■提供情報によれば、長野高専でも、文部科学省出身の天下り官僚校長によって現在大混乱が引き起こされており、その校長は長野高専教職員らをして「歴代最悪」と言わしめているそうです。
わが群馬県とも非常に繋がりの深い隣県での出来事であり対岸の火事とは思われないこと、また、群馬高専で天下り校長によって数々の惨事が引き起こされ、また致命的に悪化したのと同根であると考えられることから、今回情報をいただいた長野高専の現状、長野高専で起こっている重大事件の数々をトピックにお伝えしていきたいと思います。
↑今回実情を取り上げる隣県長野の長野工業高等専門学校。Wikipediaより。↑
↑現長野高専校長・石原祐志氏。長野高専公式HPより。↑
(1)校長・石原氏のひととなりや素行について
■2016年4月より現職にある長野高専校長・石原祐志(いしはら ゆうじ)氏ですが、当会の調査によれば、横浜市出身、昭和35(1960)年度生まれで、聖光学院高校を卒業したのち、ストレートで1985年に早稲田大学院で修士までを取り終えています。その後旧科学技術庁側の官僚となり、省庁統合で文部科学省のキャリア官僚となっています。
長野高専校長としての彼の素行についてですが、後述する2つの重大事件の情報秘匿・隠蔽行動に加えて、日常レベルから「酷い」の一言に尽きるものであるようです。
■高専は優秀な技術者を輩出するという学校の性質上、地元企業との繋がり、言い換えれば深い信頼関係の構築と維持が重視されます。ところが、信じられないことに、石原祐志氏は地元企業との懇談の場において平気でスマホを弄っている模様です。
校長としての立ち振る舞い以前に、人間としての常識が疑われる行為です。そもそも、学校としての信用や地元企業との信頼関係が損なわれては、学生たちの進路にも影響してしまうことを考えれば、その場限りで済む話でもないのですが、長野高専の学生・父兄らの皆さんはこの点をどうお考えになっているのでしょうか?
加えて、挨拶をされても会釈すら返さず、無視してふんぞり返っているようです。コミュニケーションの基本である挨拶ができない教育者など、ついぞ聞いたこともありませんが、一切教育者としての素養がなくとも天下りで校長になれる高等専門学校であれば、そんな無法も平気でまかり通ってしまうようです。
■また昨年、福岡県の博多高校で、生徒が教師に対して暴力を振るう動画がSNSにアップロードされて大騒ぎになり、マスコミや警察が動く事態にまで発展したという事件がありました。ご存知の読者諸兄も多いかもしれません。
そんな中で、この件を知った石原校長は一言、「なんでこんなことで警察を呼んだんだ?」と言い放ったそうです。
「学校内での暴力行為には警察の介入も視野に入れるように」と、まさに出向元の文部科学省がガイドラインでそう推奨しているにも関わらず、ここまで学内暴行の被害者の人権を軽視した発言ができるということ自体に、背筋が寒くなります。
この発言の背景には、「とにかく問題にしたくないから、被害者は黙ってやられていろ」という、群馬高専の西尾前校長とも相通じる官僚的な腐敗した思考回路の存在が強く感じられます。
■長野高専の学内事情はというと、副校長(主事クラス教員)などの幹部は石原校長のお気に入りのイエスマンで固められており、その思い付きと官僚然としたポイント稼ぎで現場が振り回され疲弊しているのが実情だそうで、執行部の教員らが「腰巾着」であるせいで校長の暴走を誰も止められないそうです。
そのうえ、執行部をお気に入りで固めているため、何か事件が起こった際の情報統制だけは一級品のようです。この点にも、西尾前校長隷下の群馬高専に深く相通ずるものを感じます。
長野高専では20年近く前、浅黄谷剛寛元校長が、勘違いから無関係の学生を叱咤したうえに傘で殴るという暴力行為を起こし新聞沙汰にまでなってしまい、結果、01年7月に退職するという衝撃的な事件が発生したことがあるようです。その当時の出来事を知る長野高専の古参教職員をして、「石原は浅黄谷よりひどい。浅黄谷にはまだ人間味があったが石原には全く感じられない」と評されるありさまだそうです。
では、石原祐志・長野高専校長のもとで具体的にどのような事件が起き、そして揉み消されているのかを見てみましょう。
(2)環境都市工学科での水銀流出事件
■長野高専環境都市工学科では、2016年に有毒物質である水銀の漏出事故があり、その実験室内に水銀が残留しているにも関わらず、長野高専学生のみならず中学生ら数十人を入室させてしまったという事件がありました。次の報道記事をご覧ください。
http://www.sankei.com/affairs/amp/161115/afr1611150024-a.html
報道記事を読むと、16年7月12日に装置の老朽化のため水銀が漏洩し、ただちに回収したものの、同9月28日に水銀が残留していることが発覚し、同11月15日に本事件が公表された、という時系列がわかります。
さらに、漏洩から残留発覚までの2か月半の間に学生と中学生らが立ち入り、当事者である学生には10月中旬から下旬にかけて、中学生には11月10日に文書で通知した、とあります。
■報道内容を一目見るだけでも、なぜ残留発覚から公表まで50日近くかかっているのか、合理的な理由が見えてきません。通知や公表が遅れた理由について、「健康に与える影響を医師や専門家に確認しており、余計な不安を中学生らに与えないため」としていますが、不安を与える与えない以前に、ふつう「健康への影響」を調べるのであれば、真っ先に当事者らを検査するものではないでしょうか?
もし本当に健康被害が出ていた場合、十中八九治療が遅れることにも繋がりかねなかったこの対応ですが、その場合は果たしてどう説明するつもりだったのでしょうか?
まして、学外の中学生らには報道発表の数日前になってようやく一方的に文書を送り付ける体たらくで、長野高専の当事者学生より大幅に通知が遅れた理由もまったくわかりません。
かえすがえすも、報道記事のみでこれだけの疑問点が湧き上がってくる長野高専の酷い対応ですが、さらに信じられないことに、実は学内の教職員にすら報道発表の直前まで一切この事件について知らせず、直前になってようやく概略が話されたのみだったということです(通知したという学生にも、かなり強力な箝口令を敷いて口封じしていたと考えられます)。
さらに驚くべきことに、昨年にも別の部屋で水銀流出事故を起こしているようですが、こちらは一切公表されていません。
■たかだか1、2年で長野高専を我が物扱いし、大切な長野高専の一員である教職員・学生らをコケ以下にする石原氏の横柄、かつ、ずさんな運営手法が垣間見えてきます。全学に関わることは、ふつうしっかりと教員らとも情報共有・合議を尽くしたうえで為されるべきではないのでしょうか?
あるいは、極めて少人数で決定・運営すれば判断の迅速化ができるという見方もあるでしょうが、上記の水銀流出事件への対応を見る限り、大して「迅速」なようにも思われません。
ただ単に、問題にしたくない、責められたくない一心で情報をひたすら限界まで秘匿するというのが、石原氏の官僚として培われた本性なのでしょう。
(3)長野高専での不正会計事件
■これは、上述の水銀流出事件をはるかに上回る重大事件なのですが、長野高専内では驚くほど問題になっていないそうです。主因としてはやはり、石原祐志校長が事件に関して沈黙を貫いていることが挙げられます。
では、この長野高専での不正会計事件とはいったいどのような事件だったのか、2017年6月30日付の高専機構の報告書を読んでみましょう。
http://www.kosen-k.go.jp/news/news20170630/news20170630.pdf
PDF ⇒ news20170630.pdf
報告書は、不正会計に関する高専機構での内部調査において、いくつかの高専で発生した不正会計を報告するものになっていますが、よく読むと、他の高専は比較的軽度なものであるのに対して、長野高専で発生した不正会計は飛び切り悪質なものであることが分かります。
該当箇所を抜き出してみましょう。
**********
[長野高専関係]
平成24年から平成27年まで、高専教員2名が店頭購入による取引において、取引先の担当者に指示を行って伝票上の品名を偽り、実際に受領した物品と伝票上の物品が異なるにもかかわらず、代金を支払った取引を行っていた。
・差替えにより支出した金額: 3,794,551円
なお、差替えを行ったすべての取引は、教員のコンプライアンス意識の欠如及び納品取引の一部不実施から、不適正な会計処理を行ってしまったためである。
また、差替えにより購入した物品等のうち、一部は教育研究用に使用されておらず、高専関係者から聞き取り調査した結果、私的流用があったものと判断した。
・差替えによる支出のうち私的流用と判断した金額: 510,448円
**********
■つまり、長野高専の教員によって、おもに長野高専の予算から約380万円もの不正会計が行われ、さらに約51万円が私的流用(=着服)されていたというのです。金額も他と飛び抜けているばかりか、私的流用が認定されているのもこの長野高専のケースのみです。
調査報告書によれば、この不正会計を行った教員は2名ですが、そのうち大半の不正会計・着服を行った元教授(報告書によれば、論旨解雇あるいは停職1年相当)は調査終了時点ですでに退職してしまっており、処分不能扱い、つまり国の金を数十万円も着服しておきながらお咎めなしで逃げ切ったことがわかります。さらに、1カ月間の停職処分となった准教授の方ですが、こちらも処分に際して学内HPに告示や校長からのコメントは一切為されなかったようです。
■また、本件については文部科学省からも報告書が公表されています。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/04/1378773_11.pdf
PDF ⇒ 1378773_11.pdf
しかし、そこに記された事件の態様を見ると、不正会計額12,100円、私的流用無し、関連教員は1名(1カ月停職の准教授)のみと、機構の報告書と記載内容が大きく異なっています。
なぜここまで食い違っているのかしばし黙考してみましたが、元教授が起こした不正会計と准教授が起こした不正会計は別件で、実態を矮小化するため、機構は後者のみを文部科学省に報告しているのかもしれません。また、本報告書の他の高専の処分結果を見れば、長野高専以外では停職処分はされていないので、停職1カ月の処分はかなり重いのがわかります。よって、実際にはこの准教授によっても私的流用が為されていた可能性があります。
このような高専機構の相変わらずのやり口にも閉口させられますが、となると、不正会計380万円・私的流用51万円の大半が、退職した元教授によってなされていたことになります。
もっと端的に言えば、この元教授は数十万円も国と長野高専のお金をドロボーしておきながら、一切お咎めもなく、話題にもされず逃げおおせているということです。
■そして大問題なのは、長野高専を舞台にしたこの不正会計・着服劇について、石原校長着任後に調査を踏まえた報告書が出され、全貌が明らかとなったにも関わらず、石原校長が長野高専として一切本件についてコメントも公表もしていないことです。
このため、貴重な予算(=税金・授業料)が380万円も不正会計され、51万円も着服されたあげく、主犯の教授にはのうのうと逃亡されてしまったという長野高専史に残る大失態・大事件が発生したにも関わらず、長野高専の学生や保護者はそのことをまったく知らされていません。
ここでもまた、問題にしたくない、責められたくないという石原氏の官僚然とした姑息な思考を読み取ることができるわけです。ここまで納税者と学生・保護者をコケにする学校長というのも珍しいものだと思われますが、読者の皆様はいかが感じられたでしょうか。
■今回取り上げる長野高専の実情は以上となります。文科省からの天下りであれば、このような男でも教職員・学生千数百名の学校のトップに立ててしまうという事実に辟易とさせられます。
それにしても、スマホ弄りや挨拶をしないというのは、もはや官僚マインドがどうこう以前に、両親のしつけ不足が疑われるレベルです。こうしてみると、名門私立の聖光学院・早稲田という経歴も、彼が「お坊ちゃま」として相当に甘やかされて育ったことを示唆しているように見えます。半世紀前に石原家が横浜の邸宅で彼に果たしてどのような教育をしていたのか、タイムマシンがあるなら長野高専の教職員・学生を連れてつぶさに観察してみたいものです。
↑石原祐志氏のFacebook(http://www.facebook.com/yuji.ishihara.965)より。プライバシー保護のため一部ボカシ加工としている。たいへんに娘(孫?)思いな親としての一面があることが伝わってくる。しかし、子どもを思う心があるのならなおのこと、微力であっても普通は子どもを含めた後人のためにより良い世を作っていこうと考えるのが普通ではないだろうか。まして、中身は子どものまま育ってしまったスマホ弄り・挨拶無視の人物が、子への教育とどう向き合うのか、大変に興味がひかれる。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報1:「長野県のオンブズマン団体の実情について」
**********
本項に関連して、長野県の市民オンブズマンは現在どうなっているのかも軽く説明したいと思います。
長野県のオンブズマンに関しては、直近では松本市が2011年9月のオンブズ全国大会の開催地になり、また2012年に信州市民オンブズマンが長野県内15市の酒食を伴う食糧費をまとめるといった活動をしていますが、これ以降、活動ぶりはあまり聞こえてきません。
以前は、筆者の住む群馬県安中市のお隣の軽井沢を拠点に、松葉健三弁護士が信州市民オンブズマンを名乗っていましたが、現在はもっぱら弁護士稼業に勤しんでいるようです。松本市でも、上記全国大会を開催した当時は市民オンブズ組織がありましたが、現在は活動しているのか不明となっています。
当会からは毎年市民オンブズマン全国大会に出席していますが、見る限り、全国大会にもここ数年長野県からは出席がありません。
したがって、長野県におけるオンブズマン活動は、5年以上前を境に、極めて低調となってしまっているのが実情です。
全国市民オンブズマン連絡会議では毎年全国の都道府県の情報公開度ランキングを発表しています。そのランキングでは、長野県は2006年度になんと1位を獲得しており、情報公開の模範と呼ぶべき域であったにも関わらず、オンブズマン活動の低調もあってか、近頃では21位程度にまで落ち込んでしまっています。
こうした見るに忍びない隣県の実情を受け、当会でも、近隣県の健全な自浄作用の復活と、わが群馬県とのポジティブな相互作用の構築を目指して、オンブズマンとしての協働や連携、出張も活発化させていきたいと考えている次第です。
**********
※参考情報2:この記事の続報もご覧ください。
○2018年6月24日:【出張!オンブズマン】校長自ら警察呼んで訪問OB叩き出し?更には連続自殺に独裁体制…続・長野高専の実情↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2678.html
わが群馬県とも非常に繋がりの深い隣県での出来事であり対岸の火事とは思われないこと、また、群馬高専で天下り校長によって数々の惨事が引き起こされ、また致命的に悪化したのと同根であると考えられることから、今回情報をいただいた長野高専の現状、長野高専で起こっている重大事件の数々をトピックにお伝えしていきたいと思います。
↑今回実情を取り上げる隣県長野の長野工業高等専門学校。Wikipediaより。↑
↑現長野高専校長・石原祐志氏。長野高専公式HPより。↑
(1)校長・石原氏のひととなりや素行について
■2016年4月より現職にある長野高専校長・石原祐志(いしはら ゆうじ)氏ですが、当会の調査によれば、横浜市出身、昭和35(1960)年度生まれで、聖光学院高校を卒業したのち、ストレートで1985年に早稲田大学院で修士までを取り終えています。その後旧科学技術庁側の官僚となり、省庁統合で文部科学省のキャリア官僚となっています。
長野高専校長としての彼の素行についてですが、後述する2つの重大事件の情報秘匿・隠蔽行動に加えて、日常レベルから「酷い」の一言に尽きるものであるようです。
■高専は優秀な技術者を輩出するという学校の性質上、地元企業との繋がり、言い換えれば深い信頼関係の構築と維持が重視されます。ところが、信じられないことに、石原祐志氏は地元企業との懇談の場において平気でスマホを弄っている模様です。
校長としての立ち振る舞い以前に、人間としての常識が疑われる行為です。そもそも、学校としての信用や地元企業との信頼関係が損なわれては、学生たちの進路にも影響してしまうことを考えれば、その場限りで済む話でもないのですが、長野高専の学生・父兄らの皆さんはこの点をどうお考えになっているのでしょうか?
加えて、挨拶をされても会釈すら返さず、無視してふんぞり返っているようです。コミュニケーションの基本である挨拶ができない教育者など、ついぞ聞いたこともありませんが、一切教育者としての素養がなくとも天下りで校長になれる高等専門学校であれば、そんな無法も平気でまかり通ってしまうようです。
■また昨年、福岡県の博多高校で、生徒が教師に対して暴力を振るう動画がSNSにアップロードされて大騒ぎになり、マスコミや警察が動く事態にまで発展したという事件がありました。ご存知の読者諸兄も多いかもしれません。
そんな中で、この件を知った石原校長は一言、「なんでこんなことで警察を呼んだんだ?」と言い放ったそうです。
「学校内での暴力行為には警察の介入も視野に入れるように」と、まさに出向元の文部科学省がガイドラインでそう推奨しているにも関わらず、ここまで学内暴行の被害者の人権を軽視した発言ができるということ自体に、背筋が寒くなります。
この発言の背景には、「とにかく問題にしたくないから、被害者は黙ってやられていろ」という、群馬高専の西尾前校長とも相通じる官僚的な腐敗した思考回路の存在が強く感じられます。
■長野高専の学内事情はというと、副校長(主事クラス教員)などの幹部は石原校長のお気に入りのイエスマンで固められており、その思い付きと官僚然としたポイント稼ぎで現場が振り回され疲弊しているのが実情だそうで、執行部の教員らが「腰巾着」であるせいで校長の暴走を誰も止められないそうです。
そのうえ、執行部をお気に入りで固めているため、何か事件が起こった際の情報統制だけは一級品のようです。この点にも、西尾前校長隷下の群馬高専に深く相通ずるものを感じます。
長野高専では20年近く前、浅黄谷剛寛元校長が、勘違いから無関係の学生を叱咤したうえに傘で殴るという暴力行為を起こし新聞沙汰にまでなってしまい、結果、01年7月に退職するという衝撃的な事件が発生したことがあるようです。その当時の出来事を知る長野高専の古参教職員をして、「石原は浅黄谷よりひどい。浅黄谷にはまだ人間味があったが石原には全く感じられない」と評されるありさまだそうです。
では、石原祐志・長野高専校長のもとで具体的にどのような事件が起き、そして揉み消されているのかを見てみましょう。
(2)環境都市工学科での水銀流出事件
■長野高専環境都市工学科では、2016年に有毒物質である水銀の漏出事故があり、その実験室内に水銀が残留しているにも関わらず、長野高専学生のみならず中学生ら数十人を入室させてしまったという事件がありました。次の報道記事をご覧ください。
http://www.sankei.com/affairs/amp/161115/afr1611150024-a.html
報道記事を読むと、16年7月12日に装置の老朽化のため水銀が漏洩し、ただちに回収したものの、同9月28日に水銀が残留していることが発覚し、同11月15日に本事件が公表された、という時系列がわかります。
さらに、漏洩から残留発覚までの2か月半の間に学生と中学生らが立ち入り、当事者である学生には10月中旬から下旬にかけて、中学生には11月10日に文書で通知した、とあります。
■報道内容を一目見るだけでも、なぜ残留発覚から公表まで50日近くかかっているのか、合理的な理由が見えてきません。通知や公表が遅れた理由について、「健康に与える影響を医師や専門家に確認しており、余計な不安を中学生らに与えないため」としていますが、不安を与える与えない以前に、ふつう「健康への影響」を調べるのであれば、真っ先に当事者らを検査するものではないでしょうか?
もし本当に健康被害が出ていた場合、十中八九治療が遅れることにも繋がりかねなかったこの対応ですが、その場合は果たしてどう説明するつもりだったのでしょうか?
まして、学外の中学生らには報道発表の数日前になってようやく一方的に文書を送り付ける体たらくで、長野高専の当事者学生より大幅に通知が遅れた理由もまったくわかりません。
かえすがえすも、報道記事のみでこれだけの疑問点が湧き上がってくる長野高専の酷い対応ですが、さらに信じられないことに、実は学内の教職員にすら報道発表の直前まで一切この事件について知らせず、直前になってようやく概略が話されたのみだったということです(通知したという学生にも、かなり強力な箝口令を敷いて口封じしていたと考えられます)。
さらに驚くべきことに、昨年にも別の部屋で水銀流出事故を起こしているようですが、こちらは一切公表されていません。
■たかだか1、2年で長野高専を我が物扱いし、大切な長野高専の一員である教職員・学生らをコケ以下にする石原氏の横柄、かつ、ずさんな運営手法が垣間見えてきます。全学に関わることは、ふつうしっかりと教員らとも情報共有・合議を尽くしたうえで為されるべきではないのでしょうか?
あるいは、極めて少人数で決定・運営すれば判断の迅速化ができるという見方もあるでしょうが、上記の水銀流出事件への対応を見る限り、大して「迅速」なようにも思われません。
ただ単に、問題にしたくない、責められたくない一心で情報をひたすら限界まで秘匿するというのが、石原氏の官僚として培われた本性なのでしょう。
(3)長野高専での不正会計事件
■これは、上述の水銀流出事件をはるかに上回る重大事件なのですが、長野高専内では驚くほど問題になっていないそうです。主因としてはやはり、石原祐志校長が事件に関して沈黙を貫いていることが挙げられます。
では、この長野高専での不正会計事件とはいったいどのような事件だったのか、2017年6月30日付の高専機構の報告書を読んでみましょう。
http://www.kosen-k.go.jp/news/news20170630/news20170630.pdf
PDF ⇒ news20170630.pdf
報告書は、不正会計に関する高専機構での内部調査において、いくつかの高専で発生した不正会計を報告するものになっていますが、よく読むと、他の高専は比較的軽度なものであるのに対して、長野高専で発生した不正会計は飛び切り悪質なものであることが分かります。
該当箇所を抜き出してみましょう。
**********
[長野高専関係]
平成24年から平成27年まで、高専教員2名が店頭購入による取引において、取引先の担当者に指示を行って伝票上の品名を偽り、実際に受領した物品と伝票上の物品が異なるにもかかわらず、代金を支払った取引を行っていた。
・差替えにより支出した金額: 3,794,551円
なお、差替えを行ったすべての取引は、教員のコンプライアンス意識の欠如及び納品取引の一部不実施から、不適正な会計処理を行ってしまったためである。
また、差替えにより購入した物品等のうち、一部は教育研究用に使用されておらず、高専関係者から聞き取り調査した結果、私的流用があったものと判断した。
・差替えによる支出のうち私的流用と判断した金額: 510,448円
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■つまり、長野高専の教員によって、おもに長野高専の予算から約380万円もの不正会計が行われ、さらに約51万円が私的流用(=着服)されていたというのです。金額も他と飛び抜けているばかりか、私的流用が認定されているのもこの長野高専のケースのみです。
調査報告書によれば、この不正会計を行った教員は2名ですが、そのうち大半の不正会計・着服を行った元教授(報告書によれば、論旨解雇あるいは停職1年相当)は調査終了時点ですでに退職してしまっており、処分不能扱い、つまり国の金を数十万円も着服しておきながらお咎めなしで逃げ切ったことがわかります。さらに、1カ月間の停職処分となった准教授の方ですが、こちらも処分に際して学内HPに告示や校長からのコメントは一切為されなかったようです。
■また、本件については文部科学省からも報告書が公表されています。
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/04/1378773_11.pdf
PDF ⇒ 1378773_11.pdf
しかし、そこに記された事件の態様を見ると、不正会計額12,100円、私的流用無し、関連教員は1名(1カ月停職の准教授)のみと、機構の報告書と記載内容が大きく異なっています。
なぜここまで食い違っているのかしばし黙考してみましたが、元教授が起こした不正会計と准教授が起こした不正会計は別件で、実態を矮小化するため、機構は後者のみを文部科学省に報告しているのかもしれません。また、本報告書の他の高専の処分結果を見れば、長野高専以外では停職処分はされていないので、停職1カ月の処分はかなり重いのがわかります。よって、実際にはこの准教授によっても私的流用が為されていた可能性があります。
このような高専機構の相変わらずのやり口にも閉口させられますが、となると、不正会計380万円・私的流用51万円の大半が、退職した元教授によってなされていたことになります。
もっと端的に言えば、この元教授は数十万円も国と長野高専のお金をドロボーしておきながら、一切お咎めもなく、話題にもされず逃げおおせているということです。
■そして大問題なのは、長野高専を舞台にしたこの不正会計・着服劇について、石原校長着任後に調査を踏まえた報告書が出され、全貌が明らかとなったにも関わらず、石原校長が長野高専として一切本件についてコメントも公表もしていないことです。
このため、貴重な予算(=税金・授業料)が380万円も不正会計され、51万円も着服されたあげく、主犯の教授にはのうのうと逃亡されてしまったという長野高専史に残る大失態・大事件が発生したにも関わらず、長野高専の学生や保護者はそのことをまったく知らされていません。
ここでもまた、問題にしたくない、責められたくないという石原氏の官僚然とした姑息な思考を読み取ることができるわけです。ここまで納税者と学生・保護者をコケにする学校長というのも珍しいものだと思われますが、読者の皆様はいかが感じられたでしょうか。
■今回取り上げる長野高専の実情は以上となります。文科省からの天下りであれば、このような男でも教職員・学生千数百名の学校のトップに立ててしまうという事実に辟易とさせられます。
それにしても、スマホ弄りや挨拶をしないというのは、もはや官僚マインドがどうこう以前に、両親のしつけ不足が疑われるレベルです。こうしてみると、名門私立の聖光学院・早稲田という経歴も、彼が「お坊ちゃま」として相当に甘やかされて育ったことを示唆しているように見えます。半世紀前に石原家が横浜の邸宅で彼に果たしてどのような教育をしていたのか、タイムマシンがあるなら長野高専の教職員・学生を連れてつぶさに観察してみたいものです。
↑石原祐志氏のFacebook(http://www.facebook.com/yuji.ishihara.965)より。プライバシー保護のため一部ボカシ加工としている。たいへんに娘(孫?)思いな親としての一面があることが伝わってくる。しかし、子どもを思う心があるのならなおのこと、微力であっても普通は子どもを含めた後人のためにより良い世を作っていこうと考えるのが普通ではないだろうか。まして、中身は子どものまま育ってしまったスマホ弄り・挨拶無視の人物が、子への教育とどう向き合うのか、大変に興味がひかれる。↑
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】
※参考情報1:「長野県のオンブズマン団体の実情について」
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本項に関連して、長野県の市民オンブズマンは現在どうなっているのかも軽く説明したいと思います。
長野県のオンブズマンに関しては、直近では松本市が2011年9月のオンブズ全国大会の開催地になり、また2012年に信州市民オンブズマンが長野県内15市の酒食を伴う食糧費をまとめるといった活動をしていますが、これ以降、活動ぶりはあまり聞こえてきません。
以前は、筆者の住む群馬県安中市のお隣の軽井沢を拠点に、松葉健三弁護士が信州市民オンブズマンを名乗っていましたが、現在はもっぱら弁護士稼業に勤しんでいるようです。松本市でも、上記全国大会を開催した当時は市民オンブズ組織がありましたが、現在は活動しているのか不明となっています。
当会からは毎年市民オンブズマン全国大会に出席していますが、見る限り、全国大会にもここ数年長野県からは出席がありません。
したがって、長野県におけるオンブズマン活動は、5年以上前を境に、極めて低調となってしまっているのが実情です。
全国市民オンブズマン連絡会議では毎年全国の都道府県の情報公開度ランキングを発表しています。そのランキングでは、長野県は2006年度になんと1位を獲得しており、情報公開の模範と呼ぶべき域であったにも関わらず、オンブズマン活動の低調もあってか、近頃では21位程度にまで落ち込んでしまっています。
こうした見るに忍びない隣県の実情を受け、当会でも、近隣県の健全な自浄作用の復活と、わが群馬県とのポジティブな相互作用の構築を目指して、オンブズマンとしての協働や連携、出張も活発化させていきたいと考えている次第です。
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※参考情報2:この記事の続報もご覧ください。
○2018年6月24日:【出張!オンブズマン】校長自ら警察呼んで訪問OB叩き出し?更には連続自殺に独裁体制…続・長野高専の実情↓
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2678.html