市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…当会の公開質問に対して再び不誠実な返事をよこした電中研 

2016-09-18 23:57:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■前橋市鼻毛石町の赤城ビュータウンの隣にある赤城試験センターを管理する電中研は、もともと科学的に真理を探究し電気事業と社会に貢献できる技術を創出するため、1951年に創設された電気事業共同の研究機関でした。設立の目的からすれば、東日本大震災で崩壊した原発の安全神話を謙虚に反省し、どうしたら放射能の被害で国民を苦しめないようにするのか、我が国の国民の生活の安全・安心を第一に掲げたうえで、経済・社会の復興を目指すべきはずです。

電中研から当会宛に送られてきた9月14日付の回答書。

 ところが、未曽有の事故を起こした原発の技術的欠陥とその結果、我が国の国土に及ぼした甚大な放射能汚染被害に目を向けることなく、逆に、身内の東京電力の尻拭いのために、放射能汚染木材の大規模な焼却施設を「バイオマス発電施設」と称して、東電のグループ会社の関電工らにつくらせようとしています。

 しかもその場所たるや、群馬県のシンボルである赤城山の南麓にある電中研赤城試験センターに目を付けて、福島原発事故の張本人である東電のグループ会社の関電工に敷地の一部を割譲し、放射能汚染木材の焼却施設建設を目論んでいます。

 電中研本来の設立目的からすれば、営利目的の施設を敷地内に建設すること等、言語道断です。電中研の創設者で「産業研究は知徳の錬磨であり、もって社会に貢献すべきだ」との理念を唱えていた故・松永安左エ門がこの計画を知れば、当然却下するはずですが、今や実質的に国の天下り機関になり下がった電力会社の共同運営組織である電中研では、周辺住民への目線は既に持ち合わせていないようです。

■その電中研に対して当会は今年5月に電中研の真意を測るべく公開質問状を提出しましたが、トンチンカンな内容の回答が送られてきました。経緯は次のブログを参照ください。
○2016年5月6日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画に関し電中研、トーセン、群森連、素生協に公開質問
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1989.html#readmore
○2016年6月26日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画に関し電中研から4週間遅れで届いた公開質問回答書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2041.html#readmore

そこであらためて第2回目の公開質問状を、先日電中研に提出しました。内容は次のブログを参照ください。
○2016年9月1日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山の森と大地を関電工に売渡した電中研に第2回公開質問状を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2112.html#readmore

■その結果、9月14日付で次の内容の回答書が当会事務局に郵送されてきました。

**********
                    赤城発 第 25号
                    平成28年9月14日
市民オンブズマン群馬
 代表者 小川 賢 殿
                     一般財団法人電力中央研究所
                          赤城試験センター

冠省
 先般、貴団体の本年5月6日付「公開質問状」に対して私共の本年6月10日付「回答書」を提出させて頂きましたが、今般これに対して8月31日付にて再度「公開質問状」なる文書を頂きました。そこで、改めて私共の趣旨を申し上げてご理解をお願いしたく、ここに本書を差し上げます。
 私共一般財団法人電力中央研究所は、学術研究団体としてこれまで一貫して研究施設とその敷地環境の適正な整備保全に努めて参りました。当センターに於いても、この目的に沿うために、松枯れ対策、枝払い、植樹活動(約17、000本)などの維持管理を含む森林環境の適正な整備及び保全に尽力しております。ご指摘の当所保有地一部売却に於きましても、地球環境保全のためのバイオマス発電に寄与するものであるとの理解の下、当所の研究活動に於いても何ら影響なく支障もないことから、実施したものであります。なお、具体的な発電所とその事業内容につきましては事業主体様へご照会頂ければ幸いです。また、処分にあたり適正な対価を得て居りますが、これは研究資金に充当するためであり、ご指摘のような所謂「営利」目的のものではありません。
 以上の次第につき、何卒ご理解を賜りますよう、返答申し上げます。
 当所と致しましても、引き続き関係法令を遵守することはもとより、地域の皆様と共に環境保全に尽力して参りたいと考えて居ります。今後とも宜しくご支援ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
                           草々
**********

■この回答を当会の公開質問状の内容に照らしてみると、当会が行った次の質問に対して、個別に回答していないことが分かります。当会の質問項目は次のとおりでした。

**********
質問1
 前回の公開質問状に対して、「その文面に事実誤認・誤解がある」との貴殿からのご指摘を賜りましたが、どの箇所が誤認・誤解しているのでしょうか?貴殿が指摘された全ての箇所に対し、それぞれ、「事実誤認・誤解の内容」と、貴殿が考える「正しい事実認識・理解」とを対比させたうえで、正しい事実とは何か、について分かり易く明確にご教示ください。

質問2
 土地の売買に対して、貴殿は「法令上の要請は無かったので、県等には相談しなかった」と前回回答されました。これに関連して、『群馬県水源地域保全条例』の「第6条」には、森林の所有者等の責務として、「森林の適正な整備及び保全に努めるとともに、県及び市町村が実施する水源地域の保全に関する施策に協力するよう努めなければならない」と書かれています。貴殿はこの観点にもとづき、「森林の適正な整備や保全すること務めるがゆえに、火力発電会社に土地を売った」のでしょうか?森林所有者の責務を放棄してまで行った理由をお聞かせください。
 また、「第12条」では、「土地売買等の契約を締結しようとする日の三十日前までに、知事に届け出なければならない。」と明記されています。しかるに、私たちの問題提起を無視した挙句に、なぜ1年近くも遅れて提出するに至ったのでしょうか?ぜひそのわけをお教えください。


質問3
 発電所が建設される場所は、鳥類飛翔観測システムのある場所で、今もなお、研究が続いていると聞いていますが、バイオマス発電所建設による悪影響は無いのでしょうか?
また、当該地番が火力発電所として相応しいと判断したのは、電中研殿ですか?それとも関電工殿ですか?電中研殿が判断したのであれば、その判断の根拠をお聞かせください。
 あるいは、関電工殿が判断したのであれば、電中研としてその場所の選定による鳥類飛翔観測システムへの影響がないという判断結果を受け入れた理由を教えてください。


質問4
 「売却は営利目的でもなく事業でもないから定款に反していない」と前回の回答書で貴殿からお答えしていただきました。しかし売却に際し、1円でも収入があれば営利なのではないでしょうか?
 また、電力中央研究所殿は電力各社が出資して行っている研究施設ですが、そのなかで、東京電力殿は最大の電力会社であり、その子会社である関電工殿への土地の譲渡と発電事業による除染事業はまさにグループ会社の一体的な取り組みと言われても仕方がないと考えます。このことについて、国民に対して胸を這って良いことをしていると言い切れますか?
 さらに、この発電所の建設で3.11の被害を拡散する恐れや土壌また地下水の汚染が懸念されます。このことについて、電中研殿は「まったくそのような懸念や恐れは有り得ない」と国民に対して言い切れますか?
 ちなみに私たちの会にも、自由に貴所から土地を売ってもらうことは可能ですか?その可否について、可能な場合の理由を、あるいは不可能であればその理由をお聞かせください。

**********

■これに対して電中研の十把ひとからげの回答の要旨は次の内容となります。

① 敷地内に関電工に作らせるバイオマス燃料・発電施設について、地球環境保全に寄与すると考えていること。

② バイオマス燃料・発電施設に関する具体的な事業内容は、住民らが関電工らに聞けばよいこと。

③ バイオマス燃料・発電施設のための土地売却の対価は研究資金に充当するから営利目的ではないこと。

④ 電中研として引き続き関係法令を遵守することはもとより、地域の皆様と共に環境保全に尽力して参りたいと考えていること。


 以上の通り、極めて不誠実な回答であることがわかります。とりわけ次の点について上から目線の回答内容だと痛感させられます。

(1)バイオマス発電が環境保全に寄与するのであれば、なぜ放射能汚染のない西日本などの地域で実施しないのか?

(2)電中研を取り仕切る東電の子会社が行う事業について、なぜ環境保全に寄与するというのであれば、専門的な観点から住民側にその事業の内容を関電工に代位してわかりやすく説明すべきなのに、なぜシランプリをするのか?

(3)20年間の時限的なFIT事業であるバイオマス発電施設であれば、なぜ賃貸での土地提供による研究資金への充当という選択をしないのか?

(4)「地域のみなさまとともに環境保全に尽力したい」のであれば、なぜこのような誠意の見えない回答をよこすのか?


■このように東電が牛耳る電力業界の関連組織である電中研の対応からも分かるように、東電及びその関連企業が行う事業は、カネにあかせて政官業を自在にコントロールし、説明責任を果たすどころか住民不在の強引としか思えない手法優先で、手続きが進められてしまいます。

 住民の意見を代弁するはずの前橋市議会でも、9月9日の定例議会で、赤城山南麓の森林区域などで太陽光や風力、バイオマスなど再生可能エネルギーの発電施設の設置を規制するための「前橋市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」案が可決されましたが、その原案の内容については既に申請済みの案件は対象外だとしているうえに、規制範囲も大甘になっていることから、地元住民の皆さんは条例の修正を求めていました。しかし、共産党から出された修正案に対して、次の3会派から反対説明がありました。

・創生前橋    窪田出市議
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1799
・市民フォーラム 角田修一市議(東電社員)
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1783
・公明党     石塚武市議
 http://maebashi.gikai-tv.net/dt_giin.html?id=1801

 これら3会派とも「条例は再生可能エネルギーの開発と自然環境との調和を目指すもので開発を抑制するものではない。従って修正案に反対」との意見陳述でした。

 市民から寄せられた400件を超えるパブリックコメントについては、3会派からは全く発言がなく、市民目線の感じられない議会でのやりとりでした。何のためにパブリックコメントを求めたのか、傍聴していた当会副代表をはじめ、住民の皆さんは理解に苦しむほかありませんでした。

 しかも修正案の採決について、発議した共産党議員4名のみ賛成したものの、反対が多数となり、そのあと条例の原案採決では、修正案を発議したはずの共産党議員を含め全員が賛成するありさまで、傍聴していた住民らを困惑させる結果となりました。

■当会は、地元住民の皆さんとともに住民訴訟を通じて、ふるさと群馬に似つかわしくない亡国事業に支払われる補助金の差止めを求めて法廷で争ってゆく所存です。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※関連情報1:前橋バイオマス発電に関する読者投書記事
**********東京新聞「発言」欄2016年9月15日 PDF ⇒ v160915.pdf

議員政活費を市民のために
      環境保護団体役員 羽鳥昌行54(前橋市)
 前橋市議会で先日、再生エネルギーの環境保全条例が成立した。放射能に汚染された間伐材チップも燃やすという木質バイオマス発電が来春には稼働する予定で、業者は一日四十トンもの汚染された廃液を、放射能を除去せず地下に流すという。環境との調和はどうなるのだろうか。
 チップ工場には国と県から多額の補助金が決まっている。私たちは群馬県や前橋市、議員や事業者に実証実験等を訴えてきたが、門前払いとなった。四百件超のパブリツクコメントを、市は問題なしと無視した。
 議員も役人の説明を鵜呑みにし、原案通り可決した。
 批判の多い政務活動費だが、議員はこうした案件にこそ、それを使い、問題の有無を調べてもらいたい。
**********

※関連情報2:前橋バイオマス発電に関する読者投稿記事
**********自然と人間2016.9月号

赤城南麓の木質バイオマス発電計画はおかしなことばかり
     野原潤一
     赤城山の自然と環境を考える会
  ※赤城山の自然と環境を守る会(会長・横川忠重)ブログ
   http://blogs.yahoo.co.jp/akagibaiohantai

 私たちは、群馬県前橋市の赤城山南麓に住んでいます。再生エネルギー(太陽光、水力、風力、バイオマスなど)は、原子力発電の代替エネルギーとして積極的に活用すべきだと考えています。しかし、関電工(東京都)とトーセン(栃木県)は、赤城山南麓の前橋市苗ケ島町に巨大な木質バイオマス火力発電所を、住宅地に接する形で、住民の理解もなしに強引に建設しようとしています。
 計画内容を調べると大企業の傲慢と補助金にむらがる企業と行政の構図が浮かびあがります。

○燃料は放射能汚染された森林から?

 群馬県の北毛、束毛、西毛地区の森林エリアは福島第一原発事故の影響で放射能に汚染されています。特にみなかみ町、沼田市、川場村、桐生市・みどり市の北部は放射性セシウム沈着量が1平方メートルあたり6万~10万ベクレルと報道されました。
 私たちは関電工に、間伐材はどのエリアの森林から調達するのか、間伐材に付着しているセシウム量はどの位なのか、調査して数値を公表してくださいと求めましたが、回答がありません。関電工は私たちの不安に対し説明責任を果たすべきです。
 一方、7月28日の日経新聞電子版「群馬で木質バイオマス発電燃料収集 トーセン、関電工向け」の記事で、群馬県北部のそれも放射能汚染がひどかった地域の森林から月1500トンの燃料用のチップを調達することが明らかにされました。森林の問伐材の汚染量や、燃料とした場合には焼却灰の放射能がどの位になるかきちんと調査し公表することが先決です。

○情報開示資料からびっくりポンの真実

 情報開示で明らかになった関電工が国・県の補助金申請した資料には、個別訪問形式で良いと前橋市が助言したと記載されています。住民説明会を求めることが市民の期待に応えるべき行政の姿ではないでしょうか。
 また、前橋市宅地開発指導要綱に基づく事前協議に関する覚書では、「周辺住民に事業内容を良く説明し、了解を得て現在及び将来においてトラブルを生ずることのないように努めなければならない」とあります。しかし、やっと開催された住民説明会も開発計画を承諾させるためのアリバイづくりにしか思えません。関電工は、議事録の発行もない、重要なことは企業秘密で開示しないという姿勢で、とても覚書を遵守しているとは思えません。
 さらに、群馬県環境評価条例には新設工場の総排ガス量が毎時4万立法メートルを超える場合、環境影響評価を実施しなければならないと規定されています。県環境政策課は基準値を超えていると思われるが20%の水分量を除外して計算して良いとし、環境影響評価は不必要との判断を下しました。このような条例変更ともいえる解釈改変を一担当課で判断してよいわけがありません。
   *  *  *
 風光明美で知られる百名山の赤城山、桜の名所100選のみやぎ干本桜の森公園、歴史のある赤城神社周辺の自然と環境は危機にあります。計画を中断し住民との誠意ある話し合いを求めます。
**********

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大同有害スラグ問題を斬る!・・・スラグ存置で大同擁護?住民監査請求を却下した前橋市監査委員の非常識

2016-09-18 20:41:00 | スラグ不法投棄問題
■当会の事務局長が2016年7月8日付で前橋市監査委員に対して、市内にも存置されたままになっている有毒スラグの撤去と措置命令を市長に勧告するように求めた住民監査請求の監査結果が9月2日付で当会事務局に送付されてきました。この請求に関しては、2016年8月2日(火)に監査委員らに対して陳述しましたが、どうやら徒労に終わったことになります。さっそく、その驚くべき非常識度を点検してみましょう。



**********
                          前 監 第21号
                          平成28年9月2日

 鈴 木   庸 様

                 前橋市監査委員  赤 川 常 己
                    同     田 子 一 夫
                    同     横 山 勝 彦
                    同     小 林 岩 男

   前橋市職員措置請求に係る監査結果について(通知)

 このことについて、平成28年7月13日付けで受理した前橋市職員措置請求について、地方自治法第242条第4項の規定に基づく監査を実施しましたので、その結果を次のとおり通知します。

                記

 1 請求に対する判断
    監査請求できる要件を欠いており、却下する。
 2 監査結果
    別添のとおり

<P1>

              前橋市職員措置請求監査結果

第1 請求の受付 
1 請求人
  住所 前橋市文京町一丁目15番10号
  氏名 鈴 木   庸
2 請求書の収受日
  平成28年7月11日
3 請求の内容
  請求人から提出された請求書による主張の要旨及び措置請求は、次のとおりである。(但し事実証明の添付は省略した。)
(1)請求の要旨
  大同特殊鋼㈱渋川工場より排出された有害鉄鋼スラグ(以下、大同スラグ)は、群馬県により「産業廃棄物」として認定されている。
  今回の不法投棄(産業廃棄物が法で規定された処分場以外の場所に処分され公共工事等に使われた)事件(以下、本件不法投棄事件)の当事者(大同特殊鋼(株)・大同エコメット(株)・(株)佐藤建設工業、以下、大同グループ)の処罰は司法の手に委ねられたが、大量にばらまかれた大同スラグの後始末は「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」(以下、廃掃法)により行政処分を行うものとされている。群馬県において産業廃棄物処理を主管するのは「環境森林部・廃棄物リサイクル課」であり、行政処分の権限は群馬県知事にある。
  しかし、県土整備部、関東地方整備局、渋川市の三者は「鉄鋼スラグに関する連絡会議」(以下、三者連絡会議)と称する会合を、独自の規約まで定めて組織し、大同スラグを環境基準値で区分し、超過かつ「管理者において将来にわたり管理できない施工箇所等」のみ撒去、その他は「表面被覆」か「存置」する基本方針を示した。つまり将来訴訟を提起されるかもしれない民有地以外は一切撤去せずに、県環境部の助言を得ながら蓋をして放置するつもりである。
  このような状況下において、前橋市においても、大同スラグを含む再生砕石を使用した市発注工事が、平成27年11月17日公表された富士見地区内の8路線及び平成28年3月7日に新たに公表された6件で確認されている。
  ところが、前橋市長は、大同スラグの今後の対応として、国、県及び渋川市で構成される三者連絡会議の対応方針を確認の上、環境部局の助言を受けながら適切な対応を図ってまいります」という姿勢を示しただけで、大同スラグを撤去せずに存置する方針を示している。

<P2>

  三者連絡会議はその基本方針のなかで、「産業廃棄物」の文言は一切使わず、「鉄鋼スラグ」「鉄鋼スラグ製品」と表記し、有害鉄鋼スラグ即ち「大同スラグ」が、群馬県環境部により「産業廃棄物」と認定されていることを無視するがごとく、あたかも手違いで環境基準を超過する不適切な建設資材が、公共工事に使われてしまったので、建設部局で処理するのが相当であるかのように報道させ、有害産業廃棄物を全面撤去することなく県内各地に存置(放置)したまま「本件不法投棄事件」の行政処分を装って終結させようとしている。
  大同グループが県内各地はもとより、前橋市内の各所の公共工事現場(公有財産)に大量に不法投棄した「産業廃棄物・大同スラグ」を存置することは、公有財産を破壊し、住民の健康を害し、周辺土壌を汚染し「住民の生活環境の保全上重大な支障をきたす」ので、前橋市長は、権限者である群馬県知事に対して「廃掃法」「土壌汚染対策法」に基づき怠ることなく速やかに「措置命令」を発出するようにただ望んでいるだけでなく、中核市である前橋市の市長として、自ら、措置命令を発出するよう勧告を求める。なぜなら、措置命令は都道府県知事の権限に属する事務であるが(廃掃法第19条の5第1項、第19条の8第2項)、前橋市長は法令(廃掃法第24条の2第1項、同法施行令第27条、地方自治法第252条の22第1項及び同項の中核市の指定に関する政令)により、上記事務をすることができるとされているからである。
4 請求書の要件審査
  請求書については、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条に規定する要件を具備しているものと認められたので、平成28年7月13日に受理を決定した。

第2 監査の実施
1 監査対象項目
  請求の要旨から、以下の事項を監査対象項目とした。
(1)怠る事実の確認
  本市発注工事で使用された鉄鋼スラグを倣去せずに存置する方針を示したことが、違法若しくは不当に公有財産の管理を怠る事実に当たるか。
(2)損害の有無の確認
  上記のことにより、市に損害が発生しているか、又は発生する恐れがあるか。
(3)求められた措置への対応                   、-
  請求人から求められた措置を行う必要があるか。

<P3>

2 監査対象部局
  本件監査請求に係る事務を所管している以下の部局を監査の対象とした。
  環境部環境政策課、環境部廃棄物対策課、農政部農村整備課ご都市計画部区画整理課、建設部道路建設課、水道局下水道整備課
3 請求人の証拠の提出及び陳述
  請求人に対し、法第242条第6項の規定により、平成28年8月2日に証拠の提出及び陳述の機会を与えた。
4 監査対象部局職員の陳述等
  監査対象部局から、監査対象事項に関する資料の提出を求め、書類審査を行うとともに、平成28年8月2日に環境部環境政策課長、環境部廃棄物対策課長、建設部道路建設課長から請求書に記載された内容に対する陳述の聴取を行った。

第3 監査の結果
  本件請求についての監査の結果は、合議により、次のように決定した。
1 事実関係の確認
  監査対象部局に対する監査の結果、次の事項を確認した。なお、請求人の指摘箇所
  は鉄鋼スラグを含む再生砕石(以下「スラグ砕石」という。)を使用した富士見地区内の8路線(以下「8路線」という。)と新たにスラグ砕石を使用していることが分かった市発注工事6箇所(以下「6工事」という。)の2つに大別できることから、それぞれに分けて確認した。
(1)8路線について
 ア 大同特殊鋼㈱渋川工場への出荷記録等の聞き取り調査により、当該路線にスラグ砕石が路盤材として使われた可能性が高く、その対応のため、本市と大同特殊鋼㈱との協議が行われ、「鉄鋼スラグを含む材料の処理に関する基本協定書」が締結されていることを関係書類により確認した。
 イ スラグ砕石から、環境安全品質基準を超えるフッ素が検出され、その内の7路線の路盤材下の土壌でフッ素の溶出量が上壌汚染対策法の基準値を超えていた。
  このため、本市は周辺井戸水への確認調査を行ったが、いずれも地下水環境基準値以下であったことを関係書類により確認した。
 ウ 8路線に係る安全対策のための工事は、平成28年度から実施する予定であることを関係書類により確認した。
  エ 当該路線は、勢多郡富士見村(平成21年に前橋市と合併)当時に、役場が原材料を支給し、地元住民が敷き均し施工したものと推定されることを所管課への聞き取りにより確認した。なお、関係書類の提出を求めたが、書類の保存年限を

<P4>

超過し、既に廃棄されていることから、関係書類を確認することはできなかった。
(2)6工事について
 ア 全ての工事箇所で、スラグ砕石が使われていることを工事関係書類において確認した。また、使用されたスラグ砕石については、メーカー発行の品質規格証明書(試験成績書)を所管課が確認したことを関係書類により確認した。
 イ 品質規格証明書(試験成績書)により、環境基準を満足していることが確認できたため、スラグ砕石を存置する方針決定したことを関係書類により確認した。
 ウ 工事箇所の工事請負契約及び施工については、財務規則、契約規則等にのっとり適正に行われていることを確認した。
2 監査委員の判断
  以上のような事実関係の確認、請求人の陳述、監査対象部局職員の陳述及び関係書類等から、本件請求について次のように判断する。
 法第242条第1項は、住民監査請求について、普通地方公共団体の住民は、当該普通地方公共団体の執行機関又は職員について、違法・不当な公金の支出、財産の取得又は契約の締結等の財務会計上の行為若しくは違法・不当に公金の賦課・徴収又は財産の管理を怠る事実が`あると認めるときは、これらを証する書面を添え、監査委員に対し、監査を求め、当該行為を防止・是正又は怠る事実を改めるか若しくは、当該行為又は怠る事実によって当該地方公共団体のこうむった損害を補填するために必要な措置を講ずべきことを請求することができる旨を規定している。
  ところで、請求人は、請求書及び陳述の内容から判断すると、当該スラグ砕石が産業廃棄物であり、国、群馬県及び渋川市で構成される「鉄鋼スラグに関する連絡会議」(以下「三者連絡会議」という。)の基本方針に準じて、本市がこれを存置する方針を示したことは、公有財産を破壊することから、市の財産管理に係る問題で、公有財産の管理を怠る事実に当たり、住民の健康を害し、周辺土壌を汚染し住民の生活環境の保全上重大な支障をきたすため、市長に対しスラグ砕石を撤去するように勧告することを主張しているものと解される。
  住民監査請求を前置要件とする住民訴訟の対象についての判決は、「その対象とされる事項は法242条第1項に定める事項、すなわち公金の支出、財産の取得・管理・処分、契約の締結・履行、債務その他の義務の負担、公金の賦課・徴収を怠る事実、財産の管理を怠る事実に限られるのであり、右事項はいずれも財務会計上の行為又は事実としての性質を有するものである。」また、道路建設工事について、道路建設行政の見地からする道路行政担当者としての行為(判断)は、「財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為には当たらないと解するのが相当である。」(平成2年4月12日最高裁判所判決)との

<P5>

判示を行っている。このことからすると、財産を一定の行政目的を実現するために支障のない状態に維持するような管理は、直接的には財産的価値の維持、保全を目的としていないことから、住民訴訟の対象にはならず、同様に住民監査請求の対象にもならないものと解される。
 これを本件についてみると、本市が三者連絡会議の基本方針に準じる対応(8路線は鉄鋼スラグを含む材料から環境基準値を超えるフッ素が検出されたため、安全対策を講じる。6工事は鉄鋼スラグを含む材料が環境基準を満足しているため、存置する。8路線及び6工事ともに市環境部の助言を受けながら適切に対応する。)を行うとしたことについては、環境保全という行政目的を実現するために行っているものであり、住民監査請求の対象となる、財産的価値に着目し、その価値の維持、保全を図る財務的処理を直接の目的とする財務会計上の財産管理行為には当たらない。
 以上のことから本件請求は、法第242条第1項に定める住民監査請求の対象に当たらないことから、これを却下する。
**********

■何ということでしょう。監査委員は、任意の三者連絡会議の基本方針を護持することにより、有毒スラグを存置することは環境保全の観点からも安全だし、財務会計的にもカネをかからないので問題ないから、住民監査請求をする資格が住民にはない、と判断したのです。

 これでは、環境保全のためにはスラグを放置するのが最適な方法だということになります。また、だからカネがかからないので、住民訴訟でいう財務会計上の行為には当たらないという、チグハグな論理で、我々の住民監査請求を却下してしまいました。

 これでは、市議会が議決した環境都市宣言は、監査委員の判断には全く影響を及ぼさなかったことになります。

 県都前橋市のシンボルである赤城山南麓に、東電グループにょる放射能汚染木材の燃焼のためのバイオマス燃料・発電施設に住民の意見も聞かずに県と一緒にゴーサインを出す自治体ならではの愚行だと言えます。

 当会としてはこのまま看過すると、これが前例となり全国的にサンパイの不法投棄を助長しかねないことを懸念しています。1か月以内に住民訴訟に踏み切るべきかどうか、慎重に検討したいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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御用記事の多いジャーナリズムを象徴する刀水クラブと県の懇談会・・・不参加は東京新聞だけ

2016-09-18 13:18:00 | 県内の税金無駄使い実態
■当会では、行政相手の様々な活動を広く住民の皆さんに知っていただくためにマスコミに対する情報公開として、記者クラブでの記者会見等を重視してきております。とりわけ、群馬県庁の5階にある記者クラブである「刀水(とうすい)クラブ」で記者発表や記者会見、あるいは情報の投げ込みを行うことが多いのも事実です。その際、刀水クラブの受付で、いつも「資料は18部準備願います」と言われていたことから、刀水クラブの加盟報道各社の数は18社だと思っていました。しかし、地元紙をはじめ大手新聞社やテレビ局、地元放送局などを足し算してもどうしても18社の構成が分かりませんでした。

 一方、ネットで検索すると記者クラブの一覧情報を見ることができます。

 関東地域の記者クラブ一覧:http://www.kisha-club.jp/05/0510/
 全国の主な記者クラブ一覧:https://www.kyudan.com/opinion/jarnalist3.htm

 ところが、群馬県の記者クラブはどちらを見ても、加盟各社を「非公開」としています。このため情報の出所を隠蔽する必要がなぜあるのか、いつも気になっていました。しかも記者クラブは県庁の建物の中に入っていることから、維持経費は我々住民の血税で賄われていることになります。

 そこで、なぜ刀水クラブで記者会見する際、準備すべき資料の部数が18部なのか、また刀水クラブと群馬県幹部との宴会が定期的に開催されるという情報も入手したことから、2016年6月8日付で群馬県に対して情報開示請求をしました。

 開示請求をした内容は次の3点です。

 1.記者クラブの加盟各社の内訳
 2.記者クラブの維持経費の内訳
 3.記者クラブと群馬県幹部らとの宴会の実態

■その結果、同6月22日付で開示に関する通知があり、同6月29日に開示を受けました。さっそく内容を見ていきましょう。

*****県庁記者クラブと知事との関係(その1)*****PDF ⇒
別記様式第3号(規格A4)(第4条関係)
      公文書部分開示決定通知書
                      第16-1号
                  平成28年6月22日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢  様
                 群馬県知事 大澤 正明

 平成28年6月8日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1頂の規定により、次のとおり一部を除いて開示することを決定したので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日 から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。

<開示を請求された公文書の内容又は件名>
(1)「2016年4月13日に群馬県知事が7000円を支出した記者クラブとの懇談会にかかる領収書、主催者名、参加各団体・組織・法人の名称、参加メンバーの氏名・職位、開催案内、開催の目的・趣旨、開催時間、開催場所、式次第など懇談会の内容が分かる一切の情報」のうち知事あて領収書以外のもの。
(2)「これ以前にも、大澤知事が就任後、開催された同様の記者クラブとのすべての懇談会の開催日時、場所、回数、参加者(記者クラブ側と県庁側のそれぞれの参加各社・部署の名称、参加者・職員の氏名・所属部署名・職位を含む)が分かる一切の情報」のうち平成26年度以降開催のもの。
<開示の日時>
 平成28年6月29日(水) 午後1時
<開示の場所>
 県民センター(県庁2階)
<開示の実施方法>
 閲覧、写しの交付
<開示しない部分の概要及びその内容>
 群馬県情報公開条例第14条第2号  該当
 【開示しない部分】
  懇談会次第及び出席者名簿に記載されている記者の氏名
 【理由】
  当該情報は特定の個人を識別できる情報であるため。
<※開示しない理由がなくなる期日>
    年   月    日
<事務担当課等>
 総務部広報課報道係    電話番号027-226-2175
<備考>
注1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
 2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
 3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
 4 ※印の欄は、開示しない部分について、開示をしない理由がなくなる期日をあらかじめ明示することができる場合のみ記入してあります、
 5 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から審査請求があったときは、その全部又はー部を開示することができなくなる場合があります。

*****県庁記者クラブと知事との関係(その2)*****PDF ⇒
別記様式第2号(規格A4)(第4条関係)
        公文書開示決定通知書
                       第16-1号
                   平成28年6月22日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢  様
                  群馬県知事 大澤 正明

 平成28年6月8日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1項の規定により、次のとおり開示することを決定したので通知します。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
(3)県庁記者クラブには18社が「加盟」していると言われているが、その構成各社が分かる一切の情報。
<開示の日時>
 平成28年6月29日(水) 午後1時
<開示の場所>
 県民センター(県庁2階)
<開示の実施方法>
 閲覧、写しの交付
<事務担当課等>
 総務部広報課報道係  電話番号027-226-2175
<備考>
 1枚(コピー代金:白黒10円)
注1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
 2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
 3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
 4 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から審査請求があったときは、その全部又は一部を開示することができなくなる場合があります。

*****県庁記者クラブと知事との関係(その3)*****PDF ⇒
別記様式第6号(規格A4)(第4条関係)
      公文書不存在決定通知書
                     第16-1号
                 平成28年6月22日
市民オンブズマン群馬
 代表 小川 賢  様
                   群馬知事 大澤 正明

 平成28年6月8日付けで請求のあった公文書については、当実施機関において保有していないため、群馬県情報公開条例第18条第2項の規定により、公文書の不存在の決定をしたので通知します。
 なお、この処分について不服があるときは、この処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内に、群馬県知事に対して審査請求をすることができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると審査請求をすることができなくなります。)。
 また、この処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、群馬県を被告として(訴訟において群馬県を代表する者は、群馬県知事となります。)、処分の取消しの訴えを提起することができます(処分があったことを知った日の翌日から起算して6月以内であっても、処分の日の翌日から起算して1年を経過すると処分の取消しの訴えを提起することができなくなります。)。ただし、審査請求をした場合には、その審査請求に対する裁決があったことを知った日の翌日から起算して6月以内に、処分の取消しの訴えを提起することができます。

<開示を請求された公文書の内容又は件名>
(2)「これ以前にも、大澤知事が就任後、開催された同様の記者クラブとのすべての懇談会の開催日時、場所、回数、参加者(記者クラブ側と県庁側のそれぞれの参加各社・部署の名称、参加者・職員の氏名・所属部署名・職位を含む)が分かる一切の情報]のうち平成25年度以前に開催のもの。
(4)県庁記者クラブの運営・維持に関して県が過去5年間に支出した年間の経費(光熱費などのユーティリティ費用とその内訳、県有施設の占有スペースにかかる租税公課などの内訳ごとの情報を含む)が分かる一切の情報。

<公文書が存在しない理由>
(2)既に廃棄済みのため。
(4)記者室は広報課で管理しているスペースであり、迅速・的確な県政情報の発信という行政目的を達成するために記者クラブに使用させていることから、光熱費等の経費の算出は行っていない
<事務担当課等>
 総務部広報課報道係  電話番号027-226-2175
<備考>

*****県庁記者クラブと知事との関係(その4)*****PDF ⇒
別記様式第2号(規格A4)(第4条関係)
        公文書開示決定通知書
                   総秘第30000-4号
                   平成28年6月22日
 市民オンブズマン群馬
   代表 小川 賢 様
                  群馬県知事  大澤 正明
 平成28年6月8日付けで請求のあった公文書の開示については、群馬県情報公開条例第18条第1項の規定により、次のとおり開示することを決定したので通知します。
<開示を請求された公文書の内容又は件名>
 「(1)2016年4月13日に群馬県知事が7,000円を支出した記者クラブとの懇談会にかかる領収書、主催者名、参加各団体・組織・法人の名称、参加メンバーの氏名・職位、開催案内、開催の目的・趣旨、開催時間、開催場所、式次第など懇談会の内容が分かる一切の情報。」のうち、2016年4月13日に群馬県知事が7,000円を支出した記者クラブとの懇談会にかかる領収書
<開示の日時>
 平成28年6月29日(水)午後1時
<開示の場所>
 県民センター(県庁2階)
<開示の実施方法>
 閲覧、写しの交付
<事務担当課等>
 総務部秘書課調査係  電話番号027-226-2046(直通)
<備考>
 1枚(コピー代金:白黒10円)
注1 公文書の開示により得た情報は、群馬県情報公開条例第24条の規定により、適正に使用しなければなりません。
 2 指定された日時が都合の悪い場合には、あらかじめ事務担当課等へ連絡してください。
 3 公文書の開示を受ける際には、この通知書を係員に提示してください。
 4 開示決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されている場合において、当該第三者から審査請求があったときは、その全部又は一部を開示することができなくなる場合があります。

*****群馬県庁報道関係一覧表*****

 社局名/刀水クラブ直通電話027-226-4750)/運動記者会直通電話027-226-4778/テレビ記者会027-226-4770
上毛新聞社(古市町一丁目50番地の21)TEL254-9911(代)・FAX252-5321/○/○/-
朝日新聞前橋総局(大手町二丁目4番9号)TEL221-1101(代)・FAX223-1334/○/-/-
毎日新聞社前橋支局(大手町三丁目6番4号)TEL231-5666(代)・FAX231-5667
読売新聞東京本社前橋支局(大手町三丁目7番1号)TEL 232-4311(代)・FAX232-2262/○/○/-
産経新聞社前橋支局(本町一丁目14番6号)TEL221-4455(代)・FAX220-1582/○/○/-
東京新聞前橋支局(大手町二丁目5番4号)TEL 233-3528(代)・FAX233-3529/○/○/-
日本経済新聞社前橋支局(大手町二丁目5番14号)TEL223-3111・FAX223-303/○/-/-
共同通信社前橋支局(古市町一丁目50番地の21)TEL251-5533・FAX251-0817/○/○/-
時事通信社前橋支局(千代田町一丁目3番地の1)TEL231-1120・FAX231-0013/○/○/-
NHK前橋放送局(元総社町189番地)TEL251-1701・FAX251-1731/○/○/○
日本テレビ(大手町三丁目7番1号読売支局内)TEL234-6095・FAX234-7112/-/-/○
TBSテレビ(県内連絡先:県庁内テレビ記者会内)TEL・FAX224-1026/-/-/○
フジテレビ前橋支局(大手町1丁目5番11号大手町ビル203)TEL 223-2345・FAX223-3609/-/-/○
テレビ朝日前橋支局(本町一丁目10番5号けやきヒルズ)TEL 224-8030・FAX224-8033/-/-/○
群馬テレビ(上小出町三丁目38-2)TEL219-0007・FAX232-0197/○/○/○
エフエム群馬(若宮町―丁目4番8号)TEL230-1882・FAX230-1904/○/○/○
計/12社/10社/7社

*****領収書*****

なぜ、刀水クラブの名義で群馬県知事あてに領収書が発行されるのか、設営を群馬県側が行ったのだから、会場のラ・フォンティーヌからの領収書でないと辻褄があわないのではないのか、群馬県側の職員らに対する領収書も刀水クラブの名義で交付されていたのかどうか、などなど疑問が沸く。

■今回情報開示された資料をみると、記者クラブと群馬県知事をはじめ幹部職員らとの懇談会と称する宴会は、最近では次の日にちと場所で開催されています。いずれも記者クラブ側から群馬県知事あてに開催案内が出されています。時系列的に最近のものから以前にさかのぼって列記してみます。

*****群馬県幹部と記者クラブとの懇談会*****
●日時:平成28年4月13日(水)19:00~
 場所:ラ・フォンテーヌ https://la-fontaine.ne.jp/plan/others/
 会費:7,000円
 式次第:開会
     挨拶(刀水クラブ幹事読売新聞社記者・群馬県知事大澤)
     乾杯(テレビ記者会幹事テレビ朝日記者)
     締め(刀水クラブ幹事時事通信社記者)
     閉会
 参加者:群馬県側(知事大澤正明、副知事反町敦、副知事村手聡、教育長笠原寛、企業管理者関勤、総務部長深代敬久、企画部長向田忠正、生活文化スポーツ部長佐藤裕子、こども未来部長中村弘子、健康福祉部長塚越日出夫、環境森林部長井田由夫、農政部長宮崎一隆、産業経済部長塚越正弘、県土整備部長上原幸彦、危機管理監萩本勝美、会計管理者戸塚俊輔、病院局長青木勇、議会事務局長根岸良夫、秘書課長星野恵一、財政課長友松寛、広報課長五十嵐優子)21名+準備・設営(秘書課次長平井一成、広報課次長設楽修一、広報課飯塚毅・深津昇平)4名=合計25名
     社局側(上毛新聞社8名、朝日新聞2名、毎日新聞社2名、読売新聞東京本社4名、産経新聞社1名、日本経済新聞社1名、共同通信社1名、時事通信社1名、NHK前橋放送局2名、群馬テレビ3名、エフエム群馬1名、日本テレビ1名、TBSテレビ1名、フジテレビ1名、テレビ朝日1名)合計30名
 刀水クラブ幹事社:読売・時事
 テレビ記者会幹事社:テレビ朝日

●日時:平成27年2月18日(火)19:00~
 場所:前橋さくらホテル2階 青雲の間 http://www.maebashihotel.com/
 会費:5,000円
 式次第:開会
     挨拶(刀水クラブ幹事朝日新聞社記者・群馬県知事大澤)
     乾杯(テレビ記者会幹事群馬テレビ記者)
     締め(刀水クラブ幹事産経新聞社記者)
     閉会
 参加者:群馬県側(知事大澤正明、副知事茂原璋男、副知事吉川浩民、教育長吉野勉、企業管理者関勤、総務部長反町敦、企画部長笠原寛、生活文化スポーツ部長本多悦子、健康福祉部長片野清明、環境森林部長青木勝、農政部長宮崎一隆、産業経済部長高橋厚、県土整備部長古橋勉、危機管理監中野三智男、会計管理者武藤敏行、病院局長長尾景茂、議会事務局長大矢一、秘書課長塚越正弘、財政課長沼澤弘平、広報課長明石智治)20名+準備・設営(秘書課次長堀越正史、広報課次長岡田博文、広報課飯塚毅・田野義之・細野英貴)5名=合計25名
     社局側(上毛新聞社8名、朝日新聞3名、毎日新聞社1名、読売新聞東京本社3名、産経新聞社1名、日本経済新聞社1名、共同通信社1名、時事通信社1名、NHK前橋放送局3名、群馬テレビ1名、エフエム群馬1名、日本テレビ1名、TBSテレビ1名、フジテレビ1名、テレビ朝日1名)合計29名
 刀水クラブ幹事社:朝日・産経
 テレビ記者会幹事社:群馬テレビ

●日時:平成26年7月2日(水)19:00~
 場所:前橋テルサ8階 けやきの間A http://www.maebashi-cc.or.jp/terrsa/
 会費:5,000円
 式次第:開会
     挨拶(刀水クラブ幹事上毛新聞社記者・群馬県知事大澤)
     乾杯(テレビ記者会幹事テレビ朝日記者)
     締め(刀水クラブ幹事共同通信社記者)
     閉会
 参加者:群馬県側(知事大澤正明、副知事茂原璋男、副知事吉川浩民、教育長吉野勉、企業管理者関勤、総務部長反町敦、企画部長笠原寛、生活文化スポーツ部長本多悦子、健康福祉部長片野清明、農政部長宮崎一隆、産業経済部長高橋厚、県土整備部長古橋勉、危機管理監中野三智男、会計管理者武藤敏行、病院局長長尾景茂、議会事務局長大矢一、秘書課長塚越正弘、財政課長沼澤弘平、広報課長明石智治)19名+準備・設営(秘書課次長堀越正史、広報課次長岡田博文、広報課飯塚毅・田野義之・細野英貴)5名=合計24名
     社局側(上毛新聞社8名、朝日新聞2名、毎日新聞社3名、読売新聞東京本社3名、産経新聞社1名、日本経済新聞社1名、共同通信社1名、時事通信社1名、NHK前橋放送局4名、群馬テレビ3名、エフエム群馬1名、日本テレビ1名、TBSテレビ1名、テレビ朝日1名)合計31名
 刀水クラブ幹事社:上毛・共同
 テレビ記者会幹事社:テレビ朝日

■以上の開示資料をチェックしたところ、次のことが分かりました。

(1)県庁5階の南フロアに刀水クラブ、テレビ記者会があり、北フロアに運動記者会と記者会見室があり、さらに広報課があること。

(2)運動記者会というのは、スポーツ分野を専門に扱う記者の集まりで、群馬県内で行われる各種のスポーツを取材し、勝敗を分析したり、選手のインタビュー記事や、各種競技の記録配信などを行う記者クラブのこと。

(3)毎年春から夏にかけて、記者クラブと群馬県知事や幹部職員らが集まり懇談会と称して宴会を行っていること。

(4)この宴会の開催案内は、記者クラブ側から群馬県知事あてに書面で出されている形をとっているが、会場の準備や設営は群馬県側の秘書課と広報課が行っていること。

(5)群馬県側の参加者らは、知事、副知事、各部署の部長や局長らは「交際費」として、それ以外の総務部の秘書課長、財政課長、広報課長や準備設営担当の次長や課員らは「社会参加費」という群馬県にしか見られない曖昧な名称を付けた「交際費」で宴会に出席していること。

(6)実際に群馬県のHPで、「交際費・社会参加費執行状況」を見ると、総務部の場合、平成28年4月の支出額が98,000円とあり、このうち総務部長を除く総務部関係出席者8名分の56,000円が公費から支出されたものと考えられる。

※総務部H28.4月分http://www.pref.gunma.jp/07/a0900067.html

(7)記者クラブ加盟各社の中で、少なくともここ3年間、宴会に不参加なのは東京新聞だけであること。

(8)記者クラブの維持経費については、我々の血税で支払われていることが確実だが、その内訳について群馬県からは情報開示されなかったこと。総務部の管財課あたりが承知しているはずだが、知事の側近部署なので開示するつもりは初めから微塵もないことがうかがえること。

(9)記者クラブの加盟各社合計は16社だと思われるが、18部写しが必要だとする刀水クラブの説明が必要なこと。(当会注:幹事社用の控えが2部必要なのかどうか、後日機会を見て直接刀水クラブの受付で確認予定)


■そもそも、我が国独自の記者クラブ制度そのものに疑問符が付く上に、公正中立であるべきジャーナリストが、群馬県知事をはじめとする行政幹部職員らと、集団でこうした宴会を定期的に開催していること自体、群馬県におけるジャーナリズムの歪みが懸念されますが、それよりもオンブズマン的な視点からは、なぜ群馬県側の公務員らが公金を使って、こうしたジャーナリストとの集団宴会に参加できるのか、不思議でなりません。

 しかも、記者クラブ側から開催案内の形をとっているものの、実際には準備・設営を秘書課と広報課が行っているわけで、明らかに宴会参加の目的が、マスコミ対策を念頭にしているものであることが想定できます。

 この件については、住民監査請求により、監査委員にきちんと正当性を判断してもらう必要があると考えます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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