池の土手付近に設置されました。灌漑用溜池は下流で水田を耕作する農家で構成される水利組合が管理していますが、安中市の産業部農林課は「溜池の土手は、官地であり、昔は国の持ち物だったが、平成13年からの地方分権による管理移管により、現在は安中市が管理する土地であり、業者が設置計画中のサンパイ場に反対する立て看板の設置をすることはまかりならん」という趣旨のイチャモンを付けて来たようです。

移設させられ下流の田圃の畔に設置された立て看板。

 もうひとつの立て看板は大谷の集落を貫く県道安中吉井線の道路脇に設置されましたが、これも、群馬県の安中土木事務所から5日目に「道路部分にはみ出しているので移設しろ」という趣旨の難癖が付けられたようです。

県からイチャモンがついた立て看板。

地元の情報によると立て看板と県道の敷地との関係で15センチ出張っていると群馬県からクレームが付けられたという。

■環境資源㈱が計画中のサンパイ処分場は、水利組合が管理する灌漑用溜池のすぐ上に作られて、浸出水は全量溜池に流入する計画となっています。サンパイ処分場のゴミから滲み出たゴミ水を、水田用の灌漑用水地に入れるというのですから、常識では考えられない蛮行です。しかし、群馬県の環境行政は、県庁の環境行政で辣腕をふるった職員OBが業者側の一員となっていることもあり「とくに問題はない」として、業者側にたって、住民の知らない間にどんどん事前協議手続きを進めさせている始末です。

 水利権は耕作者にとって非常に重要な権利であり、これを侵害されることは直ちに死活問題となります。したがって、岩井川の水利権をもつ水利組合は、サンパイ場の排水が灌漑用溜池に注ぎ込まれないように、サンパイ場設置に絶対反対の立場をとるのは当然のことです。

大谷と岩井地区の水田を潤す灌漑用溜池。正面すぐ御国関東でも指折りのサンパイ場ができ、その排水が直接流入する計画なのに、問題ないとして容認するという信じられない判断をしているのが群馬県環境行政だ。

 一方、利権に目のくらんだサンパイ業者は、なんとかしてこの水利権を無効化しようと、あの手この手で地元に揺さぶりをかけるのです。その手口は強引で、あまりにも常識を逸脱していますが、自分たちもその利権のおこぼれにあずかろうという役人らの気持ちをうまく利用して、業者のためにゴミ処分場設置申請に手心を加えようとするのです。

■おそらく、業者側に雇われて業者に加担している群馬県OBあたりを通じて、群馬県や安中市に圧力をかけたものと見られますが、念の為、その経緯を検証すべく、安中市と群馬県に対して情報開示請求を行う予定です。

【ひらく会情報部】
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