市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス裁判4.25第8回弁論準備に向け被告が第5準備書面を提出

2018-04-20 19:34:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災

■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、本年末迄に事実上竣工し、来年2月から本格運転が開始されるものと見られます。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。以来、1年9カ月が経過してしまいましたが、いまだに弁論準備が繰り返されている一方で、関電工のバイオマス発電施設は連日放射能を含む排ガスや排水、灰、さらには騒音を周辺環境中に放出しています。こうした中、新年度を迎え、来る4月25日(水)午後4時30分に第8回弁論準備が前橋地裁本館3階31号法廷(ラウンド法廷)で受命裁判官の指揮のもとに当事者である我々原告らと被告群馬県との間で開かれる予定です。それに先立ち、原告住民として本日、準備書面(6)を裁判所と被告訴訟代理人宛に発送したところですが、期を同じくして被告からも第5準備書面が出されました。


*****被告第5準備書面****
<P1>
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
原 告 小川賢 外1名
被 告 群馬県知事 大澤 正明

             第5準備書面

                        平成30年4月13日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
            被告訴訟代理人弁護士 石 原 栄 一
            同          関 夕 三 郎
            同          織 田 直 樹
            同指定代理人     板 垣 哲 夫
            同          笛 木 元 之
            同          生 方 宏 久
            同          武 藤   淳
            同          浅 見   淳
            同          石 井 米 吉

第1 原告平成30年1月29日付準備書面(5)に対する認否及び反論
1 第1(「被告群馬県と前橋倍音巣燃料株式会社の主たる出資者である株式会社トーセンとの癒着問題について」)について
(1) 第1段落乃至第8段落について
 原告主張の事実については,記録簿(甲62)に記載のある限りで認め,主

<P2>
張については争う。
 一般論として,補助金対象事業について,当該補助金交付の権限を持つ行政機関が,対象事業者に対して助言や提示をすることは,当然のことである。
 なお,第6段落において「被告群馬県は・・・忖度した」とあるが,意味不明であり,印象操作を目的とした不適切な主張である。また,「三位一体事業あると言っても過言ではない」(第7段落),「『県民には知らせない』という暗黙の了解」(第8段落)などと極端な表現を用いるが,かかる評価を導きうる前提事実の主張もなく,不適切かつ失当な主張である。
(2) 第9段落について
ア 柱書については争う。
 事例①について,群馬県環境影響評価条例(以下,「本件条例」という。)において,同施行規則別表第1に規定される,工場又は事業場の新設又は増設の事業で,規模要件が排出ガス量4万立法(ママ)メートル/h以上に該当する場合,当該事業者には同条例に基づく環境影響評価(以下,「条例アセスメント」という。)を行うことが義務付けられていること,被告が平成27年3月31日付で未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場に係る本件条例施行規則別表第1の適用について,含水率を20%とする運用を決定したことは認め,その余は否認ないし争う。
イ なお,原告は事例①及び②を根拠に「一糸乱れぬチームワークを発揮」など主張するが,原告主張の前提事実からは到底導き出せない評価である。
  また,事例②の前橋市が平成28年に出した告示は,「出来レース」であることを導く事実ではないため,主張は失当である。

2 第2(「チッププレス機の不当な言い値で,補助金の詐取が暗黙の了解で堂々と行われている実態問題について」)について
(1) 第3段落乃至第6段落について
 平成27年に前橋バイオマス燃料及び前橋バイオマス発電の事業計画が被告に提出されたことは認め,その余は不知。
(2) 第7段落乃至第8段落について
 前橋バイオマスにおけるチッププレス機及び計量装置の事業費は認め,その余は否認ないし争う。
 原告は,日光バイオマスにおけるチッププレス機及び計量装置にかかるコスト(事業費)を各1億7,500万円及び750万円であると主張する。しか

<P3>
し,甲65号証を見ると,括弧内に記載された補助金額は確認できるが,事業費は黒塗りにより確認できない。しかるに,原告はこれを看過し,補助金額の記載を事業費であると断定したうえ,「明らかに補助金の詐取であるとしか言いようがない」などと主張している。このように,原告らは安易に事実を誤認しそれに基づき主張仕手おり、不適切である。
(3) 第8段落及び第10段落について
 否認ないし争う。
 前橋バイオマス燃料における木質チップ製造量は,年間約7万トンである(甲2)。

3 第3(「被告群馬県の公文書偽造問題について」)について
(1) 第3段落について
 認否の必要性を認めない。
 なお,原告ら提出の同書面第1の9段落目(事例①)において,「平成27年3月31日付で群馬県環境政策課で決済された・・・」と原告自ら主張しているから、被告が立証する必要はない。
(2) 第4段落について
 被告の主張引用部分は認め,その余は争う。
 原告らは,被告における平成2おり7年3月31日付の決裁文書(甲44号証)のうち,別紙「未利用材による木質バイオマス発電に係る環境影響評価について」と題する書面について,日付が「27.3.〇」となっていることをもって,公文書として不成立であるなどと主張する。
 しかし,次のとおり,同文書は平成27年3月31日に作成された決裁文書であり,同日付の公文書として成立していることは明らかである。すなわち,同文書の1枚目には,「(件名)未利用材による木質バイオマス発電の環境アセスメントについて」,「(伺い)・・・運用を別紙のとおりとしてよいでしょうか」と記載され,さらい同文書2枚目には「(決定内容)・・運用を別紙のとおり定める」と記載されている。これを受け,同文書3枚目が「別紙」として添付されており,運用の内容が記載されている。そして,この別紙には,手書きで「(案)」と記載されていることからも明らかなように,別紙に日付が記載されていることは要請されていない。したがって,その日付が不定であったことによって,同文書全体の成否には影響がない。
(3) 第5段落及び第6段落について
 原告羽鳥が情報公開請求した電子データに表示された作成日時,更新日時,

<P4>
印刷日時,作成者および更新者が原告主張のとおりであることは認め,その余は否認ないし争う。
 一般的に,一太郎ファイルの文書情報に表示される「作成日時」には,「そのファイルがその場所に出来た日時」が表示される。たとえば,オア歯根のフォルダAに保存されていた一太郎ファイルを別のフォルダBにコピーした場合,コピーされた一太郎ファイルの「作成日時」は,フォルダBにコピーされた日時となる。その場合,「作成日時」が「前回更新日時」や「前回印刷日時」より後となることがあり,これは決して珍しい現象ではない。
 したがって,原告が主張するような不正は存在しない。
(4) 第7段落及び第8段落について
 被告のアンケートに排出ガス中に含まれる水蒸気量の規模要件について記載がないことは認め,含水率20%運用が前橋バイオマス発電または関電工あら提案があったとの点,及び被告が第4準備書面10頁でアンケート結果にも基づき排出ガス中に含まれる水蒸気量の規模要件に係る具体的内容の県都を進めたとの点は否認する。
 被告が第4準備書面10頁で主張したのは、『木質バイオマス発電施設に係る環境アセスメントの適用について検討を始め,(中略)「環境影響評価条例における木質バイオマス発電所建設の対象要件について」各都道府県・関係市あてに照会を実施し,各都道府県関係市からの回答も“参考”に,木質バイオマス発電からの排出ガス中に含まれる水蒸気量の規模要件に係る具体的内容の検討を進めた』ことであり,アンケート結果に“基づき”検討を進めたとは主張していない。
 含水率20%運用を定めた根拠については,甲第44号証の決裁文書に記載のとおりである。また、さらい本書面において後述する。

4 第4(「被告群馬県と関電工の間の環境アセスメント不適用に関する談合問題について」)について
 原告らの主張は,関電工が「群馬県環境政策課より,環境アセス対象外との見解をいただいております」と説明したことを根拠に,環境アセスメントの対象になるかにつき被告自ら判断したというものである。
 しかし,繰り返しとなるが,環境アセスメントの対象となるかは事業者が自ら判断するものであり,被告は判断していない。
 もっとも,この点について,原告らの主張する「判断」と,被告の主張する「判断」とは意味が異なっており,議論がかみ合わないため,これ以上の主張反論は

<P5>
無益である。すなわち,原告らの主張する「判断」は,およそ人が事故の考えに基づいて結論を導き出すこと全てを意味するのに対し,被告の主張する「判断」は,例えば許認可などの行政行為1ないしそれに準ずるものを意味する。
 この点,原告らの主張する「判断」の意味を採用するとなれば,日々の行政サービスにおける行政機関の職員の発言全てについて,のちに公文書開示請求等の対象となることになり,行政運営を著しく遅滞することになりかねない。すなわち,一般論として,群馬県環境政策課に限らす,行政は,その所掌事務に関し,日々市民から企業から相談を受けることがある。そして,同課は,条例アセスメントを所掌することから,企業が県内で新たな事業開始を検討する際,あらかじめ条例アセスメントの対象となるか否かについて相談を受けることが少なからずある。その相談形態は,匿名で電話のみによるものであったり,企業が同課を訪問して資料や計算結果を示す具体的なものであったりと,多岐にわたる。このような相談には同課担当者が対応しており,その中で質問に対して回答することもある。もっとも,その場合における回答は,日々の行政サービスとしての条例アセスメント制度の説明である。すなわち,同課は条例アセスメント制度について許認可権限等を有するものではない以上,事業開始前の段階において,事業者に資料等を提出させ、その内容の適性を審査するなどの権限はない。さらに,かかる相談のときには,当該事業が実際に実行に移されるか否かも不確実である。したがって,かかる相談に対して,同課として判断を行うことはおよそありえない。
 本件に関しては,同課担当者は,平成26年頃より,前橋バイオマス発電設置工事を計画する関電工からも,同制度について相談を受けていた。そして,平成27年3月上旬から中旬頃には,同社から資料の提供を受けたうえで相談に応じたこともあった。したがって,原告の主張する意味での「判断」はあったかもしれないが,被告としてはそれを「判断」と呼ぶことは到底できないと考えている。
 なお,事業を円滑に推進したい関電工としては,上記のとおり一職員の一般論としての見解を聞いたことをもって行政のお墨付きを得たかのように周辺住民に対して説明することはわからないではない。

第2 前橋バイオマス燃料と前橋バイオマス発電について

1 講学上,「行政と国民との間又は国民相互の間での法効果の発生・変更・消滅の段階で行われる行政の行為であって,公権力の行使として行われるもの」などと定義されるもの。

<P6>
 前橋バイオマス燃料は,前橋バイオマス発電とは別個の法人である(甲5,6)。
 そして,前橋バイオマス燃料は,バイオマス発電用の燃料チップ製造等を目的としており(甲5),条例アセスメントの対象とされていない。
 したがって,前橋バイオマス発電の条例アセスメント不履行という主張は,前橋バイオマス燃料に対する補助金交付決定の違法性を根拠づける主張とはならない。

第3 争点について
 以下,平成30年2月15日付裁判所作成の「争点」に沿って,原告の主張に対する反論を行う。

1 本件事業が補助対象事業としての適格性を有すること
(1) 廃材利用のおそれが無いこと
 原告からは,前橋バイオマス発電において放射能汚染された木くずや廃材などを間伐材に紛れ込ませようとしている旨主張する。
 しかし,前橋バイオマス発電所は,「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(以下、「FIT法」という)による再生可能エネルギー固定価格買い取り制度を活用して売電を行う発電所である。この制度を利用するためには,バイオマス発電所は,未利用材と製材端材を燃料として発電を行うことで認定を受けており,廃材を利用する計画はない(乙7)。
 また、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用する木質バイオマス発電所は,燃料の種類により売電価格が異なることから,燃料となる木材がどこで,どのような方法で生産されたものかを「発電利用に供する木質バイオマスの照明のためのガイドライン(平成24年6月林野庁)」に基づき適切に管理しなければならず、原告が懸念する放射能汚染された木くずや廃材などを間伐材に紛れ込ませることは出来ない。
(2) 放射能汚染防止対策として自主管理基準を設けていること
 前橋バイオマス発電では,燃料の受け入れに関して,調理用の薪の基準値である40ベクレル/kg以下(乙8)という受入基準を設け,誤って放射能濃度の高い材が持ち込まれないよう対策を講じている。この受入基準値40ベクレル/kgは,福島県の木質系燃料の受入管理の目安である100ベクレル/kg(乙9)と比較してみても厳しい基準である。
 この点,原告らは,前橋バイオマスの自主管理基準は,木質バイオマス発電所に原子力発電所の周辺区域の基準を踏襲しており違法であるなどと主張する。

<P7>
 しかしながら,前橋バイオマス発電所と同様の木質バイオマス発電所は,群馬県より福島第一原子力発電所に近い福島県や栃木県でも稼働しているが,それによる放射能の二次汚染などの被害は確認されていない。また,木質バイオマス発電所は,そもそも放射性物質を扱う施設ではないため,放射能対策に関する法令上の義務は生じない。
 もっとも,事業者は,周辺住民の不安の声を受け,前橋市へ提出した観光配慮計画(甲52)のとおり自主管理基準を定め,バグフィルター,浄化槽,観測装置等を設置し自主管理基準を満たす施設の整備を行っている。さらに,排ガス及び排水については,排出前のモニタリングにより自主管理基準値内であることを確認した上で排出し,灰については飛散防止対策を行った上で,自主管理基準値内であることを確認し,産業廃棄物処理をすることとしている。また,敷地内にモニタリングポストを設け,放射能の常時監視を行い,安全性の確認体制を整える等の対策を行うとしている。
(3) 小括

2 環境アセスメントの実施に関する違法がないこと
(1) 以下に述べるとおり,本件運用は適法に成立しているから,前橋バイオマス発電が同運用に基づく排ガス量の計算により条例アセスメントを不要とした判断は適法であり,同アセスメント実施に関する違法はない。
(2) 本件運用決定に至る経緯についての補足
ア 被告第4準備書面第3の1項で述べたとおり,被告が平成24年頃から木質バイオマスの活用について課題として認識し,平成26年頃には,木質バイオマス発電施設に係る環境アセスメントの適用に関しての問い合わせを複数件受けていた。そして,この時期における問い合わせは,関電工の他,同社からの問い合わせ以前に前橋バイオマス発電所とは無関係の企業からもあった。
  こうしたなか,被告は,木質バイオマス発電施設について,条例アセスメント対象要件等を再検討する必要性を認識し,同年7月10日に,各自治体へ「環境アセスメントにおける木質バイオマス発電所事業の対象要件について」照会を実施した(乙5)。そして,この照会に対する回答をまとめたところ,群馬県における条例アセスメント対象要件(「工場又は事業場の新設

<P8>
又は増設」で「排出ガス量が4万立方メートル以上」)は,同じ要件で見た場合において,他の自治体と比較して厳格であることが判明した。
イ 他方で,群馬県における条例アセスメントでは,従来,工場や事業場からの排出ガスは,主に化石燃料の燃焼によるものを想定し,その規模要件を定めている。そして,一般的に化石燃料に比べて未利用の木質バイオマス燃料の含水率は高く,より多くの水を含むところ,この水分自体は,燃焼しても水蒸気となるから,環境への影響は少ないといえる。しかし,木質バイオマス発電所では,この水蒸気が排出ガスの一定割合を占めるから,化石燃料を燃焼する場合と比較して排出ガス量が水増しされてしまうという点で問題がある。
  そこで,被告は,条例アセスメントの規模要件においては,未利用の木質バイオマスを燃料とする場合,排出ガスの総量から高含水率により発生する一定割合を超える水蒸気量を排除することが適当と考えた。
  また,当該木質バイオマス発電所で燃料として用いる未利用材は,材毎の含水率にばらつきがあり,それぞれの含水率で計算することは不可能であるため,排出ガスの計算にあたり,含水率(乾量基準含水率)を一定割合として研鑽することが適当である。
  以上の考えのもと,被告は,未利用の木質バイオマスを燃料とする発電所について,燃料の含水率を比較的低い水準で統一して排ガス量を算出し,上記の水増し問題を解消しようと考え,本件運用を決定した次第である。
(3) 含水率を20%としたことが適正であったこと
  まず,前述のとおり,未利用の木質バイオマスを燃料とする発電所の場合,木質バイオマス燃料の含水率を必要最小限に抑えて見積もることが適当である。
  そして,被告第4準備書面第3の2項で述べたとおり,日本における気乾含水率は平均で15%とされている。これは,本件運用の含水率20%よりも低い数値であるから,本件運用は、少なくとも不当に含水率を低く見積もることを容認するものではない。
  したがって,本件適用で含水率20%としたことは適正である。

3 補助金金額が適正であったこと
 前橋バイオマス燃料は,含水率等の品質を満たした燃料用チップを年間約7万トン発電所へ供給しなければならず,そのため,事業者は天然乾燥と人工乾燥の使用による安定供給を計画している。大型プレス機による脱水方式は,チップの含水率を瞬時に下げることが可能であり,燃料の安定供給を行う上で有効な施設

<P9>
となるため,補助対象としている。この有効性は,被告が,交付決定前に山形県で既に稼働している同機種の状況、実績で確認している(乙10)。
 また,原告が意図的で過剰な見積もりであると判断した根拠である甲65号証の栃木県の葛生町小径木加工共同組合の森林整備加速化・林業再生基金事業では,事業者の購入金額である事業費は黒塗りされており,チッププレス機の1奥7500万円と計量装置(台貫)の750万円は栃木県の補助金額である。このため,原告が比較しているのは,栃木県の補助金額と前橋バイオマス燃料の購入金額となり,原告の主張は資料を見誤ったものである。
 さらに,補助金の精算に際して,被告は,契約書や支払い実績を確認した上で,補助金額の確定を行っており,過大な補助金の支出がないことを確認している(乙11)。
                        以上

*****訴訟代理権消滅通知書*****
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中

御庁平成28年(行ウ)第27号住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件の訴訟代理権を消滅させたことを通知します。

    群馬県職員  束田 健康 (環境森林部林業振興課)
    群馬県職員  折田 知徳 (環境森林部林業振興課)
    群馬県職員  鈴木 利光 (渋川森林事務所)
    (電話番号 027-226-3231)

  平成30年4月13日

                 前橋市大手町一丁目1番1号
                  群馬県知事 大 澤 正 明

*****指定代理人指定書*****
    群馬県職員  笛木 元之 (環境森林部林業振興課)
    群馬県職員  生方 宏久 (環境森林部林業振興課)
    群馬県職員  浅見 淳  (渋川森林事務所)
    (電話番号 027-226-3231)

 地方自治法第153条第1項の規定により,上記の者を群馬県のため下記事件において裁判上の行為を行う職員に指定する。

                 記
 前橋地方裁判所 平成28年(行ウ)第27号
         住民訴訟によるバイオマス補助金支払差止請求事件
  原 告 小川 賢 他1名
  被 告 群馬県知事 大澤 正明

  平成30年4月13日
            群 馬 県
             代表者 群馬県知事 大 澤 正 明


*****書証目録*****
前橋地方裁判所
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金差止請求事件

        書 証 目 録

 乙第7号証 乃至 乙第11号証

    上正写致しました。
         弁護士  織 田  直 樹

〇乙7号証「再生可能エネルギー発電設備(バイオマス)を用いた発電の認定について(通知)」
〇乙8号証「調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標地の設定について」
〇乙9号証「福島県木質バイオマス安定供給の手引き(抜粋)」
〇乙10号証「記録簿」
〇乙11号証「平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金」

*****証拠説明書(乙7~11)*****
平成28年(行ウ)第27号 住民訴訟によるバイオマス補助金差止請求事件
原 告  小川賢 外1名
被 告  群馬県知事 大澤 正明

        証拠説明書(乙7~11)

                   平成30年4月13日
前橋地方裁判所民事第1部合議係 御中
              被告訴訟代理人
                  弁護士  石原 栄一
                  弁護士  織田 直樹

            記
●乙号証No.:7
〇標目:再生可能エネルギー発電設備(バイオマス)を用いた発電の認定について(通知)
〇作成年月日:平成28年3月11日
〇原本・写しの別:写し
〇作成者:経済産業省 大臣 林 幹雄
〇立証趣旨:
・前橋バイオマス発電において廃材を利用する計画がないこと
・「3.使用燃料一覧」の「燃料区分」B及びCは,それぞれ「木質チップ(間伐材由来)」と「木質チップ(製材端材由来)」であり,「廃材」は使用しないこととされている。
●乙号証No.:8
〇標目:調理加熱用の薪及び木炭の当面の指標地の設定について
〇作成年月日:平成23年11月2日
〇原本・写しの別:写し
〇作成者:林野庁林政部経営課長、林野庁林政部木材産業課長
〇立証趣旨:
・平成23年11月2日に林野庁が定めた当面の基準では,調理加熱用の薪の指標値(放射性セシウムの濃度の最大値)として,「40ベクレル/kg」とされていること。
●乙号証No.:9
〇標目:福島県木質バイオマス安定供給の手引き(抜粋)
〇作成年月日:平成25年3月
〇原本・写しの別:写し
〇作成者:福島県林業振興課
〇立証趣旨:
・福島県の木質系燃料の受入管理の目安として100ベクレル/kgとされていること。
●乙号証No.:10
〇標目:記録簿
〇作成年月日:平成28年5月23日
〇原本・写しの別:写し
〇作成者:被告林業振興課
〇立証趣旨:
・被告が,本件補助金交付決定前に,前橋バイオマス燃料で使用するチッププレス機と同等機種が山形県で既に稼働している状況,実績を確認したこと。いる。
●乙号証No.:11
〇標目:平成27年度(繰越)群馬県林業・木材産業再生緊急対策事業補助金の確定について
〇作成年月日:平成29年5月
〇原本・写しの別:写し
〇作成者:被告渋川林業事務所
〇立証趣旨:
・被告が,本件補助金の精算に際して,契約書や支払実績を確認した上で,補助金額の確定を行っており,過大な補助金の支出がないことを確認したこと。
                        以上
**********

■いかに関電工とトーセンが群馬県から配慮されているのかが尿実に感じ取れる準備書面となっています。4月25日の弁論準備で、環境アセスを免除したとする被告の「判断」を、裁判所がどのように“判断”しようとするのかが注目されます。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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大同有毒スラグ?を斬る!…シリーズ赤い水⑪「八ッ場ダム工事現場からまたも赤い水が出ている情報」の巻

2018-04-16 01:26:00 | スラグ不法投棄問題
■八ッ場ダム建設工事の中止を訴え活動を続ける、八ッ場あしたの会様のツイッターに興味深い写真が掲載されていましたので、お伝えいたします。八ッ場あしたの会様、転載をお許しください


↑八ッ場あしたの会@yambatomorrow から転載。横壁地区小倉代替地の擁壁。水が流れた跡が茶色いしみになっている。
https://twitter.com/yambatomorrow/status/974639745740386304

 群馬県では、八ッ場ダム建設が今も進められています。少子化による人口減少や節水型の産業構造への転換等により水需要減や既にダムだらけの現状から、そもそも新たなダム本体の建設が果たして必要なのか?に加えて、八ッ場ダムの場合、この工事に際して地滑りが止まらず、対策工事費用が天文学的に膨らむ恐れや、工事対象エリア内における大同特殊鋼(株)の有害スラグを(株)佐藤建設工業が詐欺まがいに違法にかつ大量に投棄していたことが問題として取り沙汰されてきています。

 有毒スラグに関して言えば、一部簡単に除去できる場所については、スラグの撤去工事が行われたようですが、コンクリート構造物で覆われているところや、道路の路盤や埋め土・盛り土、そして民間の建築物が立てられた場所は、スラグがそそまま今も投棄されたままとなっています。特に地域住民が暮らす家の下に投棄されている有害スラグについては、本来であれば家を動かしてでも撤去しなければならないはずだと思われます。

■さて、冒頭の写真から、強く感じられるのは、大同特殊鋼由来の有害スラグが大量に投棄された現場に特徴的な「赤い水」が原因なのではないでしょうか?

 「赤い水」に関しては、当会が誇る大同有害スラグ不法投棄調査チーム「リットン調査団」がこれまでも県内各所で実態報告をしています。さっそく「赤い水」現象について、同調査団に詳しい調査を依頼しましょう。

 なお、これまで「リットン調査団」による調査結果を報告したレポート「シリーズ赤い水」はこちらをご参照ください。↓↓
〇2016年4月4日:大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水①「第2の安中公害?安中に赤い水が流れ出ている!」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1945.html#readmore
〇2016年4月5日:大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水②「大同様の周りは赤い水で満ち溢れている!」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1947.html#readmore
〇2016年4月12日:大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水⑤「渋川市半田の赤い水」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1957.html#readmore
〇2016年5月3日: 大同有毒スラグ?を斬る!・・・シリーズ赤い水⑧「新川原湯駅周辺から」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1982.html#readmore

■というわけで、春の陽気に誘われて始動した徘徊老人集団の活動ぶりを久しぶりに報告します。

*****八ッ場ダム徘徊調査報告書*****
 大同有害スラグ不法投棄特別調査チーム「リットン調査団」集合(^^)/。

 久しぶりに調査依頼が来ましたので、お花見を兼ねて八ッ場ダム建設工事現場近くの徘徊調査に出発じゃ!

 今回の調査場所はこちらです。↓↓


 衛星写真もチェックしておきましょう。↓↓




八ッ場あしたの会様のツイッターに掲載されていた長野原町横壁・小倉地区にやってきました。今は「H29小倉地区代替地整備工事」というのが進められているようですね。


ここは八ッ場ダムが完成したら、川底になってしまう場所なのでしょうか?


大型車は通れないようですが、徒歩なら問題ないようです。


道路状況も問題ないようです。


坂道を歩いていますが、ガードレールの左は急な谷となっています。やはり八ッ場ダムが完成するとここまで水がせりあがってくるのでしょうね?


さて今、歩いているこの坂道ですが、写真では分かりにくいですが、ほんのり赤く見えませんか。


ズームアップすると、赤い小石がたくさんあるのが分かります。有害スラグを詐欺まがいの手法で、強引に不法投棄しまくったブラック佐藤建設工業の天然石もこのように赤い色をしていました。


あれ?なんだ!赤い石に混じってスラグらしき角張・黒光り石もあるではないか!やはりブラック佐藤建設工業の建設資材か!?


坂を上りやっと今回の調査現場にたどり着きました、なにやらカラーコーンが見えますね。カラーコーンより先には進まないようにしましょう。


あ、なんと!カラーコーンには、佐藤建設工業とタッグを組み、有害スラグの利活用で巨万の富を築いた〇原工業の文字が見えるではないですか?やはりここにも有害スラグが投棄されている可能性が高くなってきました。


カラーコーンより先に入らないように注意しながら上を見上げると・・・ありました。コンクリート擁壁です。結構な高さの壁になっています。ツイッターとやらに掲載されていた写真のとおりですね。


安物デジタルカメラですが、ズームアップしてみましょう。赤い水が染み出した跡が何本もついています。


↑一様に赤いのかと思ったら、水抜きの管の中心は更に赤い筋となっています。↑


これは、渋川市半田の半田その4改良の補強土壁(テールアルメ工法)のコンクリート壁につく赤い水の跡と同じではないでしょうか?半田その4工事では、「佐藤建設工業のスラグ運搬車が真っ白なスラグを生一本で投棄していたのを見た」とする証言があります。また国土交通省のスラグ調査により、天然石であるべき盛り土にスラグが投棄されていることが証明されています。ところでこの擁壁の上はどうなっているのでしょうか?見に行ってみましょう。


残念~バリケードが設置されています。


全面通行止めとなっていました。ここから先に行くことはできないようです。天然石で出来た盛り土を搬入すると嘘をついて有害スラグを盛り土に混ぜ投棄しまくった、詐欺まがいな(株)佐藤建設工業と異なり、リットン調査団は「はい、指示に従います」と礼儀正しく看板に一礼をするのでした。


バリケードの手前から、ガードレール越しに手を伸ばして撮影してみましたが、有害スラグが不法投棄されているか?は、わかりませんでした。
*******八ッ場調査続く*******

■八ッ場ダム建設工事を舞台に、おびただしい数の有害スラグ不法投棄事件が繰り広げられました。

 たくさんの建設資材メーカーがあるなか、有害スラグを供給したのは(株)佐藤建設工業一社のみでした。もちろん天然石に混ぜ込んで有害スラグを不法投棄しようとの悪だくみですから、コンプライアンスがしっかりした優良企業には手を出せる仕事ではありません。

 有害スラグは、八ッ場ダムに沈む住民が移転する代替地工事にも情け容赦なく投棄されています。住民が暮らす代替地の地下に潜む有害スラグの撤去工事は全く行われていません。

 また、有害スラグを不法投棄しまくった(株)佐藤建設工業も何のペナルティーを受けることなく、現在も活発に活動しています。次はどんな有害物質を天然石に混ぜ込むことを画策しているのでしょうか?

 当会は“きれいな群馬ちゃん”を取り戻すまで、微力ながら活動を続けてまいります。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

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東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス裁判4.25第8回弁論準備に向け原告準備書面(6)を提出

2018-04-15 17:29:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■東電グループの関電工を事業主体とする前橋バイオマス発電施設は、群馬県が定めた環境アセスメントを行わないまま、本年末迄に事実上竣工し、来年2月から本格運転が開始されるものと見られます。この暴挙を食い止めようと、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起しました。以来、1年9カ月が経過してしまいましたが、いまだに弁論準備が繰り返されている一方で、関電工のバイオマス発電施設は連日放射能を含む排ガスや排水、灰、さらには騒音を周辺環境中に放出しています。こうした中、新年度を迎え、来る4月25日(水)午後4時30分に第8回弁論準備が前橋地裁本館3階31号法廷(ラウンド法廷)で受命裁判官の指揮のもとに当事者である我々原告らと被告群馬県との間で開かれる予定です。それに先立ち、原告住民として本日、準備書面(6)を裁判所と被告訴訟代理人宛に発送しました。

同日、被告からも裁判資料が送られてきた模様です。留守中だったので、まだ受領できていません。

 この前橋バイオマス発電施設は、東電グループの関電工が、群馬県安中市のバイオマス発電計画に挫折していたトーセンに目を付け、東電が放射能汚染木材の処理に頭を悩ませている東電の意向を受けて、放射能汚染木材を毎年8万4千トン(ただし含水率が不明)も集めて燃焼させるべく計画し、併せて発電した電力をFIT制度に便乗して自ら高額で買い取るうえ、高コストの事業費をできる限り低減するために多額の補助金を投入するという、手の込んだ策略を巡らせたものです。

 しかし、群馬県のシンボルである赤城山の南麓に、このような放射能汚染木材焼却施設を造られてしまうと、群馬県の県民及び県土に重大な環境負荷を及ぼすことになることから、施設建設予定地に近接して生活している住民はもとより、ひろく県内や下流域の住民の間からは放射能二次汚染に伴う懸念や不安の声が起きています。

 ところが肝心の群馬県や前橋市の行政は、関電工ら事業者らと癒着して、きれいなぐんまちゃんのシンボルである赤城山麓に放射能を巻き散らすこの亡国事業に対して、呆れたことに環境アセスメントを免除したうえに多額の補助金までつけてやるという、とんでもない非常識な「忖度」を平然と行っています。そうした背景のもとで、当会は地元住民団体とともに、発電施設に隣接する木質チップ製造施設に対する補助金交付の「差止」もしくは「処分の取消」を求める訴訟を2016年7月15日に提起して、現在係争中です。

 提訴後、裁判所から補助金の一部は既に支払われていることから、支払の有無で峻別してはどうか、と訴訟指揮があり、結局、2016年12月26日に、新たな住民訴訟の訴状を裁判所に提出したところ、今度は、同じ事件で2つの訴状が出ていると被告からイチャモンがつきました。そのため、2017年3月10日の第4回口頭弁論で、最初の訴状を取り下げる羽目になりました。

 そして、2017年3月15日に、出直し裁判の第1回口頭弁論が開かれ、同5月10日に第2回口頭弁論が行われましたが、また裁判所からイチャモンがつけられてしまい、法定外の受任裁判の形で、同5月22日に第1回弁論準備、6月15日に第2回弁論準備、7月18日に第3回弁論準備、9月7日に第4回弁論準備、10月23日に第5回弁論準備、12月25日に第6回弁論準備、そして、2018年2月5日に第7回弁論準備が前橋地裁本館3階で開かれました。これまでの裁判の経緯は次のブログをご覧ください。
〇2017年6月11日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟6.15弁論準備に向け原告準備書面(2)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2341.html#readmore
〇2017年6月18日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…6月15日に第2回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2345.html#readmore
〇2017年7月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…前橋バイオマス補助金訴訟で7月7日に原告が差止⇒返還に訴えの変更申立
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2360.html#readmore
〇2017年7月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…7月18日に第3回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2373.html#readmore
〇2017年9月10日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…9月7日に第4回弁論準備として開かれた前橋バイオマス補助金訴訟
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2414.html#readmore
○2017年10月25日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…10.23補助金訴訟第5回弁準で判明した前橋バイオ燃料の訴訟参加!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2446.html#readmore
○2017年11月28日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…バイオマス補助金返還履行請求訴訟であらためて原告準備書面(4)を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2481.html
〇2017年12月2日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…10.23補助金訴訟第5回弁準の訴訟指揮で被告が乙4号証を提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2485.html#readmore
〇2017年12月29日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…クリスマス返上で開かれた前橋バイオマス補助金第6回弁論準備
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2543.html#readmore
〇2018年2月7日:東電の毒牙から赤城山と県土を守れ!…2月5日前橋バイオマス裁判ダブルヘッダーの補助金返還第7回弁論準備
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2560.html#readmore

 それでは、今回原告住民が提出した準備書面(6)を見てみましょう。

*****原告準備書面(6)*****
事件番号 平成28年(行ウ)第27号 補助金返還履行請求事件
原告  小 川  賢 外1名
被告  群馬県知事 大澤正明

                          平成30年4月13日
前橋地方裁判所民事1部合議係 御中

              原告準備書面(6)

                       原告  小 川   賢  ㊞
                       原告  羽 鳥 昌 行  ㊞

 被告は、平成30年2月5日に開かれた6回目の弁論準備における争点整理に関連して、それぞれの項目に関して次のとおり追加的に主張を陳述する。

第1 争点整理に関する被告訴訟代理人の意見を踏まえた平成30年2月15日付の一部修正した「争点」に関する原告の追加修正について

1-1 当初、2月5日の弁論準備における争点整理にかかる「争点」の内容はつぎのとおりであった。

争点
1 前橋バイオマス燃料㈱に対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料㈱に対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを間伐材に使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
   (ア) 本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
   (イ) 本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料㈱が,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料㈱に対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

1-2 続いて、被告代理人の意見を踏まえた2月15日付け「争点」の内容は次のとおりであった。

争点
1 前橋バイオマス燃料㈱に対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料㈱に対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを用いて製造された燃料を使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件発電事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
   (ア) 前橋木質バイオマス発電施設の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
   (イ) 前橋木質バイオマス発電施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料㈱が,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料㈱に対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

1-3 上記(2)の被告代理人の意見を踏まえた修正した「争点」の内容に対し、原告は次のとおり追加修正の必要性を主張したい。

争点
1 前橋バイオマス燃料㈱に対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え
(1) 渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料㈱に対し行った平成28年7月4日付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円 (本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。
ア 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された間伐材・製材端材などを用いて製造された燃料を使用する可能性があり,また,そうであるにもかかわらず放射性物質が付着した間伐材等の受入検査が不十分、また、放射性物質の拡散防止,土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で,本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。
イ 本件事業で製造された木質チップのみを使用する本件発電事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
  (ア) 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電設備の排ガス量の算定に当たって,含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か。
  (イ) 本件事業で製造された木質チップのみを使用する前橋木質バイオマス発電設備の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり,群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し,同条例に基づくアセスメントを要するか。
  ウ 前橋バイオマス燃料㈱が,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか。
(2) 被告が前橋バイオマス燃料㈱に対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。
2 前橋バイオマス燃料㈱に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え
(1) 本件補助金の交付決定に取消事由があるか。
   上記1(1)アないしウに同じ。
(2) 被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

  上記の追加修正の必要性の理由は次のとおりである。

(1)そもそも、本件事業にかかる燃料製造事業と発電事業は、同一事業であり、不可分であること。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

(2)本件事業(燃料製造事業)では木質チップの製造がおこなわれるが、そこで製造されたものは全量、本件発電事業に使用されること。本件発電事業に使用されるボイラーの構造上、木質チップ以外の使用は有り得ず、外部から木質チップを搬入する可能性もないこと。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

(3)本件事業(燃料製造事業)では木質チップの原料として、間伐材のほか、加工木材(製材端材)が使用されるほか、前橋バイオマス燃料㈱の定款には「廃材」が含まれており、したがって廃材が使用される可能性が排除されていないこと。このことについて相互の認識を一致させておく必要がある。

第2 前橋バイオマス燃料㈱に対する不当利得返還請求を怠る事実とする義務付けの訴え

(1)渋川森林事務所長が前橋バイオマス燃料(株)に対し行った平成28年7月4日4付け木質バイオマス燃料製造施設等整備事業(本件事業)のための補助金4億8000万円(本件補助金)の交付が法律上の原因を欠くか。

 このことに関し原告は、本件事業について、そもそも補助金の目的である東日本大震災の復興に寄与する事業なのか、はなはだ疑問に感じている。
 また、補助金の対象設備等に関しては、その調達に際して一般競争入札が原則にもかかわらず、本件事業においては、すべて随意契約となっている。このことは、補助金支出の根拠となる価格決定の妥当性が担保されておらず、地方自治法2条14項に定める「地方公共団体は、その事務を処理するに当たって住民の福祉の増進に努めるとともに、最小の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」、および地方財政法4条1項に定める「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最小の限度をこえて、これを支出してはならない」に違反する。

ア 前橋木質バイオマス発電事業(本件発電事業)は放射能汚染された廃材などを間伐材に使用する可能性があり、また、そうであるにもかかわらず放射性物質の拡散防止、土壌及び地下水の汚染防止のための対策等が不十分である点で、本件事業が補助対象事業としての適格性を欠くか。

 このことについて被告は、発電事業者が環境アセスメントを行わなくても良いように慮り、さらには、同事業者が作成したいい加減な環境配慮計画を「良し」として評価するしまつだが、実際には誰が見ても全く環境に配慮されていない、いい加減なシロモノであることは一目瞭然である。(甲67号証)


イ 本件事業が群馬県環境影響評価条例所定の環境アセスメントを実施していない違法があるか。
(ア)本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量の算定に当たって、含水率(乾量基準含水率)を20%と計算できるものとする旨の平成27年3月31日付け運用の定めが有効か

 この、運用の定めが無効である理由については、次の事項が指摘される。
① 原告小川が平成28年5月に公文書の開示請求をした際は、「該当する文書は無い」とされ、したがって、この時点では平成27年3月31日時点で決裁された運用文書は不存在だったということで原告小川は認識していた。にもかかわらず被告は、「原告小川が情報開示請求した文書は不存在としていたが、原告羽鳥が後日、別途情報開示請求した文書は、20%の水分量について特定して請求されたから存在していた」などと主張するのは、あとから公文書をでっちあげて作成したことが強く疑われる。被告は、なぜか、この矛盾を全く論理的に説明しようとしていない。また、原告の示した電子データのでっち上げの事実に関する一連の指摘に対しても、具体的な反論をしようとしない。
したがって、条例不適用を担保する公文書が無いにもかかわらず、環境アセスメントの実施を発電事業者に免除するという暴挙にでたことは、住民の目から見ても明らかなのである。
② 公印、実施日等が記入されていないものは、公文書としては認められないはずだ。
③ 別表1に運用が明記されていないので、制定されたとはいえないはずだ。(甲68号証)
④ 本件裁判でその「存在」が明らかになるまで、運用文書が公表されないまま保管されてきており、このことからみても明らかに前橋バイオマス発電だけの優遇処置である。
⑤ 発電事業者の排ガスに関わる20%の計算方法が明確になっていないのに、被告は条例免除の根拠とした当該方法を用いた事業者による排ガス量に係る計算式を確認さえすることなく、環境アセスメントの不実施を指示した。(甲69号証)
争点の根幹の一つである本当の排ガス量や計算式を、被告や発電事業者が公表しない限り、この疑惑に関する議論は噛み合わず、裁判所から一日も早く被告や同事業者らに対してデータを提出させるよう、特段の決断をお願いしたい。
⑥ 被告がしきりに繰り返し主唱する「20%」の根拠がどこにも見当たらず、全国でもそういう事例は1件もない。つまり、被告が運用を決めたことは、異例中の異例とも言うべき決断であり、再生エネルギーの推進には全く寄与しない。
それどころか被告は、再生エネルギー推進の大義のもとに、東京電力福島第一原発のメルトダウンおよび水素爆発によって撒き散らされた原子雲由来の放射能で汚染された群馬県内の森林の木材の尻拭いを、公金である補助金で賄おうとしている。すなわちこれは、前橋バイオマス発電や燃料会社だけの利益を慮るために行った暴挙と言えるのである。
なお、この件に関して原告らは、専門家に排ガス量の試算を依頼した。その結果、群馬県環境影響評価条例に定める排ガス量限度である毎時4万ノルマル㎥をはるかに超える生物燃焼ガスを排出することになる、とする計算結果を得ている。また、水分量を20%として計算しても排ガス量が4万ノルマル㎥を下回ることなと、あり得ないという見解も得ている。(甲70号証)。

(イ)本件バイオマス燃料製造施設の排ガス量が毎時4万ノルマル㎥以上に当たり、群馬県環境影響評価条例が定める第一種事業に該当し、同条例に基づくアセスメントを要するか

 ここで問われているアセスメントの必要性については、次の事項が指摘される。
① アセスメントは条例で明確に義務づけられており、吾妻木質バイオマス発電の場合は、群馬県環境影響評価条例を根拠に、環境アセスメントを実施している。(甲71号証)
② 20%を適応したとしても、4万ノルマル㎥以上であり、アセスメントの実施は逃れられない。
③ 環境影響評価法において、条例でアセスメント実施の義務化が認められている。

ウ 前橋バイオマス燃料(株)が,バイオマス燃料の乾燥方式として一般的でなく,実績もない大型プレス機による脱水方式を採用し,意図的に過剰な事業費を見積もり,過大な補助金を不正に取得したか
 
  この事業者による補助金の不正取得については、証拠のかずかずが存在する。
① 一般競争入札を実施せず、指名見積もりであり、公正に価格が見積もられたとはいえない。
② プレス機は、1社のみの指名見積もりで、価格の妥当性が担保されておらず、価格そのものは相場の数倍にもなっており、売買契約書も「乙」が前橋バイオマス燃料、「丙」がトーセンになっており、いずれも社長は東泉清寿氏が就いている。これは利益相反に当たり民法108条の法行為である。(甲72号証)
③ 当時の前橋バイオマス(現前橋バイオマス燃料)の法人登記は平成26年10月28日であるにも関わらず、登記前の平成26年10月2日に事業者名を使い、協定書にサインし、押印している。これは資格を伴わない違法行為であり無効である。また、その協定は、「甲」がトーセン、「乙」が前橋バイオマスであるが、いずれも社長は東泉清寿氏が就いている。これは利益相反であり民法108条に定める違法行為である。(甲73号証)

エ 本件事業は、そもそも補助金の目的である東日本大震災の復興に寄与する事業なのか

 本件事業は、東日本大震災による東電福島第一原発事故由来の放射能に汚染された群馬県内外の間伐材や廃材等を木質燃料として脱水、焼却することで、二次汚染のリスク拡散の原因となるため、補助金の目的に違背している。

オ 本件事業の場合、補助金の対象設備等に関しては、一般競争入札が原則であるところすべて随意契約にしたことが違法か

 本件事業の対象設備等のうち脱水プレス機について、事業者であるトーセンは、自ら開発に携わったとして利益相反の形で購入契約を締結している。さらにその価格は、容量2000トンのプレス機としては消費税抜きで3億5000万円という、常軌を逸した額となっている。そもそもこの契約自体、違法行為であり、しかも随意契約であることから、自由に価格を設定できる環境にある。したがい、補助金交付の条例に照らしても明らかに違法である。(甲74号証)

(2)被告が前橋バイオマス燃料(株)に対して不当利得返還請求権を行使しないことが違法か。

 被告が、上記の違法を黙認してなんの対応も取ろうとしないこと自体、刑事訴訟法に定めた告発義務違法である。

第3 前橋バイオマス燃料に対する不当利得返還請求を怠る事実とする違法確認の訴え

(1)本件補助金の交付決定に取消事由があるか。

 上記「第2」の(1)アないしウに同じ。

(2)被告が本件補助金の交付決定を取り消さないことが違法か。

 上記「第2」の(2)に同じ。
                             以上

=====証拠説明書(甲67~74)=====
事件番号 平成28年(行ウ)第27号住民訴訟によるバイオマス補助金支払取消請求事件
原告  小 川  賢 他1名
被告  群馬県知事 大澤正明

                         平成30年4月14日
前橋地方裁判所 御中

          証 拠 説 明 書 (甲67~甲74)

                      原告  小 川   賢  ㊞
                      原告  羽 鳥 昌 行  ㊞

●号証:甲67
PDF ⇒ b67zvr.pdf
○標目:放射能濃度等測定方法ガイドライン、前橋バイオマス発電に関る環境配慮計画
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成25年3月、第2版 平成28年5月18日
○作成者:環境省
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料及び発電事業者の環境配慮計画であるが、環境省が作成したガイドラインに照らして比較すると、間伐材やチップの放射能の受け入れ検査、排ガス検査、排水および公共の水域水検査、周縁地下水検査等についてまったく順守されていないことがわかる。
したがって、周辺住民や作業員の命、そして自然環境の維持は、担保されていないのである。
●号証:甲68
PDF ⇒ p.pdf
○標目:群馬県環境影響評価条例施行規則別表第1
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成11年5月31日
○作成者:群馬県
○立証趣旨:群馬県環境影響評価条例における環境アセスメントの対象事業を規定した別表1がこれである。
被告は、「事業者の工場の排ガス量について木質バイオマス燃料の場合は、排ガス量の算定値が減算できるよう、この別表1の運用を変更した」としているが、いまだにこの別表は改変されておらず、被告が平成27年3月31日に決裁したとする運用文書には、有効性がない。
●号証:甲69
PDF ⇒
○標目:ご質問へのご回答について
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成27年8月11日
○作成者:関電工
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料及び発電所から100メートルほど離れた場所にある赤城ビュータウンの住民が環境等への対策について関電工に問い合わせしたところ、関電工より平成27年8月11日に文書で回答を得た文書がこれである。
これによると、関電工ら事業者が、「被告から、環境アセスメントの実施の対象外であるとの見解を得た」と認識しているなによりの証拠である。
●号証:甲70
PDF ⇒ b70vzudpfv9.2ton.pdf
○標目:木屑専焼計算書、メール
○原本・写しの別:写し
○作成日:平成28年7月5日
○作成者:上新久雄氏
○立証趣旨:原告羽鳥が、焼却炉技術コンサルタントの上新久雄氏に前橋バイオマス発電の排ガス量を試算してもらった計算書である。
これによると、水分量15%を前提に計算すると排ガス量は75,646N立方メートル/Hであり、群馬県環境影響評価条例で定めた40,000N立方メートル/Hに比べ、2倍近い排ガス量を排出することが計算結果からわかる。
被告や前橋バイオマス発電が実際の排ガス量や計算式を示し、その計算過程と算出根拠を明確にして、条例の運用をきちんと説明しない限り、県民の命や健全な生活環境はないがしろにされ続けることになる。
さらに、上新氏とのメールのやり取りでも、乾きガス量は68,894N立方メートル/Hであることから、被告が定めた独自の運用をどのように事業者の都合に合わせて解釈し、援用したところで、排ガス量は被告や事業者の“期待”通りに減少しないことは明白である。
●号証:甲71
JPEG ⇒ b71ocixazxg.jpg
○標目:環境影響評価に係る手続情報
○原本・写しの別:写し
○作成現月日:不明
○作成者:群馬県
○立証趣旨:被告群馬県のホームページに掲載されている環境アセスメントを実施した事業の一例である。
吾妻木質バイオマス発電事業は、このように群馬県環境影響評価条例の第一種事業に該当することを事業実施の根拠に据えて環境アセスメントを実施して「おり、これまで終始被告が、環境アセスメントの実施の有無は事業者が自ら判断する」と主張していることと、逆行していることになる。
被告にはこの「二重基準」とも言える“矛盾”についてしっかりと県民や産業界に説明する義務がある。
●号証:甲72
PDF ⇒ b72bvvx_.pdf
○標目:売買契約書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成28年7月5日
○作成者:前橋バイオマス燃料、川重商事、トーセン
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料が補助金を使い購入した脱水プレス機の売買契約書である。
買主は前橋バイオマス燃料の東泉社長、連帯保証人は、トーセンの東泉社長であり同一人物である。
また、売主は川重商事であるが、このプレス機は、トーセン、川崎油工が共同開発したとして、川重商事が販売者となっている。
これは、なんの変哲もないプレス機の価格を水増しして高く見せるための悪質な工作であり、自ら「独自性」をでっち上げて、機能的にはなんのメリットもない製品を、自分でかってに「付加価値」があるように見せかけて、法外な価格で自由に販売していることに他ならない。
こうして単なるプレス機への補助金が無謀に釣り上げられているにもかかわらず、被告はその事実を検証しようとしない。
さらに、売買契約書13条には、第三者への製造販売の禁止について、販売担当の川重商事に対し、前橋バイオマス燃料とトーセンがプレス機の製造、販売、譲渡を行わないことを約束させている。これは、独占禁止法に抵触するものであり、こうした違法な売買契約書そのものが無効である。
●号証:甲73
PDF ⇒ b73ocixr.pdf
○標目:木質バイオマス燃料安定供給協定書
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:平成26年10月2日
○作成者:前橋バイオマス燃料、トーセン
○立証趣旨:前橋バイオマス燃料とトーセンとで行われた木質バイオマス燃料安定供給協定書である。
この協定は平成26年10月2日に行われているが、前橋バイオマス燃料の前身である前橋バイオマスが登記されたのは、平成26年10月27日であり、無効な協定書である。
また、この協定書によると、8万トンはすべてトーセンがチップにして供給することになっているため、前橋バイオマス燃料が補助金により購入したチップ製造機は、そもそも不要であることがわかる。事実チップ製造機がチップ工場で稼働している姿を見かけたことが、騒音テスト実施期間中以外、ほとんどない。
これは明白な補助金の搾取である。
●号証:甲74
PDF ⇒ b74hvxeevxebvx.pdf
○標目:ホームページ:燃料用木質チップ圧縮脱水装置
○原本・写しの別:写し
○作成年月日:不明
○作成者:川崎油工
○立証趣旨:川崎油工のホームページに掲載された、トーセンと共同開発した脱水プレス機である。
これによると、トーセンと川崎油工が共同開発したことが明記されており、「共同開発費がかかったのだから」と法外な水増し価格を示唆させて、いわばマネーロンダリングとも言える価格の吊り上げを行った製品に対して、補助金の申請者でもあるトーセンが、その立場を利用して、水増しした製品価格分の補助金を詐取している構図がうかがえる。
                         以上
**********

■関電工とトーセンらによる亡国事業は、既に実質的に稼働されてしまっていますが、本来きちんと法律や条例にのっとり手続きが行われなければならないところ、今、国レベルで政治や行政の信頼を揺るがしている森友、加計問題と同様、県や市町村レベルでも同じように政治や行政の劣化による特定企業への忖度が行われて、役所への信頼が問われている事態が浮き彫りになっています。

 来る4月25日は新年度の最初の弁論準備となります。年度が替わり、裁判所の構成が変わるものとみられるため、これまで弁論準備を進めてきた受命裁判官の佐藤裁判官から浅田裁判官にバトンタッチされることは前回の弁論準備で分かっていますが、裁判長についても塩田直哉裁判長から別の人物に替わる可能性があります。

 新たに構成された判事の皆さんによって、森友・加計問題の群馬県版とも言える群馬県によるこの東電グループ企業への忖度・亡国事業がどのように審理され、判断されてゆくのか皆様とともに注目してまいりたいと思います。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求で調査期日が5月7日に開催予定

2018-04-12 23:19:00 | 高崎市の行政問題
■昨年2017年9月6日、当会に寄せられた情報に基づき調査した結果、「高崎市斎場(高崎市寺尾町1084番地57)の指定管理者に選定されている株式会社プリエッセのホームページに当初、同社取締役として長井友之弁護士の名前が掲載されており、その後、9月13日に突然、取締役から相談役に書き換えられたことが確認されました。このため、高崎市の公平委員が同市の指定管理者の法人の要職についていることは同市や弁護士会のコンプライアンスに照らして問題があるのではないかという市民の声を踏まえて、当会では念のため、事実関係を確認する必要があると考え、同弁護士が所属する群馬弁護士会に懲戒請求書を9月27日に提出しています。このほど、11月15日付で当会事務局に群馬弁護士会綱紀委員会から乙第1号証が送られてきたため、11月27日に反論書を提出したところ、4カ月半ぶりに2018年4月9日、同委員会から調査期日通知書が当会事務局に届きました。

「県民に身近な、そして開かれた弁護士会を目指す」と抱負を語る佐々木会長。
出典:群馬テレビ・群テレ【リーダーズeye】群馬弁護士会・佐々木弘道会長に聞く(18/4/2)
URL ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=RXmzv3tTQbw


 この懲戒請求に係るこれまでの経緯は次のブログをご覧ください。
○2017年9月29日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士を群馬弁護士会に懲戒請求
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2424.html#readmore
○2017年10月26日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役を兼務する弁護士が群馬弁護士会に懲戒請求弁明書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2450.html#readmore
○2017年11月9日:高崎市公平委員会委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士の弁明書への反論を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2457.html#readmore
〇2017年11月18日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセが陳述書を群馬弁護士会に提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2468.html
〇2017年11月27日:高崎市公平委員長で同市斎場指定管理者相談役の弁護士懲戒請求でプリエッセ陳述書への反論書提出
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2480.html

 弁護士会から送られてきた調査期日通知書は次の通りです。

*****調査期日通知書*****PDF ⇒ 20180406qnmm57ijo10.pdf
                        平成30年4月6日
懲戒請求者 市民オンブズマン群馬
 代表 小 川   賢 殿

                群馬弁護士会
                 会長 佐々木 弘 道

        調 査 期 日 通 知 書

     群馬弁護士会平成29年(綱)第41号
       懲戒請求者 市民オンブズマン群馬
       対象弁護士 長 友 友 之

 上記長期請求事案に関して,貴殿からお話をうかがいたく,下記のとおり調査期日を開きますので,ご出席下さるようご通知します。
 なお,都合によりご出席できない場合は,その旨及び理由を付した文書をご提出してください。
               記
  1 期 日  平成30年5月7日(月)午前10時
  2 場 所  群馬弁護士会館
         前橋市大手町3-6-6

 ※ 上記期日に出席できる場合は,お手数ですが同封の「期日請書」に署名・押印のうえ,4月13日(金)までに,返送又はファクシミリでご返信ください。

          電話 027-233-4804
          FAX 027-234-7426(担当 猪浦)

=====期日請書=====
         期 日 請 書
事案番号 群馬弁護士会平成29年(綱)第41号

 表題の事案について,下記の期日に出席いたします。

    平成   年   月   日

          懲戒請求者            印

             記
  1 期 日  平成30年5月7日(月)午前10時
  2 場 所  群馬弁護士会館
         前橋市大手町3-6-6

群馬弁護士会
 会長 佐々木 弘 道 殿

押印のうえ,返送又はファクシミリ返信してください。
   FAX 027-234-7425
         電話 027-233-4804(担当 猪浦)
**********

■開催期日は5月連休明けですが、当会が懲戒請求を行ってから実に7カ月以上経過して、当会の考え方を示す機会を与えてもらえることになりました。

 調査期日の模様はおってご報告します。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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【読者投稿】大同有害スラグを斬る!…渋川市役所周辺はスラグだらけだった。

2018-04-08 22:20:00 | スラグ不法投棄問題
■当会は、東吾妻町萩生地区の圃場整備事業で、農道に大同の生スラグが敷砂利として投棄されていた現場を確認し、「臭いものに蓋をしないでほしい」と農道舗装工事施工主体である吾妻農業所長に電話で懇願したにもかかわらず、その直後、有害スラグを撤去せずに舗装工事が行われたため、住民訴訟を提起しました。しかし2018年3月16日に前橋地裁で開かれた判決言渡弁論において、裁判長の「主文 原告らの請求を棄却する。訴訟費用は原告らの負担とする」という発生が法廷に響き渡りました。
 皆様!畑のすぐそばに土壌環境基準を超過した有害スラグが投棄されたままでよいのでしょうか?判決言渡しより、3週間程たちましたが、読者の方々より、励ましのお言葉が当会事務局宛に数多く寄せられています。そのお便りの中に渋川市の惨状を嘆く情報提供がありましたので、お伝えいたします。

まずは、ここに写っているのは渋川市役所とのことだそうです。

 ちなみに、場所はこちらだそうです。↓↓


 衛星写真も見ていきましょう。↓↓


 それでは読者からの情報提供の内容を見てみましょう。

*****読者からの提供情報と当会コメント*****


市役所のすぐ北側の市道に小石がばら撒かれています。情報を投稿してくださった読者によると、この場所のすぐ右下は中学校、奥は市民体育館、その北側は小学校となっており、小学生や中学生などが頻繁に通行する場所である、との情報です。


この市道の歩道部分は、小石で完全に塞がれ、車道にまで小石が広がっている状況だという情報ですが、ご覧のとおり全くそのとおりです。お偉いお役人様や、一部上場企業の関係者様は車で通行するので、あまり気にならないかもしれませんが、歩行者や自転車で通行する市民のみなさまは、かなり意識してこの小石の上を通行するはずです。


このように、大量の小石が市道に敷設されています。


歩道の一部は側溝になっていて、側溝の周りも小石が多数見られます。側溝を設置する時の建設資材が市道に溢れているということなのでしょうか?


提供情報には、小石をズームアップした写真も入っていました。これがそうです。あれあれ?サビが浮いていませんか?


この写真も同様です。うわ~~っ、サビサビ!黒光り・角張などの特徴とともにこれまで「サビが浮いている小石」と言ったら、大同特殊鋼由来の有害スラグのことではないですか!えっ!?しかも、ここは学校がたくさんあり、子どもたちがたくさん歩き回る場所なんですよ。しかも歩道にスラグが大量に敷設されているとは・・・。お役所のお歴々の方々の皆さん!いったい子どもたちの健康を何だと思っているのでしょうか?!
 そして、大同特殊鋼やその手先となって有害スラグを投棄しまくった佐藤建設工業に告ぐ!!少しでも人間の良心が残っているなら、日本の将来を担う子どもたちの体を守るため、今すぐ自主的に撤去しなさい!

*****以上*****

■驚きの読者仰天情報をお読みいただけましたでしょうか?

 スラグ投棄現場の近くは、小学校・中学校・高校と、学校が集まり、たくさんの児童・生徒・学生が行き交う場所となっているそうです。

 しかも市役所がすぐ近くあり、「渋川市のお役人様も頻繁に車で通る場所である」との情報が添えられていました。

 学校や市役所の近くの市道に有害スラグが投棄され、そのまま何年も放置されている市町村などあるのでしょうか?前代未聞とはまさにこのことを言い表すのでしょう。

■この歩道を通る子どもたちは、今日も有害スラグの上を、砂ホコリをたてながら、歩いているのです。

 子どもたちに罪はありません。ただ歩いているだけで、なぜ毎日有害スラグの砂ホコリを吸わされなければならないのでしょうか?

 これまで当会が有害スラグの撤去を申し入れると、近くに井戸が無く水質汚染された場所は無いとか、直ちに健康被害は生じないだの、行政関係のみなさんは、御託を並べるだけで、まったく取り合おうとしませんでした。

 しかし、有害スラグの砂ホコリは、確実に子どもたちの口から体内に取り込まれているのです。

■市役所の近くに有害スラグが堂々と敷設されていることを、なんとも思わない渋川市の「ゆでガエル」行政の無頓着さがここに集約されているような気がしてなりません。

 渋川市は大同特殊鋼に支配され、子どもたちの健康をも犠牲にする、骨の髄までスラグの毒で侵されているとしか思えません。

 渋川市民でなくても、思わず叫びたくなりますね。

 ここが変だよ、渋川市!

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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