■東邦亜鉛が、安中市岩野谷地区で最初のサンパイ処分場をこっそり完成させておいて、後付の手続さえ済めばいつでも稼働が可能だという危ない状況については、当会のブログでも報告済みですが、とうとう平成24年1月6日付で、安中市長名で「産業廃棄物処理施設設置許可申請書の告示・縦覧について」と題する文書が、北野殿地区で回覧されてきました。
**********
<回覧> 安市発第21553号
平成24年1月6日
岩野谷地区第4区区長 戸塚勝彦 様
安中市長 岡田義弘(公印)
(環境推進課)
産業廃棄物処理施設設置許可申請書の告示・縦覧について
このことについて、平成23年4月26口付けで群馬県に提出された下記の者の産業廃棄物処理施設設置許可申請書について、平成23年12月27日付けで告示された旨の通知が群馬県知事よりありましたのでご連絡いたします。
なお、この告示により申請書の縦覧及び関係地域住民による生活環境保全上の意見書を提出することができますので区民へのご周知をお願いいたします。
記
1.申請者氏名 東邦亜鉛株式会社 代表取締役 手島 達也
申請者住所 東京都中央区日本橋本町一丁目6番1号
2.処理施設の種類 産業廃棄物最終処分場(安定型)
3.廃棄物の種類 廃プラスチック類、ゴムくず、金頴くず、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃プラスチック類、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずについては、石綿含有産業廃棄物を含む。)
4.設置場所 安中市野殿字北浦445番 外7筆
5.縦覧の場所 群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課及び西部県民局西部環境森林事務所
6.縦覧の期間 平成23年12月27日~平成24年1月26日迄
7.意見書提出期限 縦覧期間満了の日の翌日からから2週間以内
市民部環境推進課 廃棄物対策係
電話382-1111(内線1121)
**********
このように、既に縦覧期間は半月が経過してしまいました。これは、いつもの役所の常套手段であり、年末年始の休暇のどさくさに紛れて、地元関係住民に十分な縦覧期間を与えないようにしようとする群馬県の役人の魂胆です。これをみても、行政と企業との癒着がうかがえます。
■それだけではありません。情報公開と法令順守(コンプライアンス)を標榜する岡田市長と、グローバル企業を標榜する東邦亜鉛との関係については、昔から地元で取りざたされてきておりますが、ここにきて、ますます目立った動きが見えてくるようになりました。毎年元旦に開かれる地元新年会の席上、岡田市長が東邦亜鉛関連の公共事業に触れないことはほとんどありません。
ここ数年来のテーマを見ても、公害による重金属汚染土壌農用地対策をはじめ、市営墓地計画、東邦亜鉛廃棄物処分場、そして平成24年元旦はメガソーラー計画と、目白押しです。なぜ、このように岡田市長が東邦亜鉛との関係を重視するのかというと、東邦亜鉛がこれまで長期にわたり、岡田市長に政治献金をしているからです。
岡田市長は地元で市議5期、県議3期と政治家として地元の行政情報に精通し、平成18年に安中市と松井田町の合併市長選で当選してからは、市長としても2期目となっており、この38年間、ほとんど途切れなく公職についています。当然、地元の企業とのパイプも太くなるわけです。
東邦亜鉛との関係で言えば、大電力を消費する東邦亜鉛に対して供給能力を増大する際に、地元の公害汚染地の土地改良事業と呼応して、地元に設置して有る東京電力の送電線鉄塔を移設する計画が持ち上がった際に、いち早く東邦亜鉛に通報し、東邦亜鉛の敷地内に移設することで、東電から送電線の線下補償料が東邦亜鉛に支払われることになったりしましたが、公害企業の東邦亜鉛が公害地で引き続き操業を続ける為には、地元の情報やトラブルを事前に通報してくれて、しかも行政側にはたらきかけをしてくれる人材の確保というのは非常に重要です。東邦亜鉛が、長年にわたる岡田市長との関係をこれまでも、そしてこれからも重視することは確実です。
■そのため東邦亜鉛安中精錬所周辺の重金属汚染土壌問題は、既に昭和40年代に4大公害のひとつのカドミウム公害として世間の注目を浴びたにもかかわらず、半世紀近く経過しても、いまだに解決されていません。
当会の事務局長は、この公害による重金属土壌汚染の農地で作物を作ってきましたが、1994年産の玄米から0.7ppmもの高濃度のカドミウムが検出された為、米の作付けを控えています。そして行政に対して、一刻も早く汚染土壌の排客土を要請してきましたが、なんの対応もなされません。そこで、原因者の東邦亜鉛に対して、善処を求める為に要請状を出したところ、東邦亜鉛から「個別対応は一切しない」という回答がありました。土壌汚染地域に指定されていない限り、何もしないというのです。東邦亜鉛は、実際には、土壌汚染地域に指定されていても、何もしていませんが。
■一方、岡田市長の自宅裏には、東邦亜鉛の土地がありますが、随分前から、その土地に、岡田市長のものとみられる古看板が束にされて捨てられているのと、ごみ焼却のための炉があり、灰が付近にまかれているのが目撃されています。更にこの土地には、大量の大きな石ころがころがっており、地元では、岡田市長がこの土地を自由に使っている様子がうかがえることから、既にこの土地は、東邦亜鉛から岡田市長に譲られたものではないかという見方がされています。
↑野殿のグランドキャニオン。↑
このため、東邦亜鉛が岡田市長にたいしては「個別対応」をしており、それ以外の個人には「個別対応」をしないという二重基準があるのかどうか、平成23年6月10日付で東邦亜鉛に対して次の質問状を提出しました。
**********
平成23年6月10日
〒103-8437東京都中央区日本橋本町1丁目6番1号(丸柏ビル3~5階)
東邦亜鉛㈱社長 手島 達也 様
〒379-0114群馬県安中市野殿980
小川 賢
安中市安中字下山4286-2番地の水田のカドミウム土壌汚染と対策について
(「個別対応」についてのご質問)
平素より、地域の産業振興に関してご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、表記に関して平成23年4月30日付弊状に対して、同5月31日付の速達によるご回答状をお送りくださり厚く御礼申し上げます。
貴回答状のなかで記されておられますように、貴社は「個別対応」については拒否されるご意向とのことですが、これについて次の質問があります。
お手数ですが、6月30日までにご返事をいただければ幸いです。
1.貴社は北野殿地区に現在、地番571-1の土地を所有していますか。
2.所有している場合、当該土地の地目は畑地ですか。
3.貴社が所有している当該土地が畑地である場合、現在、畑地に大きな石が多数置いてあるようですが、これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
4.また、当該土地に「岡田義弘駐車場」とか「・・・後援会」と書かれた看板が束になっておいてあります。これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
5.もし、貴社が当該土地を既に所有していない場合、いつ、誰に、どんな条件で、所有権を移転されましたか。
以上
**********
■その後、東邦亜鉛から平成23年6月30日まで回答がないため、再三督促したところ、平成23年9月9日(金)にようやく同社の東京都日本橋にある本社関係者らと面談する機会が得られ、その場で、同社の責任者から次の内容の説明を口頭で受けることができました。
1.貴社は北野殿地区に現在、地番571-1の土地を所有していますか。
【東邦亜鉛の回答】安中精錬所のほうに確認したところ、地番571-1は地番971-1の土地ではないかと思う。その地番の土地であれば東邦亜鉛が所有している。
2.所有している場合、当該土地の地目は畑地ですか。
【東邦亜鉛の回答】岡田市長の裏の当該土地、地番971-1には石がおいてある。その土地の地目は畑地ですか?という質問だが、これについて当社として、まず経緯について安中精錬所の総務に聞いた限りでは、どうもその昔、安中製錬所に「学園」と呼ばれる学校をつくって6年ほど運営したことがある。その頃、北野殿のほうに学園の寮や寄宿舎みたいなものを作ろうという計画があり、岡田市長のそばのあの土地を、どうも地元の地権者から購入したらしい。しかし、土地を買ったがそのまま、寮は作らずに、現状のままになっていたようだ。地目は畑地ではなく雑種地的なもの。
3.貴社が所有している当該土地が畑地である場合、現在、畑地に大きな石が多数置いてあるようですが、これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
【東邦亜鉛の回答】いずれにしても地番971-1は弊社の土地だ。現在、石ころがおいてあるとか、いろいろな看板がおいてあるとか指摘をいただいているが、石ころは、どうも野殿の沢の工事かなにかの時に出てきたらしい。工事をした土建会社は不明。当時の事情は、よく分からないが、現安中市長の岡田市長が、これらの石を「キズが付いたりしているんだけど、このまま捨てちゃうのはもったいない。できたら置かせてもらえないか」ということで、現在の安中精錬所の総務担当者のずっと前、もう何十年も前の話だが、岡田市長から「(石ころを)置かしてくれないか」という話があって、当時の弊社安中精錬所の総務担当者が「いいだろう」ということで、どうも置かせたようだ。ということで、地番971-1の土地に石が置いてある。その他に、当該土地には、看板とか焼却炉のようなものがあるが、これらについては、弊社としても誰が許可したのかは、担当が昔と替わってしまったので、今の担当者では分からない。また、かつてずっと地元野殿や岩井地区との交渉役だったT氏にも、この件について聞いてみたが、わからない。昔は、当該土地については、「草が繁茂しているから除草剤を散布しろ」とか、いろいろ地元の人から言われたらしい。しかし、最近10年間くらいは、地番971-1の土地について、地元の方々からは何も言われていない。当該土地の管理状況については、以上のような話を弊社安中精錬所から聞いている。今回指摘を受けた放置看板等の件は、弊社安中精錬所のほうはどうやら聞いていなかったようだ。そこで、とりあえず安中精錬所の担当がいるので、「岡田市長に言って、(市長に)それなりの対応をしてもらおう」ということで、現在、市長と折衝する予定だと聞いている。ということで、結果的には、市長には失礼だが、勝手に岡田市長が置いたみたいだ。ということで、石ころについては、事情をよく知っていたT氏でさえも、いつ誰があそこにおいたのか、そのことについては余り定かでないと言っている。調査の結果、そういうことで報告を受けているが、当該土地について、現在の弊社安中精錬所の担当者としては、今回指摘のあった古看板とかゴミ焼却炉とか、その辺について、正式に岡田市長にこうだということで、経緯を説明して、対処してもらうことにしている。ただし、石ころはどうするか決めていない。なぜなら、誰の持ち物か判然としていないためだ。現安中市長の岡田市長が「もったいないから置かせてくれないか」と言ってきたからと言っても、決して石ころは岡田市長のものではない。公共工事で出てきたのだから、工事業者が処分も含めて、その当時請負っていたと思われる。もしそれが○○組がやったというのであれば、○○組のものだと思われる。石ころについては、何十年か前の安中精錬所の総務担当が、今の安中市長の岡田市長から「置かせてくれないかい」と言われたので、さほど深い意味もなく、空いている土地であり、「多分それほど長期間置くわけはないだろうから、いいのではないか」という軽い気持ちで石ころを置かせたという経緯らしい。
4.また、当該土地に「岡田義弘駐車場」とか「・・・後援会」と書かれた看板が束になっておいてあります。これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
↑手前がごみ焼却容器。奥が古看板等の廃棄物。↑
↑バスタブのようなものをリサイクルした手作り?のごみ焼却容器。↑
【東邦亜鉛の回答】地番571-1に寮を建てていれば邪魔になったかもしれないが、寮の建設計画は実現しなかった。だから、「悪いけど置かせてくれ」と岡田市長に言われて置かせたのだと思われる。だが、現在は空き地のような形にしているし、雑種地的に何も作っていないし、ただの荒地になっている。道路側のほうは、もう草も生えないような状態で、地肌もちょっと出ている。弊社の安中精錬所の担当は、最近除草剤を撒いていないと言っているが、かつて相当撒いたので、草が根まで枯れたのかもしれない。このように、当該土地について、岡田市長に対して個別に便宜を図るような「個別対応」ということでは決してない。そこだけは誤解してほしくない。弊社としては決してそういう意味があって、しているわけではない。先ほど言ったとおり、駐車場の看板やごみ焼却容器等に関しては当然、弊社も岡田市長といえども、申し入れて片付けてもらうように弊社安中精錬所の総務担当がいるので、当然同担当者から岡田市長に申し入れさせたいと思っている。岡田義弘氏は現在、職位的に市長をやっておられるが、たぶん市長以前、その前には県議会議員をやっており、その前は市会議員と、政治的なことを長く行っているので地元の住民がみて、それが何らかの癒着があるのではと見られるかもしれない。ただ、弊社として本当に誠心誠意であり、そうした癒着の気持ちがあってやっているわけではなく、これは安中精錬所でも言っているし、今の担当は、いみじくもCSR、コンプライアンスをやっているから当然、そのような癒着は社会通念上あってはならない。一方で、本当に恥ずかしい話しだが、弊社もだいぶ人員を削減した。これは本当によい事なのかどうかわからないが、操業部門の人を優先し、どうしても外回りの仕事のほうは手薄になりがちだ。以前なら、地元住民とのパイプ役でもある外回り専門担当のT氏が四六時中地元を歩いており、こうした事態についてはもっと前に気がついたと思う。
5.もし、貴社が当該土地を既に所有していない場合、いつ、誰に、どんな条件で、所有権を移転されましたか。
【東邦亜鉛の回答】当該土地は弊社の所有土地だ。
上記のとおり東邦亜鉛は自社の土地にゴミを捨てたりしている岡田市長に対して、「きぜんとした態度をとるつもりだ」と平成23年9月初めに言明しましたが、4ヶ月以上経過した現在においても、一向に成果が見えません。当会も昨年11月に安中市の環境推進課に善処を求めましたら、その後なしのつぶてです。また、平成24年1月4日に群馬県の環境リサイクル課に相談したところ、「本件は個人の出したごみが原因と思われるので、安中市が所掌だから安中市に相談するように」と取り合ってもらえませんでした。
こうして東邦亜鉛安中精錬所周辺の重金属公害汚染地に住み、農作物を栽培している住民は、役所からも地元選出の首長からも見放されており、安中市岩野谷地区はこれからまさにサンパイ銀座の様相を呈するのではないかと非常に懸念されます。
【ひらく会情報部】
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<回覧> 安市発第21553号
平成24年1月6日
岩野谷地区第4区区長 戸塚勝彦 様
安中市長 岡田義弘(公印)
(環境推進課)
産業廃棄物処理施設設置許可申請書の告示・縦覧について
このことについて、平成23年4月26口付けで群馬県に提出された下記の者の産業廃棄物処理施設設置許可申請書について、平成23年12月27日付けで告示された旨の通知が群馬県知事よりありましたのでご連絡いたします。
なお、この告示により申請書の縦覧及び関係地域住民による生活環境保全上の意見書を提出することができますので区民へのご周知をお願いいたします。
記
1.申請者氏名 東邦亜鉛株式会社 代表取締役 手島 達也
申請者住所 東京都中央区日本橋本町一丁目6番1号
2.処理施設の種類 産業廃棄物最終処分場(安定型)
3.廃棄物の種類 廃プラスチック類、ゴムくず、金頴くず、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず(廃プラスチック類、がれき類並びにガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずについては、石綿含有産業廃棄物を含む。)
4.設置場所 安中市野殿字北浦445番 外7筆
5.縦覧の場所 群馬県環境森林部廃棄物・リサイクル課及び西部県民局西部環境森林事務所
6.縦覧の期間 平成23年12月27日~平成24年1月26日迄
7.意見書提出期限 縦覧期間満了の日の翌日からから2週間以内
市民部環境推進課 廃棄物対策係
電話382-1111(内線1121)
**********
このように、既に縦覧期間は半月が経過してしまいました。これは、いつもの役所の常套手段であり、年末年始の休暇のどさくさに紛れて、地元関係住民に十分な縦覧期間を与えないようにしようとする群馬県の役人の魂胆です。これをみても、行政と企業との癒着がうかがえます。
■それだけではありません。情報公開と法令順守(コンプライアンス)を標榜する岡田市長と、グローバル企業を標榜する東邦亜鉛との関係については、昔から地元で取りざたされてきておりますが、ここにきて、ますます目立った動きが見えてくるようになりました。毎年元旦に開かれる地元新年会の席上、岡田市長が東邦亜鉛関連の公共事業に触れないことはほとんどありません。
ここ数年来のテーマを見ても、公害による重金属汚染土壌農用地対策をはじめ、市営墓地計画、東邦亜鉛廃棄物処分場、そして平成24年元旦はメガソーラー計画と、目白押しです。なぜ、このように岡田市長が東邦亜鉛との関係を重視するのかというと、東邦亜鉛がこれまで長期にわたり、岡田市長に政治献金をしているからです。
岡田市長は地元で市議5期、県議3期と政治家として地元の行政情報に精通し、平成18年に安中市と松井田町の合併市長選で当選してからは、市長としても2期目となっており、この38年間、ほとんど途切れなく公職についています。当然、地元の企業とのパイプも太くなるわけです。
東邦亜鉛との関係で言えば、大電力を消費する東邦亜鉛に対して供給能力を増大する際に、地元の公害汚染地の土地改良事業と呼応して、地元に設置して有る東京電力の送電線鉄塔を移設する計画が持ち上がった際に、いち早く東邦亜鉛に通報し、東邦亜鉛の敷地内に移設することで、東電から送電線の線下補償料が東邦亜鉛に支払われることになったりしましたが、公害企業の東邦亜鉛が公害地で引き続き操業を続ける為には、地元の情報やトラブルを事前に通報してくれて、しかも行政側にはたらきかけをしてくれる人材の確保というのは非常に重要です。東邦亜鉛が、長年にわたる岡田市長との関係をこれまでも、そしてこれからも重視することは確実です。
■そのため東邦亜鉛安中精錬所周辺の重金属汚染土壌問題は、既に昭和40年代に4大公害のひとつのカドミウム公害として世間の注目を浴びたにもかかわらず、半世紀近く経過しても、いまだに解決されていません。
当会の事務局長は、この公害による重金属土壌汚染の農地で作物を作ってきましたが、1994年産の玄米から0.7ppmもの高濃度のカドミウムが検出された為、米の作付けを控えています。そして行政に対して、一刻も早く汚染土壌の排客土を要請してきましたが、なんの対応もなされません。そこで、原因者の東邦亜鉛に対して、善処を求める為に要請状を出したところ、東邦亜鉛から「個別対応は一切しない」という回答がありました。土壌汚染地域に指定されていない限り、何もしないというのです。東邦亜鉛は、実際には、土壌汚染地域に指定されていても、何もしていませんが。
■一方、岡田市長の自宅裏には、東邦亜鉛の土地がありますが、随分前から、その土地に、岡田市長のものとみられる古看板が束にされて捨てられているのと、ごみ焼却のための炉があり、灰が付近にまかれているのが目撃されています。更にこの土地には、大量の大きな石ころがころがっており、地元では、岡田市長がこの土地を自由に使っている様子がうかがえることから、既にこの土地は、東邦亜鉛から岡田市長に譲られたものではないかという見方がされています。
↑野殿のグランドキャニオン。↑
このため、東邦亜鉛が岡田市長にたいしては「個別対応」をしており、それ以外の個人には「個別対応」をしないという二重基準があるのかどうか、平成23年6月10日付で東邦亜鉛に対して次の質問状を提出しました。
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平成23年6月10日
〒103-8437東京都中央区日本橋本町1丁目6番1号(丸柏ビル3~5階)
東邦亜鉛㈱社長 手島 達也 様
〒379-0114群馬県安中市野殿980
小川 賢
安中市安中字下山4286-2番地の水田のカドミウム土壌汚染と対策について
(「個別対応」についてのご質問)
平素より、地域の産業振興に関してご尽力賜り厚く御礼申し上げます。
さて、表記に関して平成23年4月30日付弊状に対して、同5月31日付の速達によるご回答状をお送りくださり厚く御礼申し上げます。
貴回答状のなかで記されておられますように、貴社は「個別対応」については拒否されるご意向とのことですが、これについて次の質問があります。
お手数ですが、6月30日までにご返事をいただければ幸いです。
1.貴社は北野殿地区に現在、地番571-1の土地を所有していますか。
2.所有している場合、当該土地の地目は畑地ですか。
3.貴社が所有している当該土地が畑地である場合、現在、畑地に大きな石が多数置いてあるようですが、これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
4.また、当該土地に「岡田義弘駐車場」とか「・・・後援会」と書かれた看板が束になっておいてあります。これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
5.もし、貴社が当該土地を既に所有していない場合、いつ、誰に、どんな条件で、所有権を移転されましたか。
以上
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■その後、東邦亜鉛から平成23年6月30日まで回答がないため、再三督促したところ、平成23年9月9日(金)にようやく同社の東京都日本橋にある本社関係者らと面談する機会が得られ、その場で、同社の責任者から次の内容の説明を口頭で受けることができました。
1.貴社は北野殿地区に現在、地番571-1の土地を所有していますか。
【東邦亜鉛の回答】安中精錬所のほうに確認したところ、地番571-1は地番971-1の土地ではないかと思う。その地番の土地であれば東邦亜鉛が所有している。
2.所有している場合、当該土地の地目は畑地ですか。
【東邦亜鉛の回答】岡田市長の裏の当該土地、地番971-1には石がおいてある。その土地の地目は畑地ですか?という質問だが、これについて当社として、まず経緯について安中精錬所の総務に聞いた限りでは、どうもその昔、安中製錬所に「学園」と呼ばれる学校をつくって6年ほど運営したことがある。その頃、北野殿のほうに学園の寮や寄宿舎みたいなものを作ろうという計画があり、岡田市長のそばのあの土地を、どうも地元の地権者から購入したらしい。しかし、土地を買ったがそのまま、寮は作らずに、現状のままになっていたようだ。地目は畑地ではなく雑種地的なもの。
3.貴社が所有している当該土地が畑地である場合、現在、畑地に大きな石が多数置いてあるようですが、これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
【東邦亜鉛の回答】いずれにしても地番971-1は弊社の土地だ。現在、石ころがおいてあるとか、いろいろな看板がおいてあるとか指摘をいただいているが、石ころは、どうも野殿の沢の工事かなにかの時に出てきたらしい。工事をした土建会社は不明。当時の事情は、よく分からないが、現安中市長の岡田市長が、これらの石を「キズが付いたりしているんだけど、このまま捨てちゃうのはもったいない。できたら置かせてもらえないか」ということで、現在の安中精錬所の総務担当者のずっと前、もう何十年も前の話だが、岡田市長から「(石ころを)置かしてくれないか」という話があって、当時の弊社安中精錬所の総務担当者が「いいだろう」ということで、どうも置かせたようだ。ということで、地番971-1の土地に石が置いてある。その他に、当該土地には、看板とか焼却炉のようなものがあるが、これらについては、弊社としても誰が許可したのかは、担当が昔と替わってしまったので、今の担当者では分からない。また、かつてずっと地元野殿や岩井地区との交渉役だったT氏にも、この件について聞いてみたが、わからない。昔は、当該土地については、「草が繁茂しているから除草剤を散布しろ」とか、いろいろ地元の人から言われたらしい。しかし、最近10年間くらいは、地番971-1の土地について、地元の方々からは何も言われていない。当該土地の管理状況については、以上のような話を弊社安中精錬所から聞いている。今回指摘を受けた放置看板等の件は、弊社安中精錬所のほうはどうやら聞いていなかったようだ。そこで、とりあえず安中精錬所の担当がいるので、「岡田市長に言って、(市長に)それなりの対応をしてもらおう」ということで、現在、市長と折衝する予定だと聞いている。ということで、結果的には、市長には失礼だが、勝手に岡田市長が置いたみたいだ。ということで、石ころについては、事情をよく知っていたT氏でさえも、いつ誰があそこにおいたのか、そのことについては余り定かでないと言っている。調査の結果、そういうことで報告を受けているが、当該土地について、現在の弊社安中精錬所の担当者としては、今回指摘のあった古看板とかゴミ焼却炉とか、その辺について、正式に岡田市長にこうだということで、経緯を説明して、対処してもらうことにしている。ただし、石ころはどうするか決めていない。なぜなら、誰の持ち物か判然としていないためだ。現安中市長の岡田市長が「もったいないから置かせてくれないか」と言ってきたからと言っても、決して石ころは岡田市長のものではない。公共工事で出てきたのだから、工事業者が処分も含めて、その当時請負っていたと思われる。もしそれが○○組がやったというのであれば、○○組のものだと思われる。石ころについては、何十年か前の安中精錬所の総務担当が、今の安中市長の岡田市長から「置かせてくれないかい」と言われたので、さほど深い意味もなく、空いている土地であり、「多分それほど長期間置くわけはないだろうから、いいのではないか」という軽い気持ちで石ころを置かせたという経緯らしい。
4.また、当該土地に「岡田義弘駐車場」とか「・・・後援会」と書かれた看板が束になっておいてあります。これは誰がいつごろ何のために搬入したのでしょうか。
↑手前がごみ焼却容器。奥が古看板等の廃棄物。↑
↑バスタブのようなものをリサイクルした手作り?のごみ焼却容器。↑
【東邦亜鉛の回答】地番571-1に寮を建てていれば邪魔になったかもしれないが、寮の建設計画は実現しなかった。だから、「悪いけど置かせてくれ」と岡田市長に言われて置かせたのだと思われる。だが、現在は空き地のような形にしているし、雑種地的に何も作っていないし、ただの荒地になっている。道路側のほうは、もう草も生えないような状態で、地肌もちょっと出ている。弊社の安中精錬所の担当は、最近除草剤を撒いていないと言っているが、かつて相当撒いたので、草が根まで枯れたのかもしれない。このように、当該土地について、岡田市長に対して個別に便宜を図るような「個別対応」ということでは決してない。そこだけは誤解してほしくない。弊社としては決してそういう意味があって、しているわけではない。先ほど言ったとおり、駐車場の看板やごみ焼却容器等に関しては当然、弊社も岡田市長といえども、申し入れて片付けてもらうように弊社安中精錬所の総務担当がいるので、当然同担当者から岡田市長に申し入れさせたいと思っている。岡田義弘氏は現在、職位的に市長をやっておられるが、たぶん市長以前、その前には県議会議員をやっており、その前は市会議員と、政治的なことを長く行っているので地元の住民がみて、それが何らかの癒着があるのではと見られるかもしれない。ただ、弊社として本当に誠心誠意であり、そうした癒着の気持ちがあってやっているわけではなく、これは安中精錬所でも言っているし、今の担当は、いみじくもCSR、コンプライアンスをやっているから当然、そのような癒着は社会通念上あってはならない。一方で、本当に恥ずかしい話しだが、弊社もだいぶ人員を削減した。これは本当によい事なのかどうかわからないが、操業部門の人を優先し、どうしても外回りの仕事のほうは手薄になりがちだ。以前なら、地元住民とのパイプ役でもある外回り専門担当のT氏が四六時中地元を歩いており、こうした事態についてはもっと前に気がついたと思う。
5.もし、貴社が当該土地を既に所有していない場合、いつ、誰に、どんな条件で、所有権を移転されましたか。
【東邦亜鉛の回答】当該土地は弊社の所有土地だ。
上記のとおり東邦亜鉛は自社の土地にゴミを捨てたりしている岡田市長に対して、「きぜんとした態度をとるつもりだ」と平成23年9月初めに言明しましたが、4ヶ月以上経過した現在においても、一向に成果が見えません。当会も昨年11月に安中市の環境推進課に善処を求めましたら、その後なしのつぶてです。また、平成24年1月4日に群馬県の環境リサイクル課に相談したところ、「本件は個人の出したごみが原因と思われるので、安中市が所掌だから安中市に相談するように」と取り合ってもらえませんでした。
こうして東邦亜鉛安中精錬所周辺の重金属公害汚染地に住み、農作物を栽培している住民は、役所からも地元選出の首長からも見放されており、安中市岩野谷地区はこれからまさにサンパイ銀座の様相を呈するのではないかと非常に懸念されます。
【ひらく会情報部】