市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

自らの内部情報は非開示にするのに市民の個人情報はずさん扱いの行政の典型・・・前橋市で相次ぐ不祥事

2018-04-05 23:00:00 | 前橋市の行政問題
■役所では我々住民・納税者の個人情報をすべて管理しています。さらに住基ネットワークなどで、さらに広範囲の個人情報を届けさせられています。一方、住民・納税者側として役所の事務事業にかかる判断の過程などについて知りたいと思う場合に、情報公開条例や個人情報保護条例をつかった開示請求をすると、やたらと黒塗りにされたものが開示されてきます。こうした片務的な状況を普段からヘンに思う人たちは我々だけではないはずです。
 このような最中、前橋市教育委員会のサーバーに不正アクセスがあり、前橋市立の小中学校や特別支援学校に2017年11月時点で在籍していたすべての子どもたちの情報が、国内外に流出したという報道がありました。



この問題は2018年3月28日に一度報じられましたが、その時は情報流出はないと発表されていました。
※群馬テレビ:YouTube ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=SYaGJTh02eE
※Japan News:PDF ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=EpFBmfF1jxY

**********産経ニュース2018年4月4日17:20
児童・生徒情報4万5千件流出か 前橋市教委サーバーに不正アクセス 
 前橋市教育委員会は4日、教職員向けの非公開のサーバーが不正アクセスを受け、市立学校の児童や生徒らの個人情報が最大で約4万5千件流出した可能性が高いと発表した。悪用された形跡はないというが、市教委は不正アクセス状況の分析を進めている。
 個人情報は、小中学校と特別支援学校の児童・生徒氏名、住所などが約2万5千件、給食費を徴収するための金融機関口座情報が最大約2万件。
 サーバーを管理していた市職員が3月16日、不正アクセスの形跡に気付いた。
 調査を進めたところ、サーバーが最新の状態にアップデートされておらず、外部からのサイバー攻撃を防ぐファイアウオール(安全隔壁)の設定に不備があり、個人情報が流出した可能性が高いことが判明した。

**********日経2018年4月4日 18:09
個人情報4万5千件流出か 前橋市教委、児童名など
 前橋市教育委員会は4日、市教委の教育資料検索用ウェブページのサーバーに不正アクセスがあり、市立学校の児童や生徒らの個人情報が最大で4万5657件流出した恐れがあると明らかにした。銀行口座情報も含まれていたが、現時点で悪用された形跡はないとしている。
 個人情報は、昨年11月時点で小中学校と特別支援学校に在籍していた児童・生徒の名前や住所などが2万5725件。昨年2~7月の給食費を徴収した金融機関口座情報が最大1万9932件。
 サーバーの管理作業をしていた市職員が3月16日に不正アクセスの形跡に気付いた。調査を進め同30日、一緒に管理する非公開のサーバーに保存されていた個人情報が外部に持ち出された可能性が高いことが分かった。
 市教委は原因について(1)ウェブページのサーバーシステムが最新レベルに更新されておらず安全面がもろかった(2)本来は不可能なはずの非公開サーバーへの外部アクセスが誤って許可された状態になっていた――点などを挙げた。
 米国や中国など海外のIPアドレスからの不正アクセスを確認した。警察と連携して分析を続け、被害範囲の特定を進める方針だ。
 塩崎政江教育長は4日、市役所で記者会見し「ご迷惑をかけ申し訳ない」と陳謝した。〔共同〕

**********テレ朝news 2018年4月4日 18時40分
YouTube ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=2txTP1QEUx0
小中学生の個人情報が流出か 市教委に不正アクセス
 小中学生の名前や住所など、延べ4万5000人の個人情報が流出した可能性があります。

前橋市教育委員会・塩崎政江教育長:「誠に申し訳ございませんでした」
 前橋市教育委員会によりますと、先月16日、教育委員会のサーバーが不正アクセスを受けたことが分かりました。その後の調査で、小中学生の名前や住所など約2万5000人の個人情報が流出した恐れがあるということです。また、約2万人分の給食費を徴収するための口座番号なども流出した可能性があります。市教委は謝罪し、再発防止に努めるとしています。

**********時事ドットコムニュース2018年4月4日18:51
小中学生ら個人情報流出か=2万5000人分-前橋市教委
 前橋市教育委員会は4日、市内の教育機関を結ぶネットワークのサーバーに不正アクセスがあり、市立の小中学校生ら計2万5725人分の個人情報が外部に流出した可能性が高いと発表した。これまでに悪用された報告はないという。
 流出したとみられるのは、昨年11月時点で市立の小中、特別支援学校に在籍していた児童生徒全員の氏名や住所、既往症など。給食費を徴収するための口座情報も最大で約2万件持ち出された可能性がある。
 市教委によると、3月6日に成績や健康診断結果などが保存されている校務用サーバーに侵入された。ファイアウオールが機能していない状態だったという。

**********毎日新聞2018年4月4日 18時59分(最終更新 4月4日 18時59分)
前橋市教委 不正アクセス 2万人超の個人情報流出
★口座情報の最大1万9932件も
 前橋市教育委員会は4日、インターネット上の管理システム「市教委ネットワーク」に外部から不正アクセスがあり、市立の小中学校などに在籍する全ての児童・生徒2万5725人の個人情報と、給食費徴収用の口座情報の最大1万9932件が外部に流出した可能性があると発表した。群馬県警は不正アクセス事件として捜査している。
 市教委によると、流出したのは、児童・生徒の氏名▽生年月日▽住所▽保護者名▽アレルギー▽既往歴▽口座番号▽預金者名--など。3月16日に職員が不正アクセスに気づき、業者に調査を委託した結果、登録した教職員しかアクセスできないサーバーから個人情報などが流出した形跡が確認された。
 不正アクセスには海外の複数のIPアドレスが利用されていた。【鈴木敦子】

**********NHK News Web 2018年4月4日 20時13分
YouTubePDF ⇒ https://www.youtube.com/watch?v=2ANfCiHF8Q8
すべての子どもの個人情報流出か 前橋市立の小中学校など

 前橋市教育委員会は、学校のデータなどを管理するシステムで不正なアクセスが見つかり、去年11月の時点で前橋市立の小中学校や特別支援学校に在籍していたすべての子どもの電話番号などの個人情報が流出した可能性があると、4日、発表しました。
 前橋市教育委員会では、先月16日、学校のデータなどを管理するシステムのうち、一部のサーバーで不正なアクセスが見つかりました。
 その後の調査結果を4日、発表したもので、それによりますと、前橋市立の小中学校や特別支援学校に去年11月時点で在籍していたすべての子どもたち、2万5700人余りの生年月日や電話番号などの個人情報が流出した可能性があるということです。
 また、去年2月から7月の間に給食費を納めた子どもと教職員の口座の情報など、およそ2万件の個人情報も流出した可能性があるということです。
 前橋市教育委員会の塩崎政江教育長は、4日の記者会見で、「個人情報の流出は痛恨の極みで誠に申し訳ありません」と陳謝しました。
 これまでに被害の連絡は入っていないということですが、市教育委員会は保護者に状況を説明するほか、専門の業者とともに原因を調べ、再発防止策を検討することにしています。

**********朝日新聞デジタル2018年4月4日20時57分
前橋で小中学生らの情報4.5万件流出か 給食費口座も
 前橋市教育委員会は4日、市内の小中学生ら2万5725人の個人情報と、給食費の口座情報1万9932件が流出した可能性があると発表した。市教委と市内約70の小中学校などを結んだネットワークに不正アクセスがあり、サーバーから情報が盗み取られていたという。
 市教委によると、個人情報は昨年11月時点の市立小中学校などのすべての児童・生徒のもので、保護者の氏名、電話番号、アレルギー、既往症などの項目があった。給食費の情報には口座番号などが含まれていた。インターネット上への情報の流出や不審な電話などの被害は確認されていないという。市教委は不正アクセスを3月16日に確認していたが、28日に個人情報の流出はないと発表していた。30日になって個人情報の不正な持ち出しが確認されたという。

**********毎日新聞2018年4月5日 地方版
前橋市教委 個人情報流出 コールセンター開設 /群馬
 前橋市教育委員会のインターネットシステムが不正アクセスされ大量の個人情報流出が発生した可能性を受け、市教委は4日、保護者からの問い合わせなどに対応するコールセンター(027・898・6321)を開設した。土日も含む午前9時~午後5時、市教委職員が担当する。保護者ら関係者に向けて、謝罪文と個人情報悪用に対する注意喚起の文書を発送する。
 市教委は今後、ネットワークの専門家らを交えた第三者委員会を設置し、原因究明や再発防止策などを議論するという。
 流出したとみられる個人情報は、2017年11月時点で前橋市立の小中学校、特別支援学校に在籍していた全ての児童・生徒(計2万5725人)の氏名や生年月日などと、17年2~7月に給食を食べた児童・生徒、幼稚園児、教職員(計1万9932件)の給食費徴収用の口座情報。
 4日、記者会見した塩崎政江教育長は「子どもたちや保護者に大変なご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と頭を下げた。【鈴木敦子】

**********朝日新聞デジタル2018年4月5日03時00分
群馬)約5万件の個人情報流出の可能性に波紋
 前橋市内の小中学生ら2万5725人の個人情報と給食費の口座情報1万9932件が、市教育委員会のデータネットワークから流出していた可能性があることが4日に公表され、波紋が広がっている。「不正アクセスによる情報流出では県内で聞いたことがない規模」(県情報政策課)で、同様の情報につながる「ぐんまスクールネット」を管理する県総合教育センターは同日、県立学校へ注意を呼びかけた。
 データの持ち出しが確認されたのは、市教委と市内約70の市立小中学校、市立幼稚園などを結んだネットワーク。教育情報を公開するホームページ用のサーバーに不正アクセスがあり、そこから内部ネットワークに侵入されたという。公開用サーバーのセキュリティーは2014年度までしか更新されていなかった。
 個人情報は17年11月時点の在籍者で、氏名、生年月日、住所、電話番号やアレルギー、既往症などの項目があった。給食費の情報は17年2~7月に給食を利用していた園児、児童、生徒、教職員のもので、口座番号、預金者名、振替結果などが含まれていた。
 ログイン前の続き3月16日に不正アクセスが確認され、同28日には個人情報の流出はないとの調査結果を発表していた。しかし30日になって、個人情報の不正な持ち出しが確認されたという。調査を進めた上で、4日に改めて記者会見を開いた。
 市教委によれば、これまでのところインターネット上への情報の流出や不審な電話などの被害は確認されていないという。
 14年に発覚した通信教育大手ベネッセコーポレーション(岡山市)の顧客情報流出事件などでは、損害賠償を求める裁判も起きている。市教委では「補償については弁護士と相談しながら検討していく」としている。
 市教委は4日に教育ネットワーク対応室(027・898・6321)を設置し、土日も含め午前9時から午後5時まで問い合わせに対応する。
 塩崎政江・市教育長は「痛恨の極み。最大の被害者である子どもたちと保護者のみなさまにご迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます」と話した。ネットワークの構築などを担当したNTT東日本群馬支店は「深刻に受け止めています。一刻も早い原因究明に向け、調査協力依頼に対し、全力で取り組んでいます」とするコメントを発表した。
 文部科学省は昨夏、学校現場からの情報流出を防ぐための指針案を公表し、教育委員会や学校に対策を求めている。県総合教育センターは5日にも県立学校に対し、個人情報保護の強化を呼びかける予定だ。(加藤修)

**********読売新聞2018年4月5日9時58分
前橋市立の小中学校、全児童の個人情報が流出
 前橋市教育委員会は4日、市立の全小中学校、特別支援学校に在籍する全ての児童生徒2万5725人分の氏名や住所、電話番号などの個人情報が流出したとみられると発表した。
 サーバーに不正アクセスがあったためで、幼稚園と小中学校の教職員や児童らから給食費を徴収するための口座情報も最大1万9932件分流出した疑いがある。4日時点で悪用されたとの情報はないという。
 市教委によると3月16日、各学校のホームページアドレスなどが掲載された「公開用サーバー」に不正なアクセスがあったことに気が付いた。調査を進めた結果、児童や生徒の個人情報が持ち出された痕跡が見つかった。公開用サーバーを経由し、個人情報を保存している「校務用サーバー」への通信が可能になっていたという。
 流出した情報には、保護者の氏名や児童らのアレルギー、既往症なども含まれる。

**********リセマム(ReseMom)2018年4月5日Thu 10:52
前橋市教委、2万5,725件の個人情報流出…既往症や口座情報も


前橋市教委からのお知らせとお詫び

個人情報等の件数と内容
 群馬県前橋市教育委員会は平成30年4月4日、市立小・中・特別支援学校の児童生徒2万5,725件の個人情報が不正に持ち出されていた可能性が高いことを発表した。個人情報はアレルギーや既往症、口座情報なども含まれる。
 前橋市教育委員会が調査を委託したセキュリティ業者から、個人情報が不正に持ち出されていた可能性が高いという報告が平成30年3月30日にあった。
 平成29年11月の時点で前橋市立小・中・特別支援学校に在籍していたすべての児童生徒の個人情報が不正に持ち出された可能性があり、件数は2万5,725件にのぼる。個人情報は、学年や組、出席番号、氏名、性別、生年月日、国籍、住所、電話番号、保護者氏名、アレルギー、既往症などが含まれる。
 また、平成29年2月から平成29年7月の間、前橋市公立学校(園)で給食を喫食していた園児や児童生徒、教職員の給食費を徴収するための口座情報も不正に持ち出された可能性があり、件数は最大で1万9,932件にのぼる。口座情報には銀行名や支店名、口座番号、名義人氏名などが含まれる。
 現在、前橋市教育情報ネットワークはインターネットへの接続を完全に遮断している。窃取したとみられるファイルがインターネット上に公開されていないか監視を行っており、4月4日正午時点でファイルの公開は確認されていない。これまでのところ、教育委員会へ個人情報の流出に関わる通報はないという。
 想定される被害として、漏洩した個人情報によって意図しないダイレクトメールや不審な電話を受ける可能性がある。なお、前橋市教育委員会は窃取された口座情報で、現金が勝手に引き出される可能性はないとしている。
 前橋市教育委員会は、今回の個人情報流出に関する問い合わせ電話窓口を設けており、教育ネットワーク対応室(コールセンター)027-898-6321で午前9時から午後5時まで受け付けている。《工藤めぐみ》

**********IT Media News 2018年04月05日 12時24分 公開
前橋市立小中学校、全児童生徒の個人情報流出 不正アクセスで
 群馬県の前橋市教育委員会は4月4日、教育情報ネットワークが不正アクセスを受け、2017年11月時点で市立小・中・特別支援学校に在籍していた全児童生徒の氏名や住所などの個人情報や、給食費徴収のための口座情報が不正に持ち出されていた可能性が高いと発表した。
 持ち出された可能性があるのは、2017年11月時点で市立小・中・特別支援学校に在籍していた全児童生徒2万5725人の氏名や性別、住所、電話番号、保護者氏名、アレルギー、既往症などと、17年2月~7月に前橋市公立学校・園で給食を食べた園児・児童生徒・教職員の給食費徴収のための口座情報(銀行名・支店名・口座番号・名義人氏名など)1万9932件。
 現在、サーバ解析を通じてさらなる情報流出の可能性がないか調査しているほか、盗まれたファイルがネット上に公開されていないかなどの監視を行っており、4日正午時点で公開は確認されていないという。

**********産経ニュース2018年4月6日07:03
前橋市教委サーバー 昨夏、外部から3000回超攻撃 先月、情報流出か
 前橋市教育委員会のサーバーが不正アクセスを受けた問題で、市教委は5日、公開用サーバーに昨年8月中旬ごろ、外部から3千回以上のサイバー攻撃があったと明らかにした。
 また、不正アクセスにより非公開サーバーから窃取され、いったん公開用サーバーに保存された生徒の個人情報の一部が今年3月6日に外部へと持ち出された可能性があることも判明。市教委は、引き続き不正アクセスを受けた公開用サーバーの調査を進めるとしている。今回の不正アクセス問題では、市立学校の児童、生徒ら約2万5千人分の個人情報と、幼稚園、学校で給食を食べた園児、児童、生徒らの給食費徴収用の金融機関口座情報が最大約2万件持ち出された可能性がある。
**********

■役所を舞台に発生するこうした不祥事件のたびに、「深く反省するとともに、再発防止を講じて二度とこのような事件は起こしません」と謝罪するのが常です。そして、少し経つとまた同様な不始末が繰り返されるのが常という状況です。

 前橋市の教育委員会では、MENETという「前橋市教育情報ネットワーク」というものを、ボランティア団体である「インターネットつなぎ隊」という団体(インターネットによる群馬県内の地域情報コミュニティ実現と、その基盤となる学校現場へのインターネットの普及と活用のためのサポートを目的にしているボランティア団体)の全面的協力を得て、構築して運用・管理を進めていました。

 ネットワークセンターは前橋市が平成21年の中核市移行後、教育研究所の場所が移動したことから、総合教育プラザ内の情報処理室において運用・管理を進めているもので、同市内の各学校(園)・関係教育機関等と光ファイバー専用線で結ばれ、各学校(園)どうし及び外部ネットワークとの情報通信を可能にしていました。

 今回、そうしたネットワークのセキュリティの不備が突かれて、深刻な情報漏洩が生じたわけです。どうやらMENETの構築に際して、民間の力を借りずに教育関係者やボランティアのみで設計・運用したことが裏目に出たようです。

 内部情報を教育関係者だけに限ろうとしたのでしょうが、セキュリティが疎かになっていたため、取り返しのつかない事態に発展してしまったのです。

 懸念されるのは、こうした自らの失策を逆手にとって、役所がますます行政内情報の開示に消極的になることです。本末転倒も甚だしいのですが、それが役所の体質であることを当会ではこれまでも痛感してきました。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

*参考情報「ウチダ・スクール・ウェブ・ジャパン」
https://school.uchida.co.jp/index.cfm/19,5765,69,html
前橋市教育委員会
市内全校へ、校内無線LANをはじめとするICT活用環境を一斉整備。
授業の質の向上、災害時の無線LAN開放などを実現。


平成25~27年度のタブレットPC活用のモデル校(城南小学校)
■ 導入内容
 市内小・中・特別支援学校への校内無線LAN環境、指導者用タブレットPCや実物投影機(VP-1HD)、大型テレビ(未設置であった中学校に設置)、EduMall(指導者用デジタル教科書)などのICT機器等、及び前橋学校サポートデスク(ヘルプデスク)の整備
★導入の背景とポイント
1人1台のタブレットPCを見据えた 最先端のICT環境ーモデル校2校の翌年に69校整備。71校全校整備を実現
 前橋市では、独自の教育用ネットワーク「MENET」(Maebashi Educational NETwork)を保持しており、このセンター設備は1998(平成10)年に稼働を始めました。当時、インターネットは最先端の技術であり、市教委はボランティア団体であった「インターネットつなぎ隊」の代表である中島義之氏の力を借りてMENETのサーバー群を構築しました。中島氏は、市内の学校が安全にインターネットを利用できるよう、接続拠点を全てイントラネット内に収めるとともに、行政系ネットワークとの接続も視野に入れて設計していました。中島氏の教育環境への思いと、当時の教育委員会の担当(後の教育長 佐藤博之氏)、現場で先進的に取り組んでいた折田一人教諭(現滝窪小学校校長)の力が合致したことは、大きな力でした。こうして市教委は、行政の理解とたくさんのボランティアの力を得て画期的な教育用ネットワーク「MENET」を立ち上げることができたのです。
 また、市内の学校はインターネットつなぎ隊との協働作業により、各学校の教室に有線LAN配線工事を行いました。これにより、前橋市では他の自治体に先駆けて各学校の教室にインターネット環境が整備され、情報教育の進展に大きく寄与したのです。
 前橋市は、その後のMENETの運用にあたり、中島氏とインターネットつなぎ隊のメンバーであった当時学生の片岡雅人氏のお二人をスーパーバイザーとして迎えました。日々進展していくネットワーク機器の情報を取り入れたり、セキュリティを確保したりするためには、専門家の意見を欠くことはできません。また、タブレットPC等の新たな情報端末(以下、「タブレットPC等」と表記)の活用を図っていく為には、最新の校内無線LAN環境を整備する必要があり、お二人から専門的な助言を受ける必要がありました。
 こうした経緯を経て2015(平成27)年、前橋市では、小中各1校のタブレットPC活用モデル校に対して校内無線LANの先行整備を実施するとともに、従来の学習者用41台に加えて、指導者用のタブレットPC等を整備し、普通教室でもICTを手軽に活用した授業を行えるようにしました。モデル校では、 先生方がICTを用いた授業を多数実践し、多くの教育効果が得ら れたため、2016(平成 28)年にモデル校の成果に基づく69校(モデル校以外の全校)のICT環境の整備を実施しました。
 校内無線LAN環境の整備には、高速で安定した接続と強固なセキュリティを確保する必要があります。 このため、前橋市では、中島氏と片岡氏から助言をいただきながら、MENETのセンター設備や学校のネットワーク環境を一新しました。その全国的にも先進的な校内無線LAN環境のポイントは以下の通りです。

(前)インターネットつなぎ隊、(現)MENET運用委員会 中島義之様

(前)インターネットつなぎ隊、(現)MENET運用委員会 片岡雅人様

平成28~29年度のタブレットPC活用のモデル校(芳賀中学校)
★特長
授業の質の向上に寄与するICT環境整備に加え、災害時の無線LAN開放も見据えた整備
 「1人1台のタブレットPCを導入した教育環境」(以下、「1人1台」と表記)を実現する無線LAN環境は、単にアクセスポイント(以下、「AP」と表記)を設置しただけでは実現しません。多数の児童生徒が同時利用した場合にも、教材配布や画面配信等を円滑に行うには、適切な設計、施工を行うとともに、電波状態に応じた個々のAPの電波強度の調節や動的なチャネル変更によって干渉を抑えるなど、高度な制御を行う環境を構築する必要があります。また、近年大きな問題となっている重要情報の流出が、絶対に起こらない環境を構築しなければなりません。
(1)1人1台の情報端末導入を見据えた校内無線LAN環境の導入
(AP接続端末数最大30,000台)を想定した環境整備
 校内無線LANの整備にあたっては、前橋市の総児童・生徒数 25,667人(平成28年5月1日現在)が将来的に1人1台のタブレットを活用できる環境も想定し、学校教育現場に適した校内無線LAN構築を行なっています。
 主な特長は以下の通りです。
①児童・生徒の全校一斉アクセスに対応した校内無線LAN設計
 例えば、デジタル教科書のネットワーク配信を平時の授業で使用する場合は、児童・生徒が各クラスで同時に一斉アクセスする可能性があり、ネットワークへの大きな負荷が想定されます。そのため、電波状態に応じて個々のAPの電波強度を調節し干渉を抑えるなど、突発的な処理に対応する制御環境を構築しています。
②1人1台の情報端末配備に備えた検証の実施無線LAN
 機器の通信スペックは理論値で表記されていることが一般的ですが、その実効値は導入環境によって異なる可能性があります。また、さまざまなICT機器・システムの組み合わせによっては想定外の現象が発生する可能性もあります。そのため、導入予定の機器の各種性能試験に加えて、APに対して1台につき通常時40台(一部機器の故障時には隣接するAPがカバーすることを想定して80台)の情報端末の一斉接続を想定した厳正な試験を行い、その検証をクリアした機器を選定しました。
③インターネットセキュリティ対策
 児童・生徒が利用するタブレット端末は、校内無線LANを通じてインターネット接続されるため、重厚なセキュリティ対策を実施するとともに、児童生徒の成績などの校務データを扱う有線LAN環境と明確に分離し、外部からの侵入等に対しても強固なセキュリティを確保した無線LAN設計で構築しています。
(2)デジタル教科書、タブレットPCの稼働履歴情報などによる活用推進
 実物投影機やデジタルテレビを設置するとともに、コンテンツ配信システム「EduMall(エデュモール)」を 採用しました。教員、 児童・生徒のタブレットPCでデジタルコンテンツを活用できる環境となるほか、学習 時間や教科書の稼働率などの履歴情報を取得できるため、そのデータを活用の推進にも利用しています。

体育館での授業の様子(春日中学校)。無線LANは平時は授業で利用し、災害時は 避難者に専用回線を開放。↑
(3)災害時の防災拠点を想定したWi-Fi環境(AP 1,156箇所)
 前橋市では69の小中学校が災害発生時に指定避難所となることから、全国に先駆けて、災害時に避難してきた住民に無線LANを開放し、インターネットやSNS等を安定的に利用できる環境を整備しました。平時には停止させている災害無線LANを、発災時には簡易な操作で一斉に起動できるしくみとなっています。また、サーバへのアクセスの制限やフィルタリングの無効化などを同時に行えるため、通常は利用を制限されているSNS(Facebook,Twitter,等)も災害時には速やかに活用することができます。
★担当者の声
“思わず身を乗り出したくなる授業”の実現に向けて
 前橋市では、1990年代から、学校現場の教職員が一丸となってICTを活用した教育に取り組んできた歴史もあり、先生方それぞれがICTの授業活用を工夫する文化があります。その工夫とは、授業の質を高めるということにほかなりません。
 例えば「わかりやすく写真を大きく見せてあげたい」「インパクトのある映像を出し、意欲につながる驚きや疑問を与えたい」「意見を述べやすい学習環境をつくってあげたい」「学習の流れを把握し、振り返りがしっかりとできるよう、板書とICTによる提示を組み合わせたい」といった、学ぶ場での様々な工夫です。こうした工夫は授業づくりの基本と深く関わってきますが、前橋市では経験豊かなベテランの先生がその基本を伝え、ICTを自在に使える若手の先生はそのアイデアを伝えるというように、様々な立場の教職員が一体となってICTを活用した教育を考えてきた結果、文化として広まったのだと思います。その一方で、これからの時代は子どもたちにも、日々進化するICT環境の中で能力を発揮することが求められてきます。ICTに使われるのではなく、 使いこなせるようにならなくてはなりません。
 こうしたことから、前橋市では、ICTを有効活用できる学習環境づくりを加速させてきました。このたびの整備では「いつでも、簡単に、すばやく」先生や子どもたちが情報をやり取りできる環境の常設化に重点をおいて、校内無線LAN、指導者用タブレットPC、デジタルコンテンツなどの整備を行なっています。前橋市では、将来の子どもたちが、知的好奇心や知的欲求を高めることのできる“思わず身を乗り出したくなる授業”の 実現に向けて、ICTを活用した教育を推進してまいります。

(前)前橋市教育委員会事務局 指導担当次長、(現)前橋市教育委員会 教育長 塩崎政江様
★子どもたちの主体的な思考や活動を支えるICT環境
 これまでは普通教室でタブレットPC等を使うのが簡単ではなく、どうしても使う先生が限られていました。使いたいという想いはあっても、「授業前の煩雑な準備」というハードルが 高かったのです。今は環境が整い、安心して簡単に、まるで黒板やチョークのように当たり前の道具として利用されています。(先生方の指導案を見ても「タブレットPC等を使う」という表記が殆ど無くなりました。ただ授業ではしっかりと使っています。わざわざ黒板やチョークを使うという表記をしないのと同じことです。)
 これまでは、挙手した児童生徒の意見を中心にして授業が進んでいましたが、タブレットを使った授業では、自分の考えをタブレットに書いて一覧表示や拡大表示することで、多くの意見を視覚的に分かりやすくして発表、共有ができるようになりました。先生も一人一人の児童生徒の意見を把握しやすくなり、意図的な指名などの支援に生かせるようになりました。 以上のように、安定したネットワーク環境、これまでの実物投影機を多くの教室で利用していた ICTリテラシーの素地などに支えられ、タブレットPC等を教具として自然に利用できるようになり、先生は勿論、児童生徒にとっても、当たりまえの道具として浸透しています。

(前)前橋市教育委員会 教育長、(現)前橋市児童文化センター 館長 佐藤 博之様
★子どもたちの主体的な思考や活動を支えるICT環境

★今後の展開
「多様な人と協働しながら、主体的・創造的に活動する子ども」の実現

前橋市教育委員会事務局 学校教育課指導係指導主事 黛正人様

前橋市教育委員会事務局 学校教育課指導係指導主事 今泉洋一様
 日々の運用の中での小さな問題や、学校からの問い合わせ内容(ヘルプデスクの履歴)、デジタル教科書の利用状況(EduMall)等は、教育委員会だけでなく、導入業者を含め、より良い運用を目指し定例会の中で共有しています。授業の主役は子どもたちの主体的な思考や活動です。単にタブレットPC等を使っていればよい、という落とし穴に陥らないように常に心がける必要があります。「タブレットPC等を使う為に使う」のではなく、常に子どもたちの目指す姿と照らし合わせ、 効果的と感じた際に使う事が大切です。今回の整備では、子どもたちに映像などを簡単に見せられるようになりました。しかし、それ以前に子どもたちにいつどのように考えさせるのか、 その為には、何をどのように見せるのか、基本的な授業の流れを組み立てる先生方の授業力は変わらず重要となります。また、普段は止めている災害無線についても防災訓練等で積極的に活用し、有事に備えておくことが必要です。前橋市が目指す、「多様な人と協働しながら、主体的・創造的に活動する子ども」の実現に向け、教育委員会では現場のニーズに応じた研修などを実施し、先生方へのサポートを継続していく予定です。 また、平成28年度から2年間、新たなタブレットPC活用のモデル校を設け、効果的に活用した授業や取組の共有を図り、市内全校での活用の促進に務めています。

前橋市教育委員会
〒371-8601 群馬県前橋市大手町 2-12-1
詳しくは▶ http://www.city.maebashi.gunma.jp/kurashi/230/257/index.html
(2017年4月取材)
**********

【4月6日追記】
**********東京新聞2018年4月6日群馬版
前橋の個人情報流出問題 市に電話相談76件
保護者に不安広がる

 前橋市立の全小中学校に通う児童・生徒など約二万五千人と保護者の個人情報が流出した可能性が高い問題で、市教育委員会が開設したコールセンターに四日と五日に計七十六件の電話相談が寄せられたことが分かった。県内では類例のない大規模な情報流出の恐れに、「子どもと自分の個人情報がインターネットに流れているのでは」などと保護者の間に不安が広がっている。 (菅原洋)
★コールセンター 市教委4日開設
 コールセンターは市教委がこの問題を公表した四日午後に開設し、同日は二十八件、五日は四十八件の電話があった。
 主な相談内容は「(流出の恐れがある)自分の金融口座の番号がネットに流れているのでは」「仮に流出した個人情報が悪用されたら、市はどのように責任を取るのか」など。七十六件の中に、実際に個人情報悪用の被害を受けたとの相談は確認できなかった。
 教育ネットワーク対応室に設けたコールセンターは=電027(898)6321。当面の間、土曜、日曜を含む午前九時~午後五時に受け付ける。
 市教委は近く、保護者全員に謝罪し、個人情報の悪用に対する注意を呼び掛ける文書を発送する。さらに、この問題について学識経験者や専門家を交えた第三者委員会を早急に発足させるように人選を急いでいる。県警も捜査を始めた。
 塩崎政江教育長は四日の記者会見で「(流出の可能性が高い)情報には重要な個人情報も含まれている。痛恨の極みだ。子どもたちと保護者には大変なご迷惑をかけ、深くおわびしたい」と陳謝した。
 一方、市教委がシステムのネットワークなどの管理を委託しているNTT東日本群馬支店は「不正アクセスを深刻に受け止めている。一刻も早い原因究明に向け、市教委の調査協力依頼に全力で取り組んでいる」とのコメントを公表した。
 この問題は個人情報を保管するシステムが外部から不正なアクセスを受け、昨年在籍していた子どもと保護者の氏名や電話番号などの他、教職員約二千六百人を含む二万件弱の給食費用金融口座番号も流出した可能性が高いことが分かっている。

【4月10日追記】
**********東京新聞2018年4月10日
前橋市の個人情報流出問題 内部規則、十分順守せず
セキュリティー監視で

 前橋市立小中学校に通う全ての児童・生徒ら約二万五千人と保護者の個人情報が流出した可能性が高い問題で、市が情報の管理に関する内部規則を十分に順守していなかった実態が九日、分かった。規則は職員がセキュリティーの設定を定期的に監視するように定めているが、専門的な知識、頻度、人員体制がいずれも不十分だった。規則の順守状況を全庁的に確認する監査も、二〇一六、一七年度は一度も実施しておらず、市は「反省するべき点だ」と謝罪している。 (菅原洋)
★知識、頻度、人員足りず
 内部規則は「市情報セキュリティポリシー」。市民の個人情報や行政情報を保護するために〇二年度から施行され、基本方針や対策基準などを定めている。
 対策基準では、「セキュリティ上で問題ないようにネットワークの設定などをして、それを職員が定期的に確認し、問題が発生したら対処する」「(不正アクセスを)常時監視し、アクセスの記録を残して、必要に応じて分析する」などと規定している。
 市教育委員会は一五年度にシステムのサーバーを移動して設定を変更後、職員がある程度は確認していたという。ところが、昨夏以降にシステムに不正アクセスが数千回のレベルで繰り返されていたものの、事態を見抜けなかった。
 市教委は「ある程度の知識がある職員でも不正アクセスに気付くのは難しい。ただ、職員の確認が専門的な知識、頻度、人員体制の面で不十分で、行き届かなかった」と不備を認めた。
 一方、規則では、市全体の情報管理を担当する情報政策課が、各部署の職員がシステムに入るために持つパスワードの管理を徹底しているかなどを立ち入りで監査し、文書にしてチェックするように定めている。
 同課はこれまで監査を年に一回程度続けてきたが、一六、一七年度は市教委も含む全庁で一度も実施していなかった。
 同課は「今回の事態を踏まえると、監査に油断があったと指摘されてもやむを得ない。市民の個人情報を預かる立場として、今後は年一回は監査を実施していく。市に専門的な知識を持つ職員が必要なことも分かり、今後の課題にしたい」と説明している。

【4月13日追記】
**********東京新聞2018年4月13日群馬版
前橋市の情報流出問題 山本市長が会見で陳謝「大変な不安与えた」
 前橋市の山本龍市長は十二日の定例記者会見で、市立小中学校の全児童・生徒ら約二万五千人と保護者の個人情報が流出した可能性が高い問題について陳謝した。市教育委員会は同日、設置の方針を示していた第三者の有識者による調査対策検討委員会が十六日から会議を始めると発表した。 (菅原洋)
★市教委 第三者委16日から開始
 会見で山本市長は「たくさんの個人情報を所有する方々に大変な不安を与えたことを心からおわび申し上げたい」と陳謝した。
 この問題を巡っては、市が情報の管理に関する内部規則の順守状況について、全庁的に確認する監査を二〇一六、一七年度は一度も実施していなかった。担当者からは「今回の問題を踏まえると、油断があったと指摘されてもやむを得ない」との声が出ている。
 こうした声があることを指摘する質問に対し、山本市長は「おっしゃる通りで、そうだったのかもしれない。(問題が発生した)教育委員会だけではなく、本庁の各部局も同じように考えており、さまざまな情報に関する問題を検証したい」との意向を示した。
 問題が発生した市教委のシステムはNTT東日本群馬支店に委託しているが、庁内からは「委託の状況などを確認するため、市職員にも専門的な人材が必要だ」との意見も出ている。
 これについて、山本市長は「人材不足があったのかもしれず、専門業者への委託プラス本庁としても何が必要なのかを研究していきたい」と述べた。
 市教委が設置する調査対策検討委員会の第一回会議は市内で非公開で開く。情報に詳しい大学教授や弁護士、過去に他の自治体で同種の委員会に参加した経験を持つ専門家の計三人が検討委員を務める。会議は六月末までに数回開き、報告書をまとめる見通し。

【4月20日追記】
**********TBS News 2018年4月19日18時05分
前橋市教育委、生徒ら約4万8千人分の個人情報流出か
 前橋市教育委員会のサーバーに不正なアクセスがあった問題で、およそ4万7800人分の児童や生徒の個人情報が流出した可能性があることが分かりました。
 この問題は前橋市教育委員会のサーバーに不正なアクセスがあり、市立の小中学校などに通う児童や生徒の個人情報が盗まれた可能性があるものです。市の教育委員会は、その後の調査で2012年度から2017年度までに在籍した生徒らおよそ4万7800人分の氏名や住所、生年月日などが流出した可能性があると発表しました。これまでにこの問題による被害は確認されていません。
 市の教育委員会は専門家らによる第三者委員会を設置し、再発防止策などについて検討しています。一方、警察は不正アクセス禁止法違反の疑いを視野に捜査しています。

**********時事2018年04月19日16:40
個人情報流出、小中学生など4万7000人超分=前橋市教委が調査結果
 前橋市の教育機関を結ぶ情報ネットワークのサーバーに不正アクセスがあった問題で、同市教育委員会は19日、流出が疑われる小中学生らの個人情報が計4万7839人分に上るとの調査結果を発表した。給食費徴収のための口座情報も、兄弟姉妹の重複を除く2万8209件含まれているという。
 市教委は4日、昨年11月時点で市立の小中、特別支援学校に在籍していた児童生徒全員の氏名や住所など計2万5725人分が流出した可能性が高いと発表していた。その後の調査で新たに、2012~16年度に中学3年だった生徒らの情報が持ち出された可能性を示す痕跡が見つかった。
 市教委は4月中にも謝罪と注意喚起の文書を全員に郵送する予定。第三者委員会を設けて原因究明や再発防止策の検討を進めている。

**********東京新聞2018年4月20日
前橋の個人情報流出問題 口座情報が標的か
市教委発表 累計2万8200件に拡大

 昨年度に前橋市立小中学校に通った全ての児童・生徒ら約二万五千人と保護者の個人情報がサーバーへの不正アクセスによって流出した可能性が高い問題で、市教育委員会は十九日、新たに過去の児童・生徒ら約二万二千六百人や保護者の個人情報と、給食費用の金融口座情報約八千三百件が流出した恐れがあることが分かったと発表した。口座数は前回公表分と合わせて計約二万八千二百件となり、市教委が保管している全ての口座情報に相当する。この結果、不正アクセスが口座情報を標的にした可能性が高まった。
  (菅原洋)
★新たに2万2600人分も
 市教委によると、新たに流出の恐れが分かった個人情報は、二〇一二~一六年度の中学三年生約一万五千三百人、一七年度の市立幼稚園児約三百五十人、一二~一七年度の教職員約四千六百人と市から転出した園児・児童・生徒計約二千四百人。園児・児童・生徒の保護者の個人情報も含む。
 金融口座の情報は口座番号、預金者名、金融機関名、支店名、給食費の入出金記録。口座は一二~一七年度に登録された分で、きょうだいが在籍する場合は同じ口座になるため、個人情報の人数とは一致しない。
 市教委総務課は「(情報を管理する)サーバーには子どもたちの成績なども入っているにもかかわらず、不正アクセスは対象にせず、口座情報は全てが流出した可能性が高い。このため、口座が狙われた恐れがある」とみている。市教委は県内の金融機関に注意を呼び掛けている。
 口座にインターネット・バンキングを利用している場合、出金にはパスワードと契約者番号が必要。仮にパスワードを、今回同時に流出した可能性が高い生年月日や電話番号などに関連する数字にしていた場合は特に流出を警戒する必要がある。
 市教委はコールセンター=電027(898)6321=を設け、今月中は土曜・日曜・祝日(二十一日は除く)を含む午前九時~午後五時に受け付けている。開設後の約二週間で保護者から約百二十件の相談が寄せられ、口座に対する不安が多いという。

**********毎日新聞2018年4月20日地方版
前橋市教委の不正アクセス問題
情報流出4万7839人分 サーバー上の全て /群馬

 前橋市教育委員会のインターネットシステムが外部から不正なアクセスを受けた問題で、市教委は19日、サーバー上にあった全ての児童、生徒、園児、教職員の計4万7839人分の個人情報が流出した可能性があると発表した。市立小中学生らに加え、過去の在校生や教職員ら2万2613人分の情報への不正アクセスが新たに判明した。19日現在、個人情報が悪用された形跡はないという。
 市教委によると、18日までに専門業者による解析が終了した。その結果、2012~16年度の中学3年生▽17年度の幼稚園児▽12~17年度の教職員▽同期間の転出者--の住所、氏名、生年月日、保護者名、口座情報、給食費の入出金情報などが流出した可能性が判明。これまでに発覚していたのは小中学生約2万5000人分の個人情報と口座情報だったが、新たに別のフォルダーに侵入した痕跡が確認されたという。
 市教委は近く郵送で謝罪や注意喚起の文書を送る。問い合わせはコールセンター(027・898・6321、21日は市庁舎が停電のため休止)。【鈴木敦子】

**********上毛新聞2018年04年20日
2.2万人流出 新たに判明 前橋市教委への不正アクセス問題
 群馬県の前橋市教委のサーバーが不正アクセスを受けた問題で、市教委は19日、新たに2万2613人の個人情報が流出した可能性が高いことが判明したと発表した。2012~17年度に市立の幼稚園、小、中、特別支援学校に在籍した全ての園児、児童生徒、教職の計4万7839人分が流出した恐れがある。給食費徴収用のデータで、氏名や生年月日、住所、電話番号のほか、口座情報も含まれる。
 セキュリティー業者2社が、不正アクセスを受けた公開サーバーをそれぞれ解析し、新たなファイル流出の痕跡が見つかった。ファイルには判明していた児童生徒約2万5000人分のほか、既に卒業した中学生や教職員、転出者の個人情報が含まれていた。

**********産経ニュース2018.4.20 10:46
【前橋市教委不正アクセス】
さらに2万2千人分の個人情報流出の恐れ 責任の所在曖昧


不正アクセスによる被害範囲の拡大について説明する塩崎政江教育長(中央)ら=19日、前橋市役所(住谷早紀撮影)
 前橋市教育委員会のサーバーが不正アクセスを受けた問題で、流出した恐れがある児童、生徒らの生年月日、住所などの個人情報が約4万8千人分に上ることが19日、明らかになった。市教委がセキュリティー専門事業者に委託した調査の結果、平成24~28年度に市内の中学を卒業した生徒や教職員ら約2万2千人分の個人情報が新たに流出した可能性が判明。被害範囲が拡大する深刻な事態を招いた責任の所在は曖昧なままで、市民の不安は募るばかりだ。(住谷早紀、写真も)
 「市民の信頼を損ねたことは慚愧(ざんき)に堪えず、多くの皆様に多大な迷惑と心配をおかけして、おわび申し上げる」
 同日会見した塩崎政江教育長は報道陣の前で頭を下げた。
 市教委は18日、セキュリティー専門事業者から、不正アクセスの被害範囲について最終報告を受けた。それによると、個人情報が入ったファイルが外部に持ち出されたとみられる痕跡が新たに見つかったという。
 外部からの不正アクセスを防ぐファイアウオール(安全隔壁)は二重に用意されていたが、双方の設定に不備があった。
 市教委はファイアウオールの設定をNTT東日本に委託。「二重のファイアウオールの構築と、その後の運用管理も依頼していた」という。
 NTT東日本は産経新聞の取材に、「導入の段階では関わったが、それ以降は他社も関わっている」と説明。被害範囲が拡大する事態についても、「調査を継続しているので現段階でコメントはできない」としている。
 不正アクセス問題をめぐっては、原因究明と再発防止策の検討を行う有識者による第三者委員会が16日に設置された。
 市教委によると、児童、生徒らの個人情報が悪用された形跡は確認されていないというが、保護者や市民らからコールセンターに寄せられた問い合わせは120件に上った。
 市教委は「責任の所在については、第三者委の公平な立場で判断してもらい、提言をいただくのがベストだ」としている。
**********

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

安中市の0.5%を中国資本が占める安中メガソーラー計画…送電線敷設について東電が3月下旬に地元で回覧板

2018-04-03 22:59:00 | 安中市内の大規模開発計画
■安中市岩野屋地区の南部にある広大な丘陵地帯127ヘクタールにFIT制度を利用したメガソーラー設置のため、中国系ファンドのタックスヘイブン企業のペーパー会社が、朝日新聞グループの日刊スポーツからゴルフ場計画跡地を買い取り、現在大規模な造成工事がほぼ半分ほど進行中です。このメガソーラー計画では発電した電力を東電の高圧送電網と接続する必要がありますが、当初富岡市側経由で計画されていたルートが、桑原地区自治会の皆さんの反対で頓挫したため、そのルーティングをどうするのか東電の動向が注目さえていましたが、やはり安中市側の野殿・水境地区から間仁田地区にある特別高圧送電ラインの碓氷幹線の第25号鉄塔に導くルートに決したようで、先日、地元野殿地区に東電が回覧板でチラシを回しました。




 昨年10月の時点ではまだはっきりとしたルートはわからず、東電にきいても詳しくは教えてもらえませんでした。
〇2017年10月21日:安中市の0.5%を中国資本が占める安中メガソーラー計画…送電線敷設について東電から届いた手抜き回答書
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2447.html#readmore

 今回東電が回覧板で回したチラシの内容は次の通りです。

*****東電のチラシ*****PDF ⇒pdh.pdf
【回覧】電気設備新設工事に伴う道路使用のお知らせ
◆はじめに
皆様方には日頃より電気事業にご理解とご協力を賜り厚くお礼申し上げます。
今回、電気工事(電気管路新設工事)の実施について、お知らせ致します。
工事の施工にあたり、恵能の皆様方にはご迷惑をおかけすることと存じますが、安全の確保、騒音、振動の低減などに努め、ご迷惑を最小限に抑えたいと考えておりますので、何卒ご理解尾ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
◆工事の箇所と日時について
工事個所:安中市野殿字長峰3244-1~安中市野殿字先祖谷津2841-1
工事期間:平成30年4月~平成31年9月(管路工事)
     平成31年9月~平成31年12月(管路本復旧工事)
作業事件:8:00~17:00(昼間)、21:00~6:00(夜間)
※この工事は予定であり、現場諸条件などにより工程が変更する場合があります。
 なお、書斎日程については決まりしだい、お知らせ致します。
◆工事による影響などについて
この工事では、右案内図の箇所を施工します。
《安中市道区間》
 ・昼間に工事を行います。
 ・通行止めをさせて頂く場合には、事前にご案内させて頂きます。
《県道区間》
 ・夜間は片側通行にして工事を行い、昼間は工事を行いません。
※この工事による停電はございません。

JPEG ⇒ pdhp2.jpg
◆工事個所の案内
(図のとおり)
◆連絡先・お問合せ先
工事に関しまして、不都合やお気付きの点がございましたら、下記連絡先までご連絡くださいますようお願い致します。
   東京電力パワーグリッド㈱
   群馬総支社流通土木グループ
   TEL:027-893-4664
   担当:野本 健
      斉藤 浩幸
**********

■こうして、東電の思惑通り、環境意識が相対的に他の自治体よりも低い安中市側に、中国資本のための送電線ルートが設置されることになりました。

このメガソーラーは、事業主体が前述の通り、得体のしれない外資系ペーパー会社であり、しかも香港に在住する人物がファンドマネージャをしていることから、当会では国土保安上の観点から、首都圏の上流部に位置する群馬県の里山地域で、これほど広大な水源地域を大規模に所有されることによるリスクを、国家安全保障会議の議長をつとめる安倍晋三総理にアピールしてきました。

また、このメガソーラー設置予定地のすぐ西隣りには、自衛隊のミサイルや、日本の宇宙開発の一翼を支えるイプシロンロケットを製造するIHIエアロスペース社の富岡事業所が位置することから防衛省の石破大臣にも国家保安上のリスクの観点からアピールしてきました。

 さらに、その前から、この広大な里山の地権者である日刊sポーツおよびその親会社であある朝日新聞社に対しても、中国系外資に売るのではなく、自社林として保有するか、せめて日本に拠点を持つ事業者に譲渡すべきであると要請してきました。

 そして、この中国系外資ファンドに用地買収・造成工事・設置工事費などに必要な資金約150億円を融資した三井住友信託銀行に対しても、国土保安上の問題から融資を思いとどまるよう、コンプライアンス室に直訴状を提出したり、それでもなしのつぶてのため、東京の大手町の本店を訪れて直訴しました。

 そして、財務省の前橋財務事務所に対しては、計画地内に存在する5ヘクタール余りの公共地、すなわち国の財産を中国系外資に払い下げないように懇願してきました。

■しかしながら、いずれも当会の声は全く届くことなく、現在にいたってしまいました。もちろん、東電に対しても、中国系ファンドのために送電ルートを確保してやる必要性について再考するようお願いをしましたが、地元説明会さえ拒否される始末です。

 したがって、このままゆくと、2020年の東京五輪までには、首都圏で最大級のメガソーラーがここで稼働を始め、20年後のFIT制度切れのあとも、中国の脅威にさらされることになります。

※2018年3月3日撮影の造成工事現場






送電線の設置ルートはこちらの方角。

【ひらく会情報部】

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情

2018-04-01 23:48:00 | 【出張!オンブズマン】長野高専の闇
■提供情報によれば、長野高専でも、文部科学省出身の天下り官僚校長によって現在大混乱が引き起こされており、その校長は長野高専教職員らをして「歴代最悪」と言わしめているそうです。
 わが群馬県とも非常に繋がりの深い隣県での出来事であり対岸の火事とは思われないこと、また、群馬高専で天下り校長によって数々の惨事が引き起こされ、また致命的に悪化したのと同根であると考えられることから、今回情報をいただいた長野高専の現状、長野高専で起こっている重大事件の数々をトピックにお伝えしていきたいと思います。


今回実情を取り上げる隣県長野の長野工業高等専門学校。Wikipediaより。


現長野高専校長・石原祐志氏。長野高専公式HPより。

(1)校長・石原氏のひととなりや素行について

■2016年4月より現職にある長野高専校長・石原祐志(いしはら ゆうじ)氏ですが、当会の調査によれば、横浜市出身、昭和35(1960)年度生まれで、聖光学院高校を卒業したのち、ストレートで1985年に早稲田大学院で修士までを取り終えています。その後旧科学技術庁側の官僚となり、省庁統合で文部科学省のキャリア官僚となっています。

 長野高専校長としての彼の素行についてですが、後述する2つの重大事件の情報秘匿・隠蔽行動に加えて、日常レベルから「酷い」の一言に尽きるものであるようです。

■高専は優秀な技術者を輩出するという学校の性質上、地元企業との繋がり、言い換えれば深い信頼関係の構築と維持が重視されます。ところが、信じられないことに、石原祐志氏は地元企業との懇談の場において平気でスマホを弄っている模様です。

 校長としての立ち振る舞い以前に、人間としての常識が疑われる行為です。そもそも、学校としての信用や地元企業との信頼関係が損なわれては、学生たちの進路にも影響してしまうことを考えれば、その場限りで済む話でもないのですが、長野高専の学生・父兄らの皆さんはこの点をどうお考えになっているのでしょうか?

 加えて、挨拶をされても会釈すら返さず、無視してふんぞり返っているようです。コミュニケーションの基本である挨拶ができない教育者など、ついぞ聞いたこともありませんが、一切教育者としての素養がなくとも天下りで校長になれる高等専門学校であれば、そんな無法も平気でまかり通ってしまうようです。

■また昨年、福岡県の博多高校で、生徒が教師に対して暴力を振るう動画がSNSにアップロードされて大騒ぎになり、マスコミや警察が動く事態にまで発展したという事件がありました。ご存知の読者諸兄も多いかもしれません。

 そんな中で、この件を知った石原校長は一言、「なんでこんなことで警察を呼んだんだ?」と言い放ったそうです。

 「学校内での暴力行為には警察の介入も視野に入れるように」と、まさに出向元の文部科学省がガイドラインでそう推奨しているにも関わらず、ここまで学内暴行の被害者の人権を軽視した発言ができるということ自体に、背筋が寒くなります。

 この発言の背景には、「とにかく問題にしたくないから、被害者は黙ってやられていろ」という、群馬高専の西尾前校長とも相通じる官僚的な腐敗した思考回路の存在が強く感じられます。

■長野高専の学内事情はというと、副校長(主事クラス教員)などの幹部は石原校長のお気に入りのイエスマンで固められており、その思い付きと官僚然としたポイント稼ぎで現場が振り回され疲弊しているのが実情だそうで、執行部の教員らが「腰巾着」であるせいで校長の暴走を誰も止められないそうです。

 そのうえ、執行部をお気に入りで固めているため、何か事件が起こった際の情報統制だけは一級品のようです。この点にも、西尾前校長隷下の群馬高専に深く相通ずるものを感じます。

 長野高専では20年近く前、浅黄谷剛寛元校長が、勘違いから無関係の学生を叱咤したうえに傘で殴るという暴力行為を起こし新聞沙汰にまでなってしまい、結果、01年7月に退職するという衝撃的な事件が発生したことがあるようです。その当時の出来事を知る長野高専の古参教職員をして、「石原は浅黄谷よりひどい。浅黄谷にはまだ人間味があったが石原には全く感じられない」と評されるありさまだそうです。

 では、石原祐志・長野高専校長のもとで具体的にどのような事件が起き、そして揉み消されているのかを見てみましょう。

(2)環境都市工学科での水銀流出事件

■長野高専環境都市工学科では、2016年に有毒物質である水銀の漏出事故があり、その実験室内に水銀が残留しているにも関わらず、長野高専学生のみならず中学生ら数十人を入室させてしまったという事件がありました。次の報道記事をご覧ください。
http://www.sankei.com/affairs/amp/161115/afr1611150024-a.html

 報道記事を読むと、16年7月12日に装置の老朽化のため水銀が漏洩し、ただちに回収したものの、同9月28日に水銀が残留していることが発覚し、同11月15日に本事件が公表された、という時系列がわかります。

 さらに、漏洩から残留発覚までの2か月半の間に学生と中学生らが立ち入り、当事者である学生には10月中旬から下旬にかけて、中学生には11月10日に文書で通知した、とあります。

■報道内容を一目見るだけでも、なぜ残留発覚から公表まで50日近くかかっているのか、合理的な理由が見えてきません。通知や公表が遅れた理由について、「健康に与える影響を医師や専門家に確認しており、余計な不安を中学生らに与えないため」としていますが、不安を与える与えない以前に、ふつう「健康への影響」を調べるのであれば、真っ先に当事者らを検査するものではないでしょうか?

 もし本当に健康被害が出ていた場合、十中八九治療が遅れることにも繋がりかねなかったこの対応ですが、その場合は果たしてどう説明するつもりだったのでしょうか?

 まして、学外の中学生らには報道発表の数日前になってようやく一方的に文書を送り付ける体たらくで、長野高専の当事者学生より大幅に通知が遅れた理由もまったくわかりません。

 かえすがえすも、報道記事のみでこれだけの疑問点が湧き上がってくる長野高専の酷い対応ですが、さらに信じられないことに、実は学内の教職員にすら報道発表の直前まで一切この事件について知らせず、直前になってようやく概略が話されたのみだったということです(通知したという学生にも、かなり強力な箝口令を敷いて口封じしていたと考えられます)。

 さらに驚くべきことに、昨年にも別の部屋で水銀流出事故を起こしているようですが、こちらは一切公表されていません。

■たかだか1、2年で長野高専を我が物扱いし、大切な長野高専の一員である教職員・学生らをコケ以下にする石原氏の横柄、かつ、ずさんな運営手法が垣間見えてきます。全学に関わることは、ふつうしっかりと教員らとも情報共有・合議を尽くしたうえで為されるべきではないのでしょうか?

 あるいは、極めて少人数で決定・運営すれば判断の迅速化ができるという見方もあるでしょうが、上記の水銀流出事件への対応を見る限り、大して「迅速」なようにも思われません。

 ただ単に、問題にしたくない、責められたくない一心で情報をひたすら限界まで秘匿するというのが、石原氏の官僚として培われた本性なのでしょう。

(3)長野高専での不正会計事件

■これは、上述の水銀流出事件をはるかに上回る重大事件なのですが、長野高専内では驚くほど問題になっていないそうです。主因としてはやはり、石原祐志校長が事件に関して沈黙を貫いていることが挙げられます。

 では、この長野高専での不正会計事件とはいったいどのような事件だったのか、2017年6月30日付の高専機構の報告書を読んでみましょう。
http://www.kosen-k.go.jp/news/news20170630/news20170630.pdf
PDF ⇒ news20170630.pdf

 報告書は、不正会計に関する高専機構での内部調査において、いくつかの高専で発生した不正会計を報告するものになっていますが、よく読むと、他の高専は比較的軽度なものであるのに対して、長野高専で発生した不正会計は飛び切り悪質なものであることが分かります。

 該当箇所を抜き出してみましょう。

**********
[長野高専関係]
 平成24年から平成27年まで、高専教員2名が店頭購入による取引において、取引先の担当者に指示を行って伝票上の品名を偽り、実際に受領した物品と伝票上の物品が異なるにもかかわらず、代金を支払った取引を行っていた。
 ・差替えにより支出した金額: 3,794,551円
 なお、差替えを行ったすべての取引は、教員のコンプライアンス意識の欠如及び納品取引の一部不実施から、不適正な会計処理を行ってしまったためである。
 また、差替えにより購入した物品等のうち、一部は教育研究用に使用されておらず、高専関係者から聞き取り調査した結果、私的流用があったものと判断した。
 ・差替えによる支出のうち私的流用と判断した金額: 510,448円

**********

■つまり、長野高専の教員によって、おもに長野高専の予算から約380万円もの不正会計が行われ、さらに約51万円が私的流用(=着服)されていたというのです。金額も他と飛び抜けているばかりか、私的流用が認定されているのもこの長野高専のケースのみです。

 調査報告書によれば、この不正会計を行った教員は2名ですが、そのうち大半の不正会計・着服を行った元教授(報告書によれば、論旨解雇あるいは停職1年相当)は調査終了時点ですでに退職してしまっており、処分不能扱い、つまり国の金を数十万円も着服しておきながらお咎めなしで逃げ切ったことがわかります。さらに、1カ月間の停職処分となった准教授の方ですが、こちらも処分に際して学内HPに告示や校長からのコメントは一切為されなかったようです。

■また、本件については文部科学省からも報告書が公表されています。

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2017/08/04/1378773_11.pdf
PDF ⇒ 1378773_11.pdf

 しかし、そこに記された事件の態様を見ると、不正会計額12,100円、私的流用無し、関連教員は1名(1カ月停職の准教授)のみと、機構の報告書と記載内容が大きく異なっています。

 なぜここまで食い違っているのかしばし黙考してみましたが、元教授が起こした不正会計と准教授が起こした不正会計は別件で、実態を矮小化するため、機構は後者のみを文部科学省に報告しているのかもしれません。また、本報告書の他の高専の処分結果を見れば、長野高専以外では停職処分はされていないので、停職1カ月の処分はかなり重いのがわかります。よって、実際にはこの准教授によっても私的流用が為されていた可能性があります。

 このような高専機構の相変わらずのやり口にも閉口させられますが、となると、不正会計380万円・私的流用51万円の大半が、退職した元教授によってなされていたことになります。

 もっと端的に言えば、この元教授は数十万円も国と長野高専のお金をドロボーしておきながら、一切お咎めもなく、話題にもされず逃げおおせているということです。

■そして大問題なのは、長野高専を舞台にしたこの不正会計・着服劇について、石原校長着任後に調査を踏まえた報告書が出され、全貌が明らかとなったにも関わらず、石原校長が長野高専として一切本件についてコメントも公表もしていないことです。

 このため、貴重な予算(=税金・授業料)が380万円も不正会計され、51万円も着服されたあげく、主犯の教授にはのうのうと逃亡されてしまったという長野高専史に残る大失態・大事件が発生したにも関わらず、長野高専の学生や保護者はそのことをまったく知らされていません。

 ここでもまた、問題にしたくない、責められたくないという石原氏の官僚然とした姑息な思考を読み取ることができるわけです。ここまで納税者と学生・保護者をコケにする学校長というのも珍しいものだと思われますが、読者の皆様はいかが感じられたでしょうか。

■今回取り上げる長野高専の実情は以上となります。文科省からの天下りであれば、このような男でも教職員・学生千数百名の学校のトップに立ててしまうという事実に辟易とさせられます。

 それにしても、スマホ弄りや挨拶をしないというのは、もはや官僚マインドがどうこう以前に、両親のしつけ不足が疑われるレベルです。こうしてみると、名門私立の聖光学院・早稲田という経歴も、彼が「お坊ちゃま」として相当に甘やかされて育ったことを示唆しているように見えます。半世紀前に石原家が横浜の邸宅で彼に果たしてどのような教育をしていたのか、タイムマシンがあるなら長野高専の教職員・学生を連れてつぶさに観察してみたいものです。


石原祐志氏のFacebook(http://www.facebook.com/yuji.ishihara.965)より。プライバシー保護のため一部ボカシ加工としている。たいへんに娘(孫?)思いな親としての一面があることが伝わってくる。しかし、子どもを思う心があるのならなおのこと、微力であっても普通は子どもを含めた後人のためにより良い世を作っていこうと考えるのが普通ではないだろうか。まして、中身は子どものまま育ってしまったスマホ弄り・挨拶無視の人物が、子への教育とどう向き合うのか、大変に興味がひかれる。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

※参考情報1:「長野県のオンブズマン団体の実情について」
**********
 本項に関連して、長野県の市民オンブズマンは現在どうなっているのかも軽く説明したいと思います。
 長野県のオンブズマンに関しては、直近では松本市が2011年9月のオンブズ全国大会の開催地になり、また2012年に信州市民オンブズマンが長野県内15市の酒食を伴う食糧費をまとめるといった活動をしていますが、これ以降、活動ぶりはあまり聞こえてきません。
 以前は、筆者の住む群馬県安中市のお隣の軽井沢を拠点に、松葉健三弁護士が信州市民オンブズマンを名乗っていましたが、現在はもっぱら弁護士稼業に勤しんでいるようです。松本市でも、上記全国大会を開催した当時は市民オンブズ組織がありましたが、現在は活動しているのか不明となっています。
 当会からは毎年市民オンブズマン全国大会に出席していますが、見る限り、全国大会にもここ数年長野県からは出席がありません。
 したがって、長野県におけるオンブズマン活動は、5年以上前を境に、極めて低調となってしまっているのが実情です。
 全国市民オンブズマン連絡会議では毎年全国の都道府県の情報公開度ランキングを発表しています。そのランキングでは、長野県は2006年度になんと1位を獲得しており、情報公開の模範と呼ぶべき域であったにも関わらず、オンブズマン活動の低調もあってか、近頃では21位程度にまで落ち込んでしまっています。
 こうした見るに忍びない隣県の実情を受け、当会でも、近隣県の健全な自浄作用の復活と、わが群馬県とのポジティブな相互作用の構築を目指して、オンブズマンとしての協働や連携、出張も活発化させていきたいと考えている次第です。

**********

※参考情報2:この記事の続報もご覧ください。
○2018年6月24日:【出張!オンブズマン】校長自ら警察呼んで訪問OB叩き出し?更には連続自殺に独裁体制…続・長野高専の実情
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2678.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【群馬高専アカハラ・不審死問題】隣県長野からの情報①…高専機構からの目付役?猿田事務部長の正体

2018-04-01 21:02:00 | 群馬高専アカハラ問題
■群馬高専で繰り広げられた一連の事件に関し、何のけじめも始末も付けず、ちょうど一年前の17年3月末に文科省に逃亡した西尾前校長に代わり、長岡高専輩出の改革者として鳴り物入りで群馬高専校長の座に就いた山崎誠現校長ですが、当初の期待とは裏腹に更に劣悪化した隠蔽路線をひた走っています。その理由の一端を探るため、市民オンブズマン群馬では本年2月10日に国立国会図書館に赴き、群馬高専幹部らのプロフィール調査を行ったことは既報の通りです。
〇2018年2月20日:アカハラと寮生死亡事件に揺れる群馬高専…国立国会図書館での職員名鑑閲覧で見えてきた西尾前校長の作戦
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2566.html

 当会によるこうした調査の反響は大きく、その中で、群馬のお隣り長野県にお住いの教育関係者から、群馬高専と高専機構の内情に関わる大変貴重な内部情報をご提供いただきました。群馬高専を他の高専と比較して分析することは、それぞれの学校の体質といったものを客観的な尺度で見ることができるため、こうした他校に関する情報は、大変貴重です。

 群馬高専を開かれた明るいキャンパスにするための当会の活動にご協力くださり、厚く御礼申し上げますとともに、ご提供を賜った情報に関しては、今回2つの記事にまとめて、順次ご報告させていただく次第です。本件に関心のある読者・関係者の皆様がたにとって、高専の抱える諸問題の実態を知るうえで、有益となれば幸いです。


今回素性が大きく明らかになった猿田智男・群馬高専現事務部長。この経歴を覚えられたし。

■群馬高専の異常なまでに頑なな隠蔽姿勢がいったい何によって駆動されているのか? この命題について、当会では様々に分析を重ねてきましたが、提供情報によれば、17年4月から群馬高専事務部長の座にある猿田氏が、そのキーパーソンとなっているようです。

 入手した猿田事務部長の経歴を確認すると、14年4月に国立高専機構の総務課長になって3年間勤めたあと、昨年4月から現職にあることがわかります。すなわち機構本部から群馬高専の最高幹部として送り込まれた形となりますが、この目的の一つが、群馬高専の運営に機構本部の意向を反映させる、端的に言えば、支配するためである可能性が高い、というのです。

 当会として、猿田氏に関しては、昨年6月の面談時に対面した以外ではこれといって接触する機会もなく、山崎校長の陰でひっそり転属し情報も無かったことから、高卒から蛍雪の功で事務部長に登りつめた人物といった程度の印象しか抱いていなかったため、この視点については完全に盲点でした。

■では、高専機構・各高専の内部運営について都度説明を加えつつ、群馬高専と高専機構、そして猿田氏のウラ事情について詳細を見ていきましょう。

 ここで猿田氏を語る上でもっとも大きな要素のひとつが、「信州大学」です。長野県唯一の4年制国立大学として知られますが、猿田氏の経歴を再度見返すと、高校卒業後すぐの1977年4月にここに新規採用され、以後生涯のキャリアの大半をここで過ごしていることがわかります。これは、猿田氏の生まれ故郷が長野県であるからに他なりません。

 それから30年後の07年4月には信州大学の課長補佐まで登りつめますが、情報提供者いわく、このあたりから猿田氏のキャリアに「異変」が起こったようです。

■それまで奉職していた信州大学内で猿田智男氏がどのように思われていたかというと、実は評判はあまり芳しくなかったようです。というのも、異様に上昇志向が強く、部下に対して高圧的な態度を取り、上に対しては忠実な“犬”となってゴマをする人物だったためです。

 さらに前述のとおり07年には課長補佐にまで登りつめていましたが、ここから信州大の課長になろうと血走り、猿田氏は自ら課長候補として自分を売り込みます。しかし、これが裏目に出てしまったようです。信州大学では上司から声を掛けられて課長(候補)になるのが慣例であるにも関わらず、上昇志向のあまり“犬”であることを珍しく忘れてしまいました。

 こうして、慣例を破ってしまった猿田氏は、せっかく取り入ってきた上司からも不興を買ってしまい、結果として信州大で課長になる道は閉ざされてしまいました。

 経歴を見ても、08年4月から長野高専総務課長になっており、上も下も敵だらけになった彼が課長のポストを得るため信州大を飛び出ざるを得なかったことがわかるとともに、この時から彼が高専機構に本格的に関わり始めていることがわかります。

■その後14年4月から高専機構の総務課長に抜擢された猿田氏ですが、本人の胸中としては「ふるさとの長野県に帰りたい」という想いがあったようで、部長に昇格するにあたっては信州大か、長野高専への配属を希望したようです。しかしながら、それまで積み重ねてきた所業のせいか、信州大からも長野高専からも人望を完全に失っており、部長として長野県に凱旋する夢は絶たれてしまいました。

 長野高専に関しては、彼が2年ほど勤めた時の評判すら散々だったということに加え、職員の大半が彼の本性をよく知る信州大関係者でもあるという事情もあったようで、長野高専関係者の間では猿田氏が部長で来なかったことに安堵していたそうです。

 なお、国立大学や高専の人事は、課長補佐以下と課長以上で異動範囲(都道府県内か、そうでないか)が異なっており、前者は近隣異動、後者は広域異動のようです。近隣異動は、主に近隣大学との人事交流によって成り立っています(たとえば、群馬高専であれば群馬大学との交流が主体)。

 この場合、多くは数年程度で元いた機関に帰るなどして再度異動となりますが、出元への復帰を期さない一方通行の場合もあります。高専の課長補佐以下の事務員の三分の一から半数近くは近隣大学等からの人事交流によります。このように人材がかなり流動的なため、同県内だと他機関でも職員の評判は筒抜けであるようです。

■閑話休題、こうして行き場をなくしてしまった猿田氏ですが、彼を持て余す形となった高専機構は群馬高専に目を付けました。長野の隣りで、しかもオンブズマン対策のため「上」の命令を忠実に聞く機構の人材が求められる場所であったため、うってつけであったようです。部長ポストを欲していた猿田氏も二つ返事でこれを受け入れ、かくして猿田・群馬高専事務部長が誕生したのでした。

 他方、同じく17年4月から群馬高専校長となった山崎誠氏ですが、まだ現職に就いて日が浅いため、オンブズマンへの対応に関しては自分で考えられず、機構とのパイプが深い猿田事務部長の言うがまま、という形になっていることが強くうかがえます。

 確かに、教員上がりのまま裁判やオンブズマン対応をやれと言われても、事務方に頼りきりにならなければ厳しい部分もあるでしょう。高専機構もそれを見透かしたうえで今回の配置を行っている可能性があります。

■さらに、山崎校長の一挙手一投足を監視することにより、群馬高専が万が一にでも機構の思惑から逸脱した「独自行動」をしないよう、くびきとして猿田事務部長を充てているという見方もできます。すなわち、現在、群馬高専のオンブズマン対応はじめアカハラ・寮生連続不審死事件等の諸問題の隠蔽行動の軸となっているのは、猿田智男事務部長である可能性が非常に高いということになります。

 今から思えば、昨年6月6日の群馬高専でのオンブズマンと山崎新校長らとの会合では、山崎新校長を差し置いて、猿田事務部長がずいぶん丁重な口調で、しかし当会の質問のポイントは適当にはぐらかし、あらかじめ用意していたスカスカな内容の回答を読み上げるなど、対応を実質的に取り仕切っていた感があります。

 なお、昨年6月の猿田氏と山崎校長との面談時の様子は次のブログ記事を参照ください。
〇2017年6月15日:【詳報】群馬高専のアカハラ等問題について4月に着任の新校長ら幹部とオンブズマンの会合の一部始終
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2344.html

 また、猿田事務部長が櫻井課長にあれこれ指示せず気遣っているように見えたのは、櫻井課長が猿田部長をやっかんでいるからというよりは、実は猿田部長自身が本件を取り仕切るために、櫻井課長には後ろで会話記録をメモさせておき、単に上から目線で下働きをさせておくだけであった、というのが本当のところであったということになります。この点に関しては当会の観察・洞察の不明・不足を恥じ、深くお詫び申し上げたいと思います。

■また、提供情報によると、高専プロパーが高専校長となる場合は、しがらみ(癒着)を無くすため、在籍していた高専の校長にはなれないという暗黙の了解があるそうです。

 そうなると以前当会が仮説の一つとして挙げた「長岡高専校長の座を巡るレース」はとくに起こってはいなかったということになります。とすれば、ますます山崎校長が主体的かつ執拗に高専機構・文科省・西尾前校長に忖度する動機が薄くなってきます。

 ここで今回の情報提供を踏まえれば、上昇志向が異様に強く、「上」の言う事に極めて従順な猿田氏が、高専機構によって、山崎校長の「サポート」かつ「目付役」として送り込まれ、結果として群馬高専が機構のいいようにされているというのが、現状のひとつの見方なのでしょう。

 そしてアカハラ事件不開示訴訟に関する控訴や、「校報」人事情報・弁護士費用情報全面不開示などの異常なまでのオンブズマン敵視・徹底抗戦姿勢は、猿田事務部長が駆動力となっているということになります。

■考えれば、「徹底抗戦」に関しては、群馬高専としても文書作成や関係各所(機構本部や弁護士事務所)との調整、会議など相当な労力を要するはずであり、まして控訴となれば貴重な群馬高専の予算から膨大な額の訴訟・弁護士費用までもが飛んでいく訳です。

 我が国の今後を担う若人に使われるべき貴重な教育予算なのに、「なぜ、たかが文書数枚の為に、しかも無理筋な不開示に、ここまでの人的・金銭的リソースを投入できるのか? 素直に開示すれば遥かに楽に済むのではないのだろうか?」ということが群馬高専の異常性を象徴する疑問として長らくオンブズマンの頭の中にありました。

 この答えのひとつとして考えられていたのが、西尾前校長が逃げ切るまでの時間稼ぎですが、それだけではないのではないだろうかと思っていた矢先に、もう一つの切り口として猿田事務部長という答えが現れてきたことになります。

 つまり、群馬高専が些細な隠蔽にまで人的リソースの投入を躊躇しないのは、猿田事務部長が部下に対し横柄で高圧的で、そして罪悪感を抱かずに「徹底抗戦」のために部下をこき使えるからであって、さらに群馬高専が下らない控訴にまでその貴重な予算を投入できるのは、猿田事務部長にとって群馬高専、ひいては群馬自体がたんに成り行きで来ただけの何の思い入れもない学校であり、土地だからということでしょう。

■さて、“桃太郎”である機構の下、その“犬”として“キジ”の如く飛び回り八面六臂・獅子奮迅の活躍を見せる“猿”田部長ですが、こうなると我々オンブズマンは、(隠蔽・天下り)日本一の高専機構や一人三役をこなす猿田部長はじめ群馬高専職員からしてみれば、さしずめ鬼ヶ島の鬼ということになります。

 実は、この見方は冗談ではないようです。というのも、情報提供によれば、群馬高専職員が、「性悪のオンブズマンに噛みつかれているが、大したことは無い」と豪語していたというエピソードがあるようです。あたかも当会の活動を、暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する反社会的勢力と勘違いしているかのようです。

 何人もの人生を歪ませておいてどちらが“性悪”なのか、もはや論評にも値しませんが、あれほど報道までされても自分たちを客観視できずにオンブズマンを「イチャモンをつける性悪集団」扱いしているとなると、どうしようも無いところまで腐敗しきっているとしか言いようがありません。

■そして、猿田事務部長が群馬高専の徹底抗戦の原動力となっているとして、山崎校長はじめ他の群馬高専現幹部らの責任が軽くなるわけではありません。

 山崎校長とて、名古屋大学で博士課程まで進み、以後学問の探究者としてその生涯を捧げてきたわけですから、思考停止に陥らされ、薄汚い役人どもの思惑に屈するいわれはまったくないはずです。

 だから、山崎校長には、己の倫理観と常識と経験と教育者・研究者としての誇りに基づいて、自らしっかり考えてご行動いただきたい、と強く感じているのは決して当会だけではないはずです。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告・この項続く】⇒「隣県長野からの情報②…隣県も文科省天下り校長で大迷惑?長野高専の実情」
https://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2603.html

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする