暖かい雪

成人式は雪
小雪舞い散る
庭の眺めに
小鳥来て赤い実啄ばむ

孫をおぶって
舞い散る雪を
見るは温かく
成人の日の
なぜに寒い季節に
催すことを続けて

戦後
６０年は過ぎ行く

孫のほほも
ふっくらと
首を隠して
つぶらな目
いとおしく

いっしょに
ほほえんで
いっしょに
はいはいの
真似事をし

まんまと言えたり
ばぁばと言えたり

ママを求めて
ふんふん甘え
ばぁばからの
腕を乗り越え
抱っこされて

雪よ
小雪よ
この正月の植物の上で
積もりながら溶けながら
家族の繋がりを
やさしく受け止める

雪の中の小鳥
低く飛んで
啄ばむ実
雪に濡れ
羽の音
聞こえ来て
風の姿
薄く消える

正月の雪
孫をおぶって
楽しい
ばぁばの
暖かき雪