■関電工による放射能汚染木材を大量に集荷し、チップにしてから、機械的に油圧プレスで脱水し、ボイラーに投入して燃焼させ、発生した高温高圧の蒸気でタービンを回すことで、発電機を駆動させて電気を起こし東電に販売するという亡国事業=バイオマス発電施設設置計画で、事業者である関電工が群馬県環境アセスメント条例の適用を受けないまま、既に2月以降、実質的な運転開始状態にあります。この控訴審はこれまで、第1回口頭弁論が2018年2月5日(月)11時に、第2回口頭弁論が2018年3月12日(月)11時に東京高裁7階717号法廷で開かれ、本日2018年4月23日(月)13時15分から第3回口頭弁論が開廷される予定です。それを前に、群馬県(被控訴人)から乙第4号証が、4月18日付で送られてきました。
↑当会事務局に送られてきた乙4号証。当会事務局で裁判日時を忘れないようにメモした。↑
この事件で、当会では、なぜ群馬県が関電工のバイオマス発電だけ環境アセスを適用しようとしないのか、その理由を確かめようと、群馬県に情報開示請求しましたが、群馬県はその根拠を示す文書が存在しないと主張しています。そのため、行政訴訟に踏み切りましたが、一審の前橋地裁の塩田裁判長は、被告群馬県側の主張である「口頭で条例の特例措置を説明したが、条例の対象外と判断したのは事業者である関電工だから、文書としては存在しない」という、行政側の無茶苦茶な言い分だけを採用し、2017年11月8日に原告オンブズマン敗訴の判決を下してしまいました。
そこで、当会では同11月22日に控訴状を前橋地裁に提出し、12月4日に訂正申立書と控訴理由書を提出しました。そして、2018年2月5(月)午前11時に東京高裁で控訴審の第1回口頭弁論が開かれたのち、3月12日(月)午前11時に同じ法廷と時刻で第2回口頭弁論が開かれ、今回、4月23日(月)午後1時15分から第3回口頭弁論が行われます。
この訴訟事件に関する前橋地裁一審判決から今の控訴に至る過程は次のブログをご覧ください。
○2017年11月8日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス不要根拠文書不存在訴訟で地裁が原告敗訴の問答無用判決↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2456.html#readmore
○2017年11月22日:【緊急速報】東電の毒牙から赤城と県土を守れ!・・・バイオマス発電施設から大量の白煙!関電工の暴挙!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2472.html#readmore
○2017年11月30日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…赤城山南麓に漂うバイオマス発電の白煙と控訴状不備を指摘してきた裁判所↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2482.html#readmore
〇2017年12月4日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の一審敗訴で控訴理由書等を地裁に提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2486.html#readmore
〇2017年12月19日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審が2月5日に決定!↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2504.html#readmore
〇2018年1月31日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の2.5控訴審が迫り群馬県が控訴答弁書を提出↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2550.html#readmore
○2018年2月3日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…2月5日東京高裁で開かれた環境アセス免除根拠不存在訴訟の控訴審↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2559.html#readmore
○2018年3月14日:東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…環境アセス免除根拠不存在訴訟の第2回控訴審が3月12日東京高裁で開廷↓
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2591.html#readmore
■第3回口頭弁論前に群馬県から送られてきた乙4号証は次のとおりです。
*****送付書*****PDF ⇒ 20280418_otsu_no.4_goushou_issiki.pdf
東京高等裁判所 第23民事部Cイ係 御中
ご担当書記官 小原 様
控訴人
市民オンブズマン群馬 御中
平成30年4月18日
前橋市大手町3丁目4番16号
被控訴人訴訟代理人
弁護士 石原 栄一
弁護士 関 夕三郎
弁護士 織田 直樹
電話027-235-2040
送 付 書
事件の表示:御 庁 平成29年(行コ)第368号
事件名 公文書不存在決定処分取消請求控訴事件
当 事 者:控訴人 市民オンブズマン群馬
被控訴人 群馬県
次回期日:平成30年4月23日午後1時15分 口頭弁論期日
下記書類を送付致します。ご査収の程,宜しくお願い申し上げます。
1 乙第4号証 1通
2 証拠説明書 1通
3 訴訟代理権消滅通知書 1通
4 指定代理人指定書 1通
以上
-------------------- 切らずにこのままでお送り下さい -----------------------
受 領 書
上記書類、本日受領致しました。
平成30年4月19日
控訴人
市民オンブズマン群馬 印
東京高等裁判所第23民事部Cイ係(小原書記官)御中:FAX 03-5510-3129
石原・関・猿谷法律事務所(弁護士 織田 直樹)行 :FAX 027-230-9622
*****乙第4号証*****PDF ⇒ 20280418_otsu_no.4_goushou_issiki.pdf
聴取報告書(補充)
平成29年(行コ)第368号公文書不存在決定処分取消請求控訴事件において、平成30年3月9日付証拠(乙第3号証)として提出した聴取報告書本文の各項に記載した事実経過について、各時期をできる限り特定すべく、当課はあらためて唐澤素子より聴取した結果、以下のとおり補充して報告する。
平成30年4月18日
群馬県環境森林部環境政策課長 松下 克
1 当課が前橋バイオマス発電施設とは無関係の企業より、別の木質バイオマス発電施設の設置に関する条例アセスの相談に対応した時期については、平成25年度末あたりから平成26年度に入ってまもなくの頃であった。
2 当課担当者の記憶によると、(株)関電工が前橋バイオマス発電施設に関する条例アセスにつて当課に相談に訪れたのは、平成26年の6月乃至9月頃であった。
3 平成26年の夏前頃かあら、当課は、条例アセスにおける木質バイオマス発電の取り扱いについて、情勢の改正も含め、具体的な検討を進め、同年7月、全国の状況を確認するためのアンケートを実施した。そして、同年9月に、当課が同アンケートの回答結果をとりまとめた。
4 平成26年の9月以降から平成27年1月頃にかけて、当課担当者が(株)関電工から問い合わせを複数回受けた。
5 平成27年3月頃(3月30日より以前)、当課担当者は、(株)関電工から問合せを受け、当該事業の実施が具体化した場合、情勢アセスにおける条例施行規則別表第1に規定する規模要件のどこに該当するかや、その後開始される条例アセスに係る手続きのスケジュールのめどを付け、事務処理の段取りを立てる参考とするために、前橋バイオマウ発電施設の計画概要を入手した。
6 当課担当者は、平成27年3月31日に、当課において、「未利用の木質バイオマスを燃料とする工場・事業場については、排ガス量の計算にあたり、含水率(乾量基準含水率)を20%として計算できるものとする。」運用が決裁された後、同日中に、(株)関電工に架電し、同運用の決定について伝えた。
*****証拠説明書(乙4)*****PDF ⇒ 20280418_otsu_no.4_goushou_issiki.pdf
平成29年(行コ)第368号 公文書不存在決定処分取消請求控訴事件
控 訴 人 市民オンブズマン群馬
被控訴人 群馬県
証拠説明書(乙4)
平成30年4月18日
東京高等裁判所 第23民事部Cイ係 御中
被控訴人訴訟代理人
弁護士 石原 栄一
弁護士 関 夕三郎
弁護士 織田 直樹
●乙号証No.:4
○標目:聴取報告書(補充)
○作成年月日:平成30年4月18日
○原本・写しの別:原本
○作成者:被控訴人環境森林部環境政策課長 松下克
○立証趣旨:
・乙3号証に記載された事実経過の各時期について,できる限り特定すべく補充したもの。
*****指定代理人指定書*****PDF ⇒ 20280418_otsu_no.4_goushou_issiki.pdf
群馬県職員 木村 彩乃 (環境森林部環境政策課)
(電話番号 027-226-2815)
地方自治法第153条第1項の規定により、上記の者を群馬県のため下記事件において裁判上の行為を行う職員に指定する。
記
前橋地方裁判所 東京高裁平成29年(行コ)第368号
公文書不存在決定処分取消請求控訴事件
原 告 市民オンブズマン群馬
被 告 群馬県 代表者知事 大澤正明
平成30年4月18日
群 馬 県
代表者 群馬県知事 大 澤 正 明
*****訴訟代理権消滅通知書*****PDF ⇒ 20280418_otsu_no.4_goushou_issiki.pdf
東京高等裁判所第23民事部Cイ係 御中
御庁平成29年(行コ)第368号 公文書不存在決定処分取消請求控訴事件に関し、次の者について被告群馬県の訴訟代理権を消滅させたことを通知します。
群馬県職員 星野 智史
平成30年4月18日
前橋市大手町一丁目1番1号
群馬県知事 大 澤 正 明
**********
■今回、群馬県が出してきた乙4号証は、平成27年3月31日当時、環境政策課に所属していた職員の唐澤素子(平成28年4月1日から群馬女子大の総務課に異動)に、現在の環境政策課の松下克課長がヒヤリングしたものです。
これは、前回3月12日の控訴審第2回口頭弁論で裁判長が「(アセス免除にかかる含水率20%のおまけの)決裁が済んだら、(群馬県が関電工に」『もう(アセスは)要らなくなりましたよ』と、『今度のでは要らなくなりましたよ』と、いうことを多分やりとりをしてあるだろうから、そのやりとりをしたことについて、『残っている書面があったら出してください』というのが今の対象ですから。過ぎたことが、ほんまかどうか、ひとつひとつどうこうということではなく、要は『なるほど、それはもう捨てて、無くてもおかしくないね』と思えるのか、『それは無ければおかしいよ』というのか、それが今の(審理の)対象なので、そのことを立証させるため)に群馬県に追加提出を求めたものです。
裁判長のこの指揮を受けて、被控訴人である群馬県は、再び当時の担当だった唐澤素子にヒヤリングをしたとして、今回聴取報告書(補充)を出してきました。しかし、本来、条例をこのように捻じ曲げて運用する重要な判断を一職員に委ねるものなのでしょうか? きわめて不可思議なことです。
■当会に寄せられた情報によれば、平成28年9月24日に前橋市内の宮城公民館における住民説明会において関電工の担当者が「含水率の考え方を取り入れると4万ノルマル㎥以下になるので、アセスは不要と被控訴人に確認をとった」と発言をしていることが確認されています。
ちなみにその際の録音記録によれば、関電工の本件事業責任者のF氏及び担当のSと住民とのやりとりは次のとおりです。
(住民)環境アセスの問題と言うのは、20%の水分量を群馬県に減算して報告した事実を持ち帰って確認してお話しますと言うことでしたが如何ですかすることになっていたが、
(F氏)我々としてはおっしゃる通りで、水蒸気量について減量した結果、39000リュウベというかたちでご報告しています。でそれをご説明しているという状態です。
(住民)2割の水蒸気量というのは何かの基準があったのですか?
(F氏)ちゃんと計算式の元で出てきたものです。
(住民)それは県から計算式をもらってということですか?
(F氏)我々の方が計算式を立ててやっています。
(住民)でこれで許可をしてくれと?
(F氏)はい
(S氏)ちゃう、ちゃう、ちょっといい。県から認められた計算式に則って、計算すると4万リュウベには満たない。
、、、
(F氏)考え方を提示させていただいてご了解いただいております。
、、、
(住民)2割という数字は誰が決めたのか。
(S氏)それは群馬県ですよ。
(住民)総排ガス量は4万を越えているのにどうして私たちに教えてくれなかったのか
(F氏)止められてました。
(住民)誰に止められていたのか?
(F氏)組織に。4万リュウベ以下と言う説明をしなさいと指示でした。
、、、
(住民)県からのアドバイスはいつなのか?
(F氏)ちょっとトイレに、、、
、、、
(住民)県に(総排ガス量)4万5000リュウベとかをもって相談に行ったのか。
(S氏)はい
、、、
以上のとおり、関電工F氏らは、最後まで、関電工が含水率の考え方を被控訴人群馬県に示し、被控訴人がそれを了承し、関電工や自分達を守るために運用を決めたという経緯が上記の発言から読み取れます。
関電工が平成27年7月10日に被控訴人に提出した事業計画にも、アセス実施の必要性について、平成27年1月に被控訴人と協議を開始し、同年3月に被控訴人から、環境アセスメントは不要と回答を得たと書かれています。
したがって、被控訴人と関電工とで、何らかの密約がかわされたことは、まぎれもない事実なのです。
こうした経緯を確認すべく、当会は原審で、関電工に対して調査嘱託を申立てましたが、塩田裁判長はあっさりと却下してしまいました。しかし、やはり事実関係を確認するためには、必要不可欠な手続きであることは明らかです。
■今回の乙4号証では、元・環境政策課職員だった唐澤素子氏のヒヤリング結果として、現・環境政策課長の松下克氏が、「平成27年3月頃(3月30日より以前)に当課担当者(唐澤素子)は、(株)関電工から問い合わせを受け、当該事業の実施が具体化した場合、条例アセスにおける条例施行規則別表第1に規定する規模要件のどこに該当するかや、その後開始される条例アセスに係る手続のスケジュールのめどを付け、事務処理の段取りを立てる参考とするために、前橋バイオマス発電施設の計画概要を入手した」と明記しています。
ということは、(株)関電工が前橋バイオマス発電施設の排ガス量に関する資料として、排ガス量の計算式や計算結果を平成27年3月頃、群馬県に提出していた可能性が極めて高くなります。それを不存在としたのですから、群馬県は当該資料を廃棄したわけです。
■やはり、当会としては、群馬県に対して、次の項目について釈明を求める必要があるようです。本日午後1時15分に東京高裁7階717号法廷で開催される控訴審第3回口頭弁論で、裁判長の指揮をお願いすることにしたいと思います。
① 廃棄した年月日はいつか?
② 資料は必ず上司に渡しているはずだが、誰の指示判断でどのようにして捨てたのか?
もし群馬県が②について「本当に無い」と主張するのであれば、当会は、原審で却下された文書嘱託あるいは調査嘱託により、関電工に当時と同じ資料を提出させることを申立てたいと思います。
なぜなら、恐らく、関電工F氏らの住民説明会における発言のとおり、廃棄された当該資料というのは、関電工が作成した排ガス量の計算式に違いないと思われるからです。
しかし予断は許されません。裁判所の意向は、我々住民よりも、行政側に寄り添うのが常であり、安易な期待は禁物だからです。
【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】